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パンジーの育て方

色とりどりの花を咲かせるパンジーは日本でもポピュラーな花の一種で、花壇作りには欠かせない植物です。

このページではパンジーを上手に育てるポイントについて解説しています。

パンジーの特徴

パンジーはヨーロッパを原産とするスミレ科スミレ属に分類される一年草です。秋から冬、春先にかけて長く楽しめるので、冬の花壇には欠かせない花です。

蝶々のような可愛らしい花びらが特徴で、赤や黄色、青、白など花色も豊富です。色鮮やかなガーデン作りにぴったりな花として多くの人に親しまれています。

よく似た花にビオラがありますが、パンジーが花経5cm以上のもの指すのに対し、ビオラは約4cm以下の小さな花のことをいいます。現在では交配などによって見た目の区別があまりつかない種も多いです。

花付きがよいため初心者にも育てやすく、花壇や鉢植えはもちろん、寄せ植えやハンギングバスケットなどさまざまな用途があります。

日本へは江戸時代に渡来し、当時は「三色すみれ」と呼ばれていました。

基本データ

難易度 易しい
流通名 パンジー、サンシキスミレ(三色菫)
成長速度 早い
花・種 10月下旬から5月中旬にかけて開花します
日照量 日光を好むので日当たりの良い場所に置きます
温度 発芽適温は15~20℃のため暑さには注意します
湿度 土の過湿に弱いので水はけのよい土を使用します
花言葉 思慮深い、私を思って

パンジーが好む環境

白系と赤系の花を咲かせるパンジー

日当たりと植えるのに適した場所

パンジーは日光によく当たることで元気に育ちます。日照不足になると徒長して花付きが悪くなるため日なたで管理します。

ただし、発芽には15~20℃くらいが適しているため、種まきをしてから発芽するまでは高温を避け、風通しのよい日陰に置きましょう。

パンジーは有機質に富んだ水はけのよい土を好みます。土壌が硬い場合は、腐葉土や堆肥などをすき込んでから植え付けてください。また、酸性土を嫌うので、石灰肥料をまいて酸度を調整してください。

苗の植え付けは10~11月頃が適しています。購入したポット苗はなるべく早めに花壇や鉢などに定植しましょう。開花期が長いため、必ず元肥を施します。

パンジーは耐寒性が強く、氷点下10℃くらいまで耐えることができます。ただし、強い寒風が当たる場所に置くと葉が変色することがあるので気をつけましょう。

温度・湿度

パンジーは秋に種まきや苗の植え付けをおこない、冬から春にかけて開花する草花です。そのため耐寒性は強いですが、耐暑性は低いです。

気温が上がる梅雨前には枯れてしまう一年草なので、暑さ対策は特に必要ありません。しかし、パンジーの種まきは8月中旬から9月頃が適期のため、高温になることがあります。

