色鮮やかな花を楽しむダリアの育て方をまとめたページです。
ダリアには様々な品種があり色鮮やかな花で見る人を楽しませてくれる人気の植物です。また、花はエディブルフラワーとして食材に利用されたりもします。
そんなダリアを綺麗に育てるポイントについて解説しています。
ダリアの特徴
ダリアはメキシコからグアテマラにかけての高地を原産とするキク科ダリア属に分類される多年草です。桜の時期に球根を植えると主に秋ごろ花を咲かせます。
品種は非常に多く、花径25cmほどの大輪種から10cmほどの小輪種までさまざまな大きさのものが存在します。一重咲きやボール咲き、水蓮咲きなど花型も豊富なため、鉢植えや花束、カラーリーフなど幅広い用途に利用されます。
ダリアは古来より世界中で親しまれているポピュラーな花です。品種改良が重ねられ、今では3万種を超えるともいわれています。木のように育つ皇帝ダリアやチョコレートの香りを楽しめるユニークな品種もあります。
開花期が長く、初心者でも比較的容易に育てられるため人気の高い花です。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | ダリア、テンジクボタン |
成長速度 | やや速い |
花・種 | 6月中旬~11月が開花期です(真夏を除く) |
日照量 | 日光を好むので日当たりのよい場所で管理します |
温度 | 暑さには強いですが真夏は開花しにくくなります |
湿度 | 乾燥には強いものの多湿を嫌う植物です |
花言葉 | 栄華、気まぐれ、華麗(赤)、感謝(白)、優美(黄) |
ダリアが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
ダリアは日当たりのよい場所を好むので、強い日差しが当たり高温になる真夏以外は日なたでの管理が適しています。
生育期にはなるべく半日以上は日光が当たる場所に置くと元気に育ちます。日照不足になると茎が弱々しく伸び風などで折れやすくなるので注意します。
ダリアは丈夫な植物なので土質をあまり選びませんが、水はけが悪いと球根が腐ることがあるため排水性に優れた用土に植えつけます。
熱帯の高地を原産とするため暑さには強いものの、真夏の直射日光には弱いです。鉢植えの場合は木陰や建物の陰などの半日陰に移すとよいでしょう。地植えのダリアは遮光ネットや寒冷紗を使用して日よけを施します。
強い西日やコンクリートの照り返しにも注意が必要です。花台やすのこ、人工芝の上に鉢を置き、地表から離すようにしてください。
寒さには弱く、寒冷地では凍結を防ぐため球根を掘り上げて保管します。土が凍らない地域では地中で越冬させることができます。
温度・湿度
ダリアはもともと熱帯に生息する植物なので耐暑性に優れていますが、高温多湿になる日本の暑さには弱いです。特に30℃を超える真夏の直射日光や西日、コンクリートの照り返しには注意しましょう。生育に適した気温は15~25℃前後です。
寒さには弱いため、気温が5℃以下になる地域では霜が降りる前に球根を掘り上げて保管します。霜が降りない温暖な地域では地中で越冬できますが、念のため盛り土などで防寒してください。
生育中は水切れしないようたっぷりと水を与えますが、過湿状態にならないよう気をつけましょう。
用土
ダリアは多湿を苦手とする植物です。土が常に湿った状態になると球根が腐ることがあるので、用土には水はけのよい土を使用します。
鉢植えの場合は、ホームセンターなどで販売されている草花用培養土か、赤玉土(小粒)7:腐葉土3などの割合でブレンドした土がおすすめです。
地植えのダリアには腐植質に富んだ砂質土が適しています。完熟堆肥と腐葉土を混ぜて勇気質土を作り、パーライトや川砂を加えて水はけをよくしましょう。
酸性土を嫌うため、植え付ける前に苦土石灰をすき込んで土壌を中和しておきます。
ダリアを上手に育てるコツ
水やり
ダリアの水やりは、基本的には土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。ただし、乾燥には比較的強いものの多湿には弱いので、与えすぎには注意します。
地中の蒸れを防ぐため、高温になる日中よりも午前中の水やりがおすすめです。鉢底から流れ出るくらいの量を与えましょう。
ただし、花や蕾に水がかかると株が傷んだり病気にかかったりしやすくなるので、株元へ注ぐようにしてください。
地植えの場合は、基本的に雨水だけで問題ありませんが、乾燥が長く続く場合は数日に一度水やりをします。
肥料の与え方
ダリアの球根を植え付ける用土には、あらかじめ元肥として緩効性の粒状肥料や遅効性の有機質の肥料を混ぜておきましょう。
