明るいグリーンの葉が密集する姿が美しいボストンファーンの育て方を解説したページです。
このページではボストンファーンを育てる時のポイントをご紹介しています。
ボストンファーンの特徴
ボストンファーンはアメリカ大陸の熱帯域を原産とするツルシダ科タマシダ属に分類されるシダ植物です。
日本で自生するタマシダの仲間で、セイヨウタマシダという和名があります。茎に球状の塊をつけない点を除くとボストンファーンの特徴はタマシダとよく似ています。
茎は短く直立して多数の長い葉をつけます。葉柄から伸びる葉軸の左右に小さな葉がたくさん茂り、葉質が柔らかいのでしなやかに垂れ下がります。吊り鉢にすると華やかな姿が際立ちます。
ボストンファーンは寒さに弱く冬に枯れることがありますが、根が生きていれば春に新芽が出てきます。丈夫な植物なので初心者でも育てやすいでしょう。
ボストンファーンはシダ植物なので花や実はつけません。
基本データ
難易度 | やや易しい |
価格 | 500円~2,000円(3号サイズ) |
成長速度 | やや速い |
花・種 | 花や実をつけないシダ植物です |
日照量 | 日当たりを好みますが耐陰性があり室内でも育ちます |
温度 | 寒さに弱いので冬は5℃以上を保つようにします |
湿度 | 多湿を好みますが土の過湿には注意しましょう |
花言葉 | 魅惑、清々しい愛 |
ボストンファーンが好む環境
日当たりと置き場所
ボストンファーンは耐陰性がありますが、日照不足を避けるため明るい日陰で管理しましょう。
屋内で育てる場合
ボストンファーンは耐陰性が強いため屋内で育てることができます。
直射日光には弱く、強い日差しが当たると葉焼けを起こしてしまいます。レースのカーテン越し程度のやわらかい光が当たる場所に置いてください。
ただし日照不足になると葉色が悪くなります。とくに吊り鉢で育てる場合は平均的に日光が当たるように月に1~2回は置き場所を移動すると良いでしょう。
また、エアコンなどの乾燥した風が直接当たらないようにしてください。
屋外で育てる場合
ボストンファーンは春から秋の暖かい時期には屋外で管理ができます。
ただし、直射日光が当たると葉焼けを起こしてしまうので遮光ネットや寒冷紗などを使用して50%~70%の遮光をしましょう。
ボストンファーンは低温に弱いため、外の気温が15℃を下回り始めたら室内へ移すようにします。
温度・湿度
熱帯域を原産とするボストンファーンは暑さに強いものの寒さは苦手です。気温が5℃を切ると枯れてくるので冬場は注意が必要です。
寒い時期に葉が枯れても根が生きていれば春に新芽を出しますが、元気に育てたい場合は冬になったら室内へ取り込みましょう。
ボストンファーンは乾燥に弱く湿度の高い環境を好むので、水切れを起こさないよう生育期にはこまめに水やりをしてください。
ただし、土の過湿は根腐れの原因となるため用土には水はけの良い土を使用します。
用土
ボストンファーンは多湿を好む植物ですが、土が常に湿った状態になると根腐れを起こしてしまいます。用土には水はけのよい土を使用しましょう。
自分でブレンドする場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:軽石(小粒)2、もしくは赤玉土(小粒)6:腐葉土2:ピートモス2などの割合で混ぜた土を使います。市販されている観葉植物用の土でも問題ありません。
土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂といった無機質の用土で覆うとコバエ予防になります。
ボストンファーンを上手に育てるコツ
水やり
ボストンファーンは非常に水を好む植物です。水切れを起こすと葉が枯れてしまうため、春から秋の生育期にはとくにたっぷり水を与えてください。
土の表面が乾いてきたら鉢底から流れ出るまで水を与えましょう。受け皿に溜まった水は根腐れの原因となるので捨てるようにします。
