スイセン(水仙)の育て方

春を代表する花、スイセン(水仙)の育て方を解説しているページです。

スイセンは白や黄色の涼しげな花を咲かせる植物で、春の訪れを告げる代表的な花でもあります。古くから日本でも栽培され、チューリップと並んで庭先に植えられているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

ご家庭でスイセンを育てる際のポイントや注意点を下記でご紹介します。

スポンサーリンク

スイセンの特徴

スイセンはスペインやポルトガルなどのヨーロッパや北アフリカなどを原産とするヒガンバナ科スイセン属に分類される多年草です。地中海沿岸地域に約30種が自生しています。

スイセンはチューリップに先駆けて花が咲き、早春の花壇を華やかに彩る代表的な花です。白や黄色の品種が多く花色は多彩ではありませんが、ややうつむき加減に花を咲かせる控えめな姿がどこか儚げで、魅力的です。

ヨーロッパでは紀元前800年ごろにはホメロスの古典にも登場しており、古くから親しまれてきました。

現在では2万を超える園芸品種が作られているため、「ラッパスイセン」や「八重咲きスイセン」、「房咲きスイセン」など、花びらや副冠の大きさや形の組み合わせにより13のグループに分けられています。

スイセンの原種
スイセンの原種

基本データ

難易度 易しい
流通名 スイセン
成長速度 早い
花・種 1月~4月頃に白や黄色などの花が咲きます
日照量 日光を好むので日当たりのよい場所に置きます
温度 花芽をつけるには冬の寒さが必要です
湿度 土の過湿に弱いので水の与えすぎに注意します
花言葉 自己愛、神秘、私のもとへ帰って(黄)

スイセンが好む環境

黄色い花を咲かせるスイセン

日当たりと植えるのに適した場所

スイセンは日光を好むため、開花するまでは日がよく当たる場所に置きます。日照不足になると花色が悪くなったり徒長したりします。

ただし、開花後は強い日差しや西日が当たると地温が上がり、球根があまり肥大しなくなるので、木漏れ日が当たる樹木の軒下などに植えるのが理想です。

球根を植え付けた後は、寒さにしっかりと当てることで花つきがよくなり、元気な株に育ちます。耐寒性が強いので冬は低温になる戸外に置いて管理しましょう。

スイセンは鉢植えでも地植えでも育てることができます。土の過湿は根を傷める原因となるため、いずれの場合も水はけのよい土に植えてください。

用土には有機質に富んだ砂質土を選びます。地植えの場合、粘質土に植えると根が細かくなるので、川砂やパーライトなどを混ぜて土壌を改良しましょう。

温度・湿度

スイセンの球根は、冬に植えると地温が下がって発根しにくくなるため、10~11月頃に定植します。

球根を植えてからは低温になる戸外で管理してください。スイセンは一定期間寒さに当てることで花つきがよくなる植物です。

日当たりを好むため基本的には日なたで栽培しますが、開花後は日差しが強いと地温が上がり、球根が肥大しにくくなるので、木漏れ日が当たる程度の場所で管理します。

スイセンの生育に適した気温は5~20℃程度です。

用土

スイセンには通気性と水はけがよく有機質に富んだ用土が適しています。土が常に湿った状態になると球根が腐ってしまうことがあるので注意します。

鉢植えのスイセンには、園芸店などで販売されている草花用培養土もしくは球根用の培養土を使うのが簡単です。水はけが悪い場合は、砂やパーライトを混ぜると改善します。

自分で作るのであれば、赤玉土6:腐葉土3:パーライト1などの割合でブレンドした土がおすすめです。

地植えの場合は、有機質に富んだ水はけのよい土壌が適しています。あらかじめ堆肥や腐葉土をすき込んでおくとよいでしょう。

スイセンを上手に育てるコツ

白い小さい花を咲かせるスイセン

水やり

スイセンは球根を植えてから芽が出るまで時間がかかりますが、土が乾燥していると根が十分に育たないので、水やりを忘れないようにします。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。受け皿に溜まった水は根腐れの原因となるためすぐに捨ててください。

