ヤマアジサイの育て方

山野草

日本に自生する紫陽花の一種、ヤマアジサイの育て方についてまとめているページです。

沢などの湿り気のある場所を好む事からサワアジサイとも呼ばれ、良く似るガクアジサイの亜種として分類される事もあります。

下記ではヤマアジサイを自宅で育てる場合のポイントについて解説していきます。

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ヤマアジサイの特徴

ヤマアジサイはその名称からわかるようにアジサイの一種で、山の中の木陰で生育しています。

アジサイは成長すると3mに達する花木ですが、ヤマアジサイはせいぜい2mで、葉も薄くて小さいという特徴があります。

本州では東北南部より南のほか、四国、九州に分布しています。もともとわが国に自生している植物ですから日本の風土に適しており、初心者でも比較的育てやすいと思っていいでしょう。

花はガクアジサイと同様のガク咲きです。中心部に集中している小さなツボミのようなものが本当の花で、その外側の大きな花びらに見えるのはガクで、額縁という意味からそう呼ばれるようになりました。

花の色や形はエリアによって変異が多く、さまざまな品種があります。また、ヤマアジサイの一種であるアマチャは葉を乾燥させてお茶として飲むと甘みがあり、昔から飲み物として親しまれています。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 ヤマアジサイ
成長速度 普通
花・種 開花期は6~7月。花色は白、青、ピンク、赤などだが、七変化という別名もあるように花色は条件によって変化する
日照量 半日陰、または明るい日陰
温度 耐暑性は普通。耐寒性はやや弱い
湿度 湿気を好み、乾燥に弱い
花言葉 移り気、耐える愛、乙女の愛、切実な愛

ヤマアジサイが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

ヤマアジサイの自生地は「山」の文字が冠せられているように山の中で、木の下の日光が当たらず、沢沿いで湿気の多いところが中心です。

したがって、同じような環境の整ったところが育てやすいことになります。もっとも、日陰の程度はさまざまで、暗い日陰もあれば明るい日陰もあります。

暗い日陰でも花は咲きますが、やはり明るい日陰が基本になるでしょう。夏の強い西日が当たるよりは日陰を優先させるべきです。

成長すると150㎝にも達する植物なので本来は地植えにしたいところですが、鉢植えではコンパクトに仕立てることが可能です。

半日陰で風通しがよいという条件の整ったところに置いてください。

温度・湿度

耐寒性はあまり強くなく、それは東北南部までしか生息してないことからうかがえるでしょう。一方、九州でも自生していますから耐暑性はそこそこあります。

ただし、日陰を好む植物ですから真夏の直射日光は苦手です。

自生地は沢の近くが多く、湿気は大好きです。裏を返せば乾燥は嫌いということですから、用土が乾燥しやすい夏場は要注意ということになります。つまり、気温の問題ではなく、葉焼けや乾燥という要因が夏の大きな課題なのです。

用土

市販の培養土を使えばなにも問題はありません。ただし、アジサイという植物は皆さんご存じのように土壌が酸性かアルカリ性かによって花色が影響されます。

特に、ヤマアジサイは左右されやすく、用土が酸性だと青み、アルカリ性では赤みがかかります。花の色が完全に変わるわけではなく、青い花は酸性用土だとより鮮やかに発色するということです。

同様に、赤い花はアルカリ性の方が美しく表れます。日本の土壌は平均的に酸性が強いため、赤や紫の花色の場合は苦土石灰を撒いて酸性を抑えるべきでしょう。

ヤマアジサイを上手に育てるコツ

水やり

乾燥を嫌いますから水切れは禁物です。用土が乾くとすぐ花首がしおれるので、そのときは鉢ごとバケツの中の水に沈めてください。

基本的に1日に1回は必ず水やりをするつもりで用土をチェックします。特に夏は要注意で、朝夕の2回以外にも鉢土を観察して、乾ききる前にたっぷりと注ぎます。

といっても、気温が高いときに水やりすると鉢の中で蒸れる可能性があり、根が傷みます。いくらかでも気温が下がった時間帯に水やりしてください。

また、冬は用土の渇きは遅いものの空中湿度が低くなりますから葉水を与えます。

肥料の与え方

施肥の時期は年に4回あります。

最初が寒肥えと呼ばれるもので、冬はヤマアジサイが活動していないものの、この時期に緩効性の油かすや堆肥、化成肥料などを与えておきます。根が動き始めたときにしっかり肥料を効かせておくのです。

