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食べる時は注意!実は毒がある身近な植物まとめ

まとめ

私達の回りには、大きな体調不良を起こす程のものではないけれど、実は毒性を含んでいるという身近な植物が存在します。

今回、ご紹介する植物の中には「え、昨日食べたばっかり」というものもあるかもしれません。中には一般的な食材として食べられているけども、条件が揃えば有毒化してしまうという植物もあります。

このページでは、「毒がある身近な植物」についてご紹介していきます。

ジャガイモ(毒性:ソラニン)

肉じゃがやカレー、ポテトサラダ等、調理次第でおいしく食べられるジャガイモですが、食中毒率も高い野菜の1つ。塊茎部分に自身を守る目的でソラニンと呼ばれる毒性成分を作り出しているのです。

ソラニンはステロイド系アルカロイドで、明るさを感知してソラニンを増やしていきます。ジャガイモの全草に含まれ、特に塊茎部分に多く含まれているのです。

ジャガイモは小さい芋を避け、芽の部分をしっかり取り除いて調理するのが基本です。その他には、日光や電灯の灯りに長時間さらされたジャガイモも避けましょう。ジャガイモに光が当たりソラニンが増えている可能性があります。

ソラニンが体内に入ると、腹痛・嘔吐・下痢・めまいを起こします。

トマト(毒性:トマチン)

トマトは昔、食用ではなかったという話はご存知でしょうか。

15世紀~16世紀にヨーロッパに持ち込まれたトマトは食用とはされず、イタリアに渡った際も観賞用として利用されてきました。

その後、トマトソースとして認知されてからトマトは食べられるようになってきています。トマトにはトマチンと呼ばれる有毒成分が含まれています。

食用とされる果実部分には問題ない程の微量が含まれている程度ですが、葉茎には果実の約2,000倍以上のトマチンが含まれています。

海外ではハーブティーや料理のアクセント的に使われる事もありますが、体内に入ることで不快感、胃腸の不調といった症状が出る場合もあります。

トマトを調理する時は、果実の部分だけにしておいた方が無難でしょう。

インゲンマメ(毒性:フィトヘマグルチニン)

インゲン豆といえば煮豆、甘納豆、海外ではポークビーンズやカレー等、色々使えますよね。

その一方で、インゲンマメにはフィトヘマグルチニンと呼ばれる毒性成分が含まれています。インゲンマメの食中毒は意外に多いです。

以前もダイエットに効果があるという事で「白いんげん豆を数分間炒って粉末にしてから食べる」方法を聞いた事があるかもしれません。

実際に実践し、食中毒を起こしたという事例があるのです。フィトヘマグルチニンは体内に入ってから2時間~4時間程度で下痢・嘔吐・腹痛といった症状が出てきます。

胃腸の粘膜部分に炎症を起こすのですが、4粒や5粒程度で発症する可能性があるという点には注意したいところ。

インゲン豆を料理する際に絶対守りたいのは、充分に水に浸し柔らかくなるまでよく煮るという調理が食中毒を避けるためのポイントとなります。

ズッキーニ(毒性:ククルビタシン)

炒め物や焼き物、ラタトゥイユにも最適なズッキーニ。実際に栽培してみるとぐんぐん成長し、一株でたくさん収穫できる野菜です。

ズッキーニでも食中毒事例の報告があります。ズッキーニで注意したい毒性成分はククルビタシン類です。

ククルビタシン類は苦み成分の1つで食中毒が発生した事例では、食べた時に苦みを感じたという報告があります。

症状としては下痢や腹痛なのですが、かなりつらい症状だという話も聞かれるので、出来れば避けたいものです。ククルビタシン類が発生する条件としては、まだ未熟な段階で収穫しているものを使用している可能性があります。

ズッキーニは未熟の段階では収穫をしない、もし食べてみたズッキーニに苦みを感じる場合は。念のため食べるのをやめておく選択肢をおすすめします。

ユウガオ(毒性:ククルビタシン類)

ユウガオというと、かんぴょうとして使われているイメージがあると思います。その一方で白い大きな花を咲かせる事から観賞用として育てているというお宅も。

ユウガオはククルビタシン類の毒性成分を含んでおり、体内に入った場合は嘔吐・腹痛・下痢を引き起こします。

食品として流通しているユウガオは、有毒成分の心配が少ない改良品種が出回っているのですが、相手は植物という事を忘れてはいけません。稀にククルビタシン濃度が高い株が混ざる場合もあるようです。

ククルビタシンによる食中毒を避けるポイントとしては、口に入れた際に苦みを感じる場合は食べるのをやめておきましょう。

ゴーヤ(毒性:ククルビタシンE、モモルディシン)

