念願のマイホームを購入し住み始める時に、記念樹としてシンボルツリーを植えるという話を聞いた事はありませんか?
シンボルツリーは特に決まりはありませんが、どうせ植えるなら家族の幸せを願いたいものですよね。そんな時に知っておきたいのが、植えると縁起が良いとされる植物です。
このページでは、縁起が良い植物となぜそう呼ばれるのかの由来を紹介していきます。また、シンボルツリーと言う位なので樹木が中心となりますが、あまり広くないスペースにも植えられる縁起の良い植物も合わせて紹介しています。
庭に何を植えようか迷っている方は是非参考にしてみて下さい。
松(長寿)
松の木は縁起が良い植物とされています。ランクを表す「松竹梅」でもおなじみですが、松は一番上のランクです。
一年中葉の色が緑色で木の寿命も長い事から、昔から庭木の王様、神が宿る木ともいわれていました。
松の葉は二本一組となっており、落葉しても離れる事は無いという特徴から夫婦和合の象徴としても使われています。また、正月の時も神様を招くための目印として門松が使われるほどです。
その一方で植える状況によっては、語呂が悪く凶となる植え方も説もあります。
- 難(南)を待つ(松)という語呂合わせで南は凶
- 黒松の名前より「苦労を待つ」といった語呂合わせで凶
上記は一例ですが、庭に植える際には参考にすると良いでしょう。
梅(子孫繁栄)
松竹梅とおめでたい植物としてもおなじみの梅は、春先にかけて花を咲かせる慶事や吉祥のシンボル的な存在です。
沢山実をつけるので子孫繁栄や、家族に良い運気をもたらしてくれると言われています。
昔から悪い出来事は鬼門から来ると考えられていたからでしょうか。鬼門に植えると良いという説があり、広島では鬼門に魔除けとして植えたり、秋田県では災難除けとして植えると良いといったいわれがあります。
その一方で植える場所によっては凶とされる迷信もあるようです。
秋田県では、ウメの木を屋敷内の北に植えると不幸が続く、岩手県ではウメを宅地に植えると不幸があるといった言い伝えもあります。
ナンテン(難を転じる)
正月前になると園芸店でも縁起が良いものという意味合いからか南天の鉢植えや枝が販売されるようになります。
南天は「ナン(難)をテン(転)じる」といった語呂合わせからだと推測されますが、魔除けや災難除けとして昔から利用されてきました。
そのため、鬼門といわれる北東や、裏鬼門と呼ばれる南西に植えると良いといったいわれもあります。
魔除けや災難除け以外では、秋田県や愛知県で「ナンテンを植えておくと家が栄える」といういわれがあります。
一方、静岡県では、白ナンテンを植えてよいのはお寺だけといった考えもあるようです。
ナナカマド(火災避け)
秋になると赤い実をつけるナナカマド。紅葉の時期には葉が真っ赤になるのが特徴です。
ナナカマドは北欧で魔除けとして利用されている木になります。日本では火災避けや落雷避けとして植えられる木です。
名前の由来は諸説あるのですが、火が付きにくく燃えにくい特徴があり、簡単には燃え尽きないといった理由からでしょうか。
七回竈にくべても燃え尽きないといういわれが有力です。他にも七回焼くと良質の炭になるという説や、ナナカマドで作った食器は耐久性が高いためにかまどが七度駄目になるといったいわれも存在しています。
縁起が良いとされているので、神社でも植えられているのを見かけます。
柏の木(子孫繁栄)
柏の木というと、五月の端午の節句に見かける柏餅を包んでいる葉が印象的です。
柏の木は落葉しにくい特徴があります。新芽が出るまで古い葉が落ちないため、新芽や古い葉を家族に見立て家系が絶えないというイメージにつながるからでしょうか。
子孫繁栄に結び付け、縁起の良い食べ物としてかしわもちを子供の日に食べるようになった説があります。
