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サンダーソニアの育て方

黄色いふっくらした花を咲かせるサンダーソニアの育て方をまとめたページです。

サンダーソニアはとても上品な花を咲かせるので生け花やフラワーアレンジメントにも活躍する植物です。このページではサンダーソニアを上手に育てるポイントについて解説しています。

サンダーソニアの特徴

サンダーソニアはアフリカ南部を原産とするユリ科(イヌサフラン科)サンダーソニア属の多年草です。サンダーソニア属には本種であるサンダーソニア・オーランティアカの1種のみが分類されています。

つやのある緑色の葉の間からランタンのような形をしたオレンジ色の花が咲くのが特徴です。袋状の小さな花をぶら下げるようにつけることから、クリスマスベルとも呼ばれています。50~70cmほどの草丈になります。

初夏に花を咲かせる春植えの球根植物で、冬の間は休眠しています。球根は細長い指のような独特の形をしており、二股に分かれたものは基本的に片方の先端からしか芽を出しません。

サンダーソニアの属名は、この花の発見者であるスコットランドの植物学者ジョーン・サンダーソンに因んでいます。

基本データ

難易度 普通
流通名 サンダーソニア、クリスマスベル
成長速度 普通
花・種 6~7月にかけてオレンジや黄色の花が咲きます
日照量 日光を好むので日当たりのよい場所に置きます
温度 耐寒性・耐暑性ともにやや弱い植物です
湿度 多湿に弱いので風通しのよい場所で管理します
花言葉 望郷、祈り、愛嬌

サンダーソニアが好む環境

黄色いふっくらした花が魅力的なサンダーソニア

日当たりと植えるのに適した場所

サンダーソニアは日光を好むため、植え付けから初夏の開花期までは日なたで管理します。

高温多湿を苦手とするので、花が咲き終わったら鉢植えのものは半日陰に移しましょう。地植えの場合は花後に遮光ネットなどで日よけをすると球根がよく太ります。

涼しく乾燥した気候を好むため、真夏の日光や長雨に当たると弱りやすくなります。地植えも可能ですが、場所の移動ができる鉢植えのほうが育てやすいでしょう。

土が過湿状態になると球根が腐ってしまうので、水はけのよい土壌に植え付けます。地植えの場合はあらかじめ川砂をすき込んで砂質の土壌を作っておきます。

サンダーソニアは根が少なく肥料を吸収しにくい植物です。地植えであれば元肥は土に混ぜず、植え付け後に緩効性肥料を地面にばらまいておきます。鉢植えの場合は、根に当たらないよう鉢の底部の土に少量の肥料を混ぜてください。

温度・湿度

サンダーソニアは暑さ・寒さともにあまり強くありません。高温になると球根の成長が悪くなるので、花後の夏場は風通しがよく涼しい半日陰に移すか、日よけを施します。

乾燥した環境を好むため多湿に弱く、水はけの悪い土壌に植えると球根が腐りやすくなります。なるべく雨に当たらない場所で管理し、水の与えすぎには注意しましょう。

冬は寒さを避けるため球根を掘り上げて表面を乾燥させ、室内で保管します。鉢植えの場合はそのまま室内へ取り込んでもかまいません。

ただし、サンダーソニアの球根はある程度の寒さに当たらないと発芽しにくいので、なるべく10℃以下になる場所で管理します。

用土

サンダーソニアは多湿に弱いため、水はけのよい土が適しています。土が常に湿った状態になると球根が腐ってしまうので注意します。

鉢植えの場合、赤玉土(中粒)5:腐葉土2:ピートモス1:川砂2、もしくは赤玉土(小粒)6:川砂2:腐葉土あるいはピートモス2などの割合で混ぜた土を使います。

地植えであれば、腐葉質に富んだ水はけのよい土壌を作るため、植え付ける前にあらかじめ川砂と腐葉土を2~3割すき込んでおきましょう。

サンダーソニアを上手に育てるコツ

水やり

花瓶にもおすすめなサンダーソニアの花

鉢植えの場合、春から秋の生育期には土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安です。花が枯れた後は水やりを中止して土を乾燥させましょう。

