植物の乾燥防止や害虫予防が期待できる葉水のやり方についてまとめます。
植物は根から吸い上げる水分だけでも十分育ちますが、種類によっては定期的に葉水を与える事でより健康的に育成できます。
このページでは葉水の効果や頻度、おすすめの霧吹き等をご紹介していきます。
葉水の効果とは?
霧吹きがあれば手軽にできる葉水ですが、簡単なお世話ながらも植物にとっては様々なメリットがあります。
主に葉水は下記効果が期待できます。
- 乾燥対策
- ハダニやアブラムシの予防
- 表面のホコリや汚れを取り除く
エアコンが要らない時期は湿度が約50%~60%と人も植物も快適に過ごせますが、夏場や冬場はエアコンを使う事により乾燥気味になります。そういう時期は葉水で乾燥対策を行うと良いでしょう。
また、葉からも水分はある程度吸収するそうなので葉水の後は目に見えてシャキッとする事があります。ただし、基本的に水分は根から吸うので葉水に水やりと同じ効果を期待してはいけません。
しっかり水やりをやった上で補助的に葉水をしながら植物を育てていきましょう。
葉水を与えた方がよい植物
様々な効果が期待できる葉水ですが、葉水を好む植物とそうでない植物がある事は覚えておきましょう。
ポトスやモンステラ等の熱帯性の植物は多湿を好みますが、サボテンや多肉植物は逆に多湿を嫌い乾燥を好みます。多湿を嫌う植物に葉水を与えてしまうと痛める原因に繋がりますので注意しましょう。
育てている植物に葉水が必用かどうかは購入時に聞くか、書籍やインターネットの情報を調べてみましょう。
葉水を与えるタイミング
次に葉水を与えるタイミングについて説明します。
その植物がどれくらいの湿度を好むかにもよりますが、春~秋にかけては一週間に一度、冬場は水やりの時に一緒に葉水を行うようにすると失敗は少ないです。
主に下記のタイミングで葉水を与えましょう。
- 水やりと一緒に
- 空気が乾燥している時
- 葉の表面が汚れている時
- 植え替え後
乾燥の目安としては湿度が50%を下回っている場合です。葉に張り艶があればいいですがもし少し縮れていたりするようなら葉水は効果的です。
特に植え替え直後は根がしっかりと定着しておらず水を上手く吸収できない場合がありますので、補助的に葉水を与えるようにすると根付きやすくなります。
また、室内で育てる観葉植物には葉にホコリが積りやすいです。ホコリは見た目が悪いだけでなく葉の光合成を妨げるので、なるべく取るようにしましょう。
葉水のやり方
葉水の効果的なやり方をここで説明します。
葉水のやり方も人それぞれこだわりはありますが、自宅ではこのやり方で葉水を行っています。
- 葉水はたっぷりかけてあげる
- 葉の表面だけでなく裏側もしっかりかける
- 幹なども一緒に霧吹きでかけてあげる
- 春~秋は週一度、冬場は二週間に一度くらい
- 少し鉢を揺すって余分な水滴を落としておく
- 葉水は濡れてもよい場所で行う
- 水やりと一緒にやると効率が良い
この時の大事なポイントは「霧吹きは使いやすいものを用意しておくこと」です。
霧吹きは安ければ100円とかで買えてしまいますが、様々な角度で使える霧吹きを強くオススメします。
葉水は表面だけでなく裏や幹などにもかけるので、どの角度でも使える使いやすい物を使った方がストレスがありません。
霧吹きは長く使う物ですので使い勝手の良い物を購入しましょう。
葉水におすすめの霧吹き(スプレー)
安いのから高い物まで様々な種類がある霧吹きですが、これまでに使ってきた中で特に良く今も愛用している物を二点ご紹介します。
振り子式のハンドスプレー
マルハチ産業株式会社が販売している振り子式のハンドスプレーはとても使いやすいのでおすすめです。
水を吸い上げるチューブがシリコン製で柔軟なので大きく傾けながらでもしっかり霧吹きができます。ストレス無く使える代物です。
よくある霧吹きは中のチューブがプラスチック製で固く、傾け方が悪いとすぐ止まってしまいますが、こちらの製品はチューブの先が重り状になっているためこのような事が起きにくいです。
逆さまにしても使えるので1つあると重宝します。ロングノズルのあり無しはお好みですが、無い方が取り回しが良いかなと感じています。
蓄圧式スプレー
鉢が沢山あったり外の植物に葉水を与える場合は蓄圧式の霧吹きスプレーがおすすめです。
こちらもマルハチ産業株式会社の製品でタンクの容量も1Lや2Lと各種あります。2Lを使っていましたが取り回し的には1Lの方が扱いやすいと思います。
レバーで空気を貯めてから使うので長い時間スプレーをする事ができます。
葉水に関する小ネタ
葉水に関する豆知識、過去に起きたトラブルなどをここでまとめます。
葉に残る白い跡は水垢が原因
住んでいる地域によっては葉水の後に、葉の表面に白い跡が付いてしまう事があります。
これは水道水に含まれるカルシウム等のミネラル分が原因で、水垢とも呼ばれる厄介な存在です。
水にも軟水や硬水がありますが、このミネラル分が多く溶け込んでいる水は硬水と呼ばれ、水の硬度が高いと水垢が付きやすいです。
一般的に関東は硬水で関西は軟水の地域が多いとされていて下記は比較的、水道水の硬度が高い地域とされていています。
硬度が高い地方 | 東京、千葉、埼玉、神奈川、群馬、滋賀、福岡、熊本、沖縄 |
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水垢が葉に付くと非常に取れにくく見た目が悪くなってしまうので、自宅(関東圏)では家庭用浄水器を使うようにしています。
安価で実績のあるのは三菱のクリンスイですが、大体の蛇口に対応していて取り付けも簡単なので葉水による水垢に悩んでいる方は試してみてください。
葉水が原因で葉焼けは起きるのか?
日差しが強い時に葉水をしてしまうと、レンズ効果(水滴が光を集めてしまう現象)により葉焼けが起きてしまうと言われています。
なので、夏場は日が落ち始める夕方頃に葉水をやると良いと説明している方が多いです。
しかし、これには諸説があるようで個人的な意見としては葉水による葉焼けはそこまで心配する必用が無いと考えています。
特に室内で育てる観葉植物に限っていうと、室内は外ほどの強烈な日差しが当たらないのと、強い日差しが当たる場所はそもそも育成に適さない事が多いためです。
自宅の観葉植物は葉水の後拭き取りせずに、日の当たる窓際にそのまま置いていますがこれでトラブルになった事は一度もありません。
プロの方もこれに疑問を持ち検証されているので、興味がある方は下記リンク先を読んでみてください。
植え替え直後にも葉水は効果的
根がしっかり定着していない植え替え直後は、葉水による水分補給が効果的です。
根が水分を上手く吸えないと地上部はどんどん萎れてやがて枯れてしまいますが、葉水をしておくと水分の蒸発を抑えられ成功率も上がります。
これは挿し木の時にも有効ですので、多湿を好む植物を増やす場合には使える手段です。
まとめ
今回は手軽だけどメリットが沢山ある葉水についてご紹介しました。
葉水はコストも殆どかからないお手軽なお手入れの方法でもあるので、観葉植物を育てている方は是非やってみてください。