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クジャクシダの育て方

シダ植物

クジャクシダは日本に自生するシダ植物の一種で、扇を広げたような孔雀のような姿からその名前が付きました。

鑑賞性の高い山野草として育てられるクジャクシダを育てる方法をこのページでご紹介しています。

クジャクシダの特徴

クジャクシダは北海道から本州に広く生息するホウライシダ科ホウライシダ属に分類されるシダ植物です。

細くて黒い葉柄に小さな緑色の葉を密につけるのが特徴で、左右に大きく広がる姿がクジャクの羽のように見えるためクジャクシダという和名が付いています。

クジャクシダは古くから山野草として親しまれており、野生のものもよく見かけます。繊細で涼やかな印象を与えるため観葉植物としても人気があります。

クジャクシダはホウライシダ属のなかでも寒さには比較的強い植物で、0℃近くまで耐えることができます。夏緑性のため冬になると葉がすべて落ちますが、春になると新芽を出します。

クジャクシダはシダ植物なので花や実はつけません。

基本データ

難易度 易しい
価格 600円~2,000円(3号サイズ)
成長速度 やや速い
花・種 花や実をつけないシダ植物です
日照量 日光を好みますが直射日光は避けるようにします
温度 寒さには比較的強いですが冬期は落葉します
湿度 多湿な環境を好み乾燥には弱いです
花言葉 無邪気、天真爛漫、上機嫌、繊細、無垢

クジャクシダが好む環境

日当たりと置き場所

クジャクシダは明るい日陰を好みます。直射日光には弱いので葉焼けに注意しましょう。

屋内で育てる場合

クジャクシダは耐陰性があるため屋内でも管理できます。

強い日差しに当たると葉が焼けてしまうので、直射日光が当たらない場所に置きましょう。レースのカーテン越し程度の光を当ててください。

ただし日照不足になると間伸びして枝が折れやすくなるため明るい室内で育てるのがおすすめです。

クジャクシダは乾燥すると葉がチリチリになってしまいます。エアコンの風が直接当たらないようにしてください。

屋外で育てる場合

クジャクシダは自生地のような暖かい環境であれば年間を通して屋外で育てることができます。

ただし、半日陰を好むため直射日光が当たると葉焼けを起こしてしまいます。強い日差しが当たる場合は遮光ネットや寒冷紗などを使用して遮光をしてください。

クジャクシダはホウライシダ属には珍しく寒さにも強いですが、夏緑性のため冬場は落葉し雪の下で越冬します。

温度・湿度

クジャクシダはホウライシダ属のなかでも比較的寒さに強く日本では東北地方によく自生しています。0℃近くまでは耐えられるでしょう。

ただし冬の間は休眠期のため葉をすべて落とし土の下で越冬します。春になると新芽を出すので冬期も水やりを忘れないようにします。

クジャクシダは多湿な環境を好むため乾燥には弱く、葉が乾くとチリチリになって枯れてしまいます。こまめに葉水を与えて空中湿度を高く保ちましょう。

用土

クジャクシダは湿度の高い環境が好きな植物ですが、土が常に湿った状態になると根腐れを引き起こします。水はけのよい用土を使用しましょう。

自作する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜた土を主に使用し、水はけを良くするためにバーミキュライトやパーライト、軽石などを少し混ぜると良いでしょう。

