多肉植物のポーチュラカリアの育て方や特徴をご紹介しているページです。
成長すると木立ちして見応えのある姿に育つのがポーチュラカリアの特徴です。下記ではポーチュラカリアを上手に育てるコツについて解説しています。
ポーチュラカリアの特徴
ポーチュラカリアは南アフリカや北米などを原産とするカナボウノキ科ポーチュラカリア属の多肉植物です。大きく育てると幹立ちしてわき芽も増え、見ごたえのある草姿になります。観賞用の品種では最大1~2mまで成長します。
1cmほどの丸く小さな多肉質の葉をつけるのが特徴で、白い班が入っている品種もあります。大きくなると太くしっかりとした茎になるので、盆栽のような雰囲気も楽しめます。
丸く小さい葉を左右対称につける原種の「銀杏木」や、白い班が入り低温時に葉の縁が赤く色づく「雅楽の舞」、平たい大きな葉をつける「モロキニエンシス」などが代表的な品種です。
ピンクや黄色の花を咲かせますが、日本ではあまり見られません。カナボウノキ科ではなくスベリヒユ科に分類されることもあります。
基本データ
難易度 | やや易しい |
流通名 | ポーチュラカリア |
成長速度 | 普通 |
花・種 | 日本の気候では滅多に咲きません |
日照量 | 日光を好むので強い日差しにも耐えます |
温度 | 寒さは苦手なので冬は5℃以上を保ちます |
湿度 | 根腐れを防止するため土の過湿は避けましょう |
花言葉 | いつも元気、無邪気、自然を愛する |
ポーチュラカリアが好む環境
日当たりと置き場所
ポーチュラカリアは日光を好むので真夏以外は太陽の光を十分に当てましょう。
屋内で育てる場合
ポーチュラカリアは1年を通して屋内で育てることができますが、日当たりを好む植物なので日光がよく当たる部屋に置いてください。
日照不足になると根元のほうから葉が落ちてしまい、見た目が悪くなります。
寒さには弱いため冬場の窓際などは避け、なるべく5℃以上を保ちましょう。暖房の効いた室内であれば特に問題はありません。
屋外で育てる場合
ポーチュラカリアは日照量の多い環境でよく育つので、春から秋にかけての暖かい時期はできるだけ屋外に出してあげましょう。
春や秋の日差しが柔らかい時期であれば直射日光にも耐えますが、真夏の強い太陽光が当たると葉焼けを起こしてしまうため、風通しの半日陰に置くようにします。
ポーチュラカリアは暑さには強いものの寒さには弱く、霜に当たると溶けたように枯れてしまいます。11月から3月にかけての冬場は室内に移して管理してください。
温度・湿度
ポーチュラカリアはもともと気温が高い地域に生息しているため暑さには強い植物です。高温になる夏場の時期にも弱ることはあまりありません。
ただし、寒さには弱いので冬が近づいてきたら屋外で育てているものは暖かい室内に移して管理します。冬場の環境は5℃を下回らないようにしてください。
ポーチュラカリアのような多肉植物は葉に水分を蓄えているため乾燥には強いです。土が過湿状態になると根腐れを起こしてしまうので、水の与えすぎには注意しましょう。
用土
ポーチュラカリアは葉に水分を貯める多肉植物なので、多湿には弱いです。土が常に湿っていると根が腐ってしまうので用土には水はけのよい土を使用してください。
自分でブレンドする場合は、赤玉土(中粒)3:鹿沼土3:腐葉土3:軽石1などの割合で混ぜた土がおすすめです。軽石は土の水はけをよくする働きがあります。
初心者であればホームセンターなどで市販されている多肉植物用の土やサボテン用の土を使用するのが最も簡単です。
ポーチュラカリアを上手に育てるコツ
水やり
ポーチュラカリアは多肉植物としては比較的水分を好むほうなので、春と秋の時期には鉢土が乾いたらたっぷりと水を与えます。底穴から水が流れ出る程度の量が目安です。
夏場も水を好みますが、日中に与えると根が蒸れてしまう可能性があります。土が乾燥していたら夕方以降の涼しい時間帯に湿らせる程度に水やりをしましょう。
ポーチュラカリアの生育が緩慢になる冬は、2週間~1か月に1度のペースで土の表面が濡れる程度に水を与えます。乾燥気味に管理することで耐寒性が高まります。
葉水
ポーチュラカリアのような多肉植物には基本的に葉水は不要です。
