お祝いやギフト定番の花と言えばやっぱり胡蝶蘭(コチョウラン)です。
ゴージャスな花を咲かせる3本立てや5本立ての胡蝶蘭を見たことがある人は多いと思いますが、胡蝶蘭の花を長持ちさせるのは結構難しいです。このページは胡蝶蘭の特徴や花を長持ちさせるコツ、花が終わった後の育て方等について解説しています。
胡蝶蘭の特徴
胡蝶蘭はラン科の植物の一種で東南アジアに分布する多年生の着生植物です。お祝い事でよく見る胡蝶蘭は鉢植えで飾られていますが、本来は根を土に下ろさずに他の樹や岩等に根を張って育つ植物なのです。
野生の胡蝶蘭は熱帯のジャングルで育つので、温度と湿度を生息地の環境に近づけてあげるのが胡蝶蘭を上手く育てるポイントになります。
お祝いで貰う胡蝶蘭は店先やオフィスにそのまま飾る事が多いですが、日本の気候やエアコンで乾燥しやすい環境は向いていない植物なので、花を綺麗に長持ちさせたい場合は温度と湿度に気をつける必要があります。
基本データ
難易度 | 難しい |
価格 | 10,000円~(ギフト用は高価) |
成長速度 | やや遅い |
花・種 | 白やピンク、黄色等の色鮮やかな花を咲かせる、種も出来るが発芽は困難 |
日照量 | 明るい半日陰 |
温度 | 15度~25度位が適温。冬は10度以上を保つ |
湿度 | 多湿を好むが根の通気性には気をつける |
花言葉 | 清純、幸福が飛んでくる、純粋な愛 |
胡蝶蘭が好む環境
日当たりと置き場所
胡蝶蘭の原種は他の樹等に着生して育つため半日陰で管理します。直射日光に当たると葉焼けを起こしやすいのでレースカーテン越しの光を当てるようにしましょう。
屋内で育てる場合
窓からの直射日光やエアコンからの直風を避け、温度と湿度が一定の場所で管理します。
温度が低すぎても高すぎてもいけないので花を長持ちさせる場合には特に温度管理に気をつけ、夜間は15度くらい日中は25度位の人も快適に過ごせる温度が良いです。
また湿度は40%以上が良いとされています。夏場や冬場はエアコンで空気が乾燥しがちになるので加湿器を使うと良いでしょう。ただし、胡蝶蘭に加湿器のミストが直接かかると花や葉が痛む原因となるので、加湿器を利用する場合は離して設置してください。
屋外で育てる場合
夏の間は胡蝶蘭を屋外で管理する事も可能です。
直射日光には弱いので寒冷紗や遮光ネットを使い半日陰で管理するのと、温度には気をつけて管理します。猛暑が続くようであればなるべく涼しい場所に退避させ、根が蒸れてしまわないように風通しの良い場所で管理しましょう。
温度・湿度
温度は15度~25度程度が適温。湿度は40%以上を保つように管理します。
用土
胡蝶蘭は着生植物で根をむき出しにして育つ為、一般的な植物のように土は利用しません。
胡蝶蘭の根を土に植えてしまうと根腐れを起こしてしまうため、水苔を利用するのが一般的です。水苔には安価なものから高級品まで様々ありますが、品質は価格に比例しますので予算が許す限り高いグレードの水苔を利用しましょう。
胡蝶蘭の花を長持ちさせる方法
胡蝶蘭の花は約1ヶ月~3ヶ月とかなり長い期間楽しむ事ができます。
実は生命力は強い植物なのですが、ギフト用にラッピングされた状態だと胡蝶蘭の育成の妨げになってしまうので、勿体無いですがなるべく早くラッピングを取り管理するのが胡蝶蘭の花を長持ちさせるポイントです。
また、水やりにもすこしコツがあって胡蝶蘭に高頻度で水を与えてしまうと根が蒸れて根腐れを起こしますので、胡蝶蘭が植えてある水苔の湿り具合を確かめて乾燥してるようなら水を与えましょう。
胡蝶蘭を上手に育てるコツ
水やり
胡蝶蘭は根腐れに弱いので、植えてある水苔の状態をよく確認してから水を与えます。
春は10日一度、夏は一週間に一度、成長が緩慢になる秋や冬場は2、3週間に一度程度の割に合いを目安にすると良いでしょう。
葉水
多湿を好む胡蝶蘭にとって葉水は有効な管理テクニックです。
葉水はエアコンで乾燥しやすい夏場と冬場に特におすすめな管理方法で、夏は夕方、冬は午前10時位までに葉水をします。葉水は葉の表面と裏面に行い、葉の付け根に溜まった余分な水はティッシュ等で吸い取っておきましょう。
肥料の与え方
肥料を与える場合は春から秋にかけてあげますが、胡蝶蘭の株の状態を見て根がしっかり伸びているようなら与えます。寒い時期や株の状態が良くない場合は肥料は控えましょう。
肥料は液体肥料を水に溶かして与えるのが簡単です。肥料は洋蘭用か希釈して用途を選べるタイプのものにしましょう。
胡蝶蘭の選び方
胡蝶蘭をお店で選ぶ場合には花や葉に艶があり、株が元気かどうかを確認して購入しましょう。
長く育てる場合は3本立て等の贈答用より、1本立ての鉢植え品を購入する方が管理しやすく、育てやすいと思います。
胡蝶蘭の花が終わったら?
花が終わった後の胡蝶蘭は上手く行けば二度咲きさせる事が可能です。
贈答用の胡蝶蘭は支柱で形が整えられていますが、花が散った後はこの支柱を外し茎をカットしてあげる事により、新しい花を咲かせる事も可能です。二度咲きをさせる場合は下記手順でやります。
- 胡蝶蘭の茎を支柱から優しく外していく
- 支柱を完全に撤去する
- 茎の節を下から数えて4~5節の少し上を斜めにカットする
- 温度を20度前後に保ち新しい茎が伸びて来るのを待つ
- 上手くいくと数ヶ月で開花する
花を咲かせるのが難しい品種もありますが、成功すると二度咲きした胡蝶蘭を楽しむ事ができます。
胡蝶蘭の植え替え
胡蝶蘭は花が終わった寄せ植えされた贈答用の鉢、二年以上植え替えをしていない場合、株の状態が悪い場合に植え替えを行います。寄せ植えされている贈答品の胡蝶蘭は一株づつ分けて植え替えをします。
胡蝶蘭の植え替え方法は下記を参考にしてください。
- 茎を節の3節目少し上の2cm辺りでカットする
- ポットから胡蝶蘭を取り出す
- 根から水苔等の用土を優しくできるだけ落とす
- 根腐れしている根や、黄色くなった葉はカットしておく
- あらかじめ湿らせておいた水苔を根に巻きつける(鉢にギリギリ入る位の量)
- 新しい鉢に押し込むように植え付ける
- 一週間は水を与えずに管理する
注意すべき病気や害虫
胡蝶蘭がかかる病気には軟腐病や炭そ病。害虫はハダニやカイガラムシに注意が必要です。