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クロコダイルファーンの育て方

シダ植物

爬虫類の鱗を思わせる葉脈が特徴的なシダ植物の仲間、クロコダイルファーンの育て方を解説しているページです。

クロコダイルファーンの別名はミクロソリウム・ムシフォリウムで、光沢のある独自模様の葉はワニ革のようなので、英名でクロコダイルファーンという名前がついたシダ植物となります。

このページではクロコダイルファーンの特徴や上手に育てるポイントについてご紹介しています。

クロコダイルファーンの特徴

クロコダイルファーンは、別名ミクロソリウム・ムシフォリウムといいます。オーストリア原産のミクロソリウム属のシダ性の着生植物です。

ミクロソリウム属は水中で育つタイプと地上で育つタイプがあります。クロコダイルファーンは地上で育つタイプです。水中で育つタイプは、アクアリウムの水草として人気があります。

葉に光沢があり、葉脈がつくる模様が凸凹としてワニの皮のようなことから、英名でクロコダイルファーンと呼ばれています。エキゾチックで迫力のある風貌は、観葉植物としてインテリアのスパイスになります。

東南アジア~オセアニアの熱帯原産なので、高温多湿を好み、寒さに弱いです。また耐陰性に優れ、室内で育てることができます。強い日差しに当てると、葉焼してしまうので注意が必要です。とくに夏は、直射日光を避け半日陰で育てます。

基本データ

難易度 普通
成長速度 普通
花・種 シダ性植物なので胞子で増えます
日照量 明るい日陰を好みますが、直射日光を避けます
温度 暑さに強く寒さに弱いので5度以下にならないよう注意が必要です
湿度 多湿を好みます

クロコダイルファーンが好む環境

日当たりと置き場所

クロコダイルファーンは、明るい日陰を好みます。強い日差しを当てると葉焼けを起こすので注意しましょう。とくに、夏の直射日光は避けます。

屋内で育てる場合

直射日光は避け、レースカーテン越しに日光が当たるようにします。木漏れ日から、やわらかい光がそそぐようなイメージです。

明るい日陰を好むため、玄関などにも置けます。しかし寒さに弱く、5度以下になると枯れてくるので、室温で置き場を変えましょう。

屋外で育てる場合

春~秋にかけて、明るい日差しが当たり、気温が15度以上ある環境で十分に生育します。秋頃だんだん寒くなり、20度以下になると成長が緩慢になるので、室内に移動させましょう。

強い日差しが苦手なので、とくに夏は直射日光を避け、半日陰に置きます。環境に応じて、遮光カーテンや寒冷紗を使って日陰を作りましょう。

遮光カーテンや寒冷紗は園芸店やホームセンター、100円ショップで手軽に入手できます。

温度・湿度

クロコダイルファーンは、暑さに強く寒さに弱い植物です。20度以下になると成長が緩慢になり、5度以下では枯れてきます。

多湿を保つために、土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。20度以下になると水をあまり必要としなくなるので、水やりの頻度を調整しましょう。冬は2~3日に一度、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。

空中湿度を大変好みますので、霧吹きなどで水を与えましょう(葉水)。水の与えすぎによる根腐れに注意します。

用土

水はけがよく、保水性にすぐれた用土を使用します。一般的に売られている観葉植物の土で十分に育ちます。

また、自分で土を調合する場合は、赤玉土:腐葉土:ピートモス=6:3:1ぐらいがよいでしょう。

赤玉土と腐葉土のみでもいいのですが、クロコダイルファーンは多湿を好むため、保水効果のあるピートモスを少量加えます。

水分過多は根腐れを引き起こす危険性があるので、十分に気をつけましょう。

土の表面を無機質な鹿沼土や赤玉土、化粧土で覆うとコバエの発生を防げます。

クロコダイルファーンを上手に育てるコツ

水やり

多湿を好む植物です。春から秋にかけて気温(室温)が20度以上あると成長が活発になり、水分を積極的に欲します。

土表面が乾いたら、鉢底から水が出るように、たっぷり水を与えます。根腐れ防止に鉢底の水は捨てましょう。

夏の水やりは朝晩の涼しいときに行います。日中の暑いときに水やりすると煮立ってしまうからです。40度をこえる場合は、葉焼けの危険性もあるので日陰に移しましょう。

20度を下回ると成長が緩慢になるため、あまり水分を必要としなくなります。とくに冬は、土表面が乾いてから2~3日経ってから水やりしましょう。あえて乾燥させることで、樹液の濃度があがり耐寒性を強める効果があります。

