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観葉植物のカイガラムシ駆除と予防方法

害虫・病気

一度発生すると駆除が難しい害虫、カイガラムシの駆除と予防方法についてまとめているページです。

カイガラムシは屋外の植物に付きやすい害虫ですが、室内の観葉植物にも発生してしまう事があります。

室内の場合はカイガラムシの侵入経路を塞いだり、日頃の予防が大事なのでそのチェックポイント等を解説していきます。

なぜ室内の植物にカイガラムシが発生するのか?

普段、日当たりの良い窓辺に置いているから外に出しているわけでもないのに、ふと見たら何かついている。

もしかしてカイガラムシ!?という驚きと同時に大量発生していて見た目にも厳しい状況になっている事も。

カイガラムシはカメムシ目ヨコバイ亜目腹吻群カイガラムシ上科に分類される総称で世界では7,000種類以上、日本国内では400種類以上の種類が確認されています。

種類によって動く種類と同じ場所にいて動かない傾向がある種類といますが、カイガラムシはどこから入ってくるのか不思議に感じますよね。

カイガラムシは窓から侵入する可能性がある

考えられる原因としてはまず窓を開けている時。

カイガラムシは小さいので風に乗って飛ばされて移動する場合があります。風を経由してたまたま室内に入り込み、室内の観葉植物についてしまうという可能性もあると考えておきましょう。

カイガラムシを外から持ち込んでしまうケース

もう一つの原因は人が外からカイガラムシを持ち込んでしまう可能性です。

新しく観葉植物を買ってきた時や、スーパー等に並ぶ果物にもカイガラムシが付着している場合があります。

買ったばかりの観葉植物はよく観察し、暫くの間は他の植物と距離を置いて管理しておきましょう。買ってきた果物はヘタの部分をよく観察し、これも室内の植物には近づけないように保存しておくのがおすすめです。

普段、室内で管理している観葉植物は害虫のリスクは少ないですが、カイガラムシの場合はこのような経路で侵入してくる可能性も考えられるのです。

カイガラムシが好む環境

カイガラムシは物陰等の暗い場所、そして風通しが悪い場所を好みます。

例えば植物にカイガラムシがつくとしたら葉が茂っていて風通しが悪い場所、そして葉の裏の若干暗い場所という事になります。

普段お手入れを放置してどんどん葉が茂ってきているという時は適度に葉を剪定して風通しを良くしたり、たまに病虫害がないかをチェックをしておかないと繁殖する可能性もあります。

たまたま葉をかき分けてみたり葉を裏返してみた時にカイガラムシがびっしりついていた、という状況にならない様に注意してください。

カイガラムシの被害

カイガラムシは葉や枝についてあまり動かないという見た目なので気が付きにくい場合もありますが、放置しておくと植物の成長に大きな影響を及ぼします。

他にもカイガラムシは繁殖しやすいという傾向がありますので大量繁殖してしまうと見た目にも不快な状態になります。

実際にカイガラムシがつく事によりどの様な被害が出てくるのかをご紹介していきます。

美観を損ねる

カイガラムシは放置していると繁殖していく可能性がある事をご説明しました。

成長過程では、フジコナカイガラムシの場合、以下の日数です。

  1. 卵から孵化までが7日
  2. 孵化から成虫になるまで24日
  3. 交尾から産卵まで12日(雄は交尾後、一生を終えます)

大体、卵から孵化して1ヶ月ちょっと経過したあたりで新たに卵を産む可能性があるという事ですね。

種類によって産卵する回数に違いがあり、バラシロカイガラムシで年に2~3回ですが、コナカイガラムシは年に数回ともいわれています。

コナカイガラムシを一例でご紹介すると、1回の産卵で10個前後の卵を産むといわれています。

卵が孵化して成長し、新たに産卵をする、この流れを繰り返していく事で数か月後には枝や葉の裏にびっしりカイガラムシがついている可能性も。

見た目にも不快な状況になりかねません、成長にも影響が出てきますので、美観が損なわれる様になります。

樹液を吸われるため植物が弱る

カイガラムシはストローの様に細長い口吻を突き刺して植物の養分を吸い取りながら生きています。

腹吻群に分類されるカイガラムシは、一部は成虫になっても動き回る種類もいますが、多くの種類は成虫になってから同じ場所にとどまり同じ場所で樹液や養分を吸って成長していき、足は退化する傾向があります。

植物に寄生したカイガラムシが徐々に繁殖していき、多くのカイガラムシから養分や樹液を吸われると、植物や木も栄養を損なわれ充分な成長が出来なくなるだけではなく、植物自体が弱ってしまう可能性も出てきます。

病気が発生しやすくなる

カイガラムシがつく様になると病気が発生しやすくなります。代表的なのがすす病とこうやく病です。

すす病

カイガラムシ すす病

枝や葉に黒いすすがついた様な病変が見られる病気です。

カイガラムシは養分や樹液を吸うだけではなく排泄物や分泌液も出しています。この排泄物や分泌液はカイガラムシの体の中で使い切れずに排出されている糖分が含まれており、この糖分を栄養にしたすす病菌が増えていく事で起こります。

