エビネの育て方

山野草

花が綺麗で種類も豊富な事から人気のある山野草、エビネの育て方をまとめているページです。

以前はブームが起きた植物でもあり幼少期に自宅の庭でも植えられていたのをよく覚えています。臙脂色と白の花を咲かせるエビネだったと記憶していますが、半日陰でやや薄暗い環境で咲かせる色鮮やかな花は風情があります。

下記ではエビネを上手に育てる際のポイントについて解説しています。

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エビネの特徴

エビネは東洋ランの一種で、唇弁というラン科特有の美しい花弁を持つ花を咲かせます。自生エリアは北海道南部から沖縄と広く、昔から愛好されてきました。

自然交雑で花の色は変異が生まれやすいという特徴があり、珍しいエビネを求めて山奥まで探索する愛好家が急増した時期がありました。高額で取引されるとあってブームとなったのは30~40年ほど前だったでしょうか。

エビネには温帯性の春咲き種と熱帯性の夏咲き種があります。種類が多くて育てやすいのは春咲き種で、その中にもキエビネやサルメンエビネ、ニオイエビネなどがあり、育て方や難易度は微妙に異なります。

ここでは、ジエビネと呼ばれる最も一般的な品種の育て方を紹介します。現在はさまざまな園芸品種が開発されていますが、基本的にはこのジエビネの栽培方法と共通していると思っていいでしょう。

基本データ

難易度 やや難しい(品種によっては難しいものもある)
流通名 エビネ、エビネラン
成長速度 普通
花・種 ジエビネの開花時期は4~5月。充実していると20日以上開花する。唇弁は茶色で、他の花弁は白や緑、黄色など。種子はできるものの、実生で育てるのは難しい
日照量 半日陰が望ましい
温度 普通だが、高音多湿には弱い
湿度 乾燥にも過湿にも弱い
花言葉 謙虚、謙虚な恋、誠実、賑やかな人柄、忠実

エビネが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

エビネは落葉広葉樹林の下に自生しており、風通しのよい半日陰を好みます。強い直射日光を浴びると葉焼けして黒くなってしまいます。

その一方で、日当たりが悪いと花付きが悪くなるため、朝の軟らかい日光が差し込むところを選んでください。

もっとも、一般家庭で半日陰という環境を整えるのは難しく、多くの栽培家は寒冷紗などで遮光しています。エビネの遮光率は30~40%というのが標準で、暑い夏場は60%以上を遮光します。

また、一年を通じて風通しのいい環境を好みますが、冬季の冷たく乾燥した風には当てないようにしてください。地植えの場合は株の上からヤシ殻チップを3~5㎝厚さで敷きます。

温度・湿度

ジエビネの性質は強く、耐暑性・耐寒性はあるのですが、近年は夏の暑さが半端ではありません。できるだけ風通しのいい場所を選んだ方が賢明です。

高温多湿が予想される環境では扇風機で風を当てる愛好家もいるほどです。

湿度は60~70%というのが望ましいのですが、冬はなかなかその数字をキープできません。といって、水をやりすぎると根腐れを起こします。用土が乾燥しすぎないように水やりをするという点にだけ注意してください。

用土

初心者であれば市販のエビネ用や東洋ラン用の培養土を使えば問題はないでしょう。

自分で混合するなら、日向土や赤玉土、鹿沼土、腐葉土、バークチップやヤシ殻を混ぜればいいでしょう。

割合は人それぞれで、これが正解というものはありません。水はけのよいことが大前提で、それさえ維持できていれば大差ないと思われます。

従来のヤシ殻チップは吸水性が悪く、使いづらい面がありましたが、ベラボンという改良タイプが登場して使いやすくなりました。

エビネを上手に育てるコツ

エビネの花のアップ

水やり

エビネは乾燥に弱く、十分な湿気が欠かせません。といって、根は呼吸をしていますから水をやりすぎると根腐れする可能性が高く、鉢内が常に水分を含んでいる状態は避けなければなりません。

