シランの育て方

山野草

丈夫で紫色の綺麗な花を咲かせる欄の仲間、シラン(紫蘭)の育て方をまとめているページです。

紫蘭と書くように花は紫色が一般的ですが、白や青の花を咲かせる品種も存在します。欄にしては丈夫なため入門品種とも言われています。

下記ではシランを上手に育てるポイントについて解説しています。

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シランの特徴

この花、なんていうんだい? シラン(知らん)。そんなことないだろう、教えてくれよ。だから、シランって言ってるだろう! というジョークにしばしば用いられるのがシランです。

往々にしてラン科の植物は気難しく、育て方は難しいのですが、シランについては鉢植えでも地植えで比較的容易です。

そのため、ランの入門としてはぴったりです。わが国では関東地方から四国、九州、沖縄にかけて自生しており、古くから親しまれています。日本の風土になじんでいるから夏も冬も特に注意することはありません。

ただ、自生地である草原は年々少なくなっていて、準絶滅危惧種に指定されています。バルブは漢方薬の世界では白及(びゃくきゅう)と呼ばれ、止血や痛み止め、慢性胃炎などに用いられています。

基本データ

難易度 易しい
流通名 シラン
成長速度 普通
花・種 花期は4~6月で、基本は紫紅色だが、鑑賞用として白、斑入り、淡色などが開発されている。種は非常に細かく、市販はされていない
日照量 日当たりを好むが、半日陰でもよく育つ
温度 耐暑性はあるが、耐寒性はやや弱い。株が元気をなくすようなら置き場所を変えてみる
湿度 やや湿り気のある状態を好む
花言葉 お互いに忘れない、苦しむ勇気、変わらぬ愛、美しい姿

シランが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

草原に自生していることからわかるように、明るい場所が好みです。とはいっても、半日陰でも十分育ちます。

日光がまったく差さないところでは徒長しますから避けてください。

ただし、直射日光に当たりすぎると葉焼けします。シラン自体は少々葉焼けしたところでダメージは大したことはないのですが、鉢植えなら西日の当たらないところに移動しましょう。

注意してほしいのは風通しです。植物の大半は熱気がこもると枯れてしまいます。

冬の寒さには少し弱い面がありますから、鉢植えは軒下などの凍らない場所に置きます。地植えではよほど寒さがひどくない限り特別な処置は必要ありません。

温度・湿度

強い日差しと蒸れにさえ注意していれば、シランは暑さに強い植物です。暑い夏でもスクスクと元気に育ってくれます。

用土からの蒸発や葉裏からの蒸散が早いので、鉢植えは水切れにはくれぐれも気をつけてください。

寒さに対しても強いのですが、耐暑性ほどではありません。それなりの対策は欠かせません。

湿度はやや湿っている状態を好みます。乾燥には弱いものの、湿りすぎもよくないということです。特に、高温多湿は避けるようにしましょう。

用土

シランの根は空気を好みます。根が空気を好むというと違和感を覚えるかもしれません。しかし、根は呼吸をするのです。

鉢内にいつまでも水分がとどまっていると呼吸できません。それでは正常な発育が妨げられますから水はけのよい土を使います。

東洋ラン用、または山野草用の培養土が適しています。自分で混合する場合は小粒の赤玉土、鹿沼土、軽石を同じ割合で混ぜます。軽石によく似た性質のパーライトを使ってもいいでしょう。

地植えの場合は腐葉土をたっぷり加えてください。

シランを上手に育てるコツ

白い花を咲かせる品種のシラン
シランには白い花を咲かせる品種もある

水やり

芽出し時期の春と花後の秋は、用土の表面が乾いた時点で鉢底から流れ出るほど水やりします。

ただ、植え替えできずに根が詰まった鉢は多めに水やりしてください。芽が数多く出た鉢も同様です。

地上部が消えて休眠期に入っても週に1回、暖かい時間帯に水を与えます。

夕方に水やりすると水分が鉢の中に残り、夜間に気温が下がると凍結する怖れがあります。凍結すると根がダメージを受けますから、これは避けたい状況です。

地植えに関しては水やりの必要はありません。

肥料の与え方

草原で元気よく育ち、開花するシランに肥料など必要ありません。

鉢植えにしても肥料などなくても開花するのですが、やはり限られた空間ですから肥料を与えた方が元気よく育ちます。植え付け&植え替え時は元肥として緩効性の化学肥料を数粒与えましょう。

新芽が伸びて葉が広がったら1週置きに液肥、または置き肥を施します。特に、根詰まりを起こしがちの鉢は多めに与えます。

花が咲き始めたら施肥は中止しますが、終われば再開します。冬が近づいて葉が枯れ落ちたら肥料は必要ありません。

冬越し

温暖なエリアでは特にすることはありません。地植えでも戸外で十分冬越しできます。雪が積もってもそのまま放置していて構いません。

しかし、強い霜が下りたり土が凍ったりするところではなんらかの対策が欠かせません。株の上から腐葉土を被せるというのが一般的です。

マルチングの材料はそのほか、ワラやバーク、ピートモスなどが使われますが、価格が安く入手しやすいことで腐葉土が最も多く使われます。

鉢植えの場合は軒下に移動するだけですみます。

シランの選び方

購入時期によってシランの状態は変わります。芽出し前だと地上部にはなにもないので選ぶ基準もありません。

葉が出れば細かくチェックできます。病変がなくしっかりしたものを選びます。秋以降は葉焼けした株もありますが、これは仕方ないでしょう。

シランの増やし方

一般的には株分けで増やします。バルブは毎年増えるから植え替え時に芽がついているバルブを切り分けます。

ただ、あまり細かく分けると育ちが遅くなります。せめてバルブを3個以上付けてください。古いバルブでも「バルブ吹き」で増やすことは可能です。

さらに、シランは種子が発芽します。ランという植物はラン菌がないと発芽しないので、親株の根元に蒔けばやがて芽を出します。

種子は非常に小さく、市販されてないため自分で確保するしかありません。

シランの植え替え

シランは根の成長が早く、鉢植えだとすぐいっぱいになります。できれば毎年、少なくとも2年に1回は植え替えしてください。

植え替え時期は春、または秋

植え替えは真冬、真夏以外ならいつでも行えますが、開花中は避けた方がいいので春は3~4月がお勧めです。秋は涼しくなった10月上旬がいいでしょう。

鉢は腰高鉢を

株より一~二回り大きな鉢を選べば問題はありません。ただし、シランの花は40~70㎝の長い花茎の先につきます。そのため、腰高鉢の方が見た目にはバランスが取れています。

バルブの頭が隠れる深さに

背の高い株を安定させようとして深植えするケースが目立ちます。そうではなく、2~3㎝の深さでバルブが隠れる程度にします。バルブが露出したとしても、よほど乾燥しない限り問題はありません。

病気・害虫

丈夫なシランはほとんど病気とは無縁です。

ただ、アブラムシが湧くとウイルス病を媒介する怖れがありますから、葉や花弁にまだら模様が表れたらすぐ抜いて処分します。ぐずぐすしているとほかの株に伝染します。

害虫はアブラムシのほか、ナメクジやハダニが発生します。ナメクジは捕殺、ハダニは湿気を保つことで予防できます。

毒性や危険性について

冒頭で触れたようにシランは漢方薬として用いられています。

バルブを乾燥させたものは皮膚や粘膜を保護しますから、胃、肺、腸などの内出血や痛みを止める効能があります。また、火傷、あかぎれにも効果があり、毒性や危険性の心配はありません。

しかし、薬用として用いる場合素人判断は危険ですので、無闇矢鱈に利用するのはおすすめしません。

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