次は開花前の5月です。このときは油かすが適当です。そして、開花中は週に1回、水やり代わりに液肥を与えます。

最後、花が終わればお礼肥えです。ヤマアジサイは8月には花芽が形成されますから、開花のために費やしたエネルギーを補うとともに花芽を形成するための養分を蓄えさせます。化成肥料や有機質肥料を使ってください。

もっとも、気温が上がる7月後半から8月は肥料を控えた方が賢明です。

冬越し

アジサイの仲間は秋の終わりに落葉し、休眠期に入ります。そのため、暖地であれば特に冬越しの作業は必要ありません。

しかし、枝先にはすでに花芽が作られています。これが冷たく乾燥した風を受けると枝先が枯れる可能性があります。

ヤマアジサイは小振りで枝も細く、被害を受けやすいためこの点については注意が必要です。花芽がダメージを受けるだけではなく、枯死する可能性もあるのです。

日が当たらなくても構いませんから軒下のように風の当たらない場所に移動させます。

ヤマアジサイの選び方

春になるとアジサイの仲間はたくさん店頭に並びます。ヤマアジサイもそのひとつで、ツボミが多く、葉がしおれてなく、また変色してないものを選びます。

ツボミがあると花色も確認できます。さらには、株元がしっかりしていて枝も太いものが理想です。

ヤマアジサイの増やし方

ヤマアジサイを含めて、アジサイの仲間の増やし方には4通りあります。種を蒔く実生、株分け、挿し木、取り木です。

とはいえ、アジサイ類の種子はまず販売されてなく、開花まで3~4年かかるのもあって一般的ではありません。ここでは他の方法をご紹介します。

株分けは植え替え時に大きくなった株をいくつかに分けます。難しくはありませんが、小分けしすぎない点にだけ注意してください。

挿し木は春挿しと夏挿しがあります。3~4月に前年に伸びた枝を使うのが春挿しで、当年枝を6月に挿すのが夏挿しです。いずれも充実した枝先を使用します。

取り木は枝の一部の皮をはぐか、または傷を入れてその部分を土中に埋めるという方法です。その部分から根が出てきたら切り取り、新しい株を仕立てます。

ヤマアジサイの植え替え

鉢植えではどんな植物でも植え替えは欠かせません。ヤマアジサイも同様で、3号鉢ほどの小さい鉢では2年に1度、5~6号鉢では3~4年に1度は植え替える必要があります。

植え替え時期は7月、または11~2月

アジサイ類の植え替え時期は特にこだわりません。いつでも可能です。

とはいっても、無難な時期はあります。それが花後の7月と休眠期の11~2月です。どちらも株に与えるダメージが小さく、緊急性がなければこの時期に植え替えた方が賢明です。

鉢はプラ鉢、または駄温鉢を

素焼き鉢は通気性がよく、鉢内が乾燥しやすいためヤマアジサイの栽培には適していません。プラ鉢や駄温鉢の方がベターです。

サイズはひと回り大きくするというのが基本ではありますが、コンパクトなままで育て続ける方法もあります。

標準は6号鉢

ヤマアジサイの花の大きさや株の高さなどから考えると、鉢のサイズは6号というのが一番見栄えがよく、バランスが取れています。その場合の株立ちは6~9本が適当です。

これより少ないと寂しく感じますし、多すぎると花が小さくなり、貧弱な印象を受けます。

根周りを崩す

掘り上げた株は根の周囲を軽く崩して植えつけ、たっぷり水やりをして日陰で管理します。

株を大きくせず、小さい鉢でそのまま栽培したければ根の長さを1/3ほど切り詰め、さらに周囲をひと回り小さくします。

病気・害虫

ヤマアジサイで注意しなければならない病気にはうどん粉病、モザイク病、斑点病、炭疽病などがあります。

薬剤を散布すればそれなりの効果は見込めます(処分も含めて)が、それ以前に効果的に肥料を効かせて丈夫な株を育てると同時に、込み合った枝葉を剪定して風通しをよくすることも大切です。

害虫はカイガラムシやアブラムシ、オオミノガなどが発生します。春~夏は特に注意して、発見すれば捕殺、または殺虫剤を散布します。

毒性や危険性について

アマチャは飲み物として、さらには薬用としても利用されていますが、過去には子供が嘔吐の症状を訴えたとの症例があります。厚生労働省からの情報によると、甘茶は入れ方も大切だとあるので、詳しくは下記も参照ください。

また、アジサイの葉にも毒性があります(品種や個体により差があるようです)から、料理に添えられていても決して食べないようにします。

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