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イワヒバの育て方

シダ植物

盆栽としても人気のイワヒバの育て方を解説したページです。

イワヒバはシダ植物の仲間ですが、岩に活着し葉がマツの葉に似る事からイワマツ(岩松)とも呼ばれています。

イワヒバの特徴

イワヒバはイワヒバ科イワヒバ属で、葉色が濃い緑色をした、成長しても20㎝程にしかならない植物で、原産地はロシアや東南アジア、そして日本です。世界に600種類が自生しているといわれており、日本だけでも16種類ほど自生しています。

見た目は茎や根の境目が分かりにくいですが、幹の先端が放射状になって葉が枝分かれし広がっている、岩場に自生するシダ植物です。どちらかといえば、観葉植物というよりも盆栽として人気を集める植物で、一般の園芸店などでは取り扱っておらず、伝統ある盆栽店などで販売されています。

古典園芸植物として人気のあるイワヒバは、実は江戸時代から栽培されてきました。葉に見える部分は実は枝です。

もともと日光や水に少ない乾燥している岩場などに自生しているため乾燥には強く、乾燥すると内側に枝をくるっと巻き込むような形になる植物です。水を十分に与えると、枝を巻き込んだような状態から枝を広げるという習性があるため、復活草と呼ばれることもあります。

緑や紅葉など季節によって色彩が楽しめるうえに、ある程度までしか成長しないのに長寿であるという特徴があり、盆栽以外ではロックガーデンなどに使用されます。

基本データ

難易度 簡単
成長速度 ゆっくり、一定の大きさで成長が止まる
花・種 花は咲かない
日照量 日光を好むが遮光が必要
温度 寒さには弱く、暑さに強い
湿度 水分を好む
花言葉 捻り、負けない心、長寿

イワヒバが好む環境

日の光を受けるイワヒバ。やや乾燥気味で葉が丸まっている

日当たりと置き場所

イワヒバは、品種によって好む日当たりが違ってきますが、基本的には日差しの強い場所だと葉焼けを起してしまいます。日当たりが良すぎることを好まない性質があるので、一日ではなく、午前中だけ日光に当てるなどの対策を取りましょう。

屋外の場合、特に7月~8月の日当たりの強い時期などは、寒冷紗や遮光ネットを二重にするといいでしょう。

あまり日光に当てないでいると葉の青みが増してしまうという性質なので、曇りの日や雨の日などは遮光ネットや寒冷紗はなるべく外すようにしてください。真夏などは半日陰に置くようにしましょう。

屋内で育てる場合

イワヒバは日光を好むシダ植物ですので、一日中日の光が当たる場所が好ましいです。とはいえ、直射日光はあまり良くありませんので、遮光素材で日光を半分ほど遮っておくのがポイントです。

窓辺などの日光がよく当たる場所に置いて、遮光素材を活用しましょう。エアコンの風は葉を傷めてしまうので、直接当たらないように気を付けてください。

屋外で育てる場合

イワヒバは屋外で育てることに向いているシダ植物で、一日中日光の当たる場所に置くようにしてください。

ただし、葉焼けを起すので、遮光ネットなどで日光を半分ほど遮るように気を付けましょう。真夏は半日陰においておくようにしてください。

温度・湿度

暑さには強いですが寒さにはあまり強くありません。

とはいえ、もともと九州~本州にかけて自生している植物ですので、北海道以外であれば越冬は可能です。気温が10度以下になるようなら保温をしましょう。

用土

水はけと、保水力のあるバランスのいい土が向いています。

肥料がほぼ必要ない分、用土は重要になってきます。清潔で、酸性の土を選ぶようにしましょう。

土をブレンドするときは硬めであれば鹿沼土単体でも構いませんが、そこに3割ほど、日向土や桐生砂を混ぜるといいでしょう。出来れば植える前には日光にしっかり当てて消毒をすることが好ましいです。

清潔を好み、不純物は嫌うので、庭の土をそのまま、古い土の使いまわしというようなことが無いようにしてください。

イワヒバを上手に育てるコツ

日光浴中のイワヒバ

水やり

水分を好む植物ですが、水分が地中にたまっていることは嫌うという性質を持っています。土が乾いている時は鉢の底から水が染み出るほどしっかりと水やりをする必要があります。水やりをする場合は、株の根元ではなく葉の上からしっかりと水をやりましょう。

雨などで用土が湿っている場合には水をあげるのは控えましょう。特に梅雨時は湿度が多いうえ、梅雨が明けたとたんの急な強い日差しが、根腐れの原因にもなります。

水やりの時に、鉢の周りにも水をまいておくと、乾燥防止になります。イワヒバは乾燥には強い植物ですが、夏はなるべく乾燥しないように気を付け、特に真夏であれば、必要なら朝と夜、1日に2回水をあげましょう。

冬は休眠状態に入るうえ、乾燥には強いのであまり水やりの必要はなく、屋外で雨が降れば水やりは必要ありません。葉が開かないから元気がないと多めに水をやってしまうと、根腐れの原因になるので注意が必要です。

葉水

葉水というよりは、水やりは葉っぱの上からするようにします。

害虫予防にもなり、葉の乾燥も防げます。

肥料の与え方

肥料はほとんど必要ありません。

逆に肥料を与えてしまうと枯れてしまうことがあるので、もしも追肥をするときには注意が必要です。

イワヒバの選び方

葉先が少しでも変色しているものはヨトウムシかベト病の危険があるので避けましょう。緑色の青々と茂っているものが望ましいです。

イワヒバの増やし方

イワヒバは挿し木で増やすことができる植物です。枝を5~6㎝切って、鹿沼土に挿しましょう。用意する鹿沼土は、清潔なものを用意しましょう。時期は5月~6月の暖かい日が適しています。

水やりを忘れずに、日陰で育てると新しい芽が1月ほどで出てきますので、そうしたら十分に成長するまで待ってから好みの場所に植えましょう。

イワヒバの植え替え

植え替えの時期は5月~7月の暖かい日が適しています。暖かい日であれば9月でも大丈夫ですが、冬場には植え替えはしないように注意しましょう。

鉢は植え替え前よりも一回り大きいものを用意し、通気性と排水性を高めるために鉢底石を敷くようにします。植え替えによって新しい根が生え、それによって大きく成長させることができます。

病気・害虫

ヨトウムシという葉っぱを食べる虫がいます。昼間に虫の姿がなく、病気でもないのに株が弱ってきているのなら、ヨトウムシがついている可能性があります。ヨトウムシがついてしまった場合には、薬剤の散布で予防・駆除ができます。

病気はベト病という病気が発生しやすいです。葉っぱが茶色く変色してしまう病気で、進行すると枯れてしまいます。高温多湿の環境になると発生しやすくなります。

伝染する病気なので、病気なった部分は発見し次第すぐに切り取り、他の部分には薬剤を散布してください。乾燥気味に育て、多湿にならないよう気を付けると予防できます。

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