発芽に適した気温は15~20℃なので、種まきから発芽を確認するまではできるだけ風通しがよく涼しい半日陰で管理してください。

寒さに強いため冬は多少の霜に当たっても枯れることはありませんが、氷点下が続く寒冷地の場合は霜よけなどの対策をするのが安心です。

用土

パンジーは土の過湿を嫌うため、水はけと通気性に優れた用土を使用しましょう。

鉢植えのパンジーには、ホームセンターなどで購入できる草花用の培養土を使うのが簡単です。水はけが悪い時は、砂やパーライトを加えると改善します。

自分でブレンドするのであれば、赤玉土6:腐葉土3:パーライト1、もしくは赤玉土5:腐葉土2:堆肥2:燻炭1などの割合で混ぜた土がおすすめです。

地植えの場合は、有機質に富んだ土を好むので、あらかじめ腐葉土や堆肥をすき込んでおきます。川砂を加えると水はけもよくなります。

パンジーを上手に育てるコツ

紫色の花を咲かせるパンジー

水やり

パンジーの水やりは、鉢土が乾いたらたっぷりと水を与えます。土の表面が白っぽくなってきたら乾燥しているサインです。鉢底から水が流れ出るくらいの量を与えてください。

寒い時期は夜に水やりをすると夜間に霜が降りて根が弱ってしまうことがあります。できるだけ早朝から午前中のうちに済ませます。

パンジーは水分を好むため水切れには敏感です。一方で、土の過湿は嫌うので、まだ鉢土が湿っているうちに水をあげるのは避けましょう。

地植えの場合は、植え付けた時にたっぷりと水やりをすれば、後は雨に当たるため定期的な水やりは不要です。

肥料の与え方

パンジーは開花時期が長く、次々と花を咲かせる植物です。栄養不足になると花つきが悪くなり、花色や葉色も色褪せてしまうので、花期には肥料を与えましょう。

春先に花がよく付いてきたら、規定の濃度に薄めた液体肥料を1週間~10日に一度のペースで水やりの代わりに与えてください。

冬の間はパンジーの生育が緩やかになるため施肥の必要はありません。苗を植え付ける時に緩効性肥料を元肥として施した後は、しばらく与えないようにします。

冬越し

パンジーは夏の終わりから秋にかけて種まきや苗の植え付けをおこない、冬から春にかけて開花します。

冬に氷点下になるような寒冷地でもある程度の寒さには耐えますが、雪や霜に当たると枯れたようになることがあります。春になると再び花を付ける場合がほとんどなので、処分しないようにしましょう。

冬の間も土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、夜間の冷え込みで土が凍り根を傷めることがあるので、なるべく早朝から午前のうちに済ませます。

パンジーの選び方

パンジーの苗を購入する際は、害虫やカビのようなものが付いていないか必ず確認してください。また、周りの苗と比べて葉色が悪いものや萎れているものは避けましょう。

株元がぐらぐらせずしっかりと根を張っていて、茎や葉が徒長していない苗を選びます。

パンジーの増やし方

寄せ植えされた花壇のパンジー

パンジーは一年草の植物なので、種を作って増やします。8月中旬~9月頃が適期です。

通常は花が咲き終わったら花がら摘みをおこないますが、種を収穫する場合は花がらを摘まずに種が実るまでそのまま管理します。十分に種を付けるには、種を付けたい茎以外は摘み取ってしまいましょう。

種をまく土には、市販の種まき用の土を使用するか、赤玉土5:川砂1:ピートモス4の割合で配合した土を使います。

セルトレーやアイスクリームカップなどの小さな容器の底に小さな穴を開け、土を入れます。種を重ならないように置いたら薄く土を被せてください。乾燥しないように霧吹きなどで土を湿らせながら、風通しのよい日陰で管理します。芽が出た後は十分に日光が当たる日なたに移しましょう。

本場が3~4枚出てきて容器に根が回ってきたら、鉢に植え付けるか地植えにします。

パンジーの植え替え

パンジーは夏になったら枯れてしまう一年草なので、植え替えは不要です。枯れた後は土を入れ替えて、種や苗から育て始めるのが一般的です。

種まきから育てる場合は、はじめに小さな容器に土を入れて種をまき、本葉が2~3枚出てきたら6cm程度の育苗ポットに植え替えをします。ポットに根が回ったら鉢や花壇などに定植してください。

苗を植え替える際に白い根がびっしりと張っている場合は、貼り付いている根を剥がして全体的にほぐしてから植え付けると根張りがよくなります。

病気・害虫

パンジーがかかりやすい病気には「うどんこ病」や「灰色かび病」があります。

うどんこ病は、葉に白い斑点性のカビが発生するのが特徴です。放置しておくと葉が枯れたてしまうので被害箇所はすぐに切除しましょう。重曹水を吹きかけると繁殖を防止できます。

灰色カビ病はカビ菌による伝染性の病気です。初めに小さな淡褐色の病班ができて、徐々に腐敗してカビに覆われていきます。

被害に遭った箇所は速やかに取り除き、薬剤を吹きかけて蔓延を防ぎましょう。

パンジーにつきやすい害虫にはアブラムシやナメクジなどがいます。

アブラムシは茎や葉に棲みついて栄養分を吸汁し、株を弱らせます。見つけたらすぐに割り箸や粘着テープなどで取り除きましょう。

ナメクジが這った跡は、粘液がついてキラキラ光ります。半分ほどにカットしたペットボトルにビールを入れて置いておくとナメクジを捕まえることができます。

パンジーの毒性や危険性について

家庭の花壇によく見かけるパンジーですが、茎根や種にはビリオンやサボニン、ビオラルチンといった有毒成分が含まれています。

誤って口にすると嘔吐や神経麻痺などの症状が現れます。小さな子どもやペットのいる家庭ではできるだけ手の届かない場所に置くようにしましょう。

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