色鮮やかで花壇を彩る代表品種、サルビアの育て方をまとめているページです。
サルビアは花壇作り欠かせない存在で育て方も簡単な事から幅広く利用されています。外国原産の植物ですがサルビアはあちこちに植えられているので一度は目にした事があると思います。
下記ではサルビアを育てる際のポイントについて解説しています。
サルビアの特徴
サルビアは世界中に750種類以上もあり、花の色や姿も豊富です。
初夏から秋にかけて公園の花壇などで見かける真っ赤なサルビア・スプレンデンスが一般的です。
このサルビアの原産地はブラジルでシソ科の植物です。最近では花色も増え、サルビアだけでカラフルな公園の花壇ができあがるほどです。
花や葉に芳香を持つものも多く、チェリーセージやボックセージなどもサルビアの仲間に含まれます。
サルビアには、宿根草と一年草がありますが、宿根草には寒さに強いものが多く冬には地上部が枯れるものの、春になれば新しい芽がでて大きく育ちます。
花は茎の先に咲くので、切り戻しをすると分枝して茎の数が増え、花をたくさん咲かせることができます。
日当たりと水はけがよければ土質はあまり選ばないため、園芸の初心者にも比較的チャレンジしやすい植物と言えます。
基本データ
難易度 | 普通 |
流通名 | サルビア・スプレンデンス、ヒゴロモソウ |
成長速度 | 速い |
花・種 | 花は赤、紫、ピンク、白、青、褐色 |
日照量 | 日当たりを好む |
温度 | 暑さには強いものの、寒さには弱い傾向にあります |
湿度 | 水はけがよく適度な乾燥を好みます |
花言葉 | 尊敬、尊重、家族愛、燃える思い |
サルビアが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
日当たりを好みますが、西日を嫌います。真夏の直射日光に当たり続けると弱るので、午前中には太陽にあたっても、午後からは日影になるような場所が理想的です。
サルビアは排気ガスに耐性がないので、車が通る近くには植えない方がよいでしょう。
適した場所がない場合は、同じサルビアの仲間のパイナップルセージやアメジストセージなどと一緒に大鉢に寄せ植えすると長い間楽しめます。
真っ赤なサルビア・スプレンデンスは一年草扱いなので、宿根サルビアと一緒に植えておくと翌年にも鉢植えを楽しめるうえ、こぼれ種でふたたび花が咲くこともあります。
温度・湿度
発芽地温は20℃~25℃なので適切な時期に種をまきます。生育時の適温は15℃~25℃です。
霜や凍結に弱いため早く種をまくときは、室内で育ててから移植します。5月中旬以降なら花壇に直接まくことも可能です。
定植してしまえば、夏の暑さにも負けず5月頃から11月頃まで咲き続けます。
ただ、高湿度に弱い性質があり、雨の日が続き泥が葉や茎につくと根腐れする恐れがあるので雨の跳ね返りを防ぐため、バークチップなどを敷いておくとよいでしょう。
用土
市販の培養土を利用すると土づくりの手間が省けます。土選びは大事なのでpH5.5~6.5前後の弱酸性の土を選びます。
手作りする場合は鉢植えだと、赤玉土5、腐葉土4、くん灰1が理想です。
地植えの場合は、日当たりが良ければ土質はあまり選びませんが、できれば腐葉土やたい肥をすきこんでおくと、元気な花が咲きます。
赤玉土の代わりに鹿沼土を混ぜても大丈夫ですが、プランターや鉢に植える場合は底に軽石を敷いてから土を入れると重くなり過ぎず、扱いやすくなります。
サルビアを上手に育てるコツ
水やり
水はやり過ぎると根ぐされするため、表面が乾いたらやるようにします。梅雨時には特に株元に水がたまりやすいので、水はけに気を付けましょう。
水が足りないと花が落下してしまうため、乾燥に気を付ける必要がありますが、土の表面がいつも湿っているようでは逆効果です。
