レインボーファン(コンテリクラマゴケ)はグラデーションがかかる葉色が非常に美しいイワヒバ科のシダ植物の仲間です。
観葉植物としてだけではなくテラリウムの素材等にも利用されるレインボーファンは人気が高い植物です。このページではレインボーファンの育て方について解説しています。
レインボーファンの特徴
レインボーファンは中国南部を原産とするイワヒバ科イワヒバ属の常緑多年草です。コンテリクラマゴケという別名がありますが、実際はコケではなくシダ植物です。
エメラルドグリーンの小さな葉がふさふさと茂るのが特徴で、光が当たると葉色が変化してキラキラと光ります。角度によって様々な色に見えることからレインボーファンと呼ばれています。
レインボーファンの神秘的な色合いは鑑賞価値が高く、観葉植物として人気があります。テラリウムを作って飾るのもおすすめです。地を這うように成長するため日陰のグランドカバーにも向いています。
耐陰性があり寒さにも比較的強いため育てやすい植物ですが、葉が小さく繊細なので乾燥には注意してください。
レインボーファンはシダ植物なので花や実はつけません。
基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | やや速い |
花・種 | 花や実をつけないシダ植物です |
日照量 | 直射日光を避けて明るい日陰に置きましょう |
温度 | 耐寒性はありますが夏の暑さには弱いです |
湿度 | 多湿な環境を好むので乾燥には注意しましょう |
花言葉 | 忠実 |
レインボーファンが好む環境
日当たりと置き場所
レインボーファンは直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうので明るい日陰で管理しましょう。
屋内で育てる場合
レインボーファンは耐陰性が強いため屋内でも育ちます。耐寒性もあるので玄関などの暗くて寒い場所にも置くことができます。
繊細な葉を持つので強い日差しが当たると葉焼けを起こしてしまいます。直射日光を避け、レースのカーテン越し程度の光を当ててください。
葉が乾燥するとチリチリになって枯れることがあるので、冷暖房の風が直接当たらないようにしましょう。
屋外で育てる場合
レインボーファンは春から秋にかけて屋外で育てることもできます。
ただし、半日陰を好む植物なので強い日差しが当たると葉が焼けてしまいます。直射日光が当たる場合は遮光ネットや寒冷紗などを使用して遮光をしてください。
冬場は0℃まで耐えられますが、霜が降りると枯れてしまうので寒くなったら室内へ移して管理しましょう。
温度・湿度
レインボーファンは寒さに比較的強い植物です。気温が0℃以上あれば冬の期間も屋外に置くことができますが、雪や霜に当たるような寒冷地では葉が凍らないよう屋内へ移しましょう。
また、湿潤な環境を好むため乾燥すると葉がチリチリになって枯れてしまいます。こまめに葉水を与えて空中湿度を高く保つようにしてください。
ただし、多湿を好むものの夏の高温で蒸れてしまうと葉が傷むことがあるため、風通しの良い場所に置いて管理します。
用土
レインボーファンは多湿を好む植物ですが、土が常に湿った状態になると根腐れを起こしてしまいます。用土には水はけの良い土を使用してください。
自分でブレンドする場合、腐葉土4:ピートモス3:パーライト3などの割合で混ぜた土を使用します。市販されている観葉植物用の土を使用しても良いでしょう。
市販の用土を使う場合、ピートモスを2割ほど混ぜると保水性や通気性を高めることができます。
レインボーファンを上手に育てるコツ
水やり
レインボーファンは湿度の高い環境を好む植物です。乾燥すると葉が枯れてしまうので水切れには注意してください。
春から秋にかけての成長期には土の表面が乾いてきたら水やりをしましょう。鉢の底から水が流れ出るくらいまでたっぷりと与えます。
冬の期間は生育が緩やかになるため水やりは控えます。ただし、日当たりが良く暖かい室内に置いている場合は、生育するようなら通常通り水を与えましょう。