健康食品ブームや温暖化対策のグリーンカーテンとして一時期注目されたゴーヤ。

苦みがある分、体に良さそう!と思って食べている人もいるかもしれませんが、ククルビタシンEモモルディシンという毒性成分を含んでいます。

ククルビタシンといえばユウガオやひょうたんにも含まれる苦みの物質です。ですので、一応食べすぎには注意したいところです。

そして、黄色く完熟したゴーヤを食べる際には特に注意が必要です。

完熟したゴーヤは苦味が消え、中の赤い果肉はとても甘く美味しいという情報があります。ただし、苦味自体は消えているかもしれませんが、完熟していくにつれてモモルジンと呼ばれる毒成分が増えていきます。

食べ過ぎると吐き気、嘔吐、下痢を引き起こす事がありますので、完熟したゴーヤは食べるのを控えておいた方が良いでしょう。

ギンナン(毒性:ギンコール酸、ギンコトキシン)

ギンナンは茶碗蒸しには欠かせなく、炒って食べても美味しい秋の味覚です。ギンナンは生きている化石とも言われているイチョウから採れる種子になります。

イチョウの葉は医療にも利用されているのですが、葉にはギンコール酸と呼ばれるアレルギー成分も含まれています。体内に入ると、腹痛・湿疹・下痢といった症状を起こす可能性があるので扱いには注意したいところです。

ギンナンにはギンコール酸の含有量は少ないものの、ギンコトキシンと呼ばれる毒成分を含みます。

多食した場合、けいれんや重篤な症状を引き起こす可能性があるので食べ過ぎには注意が必要です。

ウメ(毒性:アミグダリン、プルナシン)

梅の花が咲くともうすぐ春が来るなと感じますよね。身近なところで考えると梅干しもあります。

健康面で梅肉エキスをや梅酒もあり、利用用途が多い梅ですが、青梅にはアミグダリンプルナシンという毒性成分が含まれています。

どちらも青酸配糖体で、これらの物質自体に毒性はないのですが、体内に入り加水分解されるとシアン化水素の青酸ガスを発するため体への影響が出るのです。

青酸ガスの働きによりミトコンドリアの働きが阻害され、悪心・嘔吐・めまい・血圧の低下・歩行困難・意識混濁の症状が出る事もあります。

しかし、この毒性は青梅の段階でのお話です。

しっかり加工していく段階で酵素の働きにより青酸配糖体が無害な糖に変わるので問題なく食べられます。

ただし、種の中の仁と呼ばれる部分にはご注意ください。

青酸配糖体の量が多いので、積極的に食べるのは控えておきましょう。

アマチャ(毒性:不明)

ヤマアジサイの中にフィロズルチンと呼ばれる甘味成分を含んでいる種類があり、アマチャと呼ばれ昔から甘味料として利用されていました。第十六改正日本薬局方にも生薬として登録されています。

アジサイの仲間なので、青酸配糖体も含まれており、種類によって成分量の違いも出てくるかもしれません。

過去にイベントでアマチャの葉を採取し、甘茶として飲んだ人達が吐き気や嘔吐の症状を訴える中毒事件が報告されています。

しかし、アマチャのどの物質が原因だったのかが特定できなかったようです。

試飲研究によると10倍でも悪心が起きるため、10倍以上に薄めて飲むという報告もあります。念のため、摂取は控えておいた方が良いのかもしれません。

ちなみにここ最近見かけるリコリス(甘草)が原料となるアマチャは、今回記載しているヤマアジサイのアマチャとは別物となります。

コンフリー(毒性:ピロリジジンアルカロイド類)

昔、コンフリー(ヒレハリソウ)を常食している人たちが長寿だったという報告がきっかけで、コンフリーは世界中で健康野菜として注目されていました。

20世紀末あたりからコンフリーの危険性を指摘する国が増え、日本でも2004年以降は食品としての販売は禁止されています。現在では道端に生えている雑草的な存在になりつつあります。

コンフリーは、ピロリジジンアルカロイド類の毒性成分を含み、肝硬変や肝不全、がんの誘発性が指摘されています。実際に肝不全の患者の中にコンフリーとの因果関係が認められた事例も海外ではある程です。

現在では食用は控えておいた方が良いという結論になるコンフリーですが、現在でも小型品種や桃花品種を園芸目的で植えているというお宅も見かけます。

まとめ

今回ご紹介した植物はほとんどが食品として流通し、私達がよく食べているものばかりと驚いたかと思います。

ただし、「毒があるなら今後は食べるのを控えよう…」と言う訳ではなく、正しく調理すれば安全に食べられるものが殆どです。

元々植物は虫などの天敵に食べられない自衛手段として、自らが毒性を持ち絶滅を防ぐ進化を遂げてきました。それから品種改良が進み私達の身近な食料植物として栽培され、毒性自体も少なくなる研究もおこなわれている状況です。

野菜にはビタミン類、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれていて私達の生活には欠かせない存在ですので、正しい知識を持ってこれらを扱い上手に食品として付き合っていきましょう。

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