鉢植えの場合、元肥の入った培養土を使用するのであれば肥料を施す必要はありません。
肥料の入っていない用土を使用する際や、地植えの場合には、即効・持続型の粒状肥料を植え付けの時に混ぜておきます。地植えのダリアには、植え付けの2~3週間前に有機質肥料をすき込んでおく方法もあります。
さらに、高温になる真夏を過ぎ、涼しくなってきたら追肥として同様の肥料を株元に施します。
冬越し
ダリアはもともと冬期に温暖になる地域を原産とするため、寒さにはあまり強くありません。寒冷地では霜が降りる前に球根を掘り起こし、気温が5℃以下にならない場所で春まで保管します。
冬に凍結の心配がない温暖な地域では、球根を植えたまま冬越できます。枯れた地上部を切り倒し、念のためムシロや盛り土などで防寒しましょう。
冬場に球根を植えたままにしている場合、基本的に水やりは不要です。ダリアの球根は乾燥に強く多湿に弱いので、水を与えすぎると腐る可能性があります。
ダリアの選び方
ダリアの球根は3月頃から園芸店などの店頭に並び始めます。
球根を購入する際は、必ず芽の付いたものを選びましょう。ダリアの球根は大小さまざまなので、大きさを問わず締まったものを選ぶのがコツです。
腐っているものや柔らかいもの、ひび割れがあるものは避けてください。
ダリアの増やし方
ダリアは分球と挿し木によって数を増やすことができます。
分球で増やす場合、花が咲き終わったダリアの球根を霜が降りる前に土中から掘り上げ、気温5℃以上の場所で保管します。
2~3月頃になると球根から発芽点と呼ばれる新しい芽が出てきます。球根と土のまわりに付いた土を歯ブラシなどで落としながら、発芽点を見つけてください。
球根と茎の間にある膨らんだ箇所をクラウンといい、芽はこのクラウンから出ます。発芽点を付けたクラウンを残し、カッターナイフなどで切り分けます。
分球した球根は、乾いたおがくずや湿らせたバーミキュライトを入れたビニール袋へ埋めるように保管します。春になったら新しい土へ植え付けましょう。
ダリアの挿し木は、選定時に切り取った茎を使用します。脇芽を付けた茎を選び、切り口を斜めにカットした後、1時間ほど水に浸してください。
土に埋まる部分の葉や脇芽を取り除き、あらかじめ湿らせておいた挿し木用の用土に挿し込みます。2週間ほど日陰で水やりを続け、徐々に日当たりのよい場所に移します。
ダリアの植え替え
ダリアは多年草なので、花が咲き終わった後に球根を掘り上げて春に植えるか、新しい球根を購入して育てるのが一般的です。生育中の植え替えは基本的におこないません。
何年も同じ場所で育てていると土が痩せてしまうので、球根を掘り上げる際には新しい土に入れ替えるか、植え付ける場所を変えるとよいでしょう。
掘り上げた球根を植え付ける際は、水はけのよい腐植質の土を作り、地植えの場合はあらかじめ深めに耕しておきます。
発目点が上に向くように10cm程度の深さに植えて土を被せ、支柱を立てましょう。植え付け後はたっぷりと水を与えます。
植え付け後は3~4週間ほどで芽が出てきますが、2~3本出た頃に太く元気のよい芽を残し、他の芽はかき取りましょう。
病気・害虫
ダリアがかかりやすい病気には「モザイク病」や「灰色カビ病」があります。
モザイク病はウイルス性の伝染病です。発症すると花びらや葉に斑が入ったりまだら模様が現れたりします。
灰色カビ病はカビ菌による病気で、初めに小さな淡褐色の病班ができます。進行すると徐々に腐敗してカビに覆われていきます。
被害に遭った箇所は元には戻らず、感染の原因となるため速やかに取り除いて処分しましょう。灰色カビ病は薬剤を吹きかけておくことによりある程度の予防が可能です。
ダリアにつきやすい害虫には「アブラムシ」や「ハダニ」がいます。
アブラムシやハダニは葉の裏や新芽などに棲みついて養分を吸汁し、株を弱らせる害虫です。アブラムシはモザイク病の原因となるウイルスを媒介することもあります。
これらの害虫は発見したらすぐに霧吹きや粘着力の弱いテープなどで取り除きます。被害が大きい時は殺虫剤を吹きかけて駆除してください。
ダリアの毒性や危険性について
かつてはダリアには毒があるといわれていましたが、実際にはダリアに毒はありません。
花の部分をおひたしにしたり球根を食用にしたりすることもあり、危険な植物ではありません。特に花びらは美しいためエディブルフラワー(花を食材にする事)として使われたりします。
ダリアの根はサツマイモのように肥大化し一部の地域では食用にしているそうですが、食用のジャガイモ等に比べると繊維質であまり美味しくはないそうです。はな
また、ダリアの球根にはイヌリンという他糖質の物質が含まれているため、食べすぎるとお腹が緩くなることがあるので注意しましょう。