葉水
レインボーファンは乾燥が苦手なので、定期的に葉水を与えて空中湿度を高く保つようにします。
水分が蒸発しやすい夏場や室内の暖房で乾燥しやすい冬場は、とくに注意してこまめに霧吹きなどで水を吹きかけてください。
ただし、レインボーファンは夏の高温による蒸れで弱ってしまうことがあります。葉水を与える際は風通しの良い場所に置きましょう。
葉水には葉の乾燥を防ぐだけでなく害虫を予防する効果もあります。また、葉の表面に水分を与えることでレインボーファンがキラキラ光って見栄えも良くなります。
肥料の与え方
レインボーファンはあまり肥料を必要としない植物です。過度に肥料を与えると肥料焼けを起こして株が弱ることがあります。
肥料を与える場合は、春と秋の生育期に規定の濃度に薄めた液体肥料を時々与える程度で良いでしょう。
レインボーファンの成長が緩やかになる冬場や、植え替え直後など根が弱っている時期には肥料を与えないようにしてください。
レインボーファンの選び方
レインボーファンを購入する際には害虫が付着していないか必ず確認しましょう。
害虫が付いた株を買ってしまうと、後々になって傷んでしまったり他の植物に移ったりする可能性があります。
レインボーファンを買うときは葉みずみずしくボリュームがあるものを選びましょう。
レインボーファンの増やし方
レインボーファンは挿し木や株分けで増やすことができます。
挿し木で増やす場合は、丈夫な若い枝を選んで切り取り、発根材を入れた水に20分ほど浸します。挿し木用の新しい土を入れた鉢に切り取った苗を挿し、新芽が出るまで土を乾かさないように管理します。
レインボーファンの株分けは、まずは鉢から株を抜き取り、根についた土をほぐして落とします。手やハサミで株を切り分け、土を入れた鉢にそれぞれ植え付けます。株が落ち着くまでたっぷりと水やりしながら日陰で管理します。
新芽が出たら明るい日陰へ移し、通常通りの育て方に戻しましょう。
挿し木や株分けはレインボーファンの生育期である4月~5月頃、もしくは9月中旬~10月頃が適期です。
レインボーファンの植え替え
レインボーファンは根の張るスピードが早いため、放置すると鉢の中に根がまわって根詰まりを起こしてしまいます。根が詰まると根腐れや葉の変色を引き起こすので定期的に植え替えをしましょう。
植え替えの頻度は2年に1度のペースが目安ですが、新芽の伸びが悪かったり鉢の底から根が出てきたりしたときも植え替えのタイミングです。
レインボーファンの植え替えの手順は以下の通りです。
- 一回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 新しい用土を鉢の1/3程度まで入れてならす
- レインボーファンを鉢から抜き出して土を軽く落とす
- 鉢の中心へレインボーファンを置いて土を追加する
- たっぷりと水を与えて風通しの良い日陰で管理する
レインボーファンの植え替えは生育期に入る4月~5月頃、あるいは10月頃が適しています。
病気・害虫
レインボーファンは特に目立った病気の心配はありません。
ただし、乾燥に弱く水切れを起こすとチリチリになって枯れてしまいます。水やりと葉水を十分におこない乾燥を防ぐ必要がありますが、蒸れにはため風通しの良い場所に置くようにします。
乾燥して茶色くパリパリになった葉は復活しないので取り除いてください。根が生きていれば新芽が出るため適切な管理を怠らないようにしましょう。
レインボーファンのようなシダ植物にはハダニが付くことがあります。
ハダニは春から秋の暖かい時期に発生する害虫で、乾燥した環境を好みます。葉の裏に棲みついて養分を吸い取り、植物を弱らせます。
ハダニが付着しているのを見つけたらすぐに粘着テープなどを使って取り除いてください。被害が大きい場合は市販の殺虫剤を使用して駆除します。
ハダニは水に弱いためこまめに葉水を与えることで予防することができます。