多湿に弱い植物なので、水を与えすぎると球根が腐る原因となります。生育期であっても土が乾くまでは水を控え、やや乾かし気味に管理することで元気に育ちます。

地植えの場合は基本的に降雨のみでかまいませんが、晴天が続くなど極度に乾燥している時は水を与えます。

肥料の与え方

サンダーソニアの球根を植え付ける用土には、あらかじめ元肥として緩効性の化成肥料を施しておきます。

ただし、根が少なく栄養分を吸収しにくいので、地植えの場合は混ぜるのではなく地面にばらまくようにします。鉢植えであれば、根が当たらない鉢底の土に少量の緩効性肥料を混ぜて元肥とします。

葉が開いてからは追肥として、規定の濃度に薄めた液体肥料を月に2回ほどの頻度で水やりの替わりに与えます。葉が枯れるまで肥料を切らさないようにすると、翌年の花付きがよくなります。

冬越し

サンダーソニアは耐寒性に劣るものの、発芽させるには冬の間にある程度の寒さに当てる必要があります。

秋になって葉が枯れ始めたら球根を掘り上げましょう。風通しのよい日陰で表面を乾燥させ、新聞紙に包むかおがくずを入れたビニール袋に入れ、室内で保管します。

その際、暖房が効いた暖かい部屋は避けます。物置や北向きの部屋など、10℃以下になる冷暗所で保管してください。

鉢植えの場合は、球根を掘り上げずそのまま室内へ取り込み、0℃以上の場所で保管することもできます。

サンダーソニアの選び方

サンダーソニアの球根を購入する際は、よく肥大したものを選びましょう。先端の部分が折れていると発芽しない可能性が高いので注意します。

腐ったり傷がついたりしておらず、手に持った時に重みを感じる球根がおすすめです。

サンダーソニアの増やし方

サンダーソニアは、球根を掘り上げて切り分ける「分球」という方法で増やすことができます。

秋になると葉が枯れ始めるので、大きくなった球根を掘り上げましょう。二股になっている部分で2つに切り分けて数を増やします。

サンダーソニアは花が咲き終わっても散らずにそのまま残りますが、種が作られると十分な養分が球根へ回らなくなります。花の色が褐色になった時点で花がらを摘み、球根を肥大させましょう。

掘り上げた球根は風通しのよい日陰で表面を乾燥させ、おがくずやバーミキュライトと一緒にビニール袋へ入れ、0℃以上になる室内で保管します。

春になったら、鉢植えの場合は6号鉢に3~4球ほどを目安に、2~5cm程度の深さに植え付けてください。

サンダーソニアの植え替え

サンダーソニアは多年草ですが、何年も同じ場所で育てていると土が劣化したり根が窮屈になったりします。球根の植え替えはなるべく毎年おこないましょう。

植え替えに適した時期は3月下旬~5月頃です。秋になって葉が枯れたら水やりをやめ、土を完全に乾かしたのち球根を掘り上げます。

掘り上げた球根は風通しのよい日陰に置いて乾燥させ、新聞紙に包むかおがくずと一緒にビニール袋に入れて室内で保管してください。

その際、十分に肥大した球根は二股になった部分で切り分け(分球)、数を増やすことができます。小さい球根はどちらかの先端のみから芽を出すことが多いので、そのまま保管します。

春になったら、鉢や花壇、庭などに植え付けてください。サンダーソニアの茎は細く繊細なので、支柱を立てると安定します。

病気・害虫

サンダーソニアがかかりやすい病気には「灰色カビ病」があります。

灰色カビ病は菌による伝染性の病気です。発症すると小さな淡褐色の病班が現れ、徐々に腐敗してカビに覆われていきます。

被害に遭った葉や茎は感染の原因となるため、速やかに取り除いて処分しましょう。薬剤を吹きかけることで蔓延を予防できます。

サンダーソニアにつきやすい害虫にはアブラムシやナメクジがいます。

アブラムシは茎や葉に付着して栄養分を吸い取り、株を弱らせます。発見したらすぐに割り箸や粘着テープなどを使って取り除きましょう。

ナメクジが這った跡には粘液がつき、キラキラ光ったように見えます。半分にカットしたペットボトルなどにビールを入れて置いておくと捕まえることができます。

サンダーソニアの毒性や危険性について

サンダーソニアの球根には有毒成分であるアルカロイド(コルヒチン)が含まれています。

漢方薬などにも使用されるため猛毒ではありませんが、誤食すると中毒を引き起こすことがあります。

小さな子どもやペットのいる家庭では手の届かない場所で管理してください。

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