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アルストロメリアの育て方

色鮮やかで花持ちも良い事からフラワーアレンジメントにもよく利用されるアルストロメリアの育て方を解説しているページです。

百合水仙(ユリズイセン)とも呼ばれ、ユリに似た花を咲かせるのが特徴的です。

下記ではアルストロメリアを育てる際のポイントについてご紹介しています。

アルストロメリアの特徴

アルストロメリアは南アメリカを原産とするユリズイセン科ユリズイセン属(またはアルストロメリア科、アルストロメリア属)に分類される多年草です。

赤やピンク、白、黄、オレンジなど花色が豊富で、色調も鮮やかなものからシックなもの、パステル調まで多彩です。ユリに似た花姿に縞模様の入った花びらが特徴で、エキゾチックかつ華やかな印象を与えます。

南米を中心に100種ほどが自生しており、乾燥地から湿地に咲くものまで品種によって生育環境が異なります。多くのタイプは初夏に開花しますが、環境によって長期間咲き続ける品種もあります。

現在はオランダを中心に育てやすく花色の変化に富んだ品種が多く作られています。

色彩豊かなため花束やフラワーアレンジ、切り花に多く利用される人気の高い花です。

基本データ

難易度 普通
流通名 アルストロメリア、百合水仙、ユリズイセン
成長速度 やや速い
花・種 5月から7月上旬にかけて開花します
日照量 日光を好み、日なた~半日陰でよく育ちます
温度 暑さ弱く寒さにやや強い植物です
湿度 多湿に弱く乾燥気味の環境を好みます
花言葉 持続、エキゾチック、知性(青)、気配り(ピンク)、幸い(赤)

アルストロメリアが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

アルストロメリアは品種によって適切な生育環境が異なりますが、基本的には日当たりと水はけのよい場所で元気に育ちます。

もともと冷涼でやや乾燥気味の環境に自生するため、高温多湿になると根腐れしやすくなります。日なたから半日陰になる場所が適していますが、暑さに弱いため高温になる夏場は軒下やベランダなどの日陰に移してもよいでしょう。

寒さには比較的強いものの株が凍結すると枯れてしまうため、冬は霜や雪が当たらないベランダや室内へ移動させて管理します。地植えのアルストロメリアには腐葉土や敷きわらなどでマルチングを施すと安心です。

地中深くに根茎があるため、植え付ける土はあらかじめ40~50cmほど深耕しておきます。株元に水が溜まると根腐れを起こすため、10cmほど高く盛り上がるようにします。

酸性土を苦手とするので、植え付ける前に苦土石灰を混ぜて酸度を中和してください。

温度・湿度

アルストロメリアはもともと涼しい地域に自生する植物なので、高温になる日本の夏は苦手です。基本的には日なた~明るい日陰に置いて育てますが、日差しが強くなる夏場は軒下などの風通しのよい日陰に移しましょう。

寒さにはやや強く、凍結しなければ戸外での冬越しも可能です。霜や雪に当たると株が傷んでしまうので、氷点下が続くような寒冷地では日当たりのよいベランダや室内に移します。

地植えのアルストロメリアには敷きわらや腐葉土などで株元を覆うマルチングを施して防寒してください。

乾燥気味の環境を好み、多湿を苦手とします。根腐れを防ぐためにも水の与えすぎには注意しましょう。

用土

アルストロメリアはやや乾燥気味に管理するのがポイントです。土の過湿による根腐れを予防するため、用土には水はけのよい土を使用してください。

自作する場合は、赤玉土(小粒)4:鹿沼土(小粒)3:腐葉土3などの割合でブレンドした土がおすすめです。園芸店などで売られている草花用培養土でもかまいません。

地植えの場合はあらかじめ苦土石灰を混ぜて土壌の酸度を中和しておきます。腐葉土やパーライトを加えると水はけ・水もちのバランスがよくなります。

アルストロメリアを上手に育てるコツ

水やり

アルストロメリアの水やりの頻度やタイミングは生育のサイクルによって異なります。

茎葉が元気に伸びる生育期には、土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安ですが、受け皿に溜まった水はすぐに捨てましょう。

花が咲いた後は水やりの回数を減らしていきます。茎葉が枯れたら休眠期に入ったサインなので、水やりをストップしてください。

地植えのアルストロメリアには基本的に降雨のみで問題ありません。晴天が続くなど極端に乾燥が続く場合のみ、水を与えます。

肥料の与え方

植え付ける際に元肥として緩効性肥料を土に混ぜたら、地植えの場合は基本的に施肥の必要がありません。

鉢植えのアルストロメリアには、生育期に入る春から開花するまで、1か月に1度のペースで緩効性肥料を置き肥しましょう。もしくは規定の濃度に薄めた液体肥料を月に3~4回水やりの代わりに与えます。