ただし、根から水を吸いにくくなる冬の休眠期や、室内の暖房などで葉が乾燥しやすい時は、霧吹きなどで水を吹きかけましょう。
ポーチュラカリアは多湿を苦手とするため、水をかけすぎには注意します。葉が薄く濡れる程度の量を与えてください。
葉水には植物の乾燥を防ぐだけでなく害虫の発生を予防する効果もあります。
肥料の与え方
ポーチュラカリアの生育期である春から秋に肥料を与えるとよく分枝し、大きな株に育ちます。
緩効性の固形肥料を2か月に一度のペースで土の上に置いて施肥するか、液体肥料を使う場合は規定の濃度に薄めたものを月に1~2回与えましょう。
ただし、高温になる真夏の時期は根が蒸れやすくなるため肥料は控えます。生育がゆるやかになる冬の休眠期にも肥料を与える必要はありません。
肥料の量が多いと栄養過多となり肥料焼けを起こしてしまうので、与えすぎには注意してください。
冬越し
ポーチュラカリアは寒さに弱い植物なので、低温になる冬の期間は暖かい室内に移して管理します。周りの環境は5℃を下回らないようにしてください。
霜や雪に当たると葉が凍って溶けたように枯れてしまうので、屋外に置いている場合は冬が近づいてきたら屋内へ移すようにします。
冬はポーチュラカリアが休眠期に入るため、水やりの回数を減らします。2週間から1か月に一度を目安に、土の表面を湿らす程度の水を与えます。
室内の暖房などで葉の乾燥が気になる場合は、少量の葉水を与えましょう。
ポーチュラカリアの選び方
ポーチュラカリアを購入する際には害虫が付いていないか必ず確認してください。害虫が付着したものを買ってしまうと株が傷んでしまったり他の植物に被害が及んだりする可能性があります。
園芸初心者の人はガーデニング店などで専門知識のある人から購入するのがおすすめです。
ポーチュラカリアの増やし方
ポーチュラカリアは挿し木によって増やすことができます。
挿し木をする際は、挿ししろを1cmほどつけた状態で、茎を先端から2~3節のところで切り取ります。葉がたくさんついている場合は古い葉を少し取り除きます。
切り取った茎は風通しのよい日陰に半日程度置いて切り口を乾燥させましょう。その際、挿し穂を乾かしすぎるとしぼんでしまい、発根しにくくなるので注意してください。
鉢に入れた新しい土の中央に割り箸などで穴を開け、乾かしておいた茎を挿し込みます。挿し木の後は、水が切れるとすぐにしわしわになってしまうので、霧吹きなどで水を与えてくだい。
ポーチュラカリアの挿し木は生育期である春から秋が適しています。ただし夏場の高温期には株への負担が大きいので避けたほうがよいでしょう。
ポーチュラカリアの植え替え
大きくなったポーチュラカリアを同じ鉢で育てていると根が回って根詰まりを起こしてしまいます。根詰まりは根腐れの原因になるため定期的に植え替えをしましょう。
鉢底から根が出てきたり成長が止まったりしている場合は植え替えが必要なサインです。
ポーチュラカリアの植え替えは以下の手順でおこないます。
- 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 清潔な用土を鉢の1/3程度まで入れる
- 鉢から株を抜き出し、古い土を1/2程度落とす
- 鉢の中央へ株を置いて土を隙間なく入れる
- 半日陰で管理し、1週間~10日後に水を与える
植え替える際に緩効性の固形肥料を一緒に入れてもよいでしょう。
ポーチュラカリアの植え替えの時期は気温が安定する4月~6月が適しています。
病気・害虫
ポーチュラカリアは特に目立った病気の心配はありませんが、管理状態によっては葉がしわしわになったり落葉したりすることがあります。
ポーチュラカリアは多肉直物としては水を好むほうなので、春や秋の生育が旺盛な時期に水切れを起こすと葉が乾燥してしぼんでしまいます。土が乾いているのを確認したらたっぷりと水やりをしましょう。
落葉は日照不足が原因であることが多いため、日光をよく当てるようにしてください。
ポーチュラカリアに付きやすい害虫にはカイガラムシがいます。
カイガラムシは気温が高く乾燥する時期に発生しやすい害虫です。植物に付くと葉や茎から養分を吸い取って株を弱らせてしまいます。
発見したら速やかに歯ブラシなどを使ってこすり落としましょう。カイガラムシの成虫は硬い殻に覆われているため薬剤は効かないことが多いです。