植え替えをする時に覚えておきたい植木鉢の号数の意味やサイズの測り方、植物に適した鉢の選び方のまとめです。
植木鉢で植物を育てていると1~2年毎に植え替えを行うのが一般的ですが、その植物に合わせて鉢を選ばないと植え替えに失敗して枯らしてしまう事もあります。
また、サイズも号数で表記されていたり、cmで表記されていたりと様々なのでその対応表も記載。植木鉢を選ぶ際の参考にどうぞ。
鉢の号数とは?
鉢には色々な種類、そして大きさがありますが、鉢の大きさは「号」で表記されています。
これは鉢の直径の大きさを表しており、1号あたり3cmと覚えておくと良いです。
例えば5号鉢の場合は、以下のサイズです。
1号あたり「直径が3cm x 5号 = 直径が15cmの鉢」という大きさになります。
上記の例を参考に、小さめの鉢が良い場合は少ない号数の鉢、大きめの植物を植え付ける場合は大きめの号数の鉢と考えてください。
鉢の号数とサイズ一覧
標準的な植木鉢とプランターの鉢のサイズと土の容量をまとめた一覧表です。
鉢を選ぶ時はどれくらい土が必要かも確認しておきましょう。
標準的な植木鉢
号数 | 直径(cm) | 土の容量(ℓ) |
---|---|---|
1号鉢 | 3 | 0.1 |
2号鉢 | 6 | 0.15 |
3号鉢 | 9 | 0.3 |
4号鉢 | 12 | 0.6 |
5号鉢 | 15 | 1.3 |
6号鉢 | 18 | 2.2 |
7号鉢 | 21 | 3.5 |
8号鉢 | 24 | 5.2 |
9号鉢 | 27 | 7.8 |
10号鉢 | 30 | 8.5 |
11号鉢 | 33 | 10 |
12号鉢 | 36 | 14 |
プランター
大きさ | 横幅(cm) | 土の容量(ℓ) |
---|---|---|
小型 | 20~40 | 6~10 |
標準 | 60~65 | 12~20 |
大型 | 80以上 | 30~40 |
植物に合わせて鉢を選ぶ理由
鉢は植える植物に合わせて選ぶ事が大事です。
地植えに比べると鉢植えは土の量が限られてくるという違いがあります。地植えの植物は成長するにつれて根を土に張っていくのですが、鉢植えでの環境でも同様に土の中に根を張っていこうとするのです。
鉢植えの場合は根を張れる範囲や土の量に限りが出てくるため、小さめの鉢だと根を張るための土の量も少ないですし、根を広く張るのにも制限が出て充分な成長が見込めません。
成長に合わせて充分に根を張れる土の量、そして広さを確保できる様に成長に合わせて適した鉢を選んであげる必要があるのです。
例えば、植える植物によってどの様な根の張り方をしていくのか、知る事も大事です。
根を横に広げるものから浅く根を張る植物、地中深くに根を張る植物等、植物によって根の長さや広がり方に違いがあります。
鉢を選ぶ際に注意してほしいのが、植物の大きさに合わない大きさの鉢に植えてしまう事です。
大は小を兼ねるといいますが、鉢植え栽培の場合は良くありません。
大きすぎる鉢植えでの生育環境では、地中の水はけがあまり良くない状況になり、土が適度に乾燥しないために根腐れを起こしやすいという問題点が出てくるのです。
根腐れを防ぐためにも植物の大きさ、根の状況に合わせて鉢のサイズを選び、成長しやすい環境に整えてあげましょう。
植え替え時は一回り大きいサイズを選ぶ
よく植え替えをする際に「一回り大きいサイズの鉢に植え替える」という言葉を目にしますよね。
植物の成長に合わせて地中では根も成長していくのですが、いかに効率よく水分や栄養を取り入れているかで成長具合に違いが出てくるのです。
成長に必要となる水分や養分というのは根の先にある根毛から取り入れており、根が成長していき、植木鉢の壁に当たると枝分かれしつつ鉢の中で成長していきます。
植え替えをした際に鉢内に根がびっしり詰まっていたという経験をされた事、ありませんか?
