大事にしている観葉植物が枯れてきた!最近元気が無い!そんなよくある観葉植物のトラブルの原因と対処方法をこのページで解説します。
原因によって対処方法が違ってくるので起きている症状からトラブルの原因を探してみてください。
根腐れの症状と対処方法
植物の根が腐っていく症状を根腐れと呼びます。根腐れは根の先端が徐々に腐り始め、それを対処せずにいるとやがて根全体を腐らせ観葉植物が枯れてしまいます。
根腐れは厄介なトラブルですが初期であれば対処しやすいので、観葉植物に下記症状が起きていないかを確認します。
症状
- 水をあげていても全体が萎れてくる
- 葉の色が悪い
- 葉が茶色く腐るように枯れる
- 根本がブヨブヨしてくる
- 土がいつまでも乾かない
- 土からカビやキノコ臭がする
根腐れの原因
観葉植物が根腐れしてしまう主な原因に下記があります。
- 水のあげすぎ
- 水はけの悪い土を使っている
- 肥料焼け
- 嫌気性菌の増殖
- 根にダメージを与えてしまった
大きすぎる鉢に植えたり、高頻度で水やりをしていると土が常に湿って乾かず、根腐れの原因となる細菌が増えてしまいます。水やりは土が乾いたのを確認してから与え、観葉植物の大きさにあった鉢に植えるのが一番の予防策です。
また、植え替え時に根にダメージを与えてしまうと水を吸う力が落ち、結果的に土が乾きにくくなります。植え替えをする時には根も整理のためカットする事があると思いますが、土は清潔な新しいものを使い植え替え直後は水やりを程々にして管理しましょう。
根腐れの対処方法
観葉植物の根腐れに気づいたらなるべく早めに対処します。根全体に根腐れが広がっていないのであれば下記手順で対処できます。
- 鉢から植物を抜き土をなるべく落とす
- 傷んだ根や腐っている部分はハサミでカットする
- 適切なサイズの鉢を選び、水はけの良い清潔な土に植える
- 水やりを控え風通しの良い明るい日陰で管理する
- 肥料や活力剤は元気を完全に取り戻してから与える
元気が無いからと言って肥料や活力剤を使うのは控えましょう。まずは根腐れの進行を止め観葉植物が自力で再生するのを待ちます。
他には鉢底に底鉢石(パミス)を敷いたり、ゼオライトやミリオンA(珪酸塩白土)を混ぜ込むという根腐れの予防方法もあります。園芸で利用する土の種類や特徴は下記にまとめていますので合わせてご確認ください。
根詰まりの症状と対処方法
観葉植物が成長し鉢の中が根で一杯になる現象を根詰まりと呼びます。酷い状態だと鉢底で行き場をなくした根がグルグルと巻かれるサークリング現象が起きます。
根詰まりが起きると根が水や栄養素を上手く吸えなくなり枯れ始めます。根詰まりは植物が成長する過程で必然的に起こるトラブルでもあるので、観葉植物に下記症状が出ていないかを日頃からチェックしておきましょう。
症状
- 水の吸い込みが悪い
- 葉の色が悪い
- 葉が黄色くなって枯れる
- 鉢底から根がはみ出している
下の画像は根詰まりを起こしたポトスの黄色く変色した葉っぱです。
根詰まりが起きると根本に近い葉がこのように変色し枯れ落ちていきます。根詰まりを放置しておくとこの症状が連鎖し葉がどんどん落ちて茎だけになってしまうので、初期のうちに対処しましょう。
根詰まりの対処方法
根詰まりをした場合は植え替えを行う事で対処します。一般的な観葉植物の植え替え方法は下記のようにやります。
- 植物を鉢から引き抜き土をなるべく落とす
- 傷んだ根や伸びすぎた根をハサミでカットし整理する
- 傷んだ茎や葉をカットして株を整える
- 一回り大きなサイズの鉢の植える
- 土は水はけの良い清潔な土を使う
- 水やりを控え風通しの良い明るい日陰で管理する
- 新芽が伸びてきたら元の場所に戻しいつも通り管理する
植え替え直後は根腐れを起こしやすい状態でもあるので、水やりは控えめに行い肥料や活力剤を与えるのはしっかり馴染んでからにしましょう。
植え替え方法については下記ページでも詳しくまとめていますので合わせてご確認ください。
葉焼けの症状と対処方法
葉の一部または部分的に色褪せ、茶色いシミや枯れが出る症状を葉焼けと呼びます。日差しの強い場所に観葉植物を置いているとなってしまうトラブルで病気ではありません。
葉焼けは強すぎる日差しで葉が傷んでしまう症状で、夏場は特に注意が必要です。葉焼けは育成環境に起因するトラブルですので環境を改善してあげればすぐに対処できます。
