カラフルで色鮮やかな花を咲かせるカランコエは初心者でも育てやすい多肉植物です。
このページではカランコエの育てるポイントをご紹介しています。
カランコエの特徴
カランコエはアフリカやマダガスカルなどの熱帯を原産とするベンケイソウ科の多肉植物です。
カラフルな花と多肉質の葉が特徴で、乾燥に強く育てやすいため観葉植物としても親しまれています。
カランコエの品種は約100種あるといわれており、花の色や形もさまざまです。最も一般的なのはカランコエ・ブロスフェルディアナという品種で、やや反り返った星型の花を咲かせます。
他にも、寒くなると紅葉するカランコエ・ロンギフローラ・ユッキネアや、葉や茎が白い綿毛で覆われたカランコエ・トメントーサなどの品種も人気です。
カランコエは秋から春に開花します。ただし、日照時間が短くなると花芽がつく短日植物なので、上手に開花させるには日照時間の管理が必要です。
基本データ
難易度 | やや易しい |
流通名 | カランコエ、ベニベンケイ |
成長速度 | 普通 |
花・種 | 秋から春に赤・黄・白などの花が咲きます |
日照量 | 開花させるには短日処理が必要です |
温度 | 寒さには弱いため8℃以上を保ちましょう |
湿度 | 乾燥には強く多湿を嫌うため根腐れに注意します |
花言葉 | 幸福を告げる、たくさんの小さな思い出、あなたを守る、おおらかな心 |
カランコエが好む環境
日当たりと置き場所
カランコエは日当たりを好みますが直射日光による葉焼けには注意しましょう。
屋内で育てる場合
カランコエは年間を通して屋内で育てることができますが、日光を好む植物なので日当たりの良い部屋に置いてください。
寒さには弱いので冬場の窓際などは避け、なるべく10℃以上を保ちましょう。
花を咲かせるにはダンボールを被せて蛍光灯の光を遮る「短日処理」をおこない、1日の日照時間が12時間以下になるように管理します。
屋外で育てる場合
カランコエは日光が好きなので、花後の春から秋には屋外で育てるとよいでしょう。
ただし強い日差しが当たると葉焼けを起こすため明るい日陰で管理してください。冬になって10℃を下回ってきたら暖かい室内へ移します。
温度・湿度
カランコエは熱帯の植物なので対暑性はあるものの寒さには弱いです。
耐寒温度は8℃前後が一般的ですが、品種によっては2℃程度まで耐えるものもあります。
カランコエを育てるのに適した気温は25℃くらいです。真夏の高温で根が蒸れることがあるので夏場はとくに風通しの良い場所に置きましょう。
葉が多肉質のため乾燥には強いですが、多湿に弱く根腐れを起こしやすいので水の与えすぎには注意してください。
用土
カランコエは根が細いため根腐れを起こしやすい植物です。土が常に湿った状態になるのを避けるため用土には水はけの良い土を使用してください。
自作する場合は赤玉土(小粒)4:腐葉土4:川砂2、もしくは赤玉土5:川砂3:ピートモス2などの割合でブレンドした土を使用します。
初心者であれば多肉植物用の土を購入するのが最も簡単です。
カランコエは多肉植物のなかでは比較的水を好むので、花の培養土などにパーライトを2割ほど混ぜて水はけを良くした土を使うこともできます。
を上手に育てるコツ
水やり
春から秋の成長期には土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
ただし、カランコエの根は細く根腐れを起こしやすいので与えすぎには注意します。土の表面が白っぽく乾燥しているのを確認してから水を与えてください。
冬の期間は成長が緩やかになるため水やりの回数を減らします。土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをしましょう。
冬場は乾燥気味に管理するとカランコエの耐寒性が高まり元気に育ちます。
葉水
カランコエのような多肉植物には定期的な葉水は不要です。
ただし、根から水を吸いにくくなる冬場の休眠期や、室内の暖房などで葉が乾燥している時は、霧吹きなどで水を吹きかけましょう。
