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シンビジウムの育て方

鈴なりに色鮮やかな花を付ける姿が美しい洋ランの仲間、シンビジウム(シンビジューム)の育て方をまとめたページです。

ランは難易度の高い品種がお多いですがこのシンビジウムは寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。この特徴からランが好きな方に人気があります。

下記ではシンビジウムを上手に育てるポイントについて解説しています。

シンビジウムの特徴

シンビジウムは東南アジアやオセアニアを原産とするラン科シュンラン属(シンビジウム属)に分類される常緑性の多年草です。

胡蝶蘭と並び、冬を代表する花です。同じラン科のなかでも寒さに強いため育てやすく人気があります。定期的に植え替えをおこない日によく当てると毎年花をつけます。

株の根元にバルブと呼ばれる丸く膨らんだ茎を持つのが特徴で、ここに水分や養分を貯めて育ちます。大きく伸びる葉は品種によって直立したり垂れて曲線を描いたりします。

まっすぐもしくはアーチ状に伸びる茎に花をつける品種が多いですが、最近は下向きに垂れて花が咲く下垂性のシンビジウムも増えています。

白やピンク、オレンジ、緑、黄など花色も豊富で、殺風景になりがちな冬のお庭や室内を彩ります。

基本データ

難易度 易しい
流通名 シンビジウム、シンビジューム
成長速度 やや速い
花・種 12月から4月にかけて開花します
日照量 年間を通して日光によく当たる場所に置きます
温度 暑さにやや弱いですが寒さには比較的強いです
湿度 多湿を好みますが夏場の蒸れには注意します
花言葉 飾らない心、素朴、高貴な美人、華やかな恋

シンビジウムが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

シンビジウムは1年を通して日光がよく当たる場所で育てます。寒さが厳しくなる真冬以外の時期は戸外での栽培が適しています。

日当たりを好みますが、強い日差しを浴びると葉焼けを起こす可能性があるため、真夏の直射日光や西日は避けましょう。夏場は遮光ネットを使って30%~50%ほど遮光します。

寒さには比較的強いものの霜に当たると枯れることがあります。気温が下がってきたら10℃以上を保てる室内へ移して管理します。窓辺などの日当たりのよい場所に置き、ときどき外気に当てると元気に育ちます。

もともと冷涼で湿度の高い環境に自生するため多湿を好みますが、高温での蒸れに弱いため、風通しが常によい環境で管理してください。

鉢植えでも地植えでも栽培できますが、地植えにすると季節ごとの管理が難しいため、移動しやすい鉢植えがおすすめです。

温度・湿度

シンビジウムはラン科のなかでは比較的寒さに強いです。株が凍らないかぎり枯れることはなく、2~3℃の環境でも花は傷みません。

ただし、霜が降りると傷むため冬場は暖かい室内へ移して管理します。窓辺など日当たりのよい場所に起き、なるべく10℃以上・25℃以下を保ちましょう。多湿に強く乾燥に弱い植物なので、暖房の風などで乾燥しないよう注意します。

暑さにはやや弱く、夏場に強い日差しが当たると葉焼けを起こします。戸外の半日陰に移すか、遮光ネットなどで日よけを施しましょう。

用土

シンビジウムは水はけのよい土を好みます。苗の間は土系の用土でも育ちますが、成株になったら中粒の植え込み材料を使用します。

バークや軽石などを混合したミックスコンポストやバーク単体、水ゴケを使うか、洋ラン専用の培養土を用いましょう。鹿沼土などの細かい土はシンビジウムが大きくなると根が腐りやすくなります。

プラスチック鉢を使う際は洋ラン用のバーク、素焼き鉢に植える場合は水ゴケを使用するのが一般的です。

シンビジウムを上手に育てるコツ

水やり

シンビジウムは水分を好む植物です。特に春から秋にかけてバルブが大きくなる生育期には水をたっぷり与えます。水切れしないよう土の状態をこまめに観察してください。

秋に入り涼しくなったら1週間に1~2回の頻度に減らします。蕾が伸び始めたら再び水やりの回数を増やします。2日に1回ほど与えるとよいでしょう。蕾が伸びる時期に水が不足すると花つきが悪くなります。