症状
- 葉の色が悪い
- 葉に茶色いシミが出来る
- 葉の一部が茶色く枯れる
下記は葉焼けを起こしたポトス・グローバルの葉です。
斑入りの品種は特に葉焼けを起こしやすいので、通常品種よりも少し控えめに光を当てるようにしましょう。
葉焼けの対処方法
葉焼けの症状を発見したら置き場所の日当たりが強すぎないかを確認します。直射日光の入る窓際であればレースカーテンを使い遮光を。屋外であれば遮光ネットや寒冷紗を使い環境を改善します。
夏場や季節の変わり目は日の当たり方が変わってくるので日照量には注意しましょう。
また、葉焼けしてしまった葉は元には戻らないので少しであればそこをカットするか、新しい葉が出るのを待ってから整えてあげます。
乾燥による症状と対処方法
植物は元気でも葉の先だけが枯れる時はもしかすると乾燥が原因かも知れません。多湿を好むサトイモ科の観葉植物に起こりやすいです。
枯れるのは葉先の部分だけにとどまり全体には広がりません。主に下記症状が起こります。
症状
- 葉先が茶色く枯れる
- 葉先が黄色くなる
乾燥への対処方法
観葉植物の乾燥対策は葉水が効果的です。
葉水は観葉植物の乾燥対策だけでなく、葉のホコリや汚れを落としたり害虫予防にもなるので、葉水を嫌う植物で無ければ積極的に行いたい管理テクニックです。
葉水は適当なタイミングで行って大丈夫ですが、寒い時期は午前中に夏場は夕方に行うと良いです。夏場の気温が上がる時間帯に葉水を行うと、葉水のレンズ効果による葉焼けが起きると言われているので避けた方が無難です。(実際には先に蒸発してしまうと思いますが)
ハダニの症状と対処方法
観葉植物の葉の色が薄くなって枯れてきた場合はハダニを疑います。
ハダニは非常に厄介な害虫で一度発生してしまうと駆除が難しい害虫です。ハダニは繁殖力も強くあっという間に他の植物に広がってしまうので、下記症状を発見したらその観葉植物を隔離し即対処しましょう。
症状
- 葉の表面に黄色い斑点が現れ始める(初期)
- 葉の色が薄くなってくる(中期)
- 葉の色が灰色になり枯れる(末期)
- 葉や葉の付け根に蜘蛛の巣のような糸が張られている
- 葉の裏に小さな虫が付いている
ハダニが発生する原因
ハダニは自然界にごく普通に存在するダニの一種で、植物の葉の裏について樹液を吸って生活しています。観葉植物だけでなく農作物や雑草にまで寄生する害虫で、葉が灰色になって枯れるまでハダニが樹液を吸い続けます。
特に新芽付近にたまりやすく繁殖力も旺盛で爆発的に増えやすく、なんと薬剤耐性まであるタフな生物です。
ハダニは屋外から持ち混んでしまうのが主な発生要因になります。また、自然界に普通に存在するため屋外で観葉植物を育てていると向こうから寄ってきます。
ハダニはとても小さいので被害が出てからでないとその存在に気付けませんが、ハダニの症状を確認したら次の対処方法を実施しましょう。
ハダニの対処方法
ハダニは乾燥を好み水を嫌うため葉の表面だけでなく裏にもしっかり葉水をする事で予防はできます。しかし、葉水をしていても発生する時は発生するので不用意に外に出さないのがもっとも確実な予防策です。
一度発生してしまうと葉水をした程度では撃退出来ないので、その場合は下記の対処方法を試してみます。
- ハダニの被害が凄い葉は切り落とす
- 葉の表面、裏、付け根、茎を満遍なく水で洗浄する
- 殺虫剤のキンチョールを散布する
- 駄目ならダニ太郎を散布する
- それでも駄目なら他の殺虫剤を試す
ハダニは薬剤耐性を持ちやすいので殺虫剤は1シーズンで一度だけしか使えません。
住友化学園芸が販売している「ダニ太郎」は良く効く薬剤ですが、シーズン中は1回しか使えない点とダニだけでなく魚類にも効いてしまう薬剤なので、魚を飼育している方は薬剤が水槽にかからないように注意しましょう。
同じく住友化学園芸が販売している「展着剤ダイン」と併用すると葉に付着しやすくなるため薬剤効果がより高まります。
ハダニ退治は根気よく駆除していくしかありません。潰したり霧吹きの水圧で洗い流したりしながら数時間かけて数を減らしていき、目処がついた所で薬剤を散布するのが成功率が高いです。
薬剤耐性が本当に厄介なので、ハダニはできるだけ一度で駆除できるように対処しましょう。