冬の期間はボストンファームの成長が緩慢になるので水やりの回数は減らします。冬場は土が乾き切ってから水を与えるようにしましょう。
葉水
ボストンファーンは多湿な環境を好むので定期的に葉水を与えてください。
冬場の寒さを防ぐために室内へ移動させても暖房の風に負けて枯れてしまうこともあります。霧吹きなどでこまめに水を吹きかけましょう。水分が蒸発しやすくなる夏場も同様です。
葉水には葉の乾燥を防ぐだけでなく害虫を予防する効果もあります。また、ホコリが付くのを防いでくれるので植物の見栄えも良くなります。
肥料の与え方
ボストンファーンは春から秋の生育期に肥料を与えます。
固形の緩効性肥料を2か月に1度のペースで鉢の隅に置いて施肥するか、速効性の液体肥料を規定の濃度に薄めたものを1週間~10日に1回与えましょう。
肥料を上手く活用すればボストンファーンのきれいな緑色をより楽しめるようになります。ただし、肥料を与えすぎると葉の先から枯れてしまうので注意してください。
冬期はボストンファーンの成長がゆるやかになるため肥料は不要です。
ボストンファーンの選び方
ボストンファーンを買う際には害虫が付いていないか必ず確認してください。
カイガラムシなどの害虫が付着していると株が弱ってしまったり、他の植物へ移ったりする可能性があります。
株を購入するときは、ボリュームがあり葉が間伸びしていないものを選びましょう。
ボストンファーンの増やし方
ボストンファーンは株分けによって増やすことができます。
株分けは、親株から根や茎を切り分けて数を増やす方法です。ボストンファーンを小さく仕立て直したいときや植え替えの際にもおすすめです。
ボストンファーンを株分けする場合、まず鉢から株を抜き出して古い土を1/3程度もみ落とします。手でざっくりと3~4等分に割いて小さな株に分け、傷んだ根をカットします。
それぞれの株を新しい鉢へ植えつけ、たっぷりと水やりをすれば完了です。株分けから1か月ほどは直射日光が当たらない半日陰に置いておきます。新しい芽が出たら通常通りの管理に戻しましょう。
ボストンファーンの株分けは成長期である5~9月頃が適しています。
の植え替え
ボストンファーンのようなシダ植物は生育が旺盛なため、放置していると根が鉢の中にまわって根詰まりを起こします。根詰まりすると根腐れが起きたり葉が落ちたりするので、1~2年に1度を目安に植え替えをしましょう。
鉢の底から根が出ていたり水の吸収が悪くなったりしたときも植え替えが必要なサインです。
ボストンファーンの植え替え手順は以下の通りです。
- 一回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 新しい用土を鉢の1/3程度まで入れる
- 株を鉢から抜き出し、古い土を1/4程度落とす
- 鉢の中心へボストンファーンを置き、土を追加する
- たっぷりと水を与えて半日陰で管理する
株を鉢から取り出した際に傷んだ根があればカットしておきましょう。
ボストンファーンの生育期である5~9月頃が植え替えの適期です。
病気・害虫
ボストンファーンは春から秋にかけて「炭疽病」にかかる可能性があります。
炭疽病は灰色や黒ずんだ斑点が現れて葉や茎に穴が開く病気で、進行すると株が枯れてしまいます。
カビ菌を原因として発症するので、ボストンファーンの鉢を風通しの良い場所に置くことで予防できます。被害箇所は早めに切除し、感染を防ぐために焼却処分するのが望ましいです。
ボストンファーンに付きやすい害虫にはカイガラムシやナメクジがいます。
カイガラムシは白いふわふわしたものから硬い殻で覆われたものまで種類が多く、植物の養分を吸い取って株を弱らせます。発見したら殺虫剤を使って駆除するか、歯ブラシなどでこすり落としましょう。
ナメクジは植物の柔らかい新芽を食べます。見つけ次第すぐに手や割り箸で取り除くか、薬剤を使って駆除してください。