他にも地域別では福岡県では家が繁盛する、群馬県では金が貯まるといういわれもあり、縁起が良い木として植えられる場合もあるようです。
ツツジ(良い事が次々と起こる)
ツツジの木の中には樹齢800年を超える長寿の木もあります。お寺や神社に植えられている事も多いです。
春になるとツツジの花がたくさん咲いているのを見かけます。
ツツジは次々と花を咲かせるといった特徴から、良い事が次々と起こるといったイメージにつながり、縁起の良い木として植えられることもあります。
また、ツツジの花言葉は恋の喜び、初恋という様に恋愛面でも縁起が良い木といえそうですね。
ただし、長崎では「火が回るので家の庭には植えない」といった禁乙が伝えられている例もあります。
モチノキ(財産を持つ)
常緑高木で成長すると10メートルほどの大きさになり、庭木の三大名木の一つともいえる木です。
モチノキは名前の由来で縁起が良い木として植えられています。モチ(持ち)が良いといった語呂合わせから、財産を持つ、子孫を持つといったイメージにもつながりやすいです。
熊本県では屋敷に植えると金持ちになるといういわれがあります。また、冬になると赤い実をつける事から魔除けになるとも言われています。愛知県では火事除け、富山県では雷除けとして植えられることもあります。
ヒイラギ(魔除け)
鋸歯がある葉が特徴的なヒイラギ。尖ったものが邪気除けになるというイメージにつながりやすいです。
節分の時もヒイラギの葉をイワシの頭に刺して玄関に下げておくと鬼除けになるヤイカガシという風習があります。日本最古の日記文学ともいえる「土佐日記」では、10世紀での事例として、古代のケルト人はセイヨウヒイラギを家の近くに邪気除けとして植えていたと記載されています。
魔除けとして鬼門となる北東や北西、北に植えると良いという説もあり、庭木として植えられることも多いです。
他にもヒイラギの名前は「ひらき」という言葉もイメージしやすいので、縁起が良いとされており、西洋ではクリスマスの飾りとしても使われています。
オモト(縁起草)
オモト(万年青)は縁起草とも呼ばれ、一年中青い葉をつける植物です。
徳川幕府の象徴ともいえる「江戸城」が完成した際に、家臣である長嶋長兵衛から3鉢のオモトが贈られました。家康はオモトの贈り物を喜び、大切に飾っていたそうです。
その後、江戸幕府は数百年にわたって続き繁栄していきました。江戸城で大切に飾られていたというオモトの話から、縁起が良く引っ越し祝いに適している植物として扱われています。
風水で考えると葉先が鋭いので、邪気を払い運気を良くしていく効果も期待できますね。花言葉も長寿、長命、永遠の繁栄と縁起が良い植物です。
表にカシ、裏にカリン(金は貸しても借りん)
庭木を植える際に「表に樫の木、裏に花梨の木」という話を聞いた事はあるでしょうか?
これは昔からある日本の語呂合わせの一つと考えられるのですが、「金は貸しても借りん」という意味があるそうです。
樫の木には他人に貸すほどお金が貯まる意味合いがあるとされていますし、花梨の木も実は風邪対策に役立ちますし、商売繁盛の木としても知られているだけでなく、努力・豊かで美しい・可能性といった花言葉を持っている縁起木です。
どちらも昔から庭木として選ばれています。
まとめ
今回の記事を見て植えてみたいと思った木や植物はありましたでしょうか。日本は昔から語呂合わせをかけたいわれが多くあります。
今回ご紹介した縁起の良い植物たちも、名前や特徴から昔ながらの語呂合わせが関係しているものが多いです。地域によっていわれがある場合もありますが、風水面で考えても花言葉を見ても結果として縁起が良いと考える事が出来るので不思議ですよね。
庭木として、家のシンボルツリーとして、そして魔除けとして。
他にも知人へのお祝いとして贈るのに適しているものもあります。目的に合わせて選ぶ時の参考にしてください。