花が咲いてからの水やりでは、花に水がかかって傷まないよう、株元にそっと与えるようにします。

肥料の与え方

シンビジウムの肥料は、植え付け時に洋ラン用のものを植え込み材の中へ入れ、元肥とします。

4月から9月の生育期に、追肥として骨粉入りの固形油かすなどの有機肥料を置き肥します。同時に、規定の濃度に薄めた液体肥料を1~2週間に1回を施します。水やりの代わりに与えるとよいでしょう。

液体肥料は、土中が蒸れやすい真夏の時期や株が弱っている時はいったんストップします。また、冬の開花中や花後にも肥料を与えないでください。

冬越し

シンビジウムは、ラン科のなかでも耐寒性に比較的優れた植物です。2~3℃までであれば寒さに当たっても枯れることはないでしょう。

ただし、氷点下が続き、霜が降りるような環境では株が傷むことがあります。寒風を凌げるベランダや温かい室内へ移動させると安心です。窓辺などの日当たりのよい場所がおすすめです。

冬の間も用土が乾いて入ればたっぷりと水やりをします。気温が低いため乾燥してから1~2日後の水やりでかまいませんが、暖房が効いている室内では水切れに気をつけます。

シンビジウムの選び方

シンビジウムの苗を買う際は、小さなものを選ぶと開花まで数年かかるため、すでに花のついた株を選ぶのがよいでしょう。

病害虫に侵されている苗を購入してしまうと健全に育たないため、葉の裏までよく確認してください。

シンビジウムの増やし方

シンビジウムは株分けによって数を増やすことができます。

大きく成長した株を植え替えの際に株分けして増やすことが多いです。鉢から株を抜き出し、清潔なナイフで株を2~4つに切り分けます。1株につき少なくとも3バルブ以上がつくようカットしてください。

株を切り分ける際は、葉が出ないまま枯れているバルブは取り除きます。枯れていないバルブは養分になるためそのまま残しましょう。

切り分けた株をそれぞれ新しい鉢へ植え付け、水やりをします。その後1週間ほど明るい日陰で管理してください。5~6号鉢に植えるのがおすすめです。

シンビジウムの株分けは、新芽や根が伸びる前の3~4月が適期です。

シンビジウムの植え替え

シンビジウムをずっと同じ鉢で育てていると根に鉢がまわり根詰まりを起こします。根詰まりは生育不良の原因となるので、2~3年に1度の頻度を目安に一回り大きい鉢へ植え替えてください。

シンビジウムの植え替えの手順は以下の通りです。

  1. 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  2. 清潔な培養土を鉢1/3程度入れる
  3. 鉢から株を抜き出し、傷んだ根を取り除く
  4. 鉢の中央へ株を置いて土を隙間なく入れる
  5. 水を与えて1週間ほど半日陰で管理する

株を鉢から抜き出した際に黒く腐った根があれば切り落としますが、傷んだ根がなければ根土を崩さずそのまま植え替えます。

シンビジウムの植え替えの適期は、3月~4月頃です。5月に入ると新芽が育ち始めるためそれまでに済ませましょう。

病気・害虫

シンビジウムがかかりやすい病気には「ウイルス病」が挙げられます。

ウイルス病はモザイク病とも呼ばれる伝染性の病気で、発症すると花びらや葉に斑が入ったりまだら模様が現れたりします。

発症すると元に戻らないので、見つけたらすぐに株を抜き取って処分します。病気の原因となる害虫がつかないよう気をつけたり、作業に使うナイフをなどこまめに消毒したりして予防します。

シンビジウムにはつきやすい害虫にはアブラムシやカイガラムシがいます。

これらの害虫は植物の栄養分を吸汁して株を弱らせます。発見したらすぐに粘着テープや殺虫剤を使って退治しましょう。

ただし、カイガラムシは成虫すると薬剤が効きづらくなります。歯ブラシなどでこすり落として取り除いてください。

株を日当たりと風通しのよい場所に置くと予防になります。

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