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オロスタキスの育て方

多肉植物

多肉植物オロスタキスの育て方を解説したページです。

薔薇のような葉を付けるオロスタキスは爪蓮華(ツメレンゲ)の品種が有名で、日本にも自生し古くから観賞用として楽しまれてきた植物です。

このページではオロスタキスの育てるポイントや特徴等をご紹介しています。

オロスタキスの特徴

オロスタキスは日本や中国を原産とするベンケイソウ科オロスタキス属(イワレンゲ属)に分類される多肉植物です。

多肉質の葉がロゼッタを組み、可愛らしいバラのような見た目をしているのが特徴です。開花期になると伸びる花芽もインパクトがあり多くの園芸ファンに親しまれています。

ロゼッタ状の子株がつる状に連なる「子持ち蓮華」や、葉先が爪のように尖った「爪蓮華」、葉の縁に白い班が入った「富士」、黄色い班が入った「金星」などが代表的な品種です。

花芽をつけた親株は枯れてしまうことが多いです。枯らしたくない場合は花芽を切り取るか親株の脇についた子株を切り分けて育てます。

日本原産のオロスタキスは江戸時代から観賞用の植物として栽培されていたとも言われています。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 オロスタキス
成長速度 速い~やや遅い(品種による)
花・種 白く小さい花が穂状に咲きます
日照量 日光を好みますが夏の直射日光は避けましょう
温度 暑さに弱いため夏は半日陰で管理します
湿度 多湿に弱いので土の過湿には注意してください
花言葉 想い、前向きな恋、豊かな才能(子持ち蓮華)

オロスタキスが好む環境

多肉植物オロスタキスの品種、爪蓮華
オロスタキス 爪蓮華(ツメレンゲ)

日当たりと置き場所

日当たりのよい場所を好みますが、葉焼けを防ぐため夏場の直射日光は避けましょう。

屋内で育てる場合

オロスタキスは年間を通して屋内でも育てられますが、日当たりを好むため明るい場所に置きましょう。日によく当てたほうがぷっくりとした葉になります。

ただし暑さには弱いので、夏場は葉焼けを防止するため直射日光は避けてください。じめじめとした環境を苦手とするため風通しのよい室内に置いてください。

冬場もできるだけ日の当たる場所に置いて徒長を防ぎましょう。

屋外で育てる場合

オロスタキスは寒さに強い植物なので基本的には1年中戸外で育てることができます。

春と秋の生育期には、日がよく当たり風通しのよい場所に置くようにします。1~2日間であれば雨水がかかっても問題ありません。

オロスタキスは夏の暑さが苦手な植物です。夏場は30%程度の遮光をしたり、軒下に移動させたりて直射日光を避けましょう。

冬は霜や雪に当たらない限り屋外に置いていてもかまいません。氷点下が続く寒冷地では暖かい室内へ移して管理します。

温度・湿度

オロスタキスは葉に水分を蓄える多肉植物なので、乾燥には強いですが多湿な環境は苦手です。風通しのよい場所に置き、梅雨の時期は雨を避けて管理します。

夏場は暑さから休眠状態に入るため、気温が30℃を上回ってきたら軒下や室内などの半日陰に移しましょう。

オロスタキスは寒さに強く、0℃程度までなら耐えます。氷点下を下回る場合は、霜が当たって凍る可能性があるので暖かい室内へ取り込んでください。

用土

オロスタキスは多肉植物のなかでも丈夫なほうなので、使用する用土は特にこだわったものを使う必要はありません。

ただし、多湿な環境を嫌うためなるべく水はけのよい土を使用しましょう。土の過湿は根腐れを引き起こす原因となります。

ホームセンターなどで売られている多肉植物用の土やサボテン用の土、観葉植物用の土を購入するのが最も簡単な方法です。さらに土の表面を赤玉土などの無機質な用土で覆うとコバエ対策になります。

オロスタキスを上手に育てるコツ

ツメレンゲの子株
野生のツメレンゲは日本で準絶滅危惧(NT)に分類されている

水やり

オロスタキスは春と秋に生育する春秋型の植物です。春と秋には土が乾燥したらたっぷりと水を与えましょう。鉢底から水が流れ出くるくらいの量が目安です。

夏と冬はオロスタキスの生育がゆるやかになります。根から水をあまり吸わなくなるため、水やりの頻度を減らして乾燥気味に管理してください。葉がしわしわになってきたら与えるようにします。

また、葉がロゼッタ状に広がっているため上から水やりをすると葉の隙間に水が溜まってしまいます。蒸れの原因となるので水は根元からあげましょう。

葉水

オロスタキスのような多肉植物は乾燥に強いため、葉水は基本的に必要ありません。生育期は土が乾いたらしっかりと水を与え、休眠期には水やりを控えて適切に管理すれば、乾燥が原因ですぐに枯れる可能性は低いです。