ホームセンターなどで市販されている観葉植物用の土を使うこともできます。

クジャクシダを上手に育てるコツ

水やり

クジャクシダは乾燥に弱く、水切れを起こすと葉がチリチリになって枯れてしまいます。

春から秋にかけての成長期には土の表面が乾き切る前にたっぷりと水を与えます。気温の高い夏場は乾燥しやすくなるため土の状態をこまめに確認してください。

冬の間はすべて落葉し休眠期に入ります。あまり水を必要としなくなりますが土の表面が乾いたら水やりをしましょう。

地植えの場合は、基本的に水やりは不要です。

葉水

クジャクシダは乾燥に弱く水切れするとすぐに葉先から枯れ始めます。定期的に葉水を与えて空中湿度を高く保つようにしてください。

夏場は高温になり乾燥しやすいためこまめに霧吹きなどで水を吹きかけましょう。

室内で葉水を与えるときに周囲を濡らしたくない場合は、ビニール袋に株を入れて霧吹きをするのも良いでしょう。

葉水には葉の乾燥を防ぐだけでなく害虫の付着も予防します。また、ホコリを防いで植物の見栄えを良くする効果もあります。

肥料の与え方

クジャクシダは生育期である春から秋にかけて肥料を与えます。

春先の芽出しの時期と初夏に1度ずつ緩効性の固形肥料を土の上に置いて施肥します。もしくは1000~2000倍に薄めた液体肥料を10日~2週間に1度のペースで与えましょう。

ただし、肥料を与えすぎると根が傷んで枯れてしまうので注意しましょう。クジャクシダが休眠期に入る冬場には肥料を与える必要はありません。

有機肥料ではなく化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

クジャクシダの選び方

クジャクシダを買う際には害虫が付着していないか必ず確認しましょう。

また、葉が乾いているものは水切れを起こしている可能性があります。クジャクシダを購入するときは葉がみずみずしくボリュームがあり、間伸びしていないものを選ぶようにします。

クジャクシダの増やし方

クジャクシダのようなシダ植物なので葉裏の胞子から初芽させることもできますが、難易度が高いため増やし方には適していません。

大きくなったクジャクシダは株分けによって数を増やしましょう。

株分けとは、親株から根茎を切り分けて株を増やす方法です。クジャクシダをコンパクトにし立て直したいときにもおすすめです。

クジャクシダの株分けは、まず鉢から株を取り出すところから始めます。古い土を軽くも見落としてハサミやナイフなどで切り込みを入れたら、手を使って2~3の株に分けます。

傷んだ根をカットしてそれぞれの株を新しい鉢へ植え替えましょう。

株分けの際には切り分けた株の葉数を減らしたり枝を間引いたりすると水を吸収する根の負担を減らすことができます。

株分け後は半日陰で管理し、たっぷりと水を与えて乾燥を防ぎます。発芽したら通常通りの育て方へ切り替えましょう。

株分けはクジャクシダの生育期である春から夏の時期が適しています。

クジャクシダの植え替え

クジャクシダは比較的成長スピードが速く、放っておくと鉢の中に根がまわって根詰まりの状態になってしまいます。根詰まりは根腐れや葉の変色を引き起こすため、定期的に植え替えをしましょう。

鉢の底から根が出てきたり水の吸収が悪くなったりしたときも植え替えのサインです。

クジャクシダの植え替えの手順は以下の通りです。

  1. 一回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  2. 新しい用土を鉢の1/3程度まで入れてならす
  3. クジャクシダを鉢から抜き出して古い土をもみ落とす
  4. 鉢の中央へクジャクシダを置いて土を隙間なく入れる
  5. たっぷりと水を与え、風通しの良い半日陰で管理する

植え替えはクジャクシダの生育期である春から夏が適期です。

病気・害虫

クジャクシダを育てる際は「立ち枯れ病」に注意しましょう。

立ち枯れ病にかかると葉や茎に病班が現れます。病気が進行すると植物全体に病班が広がり、立ち枯れの状態になってしまいます。

病気を発見したら被害箇所を早めに切り取り、枯れ落ちた葉も処分してください。症状が大きい場合は薬剤を吹きかけて殺菌します。

鉢を地面から離れたところに置き、風通しの良い場所で管理すると予防ができます。

クジャクシダは湿度の高い環境を好むため、ナメクジなどの害虫が発生しやすくなります。ナメクジは葉の上を移動しながら柔らかい新芽を食べます。

葉の上がキラキラ光っていたらナメクジが這って粘液を残した証拠です。発見したら手や割り箸で取り除くか、薬剤を使用して駆除しましょう。

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