スリット鉢の使い方!効果やメリット・デメリットを解説

園芸

園芸家の間で愛用されているスリット鉢についてまとめているページです。

スリット鉢は名前の通り鉢に大きく切れ込みが入った鉢の事で、鉢の中で根が回転してしまうサークリング現象を防ぐ効果がある特殊な鉢となります。そしてそれ以外にも、軽くて丈夫で安価という利点もあります。

これまでテラコッタ鉢を使って来ましたが、植物の育成促進と管理の負担を減らすためにスリット鉢のとんでもポットに全て切り替えたので、そのメリットやデメリットを解説していきます。

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スリット鉢とは?

スリット鉢はここ最近、ガーデニングでも利用される事が多い鉢です。鉢底部分にスリット穴が開いています。

材質もプラ製の鉢が多いので軽くて扱いやすいというだけでなく、安く購入できるといったメリットもあります。丸型、四角、八角形と形も豊富で、カラー展開やサイズ展開も多く取り揃えられているものが多いので、コーディネイトはしやすいです。

逆に見た目でプラスティック製とすぐにわかってしまう作りなため、デザイン性で言えばあまり良くないといった部分をデメリットに感じる人もいるでしょう。

大きな特徴の一つでもある底部分のスリット穴が開いているおかげで生育管理がしやすく、初心者から上級者の方まで管理しやすい鉢という部分で人気がある鉢の種類の一つです。

スリット鉢の効果

スリット鉢を使用して植物を植える事によって、底部分のスリット穴が開いているからこその効果が出てきます。

まず、水はけが良くなるので根腐れを防ぐことが出来ますし、鉢内の水分量をある程度調整してくれます。

そして根の成長が早い植物にもおすすめでです。

スリット穴のおかげで、鉢植えに良く見られる根が旋回してしまうサークリング現象を防ぐ事も可能です。

根のサークリング現象
根のサークリング現象

他にも鉢内にフィンを設置したり凸凹加工をする事で鉢の中のサークリングをしにくくするといった工夫がされています。

フィンなんて製造工程の中で出来て出っ張っているものかな?というイメージだったり、凸凹部分も重ねやすくするためかなと考えていましたが、根の成長のために工夫されていたんですね。

他にも底部分にスリットが入っているおかげで鉢内に酸素がいきわたりやすいというメリットもあります。成長にも一役買ってくれるという事なのです。

また、植え替えのタイミングを逃してしまった!という時に根が異常に成長していたという事もあると思いますが、スリット鉢の場合はサイドにスリットが入っているおかげで光と酸素が入りやすい環境になっています。

そのため根を必要以上に成長させない様に調整してくれる優れものです。

スリット鉢の使い方

スリット鉢を使用する際に覚えておきたいポイントが2つあります。

まず1つ目が、スリット鉢は直接土の上に置かない様にしてください。

先程も少し解説していますが、スリット鉢はスリット部分から光と酸素が張り込む事で根の成長を適度に止めてくれる働きがあります。

土の上に直接スリット鉢を置いてしまうと、うまい事酸素や光が入らずにどんどん根が成長、そして穴部分から土に根が飛び出て入り込んでしまう可能性もあるのです。

そのため、スリット鉢を置く際に下が土の場合はレンガやブロックの上に置くと土に根が入り込む事を防げます。

2つ目ののポイントは鉢底石はスリット鉢で使用しなくても大丈夫という事です。

土が漏れてしまいそうという事で鉢底石を敷いてしまいがちですが、石自体がスリット部分を塞ぐ事になるので、結果として他の植木鉢と同じ様に根がサークリングしやすくなってしまいます。

土の詰め方についてですが、ある程度水分を含んだ土を使い、下の部分は粗目の土を詰めるとスリット部分の土も漏れにくくなるでしょう。

そして下の部分はある程度しっかりと土を詰める事で土が漏れて周辺を土だらけに汚してしまうという心配も軽減されます。植え方をちょっと工夫するだけで鉢底石を使わずに植えてスリット鉢の働きを充分に生かした使い方が出来ます。

スリット鉢のサイズ表

スリット鉢は愛用者が多いだけにサイズも豊富に取り揃えています。ここでは安価で最も簡単に手に入る「とんでもないポット」の規格を一覧表にしています。

品番 号数 容量 サイズ(外形x内径x高さ)
CSM-60 2号鉢 約0.1L 6 x 4.5 x 5.6
CSM-75 2.5号鉢 約0.2L 7.5cm x 5.5cm x 6.7cm
CSM-90 3号鉢 約0.3L 9cm x 6cm x 7.5cm
CSM-105 3.5号鉢 約0.5L 10.5cm x 7.5cm x 9cm
CSM-120 4号鉢 約0.6L 12cm x 8cm x 10cm
CSM-135 4.5号鉢 約0.9L 13.5cm x 9.5cm x 10.8cm
CSM-150 5号鉢 約1.4L 15cm x 11cm x 12.5cm
CSM-180 6号鉢 約2.5L 18cm x 14.5cm x 15.8cm
CSM-210 7号鉢相当 約4.3L 20.5cm x 17.5cm x 18.6cm
CSM-240 8号鉢 約6.1L 24cm x 19.5cm x 21cm
CSM-270 9号鉢 約8.8L 27cm x 22cm x 23.6cm
CSM-300 10号鉢 約12.8L 30cm x 25.5cm x 26.5cm
CSM-400 13号鉢相当 約30L 40cm x 33.5cm x 33.3cm

