観葉植物が大きくなったのでそろそろ植え替えをしたい。でも失敗して枯れてしまったらどうしよう…と不安に感じた事はありませんか?
なるべくなら避けたいと考える植え替えですが、観葉植物は定期的に植え替えをしないと元気が無くなってしまいます。
そこで、このページでは初心者の方でも出来る観葉植物を植え替える時のコツを説明しています。
観葉植物の植え替えタイミング
このようなサインが出たら観葉植物を植え替えるタイミングです。
- 鉢底の穴から根が出ている
- 水やりをしても土に水が染み込みにくい
- 葉っぱの色が悪い、黄色くなってきた
- 根元の葉が枯れてきた
- 鉢とのバランスが悪くなってきた
- 2年以上植え替えをしていない
観葉植物が大きくなると鉢の中は根で一杯になり詰まってしまいます。根が詰まるってしまうと上手く水や栄養が吸い上げられなくなったり、全体に行き渡らなくなるので葉の色が悪くなってしまったり、葉が黄色くなり枯れていく場合があります。
鉢底の穴から根が出ているのは植え替えのわかりやすいサインになりますが、葉の色が悪くなったり枯れてくるのは葉焼けやその他の要因もあるので、他に何かサインが出ていないかを日頃から観察しておきましょう。
また、問題なく元気に育っているようでも2年以上植え替えをしていない場合は、土の養分が少なくなっている事が考えられるのでその場合も植え替えをしてあげましょう。
観葉植物の植え替えの基礎知識
春から秋に植え替え作業をする
観葉植物の植え替えを行う時は春から秋(5月から9月頃)に作業するようにしましょう。
寒い時期は観葉植物の成長も鈍っているため、植え替えでダメージを与えてしまうと回復できずにそのまま枯れてしまう可能性があります。春から秋は観葉植物の成長期でもあるので、少々のダメージであれば成長して回復しやすいです。
古い土は使わず新しい土を使う
植え替えをする時は必ず新しい土を使いましょう。
見た目はそれほど変わりませんが古い土は栄養分が無くなった出し殻のようなものです。土に養分が無いと葉の色が悪くなったり、成長が止まってしまう原因にもなります。
観葉植物に合った土を選ぶ
新しく用意する土は観葉植物に合わせた物を選ぶようにします。
観葉植物の土は根腐れしないよう排水性の良い土を選ぶのが基本で、室内で育てる事が多い植物なので虫が湧きにくい肥料を使います。
自分で土を作る場合は「赤玉土(小粒)5:ピートモス3:パーライト2」の割合で調合し水はけが良くなるようにします。これに化成肥料(マグアンプK等)を適量加えます。なお、ピートモスは酸性度が強いので園芸用に調整されたものを使いましょう。
初心者の方は必要な物が最初から配合されている観葉植物用の土(培養土)を購入して使うのが安心です。
おすすめは「花ごころ 観葉植物の土」という培養土で、こちらは最初から元肥入りで、ココナッツファイバーを基本用土にしているため水はけも良く非常に軽い土です。
赤玉土を基本用土にすると鉢植えが重くなり女性だと移動が大変ですが、こちらの培養土は乾けば軽くなり持ち上げやすく、また水やりのタイミングもわかりやすいです。
鉢は一回り大きなサイズを選ぶ
植え替えに利用する鉢は現在のサイズより一回り大きい物を使いましょう。
観葉植物の株に対して大きすぎる鉢に植えてしまうと土がいつまでも乾燥せずに根腐れを起こしやすくなってしまいます。
プラ鉢より重くなりますがテラコッタ鉢は通気性を高めてくれてデザインも良いのが多いのでオススメです。
観葉植物を植え替える準備
植え替え前に準備しておきたいポイントを説明します。
まず最初に観葉植物ですが土が湿っていると作業がやりにくく根を痛めてしまいやすいので、数日水やりを控え土を乾燥させてから作業を行うようにしましょう。
植え替えの時に必要な物やあった方が良い物は下記リストにまとめます。
- 一回り大きな鉢
- 観葉植物用の土
- 鉢底ネット・鉢底石
- 土入れまたはスコップ
- ハサミ
- ゴムハンマー
- ビニールシートや新聞紙
植え付け時に植物と鉢の狭い隙間に土を入れる作業は中々難しいですが、土入れがあれば狭い場所でも楽に作業ができるのでスコップよりオススメです。