カランコエは基本的に多湿を嫌うため、水をかけすぎるとカビの原因になります。葉が薄く濡れる程度の量を与えてください。
また、気温が高い時期に葉水をおこなう際は、蒸れを防ぐため早朝か夕方以降の涼しい時間帯にしてください。
肥料の与え方
肥料はカランコエが新芽を出す春から秋にかけて与えます。
緩効性の固形肥料を1か月に一度のペースで土の上に置いて施肥します。液体肥料を使う場合は、規定の濃度に薄めたものを10日~2週間に1回与えましょう。
ただし、夏の高温期は根が蒸れやすくなるため肥料は控えてください。生育が緩慢になる冬場の開花期にも肥料を与える必要はありません。
リン酸の成分を多く含んだ肥料を与えると花を長期間楽しめるようになります。
冬越し
カランコエは寒さに弱い植物なので、気温が低くなる冬場は暖かい室内に移して管理してください。なるべく10℃以上を保つようにします。
気温が5℃以下の状態が長く続くと枯れてしまうこともあるので適切な温度管理が大切です。
秋ごろつぼみができた後に耐寒温度を下回ってしまうと、つぼみの動きが鈍くなって春になるまで花が咲かないこともあります。
ただし、冬場の室内は暖房の風などで乾燥しやすいため、しわしわになる前に葉水を与えるようにしましょう。
の選び方
カランコエは植え付けに適した5~6月もしくは9~10月に購入するのがおすすめです。
株を購入する際には害虫が付いていないか必ず確認してください。害虫が付着したものを買ってしまうと株が弱ってしまったり他の植物に被害が及んだりする可能性があります。
初心者の場合はガーデニング店などで専門知識のある人から購入すると失敗しにくいでしょう。
の増やし方
カランコエは挿し木によって簡単に増やすことができます。
カランコエの挿し木は、茎を先端から2、3節のところで切り取って下の方の葉を取り除きます。挿し穂をバーミキュライトや挿し木用の土などに挿してたっぷりと水を与えます。
鉢土が乾いたら水やりをして乾燥気味に管理すると1か月ほどで発根します。発根を確認したら新しい鉢に植え付けましょう。
その際、摘心(新しい芽を摘む)して緩効性の固形肥料を置き肥しておくと枝数が増えて花がつきやすくなります。
カランコエの挿し木は4月から7月、9月ごろが適期です。
一部の品種には葉に子株ができるので、親株から切り分けて植え付ける方法でも増やすことができます。
の植え替え
カランコエは成長するまま放置すると鉢のなかに根が回って根詰まりを起こしてしまいます。根詰まりは根腐れの原因になるため1~2年に1度を目処に植え替えましょう。
カランコエの植え替えは以下の手順でおこないます。
- 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 清潔な用土を鉢の1/3程度まで入れる
- 鉢から株を抜き出し、枝を全体の半分ほど切り戻す
- 鉢の中央へ株を置いて土を隙間なく入れる
- 水を与えて直射日光の当たらない半日陰で管理する
植え替え後は1週間ほど明るい日陰に置いて、その後は通常通りの管理に戻しましょう。
カランコエの植え替えは花が咲き終わった5月~6月、もしくは気温が安定する9月ごろが適しています。
病気・害虫
カランコエがかかりやすい病気には「灰色カビ病」があります。
灰色カビ病は11月から5月にかけて低温多湿の状態になると発生します。初めは淡褐色の病班ができ、次第に腐敗して灰色のカビに覆われます。
咲き終わった花をこまめに摘み取り風通しの良い場所に置くことで予防できます。
カランコエにつきやすい害虫にはアブラムシがいます。
アブラムシは5月~9月に発生しやすく、新芽やつぼみに付着して養分を吸い取るので株が弱る原因になります。
発生初期であれば手や粘着テープを使用して取り除きましょう。被害が大きい場合は薬剤を用いて駆除してください。
アブラムシは窒素分の多い肥料を与えすぎた時や、風通しの悪い環境で発生しやすい害虫です。肥料の扱いや置き場所には注意しましょう。