庭木として植えるなら自分の好きな木や気になっているものを植えてみたいですよね。
ただし、植えるものを選ぶ前に縁起を気にするようであれば、このページを参考にしてみてください。日本人は語呂合わせで縁起をかつぐ事があり、中には縁起が悪い語呂合わせの植物もあるのです。
サルスベリ
夏になるとピンクや白いきれいな花をたくさん咲かせてシンボルツリーとして選ばれる事が多いのがサルスベリ(百日紅)です。
サルスベリが庭木として適していない理由が諸説あります。まず、樹皮がツルツルな特徴的な木でもあるので、落ちるといった語呂合わせから縁起が良くないとされています。風水でも樹皮がツルツルしている木は災いが訪れると考えられているのです。
地域によっても違いがありますが、秋田県では病人が出るといったいわれもあります。
そしてサルスベリは寺院や神社に植えられる事が多い木という理由で、植えるのを避けた方が良いという例もあるようです。
ウツギ
卯の花(うのはな)や雪見草という別名でも呼ばれているウツギの木。
千葉県では、植えると人や家人が死ぬ、新潟県ではウツギバナを屋敷に植えると不幸があるといった迷信があります。
ウツギの木は中が空洞になっている特徴から、漢字で書くと空木、卯木と書き、うつ(空)が無を連想させるといった考えからこの様ないわれがあると考えられます。
他にもタニウツギに関しては、タニウツギの枝で棺用の釘や、骨を拾うための箸が作られていたため、葬儀のイメージも強いのかもしれません。結果として死というイメージにつながりやすくなったようです。
カラタチ
カラタチは昔の家では庭木として植えられていました。低木樹なので、垣根として利用しやすいという理由もあったのかもしれません。
カラタチに関しては、以下の迷信があります。
- 秋田県:植えた人が死ななければ実がならない
- 岡山県:植えた人が死ぬ
- 群馬県:滅ぶ、一家離散、子孫が絶える、家の周りにカラタチを植えると家が空になる
いずれもカラタチという名前でカラ(空)のイメージにつながりやすいのかもしれません。
また、「植えた人が死ななければ実がならない」という言い伝えに関しては、実がつくまでに年数がかかる木に対して見かける事が多いです。カラタチは直植えしてから実がつくまで8年前後かかっている例も見られ、このような迷信が出ていると考えられます。
藤
4月過ぎから紫や薄紫、ピンク、白といったきれいな花を咲かせる藤の木。藤園で藤がたくさん植えられている場所はとても壮観です。
花を観賞している分にはとても素晴らしい植物というイメージになりますが、藤には病人が絶えない・家が繁盛しない・家の中がもめる等の迷信が多く聞かれます。藤は下向きに成長していく傾向があるので「成り下がる」という言葉のイメージにつながりやすいです。
他にもつるを伸ばして成長していく植物は、つるが絡まるというイメージから家を倒す・家を絞め殺すといったイメージになることも考えられます。
他にも藤の名前から不治の病という語呂合わせで縁起が悪いといったいわれがあるのですが、その一方、藤=富士という語呂合わせからか縁起が良いと捉えている例も見受けられます。
ボケ
春になると赤やピンクのキレイな花を咲かせるボケの木の花言葉は「先駆者」、春を招く縁起の良い木としても知られていますが、縁起が悪いと考えている地域もあるようです。
岐阜県では、ボケの花を家に持って帰ると親が死ぬ(ボケる)といった迷信があります。
日本人にとってはボケるというイメージにつながりやすいボケの木ですが、本来は木瓜(もっけ)という呼び方でした。もっけからボケと呼ばれるようになったので、正確にはボケとの関連性は少ないのかもしれません。
ソテツ
ソテツは一見、ヤシの木の様な見た目と存在感がありますね。
ソテツは縁起が良い、縁起が悪い両方の迷信があります。地域により諸説ありますが、主人・家人が死ぬという説の他に、病人が絶えない・貧乏になる・家が繁盛しないといった言い伝えもあります。
ソテツは鉄分を多く含み、成長のサポートとして鉄分を与える目的で鉄くぎを幹に打ち込む庭師もいるほど。蘇鉄という名前の字も鉄分で蘇生するという意味合いではないかと考えられています。
鉄分を取り込むという点から「金食い樹」ともいわれていますし、語呂合わせ的に祖鉄と捉え、「粗末で金を失う」という説も。
ただ、江戸時代の武家では権力や財力の象徴として蘇鉄が植えられていた事実もあります。そのため昔から存在する名が知れている家では蘇鉄が植えられていることが多いです。
桐
平安時代から日本でも尊重される様になり、春になると紫色の花を咲かせる桐の木。中国では霊鳥の宿り木として扱われ、西洋ではプリンセスツリーとも呼ばれています。
縁起に関して桐は、病人が出る・病人が絶えないといういわれもあり、キリという言葉で「キリがない」というイメージとつながりやすいのかもしれません。また、桐を植えると「それきり」と考え財力が伸びないといった迷信がある地域もあります。
他にも木が家の屋根より上に伸びると凶兆といったいわれがある地域もあるようです。木は成長しすぎると風通しや日照を遮る傾向があるために、この様な言い伝えが出た可能性があります。
ただし、昔は女の子が産まれたら桐を植え、嫁入り時に桐のタンスを持たせる習慣もありました。桐は高熱による炭化で断熱効果もあることから、火事に備えてこの様な風習があったと考えられます。
クチナシ
初夏になると真っ白で美しい花を咲かせるクチナシ。
名前からくるイメージが関係しているのでしょうか。日本では「死人に口なし」という言葉がイメージにつながったのかもしれません。
ある地域では病人が絶えないという言い伝えもありますし、「嫁にもらうくちなし」という語呂合わせで、女の子がいる家ではクチナシを植えない方が良いという説もあります。
本来はクチナシの名前の由来として、果実が熟しても実が割れない特徴があり、「割れ口がない」という事から由来していると考えられています。クチナシは「喜びを運ぶ」「洗練」といった花言葉です。
西洋では「天使が地上に降ってきた花」と表現される縁起の良い花として扱われているので、捉え方次第と考えれば良いと思います。
まとめ
日本の縁起に関しては、語呂合わせによって出てくる言い伝えも多いです。
植物に関しても同じで、西洋では縁起がよく幸せを運ぶといわれていたり良い意味の花言葉を持っていたとしても、日本の語呂合わせで良くないイメージにつながると縁起が悪いという扱いになる場合も。
一例として、ここ最近観葉植物でタコの足のようにも見えるという意味合いと語呂合わせからでしょうか。縁起が良い植物「多幸の木」といった呼び方で流通しているガジュマルの木があります。
大きく成長すると他の木に絡みつくので「絞め殺しの木」という別名もあるので、縁起が良い、悪いが両方存在している植物は多いです。植物に関しては色々な説や考えが出てくるものだなと感じました。
植える植物は自分の好みで決めるものなので、「植えたいけれど縁起的に良くないの?」と思うものがあった時、このページを見て参考にしてくれればと思います。