チューリップの育て方

チューリップは日本でも最もポピュラーな植物で、赤や黄色など品種により多様な花を咲かせます。

過去にはヨーロッパでチューリップの栽培が過熱化し、珍しい球根一つで家を買えるくらい価格が高騰したチューリップ・バブルが起きた歴史的な植物でもあります。

このページではチューリップの特徴や育て方をまとめてご紹介しています。

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チューリップの特徴

チューリップは中央アジアや北アフリカを原産とするユリ科チューリップ属に分類される多年草です。秋に球根を植えて春に花が咲く代表的な球根植物です。

世界には5000を超える品種があるといわれ、日本でも古くから親しまれています。

チューリップの花色は赤や白、黄色をはじめ、ピンクや複色など変化に富み、春の花壇をカラフルに彩ります。また、一重咲きや八重咲き、ユキ咲きのものなど花形もさまざまです。

花茎の背丈も品種によって異なり、約15~60cmになるものが主に流通しています。

開花期によって早生種、中生種、晩生種の3つに分けられるので、複数の品種を育てる場合は開花時期が同じものを植えるときれいです。また、球根の向きを揃えて植えると葉の向きも揃い、見栄えがよくなります。

原種系のチューリップ
チューリップの原種

基本データ

難易度 易しい
流通名 チューリップ
成長速度 早い
花・種 3月下旬から5月上旬にかけて開花します
日照量 日光を好むので日当たりの良い場所に置きます
温度 花芽をつけるには冬の寒さが必要です
湿度 土の過湿に弱いので水の与えすぎに気をつけます
花言葉 思いやり、愛の告白(赤)、失われた愛(白)、望みのない恋(黄)

チューリップが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

チューリップの生育には日光と水分、冬の寒さが必要です。球根を植える際は、日当たりと風通しがよく、寒さにしっかり当たる場所を選びましょう。

球根の植え付けは10月から11月頃、紅葉の季節におこなうのが適しています。暖かい時期に植え付けると根が育ちづらく、病気にかかりやすくなります。

基本的には日なたで管理しますが、直射日光は株を傷めるので避けてください。鉢植えにしている場合は、つぼみが色づいてきたら半日陰に移すと開花時期が少し長くなります。

チューリップは球根を植えた後に寒い時期を経験しないと、芽が出ても開花しない恐れがあります。冬の時期は6~8週間ほど5℃程度の寒さが必要です。

雪が積もっていても霜がつかなければ戸外での管理は可能です。ただし、霜が降りると傷むのでビニールをかけるなどの対策をしましょう。

温度・湿度

チューリップは一定期間寒さに当てることで花芽をつけるので、冬は5℃程度になる戸外に置いて低温を保ちましょう。

ただし、霜がつくと株が傷んでしまうので、5℃を切るような寒冷地ではビニールで覆うなどの霜対策をします。

球根を植え付ける時期は10~11月が適していますが、地面の温度が10℃を下回らない時期に植えると根付きがよくなります。

チューリップの生育適温は5~20℃です。高温には弱いので風通しのよい涼しい場所で育てることが大切です。

用土

チューリップは土の過湿に弱いため、水はけがよく通気性に優れた用土を使用します。

鉢植えのチューリップには、園芸店などで販売されている草花用培養土もしくは球根用、チューリップ用の培養土を使うのが簡単です。水はけをよくしたい場合は、砂やパーライトを混ぜると改善します。

自作するのであれば、赤玉土6:腐葉土3:パーライト1などの割合でブレンドした土がおすすめです。

地植えの場合は、腐葉質に富んだ水はけのよい土壌に植え付けます。あらかじめ堆肥や腐葉土をすき込んでおくとよいでしょう。

チューリップを上手に育てるコツ

水やり

チューリップは球根を植えてから芽が出るまで時間がかかりますが、土が乾いたままになると球根が育たないので、水やりを忘れないようにしましょう。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。夜間に冷え込むと凍ってしまうことがあるので、夕方以降の水やりは避け、午前のうちに済ませます。

地植えや花壇に植える場合は、植え付け時にたっぷりと水を与え、その後は雨に当たるので定期的な水やりは不要です。ただし、乾燥した日が続く場合は与えてください。

肥料の与え方

チューリップの球根を植え付ける用土には、あらかじめ元肥として緩効性の化成肥料を混ぜて置きます。地植えの場合は、植え付ける前に腐葉土や堆肥、ピートモスなどを入れて30~40cmほど深耕しておきます。