底部分に根が当たると鉢底の周囲を旋回する様に伸びていくサークリング現象も起き、根詰まりを起こしやすくなるのです。
枝分かれした根は木質化するので栄養や水分の吸収も充分に行えません。理想としては根詰まりを起こさない様に大きめの鉢に植え替えてあげる方が良いのです。
植え替えの度に少しずつ大きめの鉢に植え替える事で根の成長にも負担をかけずに育成出来、植物にとっても水分や栄養を充分に取り入れつつ成長出来るメリットがあります。
また、サークリング現象を抑えるためにスリット鉢を愛用するという園芸家も多いです。スリット鉢については下記にまとめてあります。
鉢の深さと適した植物
鉢は根の張り方に合わせて鉢の深さも考慮すると良いでしょう。
普通鉢
普通鉢は標準鉢という別の呼び方もあり、鉢の口径と高さ部分が同じ割合のサイズの鉢を指しています。
鉢の号数についても前出していますが、1号あたりが3cm、昔の一寸に当てはまります。
例えば小さめの3号の標準鉢の場合、以下のサイズ感です。
3号 = 直径9cm(1号3cm x 3)x 高さ9cm
材質も素焼きやプラ素材等、幅広く揃っていますので使いやすい鉢の形状です。
普通鉢はどの様な植物にも適していますので、草花を植える際に一般的に利用できる深さの鉢です。
浅鉢
別の呼び方では平鉢と呼ばれ、浅鉢は鉢の口径に比べて高さが低い(鉢底が浅い)形状の鉢になります。
普通鉢と比べても高さが半分以下程度で、根が浅く張るサツキ、アザレアといったツツジ科やベゴニア、イネ科の植物、シダ類を植えるのにもおすすめです。
他にもまだ根が張る前の種まきや挿し木といった育苗目的でも使用できますし、根の生育を抑えつつ小さめに仕立てたいといった目的の盆栽にも利用できます。
球根で育つ植物も根の張りが浅めの植物が多いので、球根をまとめて寄せ植えをするのにも使うといった利用法があります。
多肉植物やサボテンも根が浅めのものが多いので、浅鉢に寄せ植えをするのも可愛いですよ。
深鉢
長鉢とも呼ばれ、すらっと高さのある見た目。鉢の口径よりも高さがある鉢は深鉢に当てはまります。
高さがあるので シンビジウム、胡蝶蘭、バラといった深く根を張る植物を植えるのに向いています。他にもユリは上根と下根を出すので深鉢での栽培がおすすめです。
トックリランの様に長さのある葉を広げるタイプの植物も深鉢に植える事で葉が地面につきにくくなるといった工夫が出来ます。
深鉢の特徴としては、深さがある分、水分の持ちが良いです。
そのため底部分に水分が残りやすいので、加湿状態を避けたい植物を植える場合は鉢内の土を工夫する必要があります。
対策としては底部分にゴロ石を多めに入れたり、土自体に腐葉土やピートモスを多めに配合して通気性を良くするといった工夫もできますので、うまく調整してみましょう。
鉢の材質
植木鉢の材質にも様々ありますのでその特徴をまとめていきます。
素焼き鉢
素焼き鉢は粘土で形を作った後に焼成して作られた鉢素材です。
大きな特徴として多孔質という点があり、空気と水分を通しやすいので、鉢内に残った余分な水分を蒸発させやすいというメリットがあります。空気の通りが良いので鉢内でのムレも起きにくいです。
根腐れの心配をする植物や、水はけが良い土壌管理をしたい植物の栽培におすすめです。
サンスベリアやザミオクルカス類、ペペロミアあたりは余分な水分があると根腐れしやすいので向いています。
その一方で、扱いによって割れたり欠けてしまう、大きくなると重さが出るため扱いにくいというデメリットもあるので注意してください。
日本で流通している素焼きの鉢と材質が同じですが、洋風デザインの鉢はテラコッタと呼ばれています。テラコッタ鉢は底が平らなデザインが多いので、日本の素焼き鉢に比べると若干水分の蒸発が少なく蒸れやすい傾向があります。
化粧鉢