そこで、用土の表面が乾きかけたらたっぷり水やりするというのが基本になります。当然、時期に応じて水やり方法は変わります。

気温が高い夏場は水の蒸発を極力防ぐため用土の上に水ゴケを敷いてやります。反対に気温が低い冬は水やりの回数を減らします。

水やりでもうひとつ注意してほしいのは、新芽には水をかけないことです。芽に水が溜まると軟腐病にかかりやすくなるからです。

肥料の与え方

東洋ランの肥料は少なめにというのが原則です。肥料の与えすぎはしばしばよくない結果をもたらすからです。

特に、エビネは根が弱く、液肥は規定の2倍以上に薄めるのが常識とされています。肥料を与える時期は初夏と秋に限定した方がいいでしょう。

夏、冬は施さず、加えて開花中も控えます。基本は液肥で、週に1回、規定の2倍以上に薄めて使用します。

秋も同様に液肥を与えますが、株を充実させるため緩効性の化成肥料を置き肥にしてもいいでしょう。

冬越し

エビネは東洋ランには珍しく冬でも葉は残ります。できるだけ葉を大切にすると光合成が活発に働き、株がより充実します。

そこで、冬は冷たく乾燥した風に長時間当てないようにします。また、霜に当たると葉は枯れますから、その怖れがあるエリアでは室内に移します。

夜になると凍る可能性があるところでは水やりにも注意します。葉に水分が残っているとそれが凍り、葉が傷むからです。

水やりは午前中にして、夕方までには乾いている状態にします。

エビネの選び方

エビネは常緑植物ですから常に葉はあるものです。ところが新芽しかないものがよく流通しており、これには手を出さない方が利口です。

また、たとえ古葉が残っていても、それがウイルス病に侵されていれば決して入手しないでください。自宅にあるものに伝染する可能性が大いにあります。

エビネの増やし方

エビネは球根のようなバルブ(球茎)が10個前後連なっています。これがエビの背中のように見えるため「海老の根=エビネ」と呼ばれるようになりました。

植え替え時にこのバルブを分けるのがエビネの一般的な増やし方です。新芽に3~5個のバルブを付けて1株とします。

古いバルブを2~3個ずつに分けて水ゴケで植え付けるバルブ吹きという増やし方もあります。

秋には種子の取り蒔きができますが、花茎を残したままにしておくと軟腐病にかかりやすく、お勧めしません。発芽しにくいというマイナス要素もあります。

の植え替え

エビネは毎年バルブが増え、それは横へ横へと伸びていきます。それが鉢に当たると成長が阻まれますから、2~3年に1回は植え替える必要があります。

時期は秋が好機

エビネの植え替え時期は開花前の3月、花後の5月、そして秋の9~10月です。ただし、葉を傷めるとその後の成育に悪影響を与えますから、3月の植え替えはベテラン向きです。また、5月は夏のハードな時期が待ち構えているため株を疲れさせない配慮が欠かせず、初心者のみなさんは秋の方が無難でしょう。

鉢は深鉢を使う

エビネの根は下に長く伸びます。バルブは横に発達しますから、5~7号の深鉢を用います。銅製のサナを使うとナメクジの被害を防ぐことができます。

古い土は落とさない

以前は、植え替えるときは根についた古い土を洗い落とすのが一般的でした。しかし、近年はそのままにするという方法が広まりつつあります。

根の傷みが少ないというのがその理由です。

新芽が伸びる方向にスペースを

新しいバルブは今後どんどん伸びていきます。そこで、伸びるスペースを十分確保できる位置に植え付けます。

病気・害虫

ラン科の植物で一番恐ろしい病気がウイルス病です。完治するのは不可能で、株自体と用土を消却処分するしかありません。

さらには、その周囲の鉢も隔離して他の鉢に伝染しないように注意してください。葉や芽に水分が残ると軟腐病にもかかります。

害虫はアブラムシ、ハダニ、カイガラムシ、ケムシ、ナメクジなどに注意します。毎日、丁寧に観察してください。

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