モコモコした見た目が愛らしいクッションモス(セラギネラ)の育て方を解説しているページです。
イワヒバの仲間のシダ植物であるクッションモスを上手に育てるポイントをご紹介します。
クッションモスの特徴
クッションモスは東南アジアや南アメリカの熱帯地域に生息するイワヒバ科イワヒバ属の常緑多年草です。セラギネラという別名もあります。
モスグリーンの小さく柔らかい葉がクッションのようにふわふわしているのが特徴です。コケのような見た目からクッションモスという名前が付いていますが、実際はコケではなくシダ植物の仲間です。
花のようにふんわりと広がる草姿が可愛らしく、観葉植物としてだけでなく寄せ植えに使われるリーフプランツとしても人気があります。クッションモスを鉢の足元に植えて土を隠すようにすると寄せ植えがさらに華やかになります。
耐陰性があり寒さにも強い植物ですが、暑さと過湿には弱いため夏場の管理には注意が必要です。
クッションモスはシダ植物なので花や実はつけません。
基本データ
難易度 | やや易しい |
価格 | 400円~2,000円(3号サイズ) |
成長速度 | 普通 |
花・種 | シダ植物なので花などは咲きません |
日照量 | 耐陰性があります。明るいを好みますが直射日光は避けましょう |
温度 | 耐寒性はありますが暑さには弱い植物です |
湿度 | 多湿な環境を好むので乾燥には注意します |
花言葉 | 稔り、負けない心 |
クッションモスが好む環境
日当たりと置き場所
クッションモスは明るい日陰を好みます。直射日光には弱いので葉焼けに注意してください。
屋内で育てる場合
クッションモスは耐陰性が強いため屋内でも育ちます。週に1回程度日に当てるように管理すればトイレなどの暗い場所にも置くことができます。
ただし、日照不足になると葉色が悪くなるのでなるべく明るい室内に置いてください。
また、クッションモスは強い日差しに当てると葉が焼けてしまいます。直射日光を避け、レースのカーテン越し程度の光を当てましょう。
葉が乾燥すると弱ってしまうため、エアコンの風が直接当たらないようにします。
屋外で育てる場合
クッションモスは基本的に年間を通して屋外で育てることができます。
ただし、半日陰を好む植物なので直射日光が当たると葉焼けを起こしてしまいます。強い日差しが当たる場合は遮光ネットや寒冷紗などを使って遮光をしてください。
クッションモスを屋外で育てる場合、気温が下がると葉を巻いて休眠期に入ります。葉を巻き始めたら水やりを控えて休眠させましょう。
温度・湿度
クッションモスは寒さに強く、気温が0℃以上の地域では冬の期間も屋外で育ちます。ただし、雪や霜が降りるような寒冷地では葉が凍結しないように室内へ移動させましょう。
クッションモスは夏の暑さと蒸れに弱く、風通しが悪いとすぐに枯れてしまいます。多湿を好む植物ですが、蒸れを防ぐため高温になる時期には涼しい時間帯に水やりをしてください。
また、葉が乾燥するとチリチリになって枯れてしまうため、こまめに葉水を与えて空中湿度を高く保ちましょう。
用土
クッションモスは湿度の高い環境を好む植物ですが、土が常に湿った状態になると根腐れを引き起こします。水はけのよい用土を使用しましょう。
自作する場合は、赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2などの割合で混ぜた土を使用します。
ホームセンターなどで市販されている観葉植物用もしくは山野草用の土を使っても良いでしょう。市販の用土を使う場合はピートモスを混ぜると保水性や通気性を高めることができます。
クッションモスを上手に育てるコツ
水やり
クッションモスは乾燥に弱く、水切れを起こすと葉がチリチリになって枯れてしまいます。
春から秋にかけての成長期には土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。水分が蒸発しやすい夏場は土の表面が乾き切る前に水やりをします。
ただし、クッションモスは夏場の高温で蒸れてしまうと枯れやすくなります。夏は早朝や夕方以降の涼しい時間帯に水やりをしてください。