土入れは数百円で購入でき作業が捗るので必ず用意しておきたい園芸用品です。
根詰まりをしていると植物が鉢から抜けない事があるのでその場合はゴムハンマーで底を叩いて上げれば簡単に引き抜く事ができます。強く引っ張ってしまうと茎や根を痛める原因となるので優しく取り扱いましょう。
また、植え替え作業は辺りに土が散らばりやすいのでビニールシートや新聞紙を敷いてから作業すると後片付けが楽です。
観葉植物の植え替え方法
次は植え替えの方法です。
観葉植物の植え替えは下記の手順で行います。
- 鉢から観葉植物を引き抜く
- 土を軽く落とし葉や根を整理する
- 鉢に鉢底石を敷く
- 観葉植物を植え付ける
- 水やりと調整
- 植え替え後は養生する
鉢から観葉植物を引き抜く
鉢から観葉植物を引き抜く時はなるべく茎や根を痛めないように優しく取り扱いましょう。
根詰まりをしていると中々鉢から抜けない時もありますのでその場合はゴムハンマー等で底を叩くか、陶器鉢なら最悪割って取り出します。抜けないからと強く引っ張るとダメージが大きくなりますので注意しましょう。
土を軽く落とし葉や根を整理する
引き抜いた後は根の部分から古い土を軽く落とします。またこの時、枯れた根や葉等を一緒に取り除きましょう。
鉢に鉢底石を敷く
次に新しい鉢に鉢底石を敷きます。
鉢底石は2、3cm程度の厚さに敷きます。新しい鉢底石は埃が舞いやすく最初は粉が水受け皿に溜まりやすいので、水で軽く洗い流しておくと後々楽です。
観葉植物を植え付ける
鉢底石を敷いたらその上に用土を軽く盛りその上に観葉植物を置きます。
位置を決めたら土入れを使い用土を入れていきます。新しい土はフカフカしているので鉢を軽く叩きながら隙間にしっかり土が入り込むようにしましょう。
土は鉢一杯まで入れてしまうと水やりの時に流れて出てしまいますので、3cm程度は空くように土をいれます。
水やりと調整
土を入れた後はたっぷりと水をあげます。
この時、水と一緒に土が隙間に流れ込み減ってしまう事がありますがその場合は用土を足してあげます。
植え替え後は養生する
植え替えした後は直射日光を避けた明るい日陰に鉢を置いてしばらく養生してあげます。
植え替え直後の観葉植物は少なからずダメージを受けています。特に根が土に馴染むまでは根腐れを起こしやすいので水やりは土が乾いてから与え、葉水をこまめにするようにしてあげると良いでしょう。
植え替え直後は萎れたようになったりする場合がありますが、元気が無いからといって肥料を与えるのはやめましょう。
一週間程度は置き場所を変えずこのまま養生して、萎れたりせず元気そうなら元の場所に戻して植え替え作業は完了です。
植え替えに関するQ&A
観葉植物をこれ以上大きくしたくない…
植え替えをすると観葉植物は大きくなっていきますが小さく育てたい場合や今のサイズを維持したい場合があると思います。
その時は株分けをするか、葉や枝を選定し根を切り詰めて同じサイズの鉢に植え替えをしてあげます。
ただし、株へのダメージは大きいので上級者向けの作業になります。
古い土はどうしたらいいの?
植え替え後に出る古い土は再生して他に再利用するかゴミとして処分します。
簡単なのはゴミとして処分する方法ですが土は自治体により扱いが異なります。ゴミとしては回収できない物として扱っている所も多いので、その場合は専門の業者に依頼するか自分が所有する土地に廃棄するしかありません。
最近では土回収BOXを設置しているホームセンターも増えてきましたが、捨てる場所が無く困っている方は最寄りに廃棄専門の業者がいないか探してみましょう。
次に古い土を再生する方法についてです。
古い土には千切れた根等のゴミが残っていたり、害虫や土壌病原菌・ウイルスが潜んでいる可能性があります。また、土の団粒構造が崩れていて水はけが悪くなっていたり養分が消費されつくされていたりと、植物の成長には芳しくない状態です。
そのため土を再生させるには、ゴミを取り除き土を消毒し栄養分を補給してあげます。混ぜるだけで簡単に再生できるリサイクル材が市販されていますのでこれを使うのも効果的です。