スリット鉢には深鉢タイプも用意されています。バラやユリなど根を深く張る植物を植える場合はこちらを使います。

品番 号数 容量 サイズ(外形x内径x高さ)
CSM-120L 4号鉢 約1.3L 11.5cm x 8cm x 13.6cm
CSM-150L 5号鉢 約1.9L 15cm x 11.8cm x 17cm
CSM-180L 6号鉢 約3.5L 18cm x 13.4cm x 20.5cm
CSM-210L 7号鉢 約5.1L 21cm x 16.6cm x 25cm
CSM-240L 8号鉢 約8.6L 24cm x 18.5cm x 27.4cm

スリット鉢を使うメリット

ここではスリット鉢を使うメリットについて解説します。

根張りが良くなる

スリット鉢の大きな特徴でもある底部分に入ったスリットが余分な水分を鉢に貯めずに排出してくれます。

そのため他の鉢と違い鉢の周辺や底部分に残りがちな水分が溜まる事もありません。溜まった水分が多いと酸素を求めて根が鉢の縁を旋回してしまうサークリングが起きてしまいます。

サークリングをした根は木質化してしまい新しい根の成長を邪魔する原因にもなるのです。

スリット鉢を使う事で、スリット鉢内の土の水分を均一にして根をまっすぐ生育させるといったメリットがあります。質の良い根の張り方で生育管理が出来る様になります。

植え替える度に根が旋回して絡まっているのであれば、スリット鉢をお試しください。

水はけが良くなる

スリット鉢でなくても植木鉢やポットは構造的に排水の働きをしてくれる穴が開いているので、なぜスリット鉢の方が良いのか?と思いますよね。

通常の植木鉢の場合、丸い穴が開いていたり、小さめの穴が数か所開いている様な作りになっています。この作りだとある程度水分の排出はしてはくれますが、水による表面張力が働いて充分に水分が排出されてない状況になるのです。

鉢の中の水分が多くなると酸素が少なくなるので、根が酸素を求めて鉢内をぐるぐる旋回する様に成長してしまいます。サークリングをした根は木質化しやすくなるので成長に必要な水分や栄養、酸素を充分に取り入れにくくなる事も。株の成長自体に支障が出る場合もあるのです。

サークリングを防ぐために重視したいのが、鉢内の水の排水を良くするという事。

スリット鉢の場合、底部分と側面に渡ってスリットが入っているため、小さな鉢穴だけという植木鉢よりも穴部分の表面張力が起きず水分がスムーズに排出されます。

スリット鉢は軽く割れにくい

スリット鉢が扱いやすいという特徴の一つとしてプラスティック製の鉢があります。

小型の植物を植える際には特に問題がありませんが、6号を超えたあたりから使用する土の量が多くなるにつれて重量が重くなってきます。

大型に関しては素焼きや陶器の鉢を使うと鉢自体に重みがあるので更に重さがプラスされますよね。ちょっとぶつけたら割れやすいという心配もありますし、季節や気温に応じて移動させる事も困難になりがちです。

プラ製のスリット鉢であればある程度大型の植物を植えたとしても必要に応じて動かしやすいという軽さ、そしてある程度の強度もあるといったメリットがあります。

安価でサイズも豊富

スリット鉢のおすすめポイントとしては入手しやすい、利用しやすいという点ではないでしょうか。

スリット鉢には色々ありますが、多く流通する「とんでもないポット」を一例に上げてみますと、楽天ではかなり安い価格で販売されていました。

2号の小さいサイズは20円ちょっとで売られていましたし、6号で約150円、7号で280円前後、10号でも800円前後という感じでしょうか。ショップによって値段の違いはありますが、かなり他の鉢の種類に比べてもリーズナブルに購入できます。

そしてサイズも豊富。土が100㏄入るサイズから大型のものは30L入るものまでたくさんの種類があるのでお好みのサイズの鉢を入手しやすいです。

スリット鉢は処分も簡単

スリット鉢の隠れた利点としては鉢の処分が簡単という点があります。

小型のプラスチック鉢であれば殆どの自治体で可燃ごみとして収集してくれますが、30cmを超えるようなサイズになるとプラスチック製でも粗大ゴミ扱いになったり、テラコッタ鉢だとまた扱いが変わり面倒です。