冬の期間は生育が緩やかになるため水やりは控えめにしましょう。屋外で管理している場合は、気温が下がると葉が休眠期に入るため水を控えて乾燥気味の状態を保ちます。
葉水
クッションモスは湿気の高い環境を好み乾燥には弱い植物なので、定期的に葉水を与えて空中湿度を高く保つようにします。
気温が高く水分が蒸発しやすい夏場はとくに乾燥には注意してこまめに霧吹きなどで水を吹きかけてください。
ただし、クッションモスは蒸れに弱いため葉水を与える際は風通しの良い場所に置いて通気性を確保しましょう。
葉水には葉の乾燥を防ぐだけでなく害虫を予防する効果もあります。また、葉の表面に水分を与えることでクッションモスがつやつやして見栄えも良くなります。
肥料の与え方
クッションモスはあまり肥料を必要としない植物です。過度に肥料を与えると肥料焼けを起こして枯れてしまうことがあります。
クッションモスに肥料を与える場合は、春から秋の生育期に緩効性の固形肥料を土の上に置いて施肥します。もしくは規定の濃度に薄めた液体肥料を1か月に1度のペースで与えましょう。
冬場はクッションモスの成長が緩やかになるため肥料を与える必要はありません。
クッションモスの選び方
クッションモスを買う際には害虫が付着していないか必ず確認してください。
害虫が付いた株を買ってしまうと、後々になって傷んでしまったり他の植物に被害が及んだりする可能性があります。
葉がふんわりとしていてボリュームがあるものを選びましょう。
クッションモスの増やし方
クッションモスは挿し芽や株分けといった方法で増やすことができます。
挿し芽で増やす場合は、できるだけ丈夫な若い茎を選んで切り取り、発根材を入れた水に数時間浸します。挿し芽用の新しい土を入れたポットに切り取った苗を挿し、新芽が出るまで風通しの良い日陰で管理してください。
クッションモスの株分けも比較的簡単です。まずは鉢から株を抜き取り、根についた土を手でほぐして落とします。手やハサミで株を切り分け、土を入れたポットにそれぞれ植え付けましょう。株が根付くまでたっぷりと水やりしながら日陰で管理します。
新芽が出たら明るい場所へ移し、通常通りの育て方に戻します。
挿し芽や株分けの時期はクッションモスが生育期に入る4月~6月頃が適しています。
クッションモスの植え替え
成長して大きくなったクッションモスは放って置くと鉢の中に根がまわって根詰まりを起こしてしまいます。根詰まりは根腐れなどの原因になるため定期的に植え替えをしてください。
植え替えの頻度は2年に1度のペースが目安ですが、鉢の底から根が出てきたり水の吸収が悪くなったりしたときも植え替えが必要なサインです。
クッションモスの植え替えの手順は以下の通りです。
- 一回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 新しい用土を鉢の1/3程度まで入れてならす
- クッションモスを鉢から抜き出して古い土を落とす
- 鉢の中央へクッションモスを置いて土を追加する
- たっぷりと水を与えて風通しの良い半日陰で管理する
植え替えの際は古い根や傷んでいる根をカットしてから新しい鉢へ移すようにしましょう。
クッションモスが生育期に入る4月~6月頃が植え替えの適期です。
病気・害虫
クッションモスは特に目立った病気の心配はありません。
ただし、高温で蒸れやすい夏場に適切な管理を怠るとすぐに枯れてしまいます。水やりと葉水を十分におこない乾燥を防ぐ必要がありますが、葉の中で蒸れないよう慎重な湿度管理が求められます。
夏の期間は育てるというよりも枯れないように管理することが大切です。肥料の与えすぎにも注意しましょう。
クッションモスに付きやすい害虫にはハダニがいます。
ハダニは春から秋の暖かい時期に発生することが多く、乾燥した環境を好みます。葉の裏に寄生して養分を吸い取り、植物を弱らせる害虫です。
ハダニが付着しているのを見つけたらすぐに粘着テープなどを使って取り除きましょう。数が多い場合は市販の殺虫剤を使用して駆除します。
ハダニは水に弱いためこまめに葉水を与えることで予防することができます。