植物活力剤でお馴染み、メネデールの使い方とその効能や効果をまとめます。
春から秋にかけて多くの植物は成長期となりますが、鉢植えやプランター等の限られたスペースで植物を栽培していると、土の中の肥料分や微量要素を使い果たしてしまい状態がいまいちパッとしなくなる状態が起きてしまいます。
その場合は、土を新しくして肥料分を補給してあげたり、根詰まりを解消してスムーズな成長を手助けしてあげたりする訳ですが、その時に役立つのがメネデールという活力剤です。
このページではメネデールを使うメリットやその効能、どういうタイミングで使うかなどをご紹介していきます。
メネデールは肥料ではなく活力剤
まずはじめにメネデールとは何か?ですが、メネデールは肥料ではなく活力剤という位置付けになります。
製造元であるメネデール株式会社によると、メネデールは植物のサプリメントと説明しています。
植物の三大栄養素は「窒素、リン酸、カリウム」ですが、メネデールにはこれらの成分が含まれておらずまた肥料では無いため成分表示の義務もありません。
また、植物の成長には「窒素、リン酸、カリウム」が必要ですので、メネデールだけでは植物の栄養素が不足するので肥料は別に与える必要があります。
メネデールの有効成分とその効能
メネデールは「二価鉄イオン(Fe²⁺)」を補給するための活力剤となります。
何やら聞き慣れない言葉で、私達のような趣味の植物愛好家には難しい話ですが、鉄は植物の成長に必要不可欠な要素となります。
鉄は植物が生育するために土から吸収しなければならない16種の元素の内の1つであり、これが吸収できなくなると植物は鉄欠乏の症状、葉の緑色が薄く黄色になり極端な時は白色になり、成長できなくなります。
出典 日本植物生理学会
また、メネデール社によると「水分や養分の吸収を高めたり、光合成を活発にする働きもある」とも説明されています。
メネデールの使い方
メネデールの使い方はとても簡単で「1Lの水にキャップ一杯(10ml)を加えて100倍に希釈」して使います。
100倍希釈が基本的な使い方で、他には状況に応じて50倍~200倍程度に薄めて使います。そして、希釈したメネデール水溶液はこのように植物に与えます。
- 希釈したメネデール水溶液をそのまま水やりに利用する
- メネデール水溶液に挿し木を漬け込む
- 切り花や水栽培の水にメネデール水栽培を利用する
- 植え替え前に根をメネデール水溶液に漬ける
- 霧吹きで葉面散布を行う(観葉植物などに)
頻度は多くても一週間に一度位がいいでしょう。植物の状態を見ながらですが、自宅では成長期は月に一度位のペースで与えています。
メネデールのメリットとデメリットを簡単に
メネデールがどのような物かわかったので簡単にメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット
- 光合成を活発にする働きがある(成長が促進される)
- 成長に不可欠な微量要素が補給できる(Fe)
- メネデールは鉄を植物が吸収しやすい形にしている
- 与えすぎても問題ない
三大栄養素ほどではないにしろ植物に必須である微量要素の一つを手軽に補給できるというのが、メネデールを使う最大のメリットかと思います。
肥料は与えすぎると肥料焼けを起こしたりするので取り扱いが意外に難しいですが、メネデールに関しては少々与えすぎてしまったも特に問題は起きません。
デメリット
- やや高価である
- 効果が実感できない時もある
メネデールのデメリットはやや高価な園芸アイテムという事でしょうか。活力剤はどれも肥料に比べると高いですが、メネデールはとても使いやすい活力剤だけに結構使ってしまいます。
また、当然ですがメネデールを与えたからと言って必ずしも植物が元気になるとは限りません。
肥料切れや根詰まりを起こして別の原因で弱っている植物にはメネデールをいくら与えても効かない場合があるので、その場合は他の要因も疑って問題を取り除いてあげましょう。
メネデールは水草にも安心して使えます
メネデールは園芸用の活力剤ではありますが、水草にも安心して使えます。
アクアリウムで水草を育てる一番の難関が肥料の与えすぎによる苔の発生ですが、メネデールはそれらに影響を与えないので自宅では気軽に投入しています。
勿論、魚やエビなどの生体にも影響無しです。
メネデールのラインナップ
メネデールの代表的な製品ラインナップをご紹介します。
植物活力素 メネデール
メネデールと言えばこれを指します。幅広い用途に使え、ラインナップも100mlから20Lタンクまで揃っています。
我が家では10鉢位の観葉植物に対し、500mlボトル一本で一年保つ感じでしょうか。成長を促したい時はもう少し使用しますが、とりあえず500mlボトルを買っておけば安心できます。
メネデール 水草の活力素
メネデールには水草用のパッケージもあります。
メネデール社の方が教えてくれたのですがこちらは通常品とラベルが違うだけで中身は同じとの事です。ですのでどちらを使っても良さそうです。
アクアリウムで水草を育てる時に悩むのが苔(緑藻や珪藻)の問題なのですが、メネデールには藻類に必要な養分が含まれていないので安心して使えます。
自宅では水草の調子が何かパッとしないなと思ったら、水換えのタイミングで根気よく投与しています。
メネデール 樹幹注入液
こちらは樹木専用のメネデールで、幹にドリルで穴を開け直接差し込む点滴タイプの活力剤です。
新しく庭木を植えた時や元気がない時に使うそうです。ただし、ドリルで穴を開ける必要があるので幹が太い樹木に使いましょう。
メネデールを使うと確かに光合成は活発になる
メネデールはもう何年も愛用していて、観葉植物やアクアリウム、水耕栽培にも利用していますが、実感した効果として「メネデールを使うと光合成が活発になる」というのがあります。
育てている植物の様子を毎日観察しての所感ですが、メネデール入りの水を与えると翌日には葉先に水滴を付けているものが多くなり、光合成が活発になった事で根が水を沢山吸い上げたのではないかという推測できるからです。
特に抽水状態で育てるヤマサキカズラはそれが顕著にあらわれます。光量に変化の無いLEDライト育成で、常に水に浸かっているのに普段はそれほど水滴は付きませんが、メネデールを与えた後は水滴を付けている葉が多くなります。
植物は余分な水分を水蒸気として外に放出する「蒸散」と呼ばれる生理現象があるので、葉に水滴が付くのは沢山水分を吸い上げた証拠となります。
これらの事からメネデールが光合成を促進させたのは間違いなさそうです。
まとめ
今回は植物の活力剤、メネデールについてまとめました。
メネデールは肥料では無いので使った事が無いという方も多いとは思いますが、使ってきた所感では成長促進に効果ありと思っています。
斑入りの植物なんかは葉緑体が少ないので成長も遅いと言われていますが、そういう植物を育てる場合には特にいいかもですね。
以上、メネデールの使い方とその効果でした。