しかし、スリット鉢のとんでもないポットの場合は大きめのハサミを使えば簡単に切れてしまうので、大きなサイズでも切断すれば可燃ごみとして出せます。

植木鉢は割れない限り洗えば何度も使えますが汚れてはくるので、取り替えや処分のしやすさも重要なポイントです。

スリット鉢を使うデメリット

使うことで多くの利点があるスリット鉢にもデメリットが幾つか存在しますので解説していきます。

スリットから土が溢れやすい

スリット鉢を使用している人から聞かれるお悩みで多いのが、スリット部分から土があふれやすいという意見があります。

水はけを良くする、根回りを防ぐという目的もあるので鉢底石は使わずに植えるという点、そして細かい土を使って植えた場合はスリット部分から土が出てきやすいという悩みも聞かれます。

対策としては底部分はある程度粒子が粗目の土を入れて、上の部分は細かい土で植える様にすれば土が流れ出やすくなってしまうという悩みは改善出来ます。

また植え替えの際にも乾燥した土を入れるとサラサラとスリット部分から流れ出やすくなってしまうという傾向もありますので、植え替えで使用する場合はある程度土に水分を含ませて植え替えに使用してみましょう。

スリットから虫が侵入しやすい

スリット鉢を使用していてデメリットに感じる点としては虫の心配でしょうか。

スリット部分からナメクジ等の虫が侵入しやすいという傾向があります。虫が入り込み鉢内で大量繁殖してしまったら見た目にも不快になりますし、養分を吸ってしまう虫の場合は植物の生育自体に影響が出てしまいます。

実際にスリット鉢を使用している人が虫の侵入対策として行っているのは、ネットを使用する事。

水はけや流れを良くするために粗目のネットがおすすめです。排水溝用のネットであれば粗目の作りですし、排水機能も良いので使いやすいです。

底部分にネットを敷いてから土を入れるといった方法で、虫が侵入しない様に対策する事が出来ます。

鉢が軽いので転びやすい

スリット鉢の中でも扱いやすい点として「軽くて扱いやすい」とご紹介していますが、逆に考えると「軽さが災いして横転しやすい」というデメリットもあります。これはプラ製という事もあるのでしょうがないともいえますね。

風が強い日や台風が近づいて風速が高い予想が出ている時には、小型のものであればあらかじめ室内に移動する、また大型の鉢の場合も影響が少ない場所に移動したり倒れにくくなる様に固定する等して対策をしてください。

デザイン性が良くない

スリット鉢のプラ製の鉢に関しては、ある程度形の種類があったり、色やサイズが豊富といったメリットもありますが、「明らかにプラ製の鉢」に見えてしまうといったデメリットがあります。

使い勝手や持ち運びやすさ、根の成長をサポートしてくれるといった機能性を重視するという場合は問題ないのですが、見た目を重視しているという人にとっては若干、デザイン的に良くないと感じる人もいます。

スリット鉢に鉢底石は必要?

スリット鉢を使用するにあたって普段の習慣で下に敷きたくなるのが鉢底石。なんとなく鉢に土を入れる前に下に敷いておきたいと思いますよね。

スリット鉢の場合は基本的に鉢底石は不要といわれています。

理由としては、スリット部分から酸素や光が入ってくることにより根の成長を止め、根の旋回を防いでくれる仕組みです。

スリット部分を塞ぐ様に鉢底石が入ってしまうと光や根の成長が止まらずに旋回しやすくなるので、スリット鉢のメリットを生かしきれなくなります。出来れば鉢底石を入れない方がベストです。

ただ、使っていくうちに鉢底部分から土が流れ出やすいのでなんとかしたいといのであれば、流出防止目的として鉢底石はあると便利です。

スリット鉢に植えられる植物

スリット鉢は果樹の栽培や野菜の栽培、観葉植物にもお勧めです。一般的にはどの植物にも万能的に使えます。

根の旋回を防いで鉢の中心部にも根を増やし、水分や酸素をしっかりと取りこみながら成長していってくれるだけでなく、根詰まりをある程度防いでくれるので、植え替えタイミングも長めになるといったメリットがあります。

根が傷みやすいからあまり頻繁には植え替えしたくないと思える植物にもおすすめですね。

まとめ

スリット鉢は植えたい植物に合わせて選べるサイズ展開、カラー、そしてお手ごろな価格で入手できるので人気のある鉢です。

角に水が溜まりがちになるという傾向があるので、側面から底にかけて角部分の排水をスムーズにしてくれるスリットが入っています。

普通の鉢植えに良く見られる根が旋回してしまうサークリングを防ぎ、適度なところで根の成長を止め、鉢の中心部にまで新しい根がたくさん増える仕組みになっています。

どんな植物にも向いています。

鉢を変えるだけでも根の成長具合が変わるので、一度お試しください。

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