化粧鉢は素焼き鉢に釉薬をかけて1100℃~1200℃の高温焼成をした陶器鉢です。釉のかけ方や多様なイラストの工夫も出来る事からデザイン性がとても高く、瀬戸焼や信楽焼、織部焼といった焼き物ブランドの鉢もあります。
形状もアレンジが出来る焼き物という事もあり、つぼ型、取っ手付きのデザイン、スクエア型、オーバル型等種類に富んでいます。
釉薬を使用している分、素焼きの鉢に比べ多孔質部分はコーティングされているので、水や水分が抜ける事もなく乾燥の心配も少ないです。
観賞用として観葉植物や多肉植物、サボテン、盆栽を植えるのにも利用され、ラン科の植物を植えるのにもデザイン的に合います。
一方、素焼きの鉢と同様にちょっとした衝撃で割れたり欠けたりしやすく、大きな鉢は重量が増えて移動しにくくなるので、扱いに注意してください。
プラスチック鉢
プラスチック製の鉢はカラー展開や種類も多く、安価で購入できます。そして軽くて持ち運びをしやすいですし、ぶつけたり落としても陶器製や素焼きの鉢に比べて壊れにくいという点が大きなメリットです。
軽い分、ハンギングをする植物にも向いています。
鉢底穴部分も用途に合わせて加工しやすいので水はけの調整もしやす点も魅力です。特にスリット鉢は排水性が高く根のサークリングを防ぐことが出来るため、人気があります。
一般的に色々な植物への活用が出来ますが、素焼き鉢と違って鉢壁部分からの水分蒸発が出来ず、夏場は直射日光が当たると温度上昇しやすいので、根腐れしやすい植物には置き場所や水はけのよい土を使用する等、工夫が必要です。
木製鉢
木製の鉢は見た目のナチュラル感があるしおしゃれな見た目が特徴的です。木材で作られているボックス型や、籐等のつる植物を利用したカゴタイプも人気があります。
陶器製や素焼きに比べるとぶつけても割れにくいですし、ある程度軽いので扱いやすい、そして素焼きよりは劣りますが若干の通気性や排水性がある一方、保水性もあります。
夏場の直射日光に当たっても鉢内の土までは高温になりにくいといったメリットも。
一般的にどの植物を植えても適度に管理しやすいのですが、材質の特性上、2、3年を経過したあたりから雨風による影響で腐食しやすい傾向があります。地面に直置きしていると更に腐食しやすいので耐用年数自体は短いです。
直に鉢として使用する場合はブロックや台の上に置いて直置きを避けたり、鉢カバーとして利用するといった工夫をするのも一つの方法です。
ガラス鉢
ガラス鉢は穴が開いていないタイプになるので、ハイドロカルチャー用となります。
スクエア型、丸型の形状があり、ハイドロカルチャーの土として使用するハイドロボールやゼオライト、ジェルポリマーボールとの組み合わせ方でデザイン性も高いです。
ただ、あくまでも室内でのインテリア向きといえるでしょう。屋外での使用は、直射日光による影響で温度上昇しやすいので根腐れを起こす可能性があります。
他にもデメリットとしては割れやすいのでぶつけたり落とさない様、扱いに注意してください。
ガラス鉢を使ったハイドロカルチャーでは、ハイドロボールの場合はテーブルヤシやガジュマル等のミニサイズの観葉植物や、ゼオライトは多肉植物やサボテン類、ジェルボールはポトスやアイビーあたりと組み合わせると管理しやすいでしょう。
植木鉢のまとめ
最後に植木鉢を選ぶ時のおさらいです。
- 鉢を選ぶ際にはどの植物を植えたいか?
- その植物はどの様な根の張り方をするのか?
- 水はけが良い方が良いのか?
上記を知る事で適した素材、形状、深さ、大きさの鉢を選びやすくなります。
実際に植える苗のポッドの大きさよりも一回り大きめの鉢を選んで植え替えてあげてください。
最近は機能性、デザイン性にも優れた鉢も増えつつありますので、自分のお気に入りの鉢を見つけてグリーンライフを楽しみましょう。