こうやく病

カイガラムシ こうやく病

植物や木の枝や幹に赤褐色や灰色のカビが発生する病気で、徐々に病変が広がりやがては枝枯れを起こす場合もあります。原因はカビの一種のこうやく菌です。

こうやく菌はカイガラムシの体に共生している事が多いので、カイガラムシの発生と共に病変が見られる様になる事も多いです。

アリやアブラムシを呼び寄せる

カイガラムシがつく様になった時に気を付けたいのがアリやアブラムシの大量発生です。

カイガラムシは木や植物から吸った樹液や養分の不要な糖分を排泄する傾向があります。触った時にべたべたする不快な感触があるのは、カイガラムシの排出物に含まれていた豊富な糖分なのです。

この糖分を目当てにアリやアブラムシも発生しやすい状況になり、更に病虫害が出やすい環境を作り出す事になります。

カイガラムシの効果的な予防方法

気が付いたらたくさん木や植物にくっついていた!という状況が多いカイガラムシ。

繁殖してしまうと更なる病虫害の原因になりますし、成長にも影響が出てきてしまいます。そして何より繁殖した状況は見た目にもかなり不快に感じるというのが本音です。

カイガラムシはある程度対策をとる事で予防する事もできますのでお試しください。

葉の裏や付け根を細かくチェックする

カイガラムシが好んで規制しやすい場所は、葉の裏や葉の付け根付近の枝です。

この場所にカイガラムシがついていないか、たまにチェックする事をおすすめします。カイガラムシが孵化してから成虫に育つまでに約1ヶ月程度と考えると、月に1回~2回程度のペースで確認してみると良いでしょう。

とにかく繁殖して卵を産んでしまう前に、早めに見つけて駆除する事がポイントです。

選定して風通しを良くする

カイガラムシは暗い場所の他にも風通しが良くない場所を好みます。植物や木に関していえば、葉の茂りが良すぎて風通しが悪くなっている場所についてしまう可能性があるという事です。

見た目に葉の茂りが良くなりすぎて気になる場所が出てきた場合は、適度に剪定を行い風通しが良くしてみてください。風通しの悪さは他の病虫害の原因にもなる場合も。

剪定管理をしてあげるだけでもカイガラムシの予防になります。

カイガラムシの効果的な駆除方法

カイガラムシを見つけたら早めに駆除する事をおすすめします。

もし、カイガラムシが発生している近くに卵を見つけた場合はティッシュでふき取る駆除が可能ですが、成虫になると硬い殻に覆われているものが多いため、普通にふき取る程度では駆除が出来ません。

成虫は手作業になりますが、こすり取る方法で駆除していくのがおすすめです。

歯ブラシでこそげ落とす

カイガラムシの駆除方法で一般的ともいわれているのが、使わなくなった歯ブラシを使ってカイガラムシをこそげ落とす方法です。

観葉植物に鱗のように付くヒラタカタカイガラムシにはこの方法が特におすすめです。

こすりながらカイガラムシを落としていくので、体液が出たり中には体の中に卵が入っている成虫もいる可能性があります。

駆除を行う前に手袋をしておくことをおすすめします。服に飛び散るの事もありますので、対策として使い捨てタイプのビニールカッパを着用して作業を行うと便利です。

擦った時に落ちた残骸に卵が含まれていると再びカイガラムシが発生する原因となりますので、落ちた残骸も掃除しておきましょう。

歯ブラシでこすりながら駆除する方法はある程度ついているという状況までは有効ですが、あまり枝や葉にびっしりついている場合は枝ごと切り落とした方が確実性があります。

切り落とした場合は枝ごとビニール袋に入れ回収して処分しましょう。

カイガラムシの駆除剤を使う

カイガラムシの駆除方法の一つとして殺虫剤を使用する方法もあります。特に成虫になる前の幼虫は効果的です。

ここ最近では成虫にも効果的なジェット噴射タイプの殺虫剤も登場しています。

使用の際に花には直接かけない、長時間同じ場所にかけないといった注意点はありますが、手軽に駆除できるので、状況に応じて使ってみるのも良いでしょう。

室内の観葉植物に使う場合は、屋外に出してからスプレーしてください。

また、カイガラムシは発生した場合、翌年も発生する例が多く見られます。駆除した後の冬にスミオチンやオルトラン等の薬剤を使うと予防処置を行いやすいです。

まとめ

カイガラムシは目立ちにくい場所に発生する傾向があるため、あまり植物や木の様子を観察していない場合はかなり繁殖してから見つける場合もあるでしょう。

卵・幼虫・成虫と成長過程に合わせた駆除方法になりますが、あまり繁殖量が多い場合は枝ごと切断するという選択肢も考えてください。

木や植物が弱ってしまう原因となりますので、注意しておきたい害虫の一つ。

室内管理でもついてしまう事がありますので、普段から定期的に変わった様子はないか確認をして、見つけ次第早めに駆除してください。

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