また、空気中の湿度を好むので、葉に霧吹きなどで水を散布しましょう(葉水)。葉水は害虫予防も期待できます。

葉水

霧吹きなどで葉に水を与えましょう。クロコダイルファーンは、空気中の湿度を好みます。イキイキとした健康な葉を保つために、葉水をしましょう。

とくに室内で管理する場合は、冷暖房の影響で乾燥しやすいので毎日1度程度、葉水を行います。

クロコダイルファーンは、葉にホコリやゴミがたまりやすいので、ティッシュペーパーやハンディモップで掃除し、葉水をするといいです。

水の与えすぎによる根腐れに注意しましょう。

肥料の与え方

あまり多くの肥料を与える必要はありません。そのままでも十分に育ちますが、肥料を与えることで、より元気な株になります。

緩慢性の置き肥は月に2、3回を目安に与え、液肥は月に1~2回くらいを目安に与えます。肥料を与えすぎると肥料やけし、根腐れを起こす危険性があるので注意しましょう。

有機肥料より化学肥料を与えることで、コバエの発生を防げます。

クロコダイルファーンの選び方

病害虫がついていないか、よく観察して選びましょう。病害虫は植物を弱らせるばかりでなく、他の植物に移ってしまうこともあるので注意が必要です。

葉や茎の色つやがよく、しっかりとした株を選びます。無駄に伸びた(徒長)葉や茎があるものは避けましょう。

クロコダイルファーンの増やし方

株が増えたら株分けで増やすことができます。やり方は植え替えと同じです。

シダ性植物なので種はありませんが、胞子で増やすことができます。葉の裏側にある胞子嚢から集めた胞子を、湿らせたミズゴケなどに撒きます。

胞子を採取するときは乾燥しているほうが集めやすいのですが、胞子を撒くときは高湿度を保ちます。また、発芽したばかりのときは乾燥に大変弱いので注意が必要です。

湿度管理は少し手間がかかりますが、条件がそろうと簡単に発芽しますので、ぜひ挑戦してみましょう。

クロコダイルファーンの植え替え

植え替えの時期は、植物の成長が活発になる4月下旬から6月頃が理想的です。

クロコダイルファーンは、2年以上植え替えをしていないと、鉢の底から根が出てきます。 根が詰まっている状態にしておくと、養分や水分を十分に吸収できず、株が弱ってしまいます。また、鉢の中で根の行き場がなく、十分に成長できません。

植え替えのやり方は、株を鉢から取りだし、根の周りの土をやさしく落とし一回り大きな鉢に植え替えます。あえて小さな鉢のまま育てたいときは、根を2/3ほどを残して間引きし植え付けてください。

用土は市販されている観葉植物の土で大丈夫ですが、自分で調合する場合は赤玉土:腐葉土:ピートモス=6:3:1くらいがいいです。

病気・害虫

カイガラムシやハダニ、アブラムシといった害虫が、葉や茎に付着し吸汁することで、株を弱らせ枯らせてしまいます。

0.5~4㎜ほどの小さな害虫なので、葉の裏側など特に入念に観察して駆除します。また、アブラムシはウイルスの感染源にもなるので対策が必要です。

害虫対策のやり方は、木酢液を用います。木酢液は害虫予防・駆除に加え、その養分の豊富さから株をイキイキと保つ栄養剤としても使えます。

また、害虫がついているのを確認したら手動で取りのぞきます。歯ブラシなどでこすって落としたり、手でつぶしたりしましょう。

屋外で育てる場合は、ナメクジやバッタに食害される危険性もあるので、防虫ネットを使用してみてください。

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