土の表面が乾いたら、たっぷりと水をやる習慣をつけておきましょう。鉢植えの場合は鉢底から流れ出るほどやりますが、季節によっても加減します。
夏以外は午前中に、真夏は朝晩2回やるようにします。
肥料の与え方
植物が必要とする栄養素は、窒素、リン酸、カリウムですが、鉢植えも地植えも定植時にこれら三大要素をバランス良く含む元肥を与えます。
追肥は月に1回くらいを目安に化成肥料を株元に与えます。鉢植えで液肥を与える場合は、10日に1回くらい与えます。
追肥は、過ぎると害虫が発生しやすくなるので、花や葉が元気がなくなったように思えてからやってもよいでしょう。
真夏の8月は肥料を与えず、いったん咲き終えた花を刈り取り風通しを良くしておきます。
冬越し
サルビアには1年性と宿根性があります。1年性のものでも気温が5℃ぐらいあれば、冬越しも可能です。耐寒性のないものは、さし芽などで室内で冬越しするとよいでしょう。
サルビア・スプレンデスやブルーサルビアは寒さに弱い品種なので、1年草扱いで販売されていますが、暖地では切り詰めて株元を腐葉土や落ち葉などをかけておくと冬越しできます。
耐寒性のある宿根サルビアも同じように根元で切り詰めておくとよいでしょう。
その他にもビニールなどで覆ったり、発泡スチロールの箱に入れておくと冬越しさせることも可能です。
サルビアの品種
サルビアの選び方
長い間きれいな花を楽しむために、苗を選ぶ際には元気なものを選ぶことが大事です。
花にも旬があり、店頭にたくさんサルビアが並ぶようになったら買い時です。
苗の出はじめは、寒さが残っていて花が傷みがちなので、急いで買うより、少し待ってからの方が元気な苗が手に入ります。
サルビアの増やし方
挿し芽、株分け、種まきなどで増やします。
挿し芽を行う適期は5~6月あるいは10月頃ですが、気温が20℃ぐらいが定植しやすいようです。
用土は特に選びませんが、鹿沼土など清潔な土を使います。元気な目を選び、鋭利なハサミやカッターで葉のついた茎を切り、葉は2~3枚くらい残し大きな葉は、2分の1くらいカットしておきます。
3週間くらいすると根が出るので、ポットに移し替えます。
株分けをおこなう場合は、手やナイフで複数に切り分けて植え直します。株分け直後は根が弱っているため肥料は控えておきましょう。
種をまいて育てる場合は、20℃~25℃の気温が必要となります。
品種によっても異なりますが、サルビアの種の発芽温度は18~25度です。寒いうちは発芽しないため、4~5月頃に種をまきます。
サルビアの植え替え
真っ赤なサルビア・スプレンデンスは原産地では宿根草扱いですが、耐寒性に欠けるため日本では一年草扱いされています。
このサルビアは5月上旬ごろに発砲スチロールの箱などに土を入れて種をまきますが、光を好むため土は軽くかけ、種を深く埋めないようにします。
1週間ほどすると発芽するので、乾かさないように水をやり、日に当てて徒長しないように育てます。
しっかりと育ったら植え替えますが、プランターに植え替える場合なら底に軽石を敷き、市販の腐葉土を入れます。
苗を土の上に3株から5株を目安に並べて置き、株がグラつかないように土でかため、水をやります。
病気・害虫
比較的病害虫の少ない花ですが、真夏にはハダニがつくことがあります。
葉の裏につくことが多く植物の栄養を吸すってしまうので枯れることがあります。見つけたら葉をていねいに洗い流し、ダニ用の薬剤を散布します。
ハダニだけでなく、オンシツコナジラミなども、高温で乾燥した環境で発生します。
また、肥料のやり過ぎでもアブラムシがつくので、肥料も加減しましょう。
毒性や危険性について
サルビアの花の蜜には少ないながら毒性があります。
学校の花壇などにもよく植えてあるサルビアですが、子供が花の蜜を吸ったりしないように注意しましょう。