ぷっくりした丸みのある葉で人気のセダムは沢山の品種があり、ポピュラーな多肉植物です。
生命力が強く丈夫な植物のため多肉初心者にもオススメです。このページではセダムを育てるポイントについて解説しています。
セダムの特徴
セダムはグリーンランドから南アフリカまでオセアニアを除く全世界に分布するベンケイソウ科マンネングサ属の多肉植物です。
世界には500種類以上の品種があると言われています。日本を原産とするセダムも17種あり、最もポピュラーな多肉植物として親しまれています。
セダムには「虹の玉」や「八千代」のような葉がぷっくりした品種から、「コーラル・カーペット」のようにグランドカバーとして使えるもの、「玉すだれ」のように枝が垂れるものまで色々なタイプがあり、株の大きさや花の色もそれぞれ異なります。
小さな葉がぷっくり連なっている姿は愛嬌があり、さらに日本の気候でも育てやすいため観葉植物として人気があります。寄せ植えの主役にも脇役にもなる植物です。
セダムは春秋型の植物なので、夏と冬に休眠します。品種によって白や黄色、オレンジ、ピンクなどの花が咲き、秋になると紅葉も楽しめます。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | セダム、マンネングサ |
成長速度 | やや速い |
花・種 | 品種によって開花時期や花の色が異なります |
日照量 | 日当たりを好みますが直射日光は避けましょう |
温度 | 品種によって耐寒気温は異なりますが冬は室内に移します |
湿度 | 多湿に弱いので水の与えすぎには注意してください |
花言葉 | 静寂、落ち着き、私を思ってください、枯れることのない愛 |
セダムが好む環境
日当たりと置き場所
日当たりの良い場所を好みますが、葉焼けを防止するため真夏の直射日光は避けましょう。
屋内で育てる場合
セダムは耐陰性があるため屋内でも管理ができますが、日によく当てることで丈夫な株に育ちます。窓際などの明るい場所で管理してください。
ただし、セダムは夏に休眠するため強い日差しを当てると弱ることがあります。真夏は直射日光を避けてレースのカーテン越しのやわらかい光を当ててください。
耐寒性は品種によって異なりますが、日当たりの良い室内に置いていれば寒さに弱いセダムも越冬できるでしょう。
屋外で育てる場合
セダムには寒さに強い品種が多いため基本的には年間を通して屋外で育てることができます。日光を好む植物なので、春から秋の暖かい時期は戸外の日当たりの良い場所に置くと元気に育ちます。
ただし、高温多湿に弱いため、梅雨から夏にかけては風通しが良く雨が当たらない半日陰に移して管理します。
冬場は霜が降りなければ屋外に置くこともできますが、耐寒性が弱い品種もあるため0℃を下回る場合は室内に取り込みましょう。
温度・湿度
セダムは高温多湿が苦手な植物です。梅雨の季節は雨が当たらない風通しの良い場所で管理し、真夏の直射日光は避けましょう。
冬の寒さには耐えられる品種が多いですが、霜や雪に当たって株が凍ると弱ってしまうため、冬の寒冷地域では室内へ移して管理します。
セダムは葉に水分を蓄える多肉植物なので乾燥には強く、水が多少不足してもすぐに枯れることはありません。夏と冬の休眠期には水やりの回数を減らして乾燥気味の状態を保ちましょう。
用土
セダムは乾燥に強く多湿を苦手とする植物です。土が常に湿った状態になると根腐れを起こしてしまうので、用土には水はけの良い土を使用します。
自作する場合は赤玉土(小粒)2:鹿沼土2:ピートモス2:川砂2:燻炭2、もしくは赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2などの割合で混ぜた土がおすすめです。初心者であればホームセンターなどに売られている多肉植物専用の土を使用してもよいでしょう。
セダムは痩せた土地や岩場などにも自生する丈夫な植物なので、水はけの良い土であれば土質はあまり選びません。
セダムを上手に育てるコツ
水やり
春から秋にかけては土の表面が乾いたら水を与えるようにします。多肉植物なので乾燥には強いですが、生育期にはたっぷりと水やりをしましょう。
セダムは高温多湿に弱いため、梅雨から夏の休眠期に土が湿った状態になると根腐れを起こす可能性があります。水やりは控え目にして雨があたらない場所で管理してください。