開花した後は生育が緩やかになるため肥料を与える必要はありません。栄養過多になると根を傷める原因となるので気をつけます。

冬越し

アルストロメリアは比較的寒さに耐える草花ですが、品種によって耐寒性の強弱は異なります。

冬のみ休眠する四季咲き性のタイプは寒さに弱いものが多いため、冬はできるだけ暖かい室内へ取り込みます。

夏と冬に休眠する一季節咲の種は寒さにも耐えるため、関東以南の暖地であれば基本的に戸外での冬越しが可能です。

ただし、強い霜や雪に当たると株が傷んでしまうので、鉢植えの場合はベランダや軒下など寒さを凌げる場所に移動させるのが安心です。

地植えのアルストロメリアにはマルチングを施して防寒してください。

アルストロメリアの選び方

アルストロメリアの苗を購入する際は、葉色が濃い緑色をしていて、茎がしっかりと太いものを選びましょう。

害虫がついた株を買ってしまうと後になって弱ることがあるので、葉の裏まで確認して健康な株を購入してください。

アルストロメリアの増やし方

アルストロメリアは株分けと種まきによって増やすことができます。

株分けは基本的に植え替えと同時におこないます。まず根を傷めないよう鉢から株を抜き取り、根土を落とします。清潔な手やナイフで株を切り分けてください。

この時、地下茎の先についた芽を傷つけないよう注意します。球根は乾燥に弱いため、掘り上げて株を分けたらすぐに新しい鉢へ植え替えます。

株分けは春または秋におこなうとよいでしょう。

アルストロメリアの種は、実が熟して2か月ほど経ったら採取してすぐにまきましょう。休眠期になるまで待ってしまうと初芽が不揃いになり、日数もかかります。

採取した種は、土を入れた鉢に重ならないように並べ、6mmほど覆土します。種まき後は土を乾燥させないように管理します。

新しい種であれば初芽しやすいですが、球根から育てる時と比べると花が咲くまで時間がかかります。

アルストロメリアの種まきは9月下旬~10月上旬頃が適期です。

アルストロメリアの植え替え

アルストロメリアはずっと同じ鉢で育てているとすぐに根が回ります。根詰まりによる根腐れを防ぐため、また用土の劣化を解消するため、1~2年に1度のペースで一回り大きな鉢へ植え替えましょう。

鉢底から根が出てきたり水が上手く染み込まなくなったりした時も植え替えのタイミングです。

アルストロメリアの植え替えの手順は以下の通りです。

  1. 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  2. 清潔な用土を鉢の1/3程度まで入れる
  3. 鉢から株を抜き出し、古い土を丁寧に落とす
  4. 鉢の中央へ株を置いて土を隙間なく入れる
  5. 水をたっぷり与えてしばらく半日陰で管理する

アルストロメリアの植え替えは休眠期となる9~10月もしくは3~5月頃が適期です。

病気・害虫

アルストロメリアがかかりやすい病気には「灰色カビ病」があります。

灰色カビ病は、カビ菌による伝染性の病気です。発症すると初めに小さな淡褐色の病班ができ、次第に腐敗してカビに覆われます。

病気になった箇所は速やかに切除しましょう。日当たり・風通しが悪く、湿気の高い環境下で発症しやすいため、株が混み合ってきたら適宜間引いてください。

花がらや枯れた葉は感染の原因となるため、こまめに取り除きましょう。

アルストロメリアにつきやすい害虫には「アブラムシ」や「オンシツコナジラミ」がいます。

アブラムシは植物に寄生して植物の栄養分を吸い取り、株を弱らせる害虫です。発見したらすぐに粘着テープや薬剤を用いて駆除します。

オンシツコナジラミは羽をつけた白っぽい虫です。株から養分を吸い取り、フンをまいて病気を誘引します。葉の裏をチェックして卵や成虫を発見したら早めに葉を切除し、殺虫剤を吹きかけて駆除してください。

アルストロメリアの毒性や危険性について

アルストロメリアの球根を切り分けた時に出てくる乳汁には、ツリパリンやツリポシドといった有毒成分が含まれています。

手で触れるとアレルギー性の皮膚炎を起こします。株分けなどの作業をする際は厚手の手袋などを着用するようにしてください。

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