大きな球根であれば、開花に必要な養分が十分に蓄えられているので追肥は特に不要です。

生育をよくするために肥料を与える場合は、芽が出始めてから規定の濃度に希釈した液体肥料を10日に1度の頻度で与えましょう。花を咲かせた後のお礼肥は必要ありません。

冬越し

チューリップは冬の寒さを経験することで花芽をつけ、開花します。冬は5℃前後の環境下に6~8週間ほど置くようにします。

冬も温暖になる地域では、人為的に低温の環境を作り開花を促す「低温処理」をします。家庭では球根を5℃程度の冷蔵庫内に入れて低温にあてるとよいでしょう。

また、冬の時期に土が乾いたままになると根張りや生育が悪くなるので、乾燥させないようにしてください。特に鉢植えのチューリップは1度でも土を乾かしてしまうと開花しなくなる恐れがあります。

チューリップの選び方

チューリップの球根を購入する際は、ラベルの写真だけでなく球根の状態をよく確認してください。

球根を1つ1つ手に取り、大きさや重さを感じるものを選びます。表面に凹凸や汚れがなく、ふにゃふにゃしていない締まったものを購入しましょう。

チューリップの増やし方

チューリップは、球根を掘り上げて球根についた子球を分けることによって増やすことができます。

ただし、関東地方より南の地域では花後すぐ気温が上がり、葉が枯れてしまうので、球根を大きくするのは難しくなります。新しい球根を毎年購入しましょう。

球根を分球して増やす場合は、花が咲き終わった後、種ができる子房(花が咲いていた箇所)を摘み取り、花茎と葉のみが残る状態にします。

その後は通常通りの水やりをおこない、葉が黄色く変色して枯れ始めたら、球根を掘り上げましょう。球根についた土を落とし、風通しのよい場所で乾燥させます。球根が乾いたら、葉や根を取り除いてネット袋などに入れ、秋の植え付けまで涼しい日陰で保管します。

10~11月の秋頃に、鉢植えの場合は間隔を3~5cmほど空け、球根が隠れるくらいの深さで植え付けます。地植えであれば10~15cmくらいの間隔で、深さ5~10cmほどを目安に植え付けましょう。

チューリップの植え替え

チューリップは花が咲き終わったら球根を掘り上げて秋に植え付けるか、新しい球根を購入して育てるのが一般的です。根が弱いため、基本的には1度植え付けたら植え替えはしません。

球根の植え付け時期を過ぎた1月頃になるとチューリップの苗が出回るようになります。苗を購入して植え替える場合は、根を傷めないよう十分注意してください。

植え替える際は、鉢底ネットと鉢底石を敷いた上に用土を入れるようにすると水はけがよくなります。

病気・害虫

チューリップがかかりやすい病気には「モザイク病」や「褐色斑点病」があります。

モザイク病はウイルスによる伝染性の病気で、発症すると花びらや葉に斑が入ったりまだら模様が現れたりします。

褐色斑点病にかかると、葉や花に黄褐色の小さな斑点が現れ、進行すると株を枯らします。

いずれの病気も発症すると元に戻らないため、見つけたらすぐに株を抜き取って処分しましょう。薬剤による防除は難しいので、原因となる害虫がつかないよう注意したり、作業に使う手やハサミをこまめに消毒したりして予防します。

チューリップにつきやすい害虫にはアブラムシがいます。

アブラムシは春先に発生しやすく、葉や茎について養分を吸汁するほか、モザイク病の原因となるウイルスを媒介します。

株元に薬剤を撒くなどして発生を防ぎ、害虫の付着を発見したらすぐに割り箸や粘着テープなどで取り除きましょう。

チューリップの毒性や危険性について

チューリップの一部の品種の球根には食用のものもありますが、多くの種にはツリピンという毒性のある成分が植物全体に含まれています。

毒性はあまり強くありませんが、傷ついた球根などに触れると体質によっては皮膚が炎症を起こす恐れがあります。

ペットが球根を誤食して嘔吐や下痢、呼吸困難などの中毒症状を引き起こした例も報告されています。小さな子どもやペットがいる場合はなるべく手の届かない場所で管理してください。

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