冬場はセダムの成長がゆるやかになるため水はほとんど必要ありません。葉の表面が乾燥してきたら水を与える程度で良いでしょう。
葉水
セダムのような多肉植物には基本的に葉水は不要です。葉に水分を蓄えているため乾燥に強く、多少水が不足しても問題なく育ちます。
生育期には鉢土が乾いたらたっぷりと水を与え、休眠期には月に数回土壌を湿らせる程度に水やりをすれば、乾燥が原因で枯れることはありません。
ただし、水やりを控える夏と冬の時期に室内の暖房などで葉が乾燥している場合は、霧吹きなどで水を吹きかけても良いでしょう。その際はセダムの葉が薄く濡れる程度の量に止めてください。
肥料の与え方
セダムは痩せた土壌や岩場などにも自生する丈夫な植物なので、肥料はほとんど必要としません。日当たりや水やりの頻度、気温などの環境を整えても生育が悪い場合は、春と秋に緩効性の固形肥料を数ヶ月に1度のペースで与えましょう。
肥料の量が多いと肥料焼けを起こして枯れてしまうので、与えすぎには注意してください。夏と冬の休眠期には、株が傷む原因となるため肥料は与えず、水やりも減らします。
冬越し
セダムは霜や雪が当たらない環境であれば屋外で冬を越すことができます。ただし、寒さに弱い品種もあるので、低音になる場合は暖かい室内へ移して管理してください。
品種によっては0℃以下になると葉が落ちることがありますが、根が生きている場合は春になると新芽を出すので処分しないようにしましょう。冬場はセダムの生育がゆるやかになるため水やりは月に数回、土を湿らせる程度でかまいません。庭植えの場合、基本的に水やりは不要です。
セダムの選び方
セダムを購入する際には害虫が付いていないか必ず確認してください。害虫が付着したものを買ってしまうと株が傷んだり他の植物に被害が及んだりする可能性があります。
株がしっかりしていて間延びしておらず、葉と葉の間隔が詰まったものを選びましょう。
セダムの増やし方
セダムは挿し木や葉挿し、株分けによって簡単に増やすことができます。茎が長く伸びる品種は挿し木が適しています。茎を先端から5~10cmほど切り取り、下の方の葉を取り除きます。切り取った茎を1週間ほど風通しの日陰に置いて切り口を乾燥させてから、用土に植え込みます。
セダムの葉挿しは茎が短く葉が肉厚の品種に適しています。葉を手でひねって取り、切り口を乾かしてから鉢土の上に並べておくと発根します。
セダムの株分けは、大きくなった株を植え替えるタイミングでおこないます。親株を鉢から抜き取って根についた土を軽くふるい落とし、手やナイフで切り分けてください。切り分けた株の切り口を風通しの良い日陰で1週間ほど乾燥させた後、新しい鉢へ植え付けます。
挿し木、葉挿し、株分けのいずれも3月~5月、9月~10月ごろが適期です。
セダムの植え替え
大きくなったセダムを同じ鉢で育てていると、鉢の中に根が回って根詰まりを起こします。根詰まりは根腐れの原因になるため1~2年に1度を目安に植え替えましょう。
植え替えの際、大きくなった株は株分けを、茎が伸びている株は挿し木や剪定をして仕立て直すのもおすすめです。
セダムの植え替えは以下の手順でおこないます。
- 植え替えの数日前から水を控えて土を乾燥させる
- 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 清潔な土を鉢の1/3程度まで入れる
- 鉢からセダムを抜き出し、根についた土を軽く落とす
- 鉢の中央へセダムを置いて土を隙間なく入れる
- 半日陰に置いて管理し、4~5日後に水を与える
セダムの植え替えは生育期の初期である3~5月頃が適しています。
セダムの品種
セダムは沢山の種類がありますが一部品種を写真付きで掲載しています。
病気・害虫
セダムは4~6月の雨の多い季節に「黒星病」にかかることがあります。
黒星病にかかると葉や茎に黒褐色の病班が現れ、進行すると枯れてしまいます。病気になった箇所は元に戻らないので被害が大きくなる前に取り除くようにします。黒星病は雨水や昆虫によって感染する病気なので、雨が当たらない場所に置いたり、水やりの際に泥はねを防いだりすることで予防ができます。
セダムにつきやすい害虫にはアブラムシやナメクジがいます。
アブラムシは葉や茎に付着して植物の養分を吸い取り、株を弱らせます。発見したら粘着テープなどで取り除くか薬剤を使って駆除しましょう。ナメクジは新芽や若葉を食べてしまう害虫です。見つけ次第すぐに手や割り箸を使って取り除いてください。