夕方以降に水を与えると気温が下がる夜間に冷え込んで土が凍り、根が傷むことがあります。水やりはできるだけ早朝から午前のうちに済ませます。

地植えや花壇の場合は、植え付け時にたっぷりと水を与えたら、その後の水やりは不要です。ただし、晴れの日が続いて土壌が乾燥したときには水をあげましょう。

肥料の与え方

スイセンは球根や苗を植える際に、あらかじめ元肥として緩効性の化成肥料を混ぜておきます。

地植えの場合は、土をやわらかくするために、堆肥や腐葉土などの有機物と緩効性化成肥料を入れて40~50cmほど深耕しておきましょう。

発芽をしたら、規定の濃度よりも薄めた液体肥料を水やりの代わりに追肥します。生育をよくしたい場合は月に2回ほどの頻度で4~5回与えます。

窒素分の多い肥料を施すと花つきが悪くなるのでリン酸分の多い液体肥料を選びましょう。花後はお礼肥としてカリ分を多く含む化成肥料を施します。

冬越し

スイセンは一定期間の寒さに当てることで花芽をつけ、開花します。冬場は戸外の日当たりのよい場所で管理しましょう。

秋に球根を植えてから春先まで芽が出ません。しかし、根は土の中で生育を続けているので水やりを忘れないでください。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。

スイセンは耐寒性が強いため特別な防寒は必要ありませんが、土が凍ってしまうと根が傷む恐れがあります。冬場の水やりは夕方以降の時間帯を避け、午前中のうちに済ませます。

スイセンの選び方

スイセンの球根を購入する際は、表面に汚れや凹凸がなく、重みがあり締まったものを選びましょう。実際に触れてみた時にふにゃふにゃするものは避けます。

苗を買う時は、まず害虫が付いていないか確認してください。まわりの他の苗と比べて葉色が悪いものは避け、しっかりと根が張ったものを選ぶようにします。

スイセンの増やし方

スイセンの白い花

スイセンは、花後の球根についた子球を分けることで数を増やすことができます。

花が咲き終わったら株ごと処分せず、花の部分のみを手で摘み取ります。残しておいた葉と花茎が光合成をおこなうことによって球根が肥大化します。

葉茎が黄色く変化して枯れ始めたら、球根を掘り上げて土を落としましょう。子球がついているものは手で割って分球します。掘り上げた球根は、風通しのよい日陰に置いて乾燥させます。

球根がよく乾いたら、茎や根を取り除き、植え付けの時期までネット袋などにいれて風通しのよい場所で保管してください。

ヒヤシンスの球根は10~11月頃が植え付けの適期です。鉢植えの場合は18cm鉢に5球ほどを球根の頭が隠れるくらいの深さに増えましょう。

地植えであれば、小さい球根は間隔を10~15cmほど空け、6~7cmほどの深さで植え付けます。大きいものは10~15cmの間隔、深さ15~20cmほどが目安です。

スイセンの植え替え

スイセンは3~4年であれば植えっぱなしにしていても開花します。株が混み合ってきた時や数を増やしたい時は、球根を掘り上げ、分球するか新しい球根を購入して育てるのが一般的です。

球根を掘り上げて新しく植え付ける場合は、花が咲き終わった後に花がらを摘み、葉と茎を残した状態で通常通り管理します。

葉の2/3ほどが黄色くなって枯れてきた頃に掘り上げてください。葉と根をつけた状態で風通しのよい日陰に1か月ほど置いて乾燥させ、それから葉と根を取り除き、ネットなどに入れて保管します。

秋になったら新しい鉢や花壇、庭などに植え付けましょう。

病気・害虫

スイセンがかかりやすい病気には「軟腐病」や「モザイク病」が挙げられます。

軟腐病は植物に細菌が入り込んで葉が腐らせる病気です。高温多湿な環境下で発生しやすいため、土の水はけは常によくしておきます。

モザイク病にかかると花びらや葉に斑が入ったりまだら模様が現れたりします。ウイルスによる伝染性の病気です。

いずれの病気も発症した箇所は元に戻らないため、発見したら速やかに取り除いてください。軟腐病は薬剤を使用することによりある程度の予防が可能です。

スイセンにつきやすい害虫にはアブラムシがいます。

アブラムシは春先に発生しやすく、葉や茎について養分を吸汁するほか、モザイク病の原因となるウイルスを運んできます。

株元に薬剤を撒いたりして発生を防ぎ、発生を確認したらすぐに割り箸や粘着テープなどで取り除いてください。

スイセンの毒性や危険性について

スイセンは美しい花姿をしていますが、花や茎、葉、球根の全てにアルカロイドという有毒成分を含んでいます。体質によっては触れるだけで皮膚が炎症を起こすことがあるので、植え付けの際などは手袋などで保護してください。

また、誤って口にしてしまうと悪心や下痢、頭痛、発汗などの中毒症状を引き起こします。中には死に至る事例も報告されており、厚生労働省などが注意を呼びかけています。

スイセンは葉がニラ、球根が玉ねぎやニンニクに似ているため誤食しやすいため、畑の近くなどの間違いやすい場所に植えると危険です。特に春先にニラと間違えて食中毒になるケースが度々報告されています。

また、小さな子供やペットの手がとどく範囲にはなるべく植えないようにしましょう。

タイトルとURLをコピーしました