ただし、水をあまり与えない休眠期や、室内の暖房などで葉がしわしわになっている場合は、霧吹きなどで水を吹きかけてもよいでしょう。

その際はオロスタキスの葉が薄く濡れる程度の量に止めてください。

肥料の与え方

オロスタキスは肥料を与えなくても十分に成長しますが、秋に紅葉する品種は生育期に少量の肥料を与えるときれいに染まります。

肥料を施す場合は、春と秋の生育期に緩効性の固形肥料を土の上に置くか、規定の濃度に薄めた液体肥料を少しだけ与えてください。

施肥の量が多くなるとオロスタキスが成長しすぎて見栄えが悪くなったり、肥料焼けを起こして根が腐ったりする可能性があります。与えすぎには注意しましょう。

冬越し

オロスタキスは多肉植物のなかでは比較的寒さに強く、霜や雪が当たらない地域であれば戸外での冬越しも可能です。氷点下が続くようであれば室内へ移して管理します。

春秋型の植物なので冬場は休眠期に入ります。水をあまり必要としないため水やりの頻度を減らして乾燥気味の状態を保ちましょう。

冬に屋外で育てる場合、地表部分が枯れてしまうことがあります。しかし、根は生きているので適切な管理を怠らないようにしましょう。春になると新芽を出します。

オロスタキスの選び方

オロスタキスを購入する際には害虫が付いていないか必ず確認してください。害虫が付着したものを買ってしまうと、後になって株が弱ったり他の植物に移ったりする可能性があります。

葉がぷっくりとしていて艶があり、全体的に間延びしていない株を選びましょう。

オロスタキスの増やし方

オロスタキスは葉挿しや株分けによって増やすことができます。

葉挿しで増やす場合は、まず丈夫な株を選んで葉を何枚か切り取りましょう。葉が途中で折れないように根元から綺麗に剥がします。

切り取った葉を日陰に1~2日ほど置いて切り口を乾燥させます。乾いた土を入れたトレイなどの浅い容器に乾かした葉を並べ、根が出るのを待ちます。発根をしたら土をかけて埋め込みます。根が育ってきたら新しい鉢へ植え付け、通常通りの管理に戻しましょう。

ただし、オロスタキスの葉挿しはあまり成功率が高くありません。株を増やしたいのであれば植え替え時などに株分けをするのがおすすめです。

オロスタキスの株分けは、まず株を鉢から抜き出して古い土を落とします。細かい根や傷んだ根を取り除き、親株の根元にできた子株を切り分けましょう。

根の切り口が乾いたら新しい鉢へ植え付けてください。植え付け後はすぐに水やりをせず、数日経ってから水を与えます。

オロスタキスの葉挿しや株分けは春におこなうのが適しています。

オロスタキスの植え替え

オロスタキスを何年も同じ鉢で育てていると、鉢の中に根が回って根詰まりを起こしてしまいます。根詰まりすると根が腐ることがあるので、1年に1度をのペースで植え替えをしましょう。

水を吸収しにくくなったり鉢と株のバランスが悪くなったりした時も、植え替えのタイミングです。

オロスタキスの植え替えは以下の手順でおこないます。

  1. 植え替えの数日前から水を控えて土を乾燥させる
  2. 新しい鉢の鉢穴に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  3. 清潔な土を鉢の1/3程度まで入れる
  4. 鉢から株を抜き出し、根についた土を揉み落とす
  5. 鉢の中央へ株を置いて土を流し入れ、馴染ませる
  6. 明るい日陰に数日置いてから水やりをする

オロスタキスの植え替えは、春の生育期におこなうのがベターです。

病気・害虫

オロスタキスには特に目立った病気の心配はありませんが、春から秋の時期に風通しが悪くなるとカビ類に侵食される可能性があります。

多湿を嫌うためじめじめとした環境には置かず、水の与えすぎにも注意しましょう。土が常に湿った状態になると根腐れを起こしてしまいます。

オロスタキスにつきやすい害虫にはカイガラムシやアブラムシ、イラガの幼虫などがいます。

アブラムシやカイガラムシは葉や茎について栄養分を吸い取り、株を弱らせる害虫です。発生したら手や粘着テープで取り除きますが、数が多い場合は薬剤を使って駆除してください。

ただし、カイガラムシの成虫は殻が硬いため薬剤はあまり効きません。歯ブラシをなどでこすり落とします。

イラガの幼虫が発生すると葉が食害にあいます。とげにさされると非常に痛みがあるため素手では絶対に触れないようにし、木樹液などの薬剤を用いて駆除しましょう。

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