日本でもお馴染みの植物コスモスの育て方をまとめているページです。
コスモスは秋桜とも呼ばれていて秋の花の代表的存在ですが、その花びらを使った花占いをやった事がある人も多いのではないでしょうか。
このページではコスモスの特徴や育て方、増やし方などを順に解説していきます。
コスモスの特徴
コスモスはメキシコの高地を原産とするキク科コスモス属に分類される一年草です。秋桜という和名の通り、日本の秋には欠かせない花として広く親しまれています。
ピンクや赤、黄、白、オレンジ、複色などの変化に富んだ花色が特徴で、秋咲き種の他にも早咲きや夏咲きなど品種もさまざまです。
夏に種をまき秋に花を楽しむ晩生品種は、日の長さが短くなると開花する短日植物です。近年は日の長さにあまり影響を受けずに開花する早生品種もポピュラーになっており、春に種をまいて初夏から花を楽しめるコスモスも増えています。
美しく可憐な花をつける繊細な植物ですが、こぼれ種で同じ場所に翌年花をつけるほど丈夫な花なので、園芸初心者にもおすすめです。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | コスモス、秋桜(アキザクラ) |
成長速度 | やや速い |
花・種 | 品種により6月から11月の間に開花します |
日照量 | 生育期間は日当たりのよい場所で管理します |
温度 | 暑さにはやや強く寒さには弱い植物です |
湿度 | 乾燥に強く過度な多湿を嫌います |
花言葉 | 調和、乙女の純真、優美(白)、乙女の愛情(赤)、乙女の純潔(ピンク) |
コスモスが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
コスモスは日光を好むため、生育期を通して日当たりのよい場所で管理します。日照不足になるとひょろひょろと徒長してしまい、花付きが悪くなります。
乾燥には比較的強い植物ですが多湿には弱いため、風通しのよい場所を選びましょう。土が過湿状態になると株が弱ってしまうので、用土には水はけのよい土を使用します。
土壌の水はけが悪い場合、川砂やパーライトを混ぜると改善します。コスモスは弱酸性の土を好むため、あらかじめ苦土石灰を混ぜて酸度を中和しておきましょう。
ポット苗は4~6頃に出回り始めます。苗を購入したらなるべく早めに鉢や花壇などに植え付けてください。
コスモスは痩せた土でもよく育つ丈夫な花なので、肥料は少量でも問題ありません。肥料を与えすぎると丈ばかり伸びて倒れやすくなるので気をつけましょう。
温度・湿度
コスモスはある程度の暑さには耐えますが、種をまく際は生育が難しい高温期を避けます。夏咲き種は4~7月頃、秋咲き種は5~8月頃が種まきの適期となります。
冬には枯れてしまう一年草なので、防寒対策は特に必要ありません。ただし、温暖な地域では冬の間も花を咲かせることがあります。その場合、冬場は土が乾燥しにくいので水の与えすぎに気をつけてください。
乾燥には強いですが多湿な環境を嫌うため水はけのよい用土を使用し、土が乾いているのを確認してから水を与えましょう。
用土
コスモスは土の過湿を嫌うため、根腐れを防ぐためにも用土には水はけに優れた土を使用します。
鉢植えの場合は、園芸店などで購入できる草花用の培養土を使うのが簡単です。自作するのであれば赤玉土(小粒)6:腐葉土4、もしくは赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1などの割合でブレンドした土がおすすめです。
地植えのコスモスはあまり土質を選びませんが、あらかじめ堆肥と腐葉土をすき込んでおくとよいでしょう。酸度を中和するために苦土石灰を混ぜて寝かせておきます。
コスモスを上手に育てるコツ
水やり
コスモスの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安です。
ただし、乾燥を好み多湿には弱いので、水の与えすぎには注意してください。土の表面が乾いているのを確認してから水をあげるのがポイントです。
地植えの場合は雨水のみで特に問題はありません。晴天の真夏日が続くなど、極度に乾燥した時のみ、午前中もしくは夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。
肥料の与え方
コスモスは痩せた土壌でも育つ生命力の高い植物なので、肥料はあまり必要ありません。栄養過多になると草丈が伸びすぎたり株が弱ったりすることがあります。
種や苗の植え付け時に、元肥としてあらかじめ緩効性の化成肥料を少量施す程度で十分です。
ただし、鉢植えの場合は栄養分が不足しやすいため、生育の様子を見ながらリン酸、カリ分の多い緩効性肥料を置き肥するか、規定の濃度に薄めた液体肥料を少しだけ与えましょう。
冬越し
コスモスは夏から秋にかけて開花し、冬には枯れてしまう一年草なので、冬越しの対策は特に必要ありません。
種を採取する場合は、花後の冬におこないます。花が枯れた後、そのまま放置すると種が弾け飛んでしまうので、種が黒くなったタイミングで採取してください。
種を採取したら殻を取り、日陰で数日乾燥させます。紙袋に入れるか、除湿剤と一緒に容器に入れておくと湿気を吸い取ってくれます。
種が乾燥したら、カビが発生しないよう風通しのよい日陰で翌年まで保管しましょう。
コスモスの選び方
コスモスの苗の販売は4~6月頃に始まります。購入する際は、葉が生き生きとしていて色つやがよく、蕾がたくさんついたものを選びましょう。
茎がひょろひょろと間延びしている苗は日照不足の可能性があるので避けてください。
コスモスの増やし方
コスモスは種まきと挿し木によって増やすことができます。
通常、開花し始めたら花付きをよくするために花がらを摘みますが、種を採取する場合は、花期が終わりに近づいてきたら花がらは摘まず、種を育てます。
コスモスの種が黒くなってきた頃が採取のタイミングです。そのまま放置すると種が弾け飛んでしまうので注意しましょう。
種の採取は湿気を防ぐために晴れの日におこないます。軽く風を当てて殻と種を分けてから、涼しい日陰で乾燥させましょう。
カビが発生しないよう湿気の少ない場所で保管し、翌年の種まきの適期になったら2~3粒ずつ20~30cmの間隔を空けて点まきします。
コスモスの挿し木は、新芽が伸びる前の茎を3節ほどのところで切り取り、挿し穂にします。
切り口を斜めにカットした後、鉢土もしくは庭の土に挿し込みましょう。根が出るまでは水を吸い上げる力が弱いので、土が乾燥しない程度に水やりをしながら管理します。
コスモスの植え替え
コスモスは直根性で根の数が少ないため、植え替えには向いていません。冬になったら枯れてしまう一年草なので、春になったら種や苗から新しく育て始めましょう。
ポット苗から育てる場合は、根詰まりを起こしやすいため購入後すぐに鉢や花壇などに植え直してください。植え付ける際に土を崩すと根が傷ついてしまうので、ポットの土をつけたまま植えるようにします。
病気・害虫
コスモスがかかりやすい病気には「うどんこ病」や「立ち枯れ病」があります。
うどんこ病は、葉に白い斑点のようなカビが発生する病気です。放置しておくと葉が枯れてしまうので被害箇所はすぐに切除してください。重曹水を吹きかけることで繁殖を防止できます。
立ち枯れ病にかかると葉や茎に斑点が現れ、進行すると植物全体に病斑が広がります。生育が著しく悪くなり、立ち枯れの状態になってしまいます。
症状を発見したら被害箇所を早めに切り取り、枯れ落ちた葉も処分しましょう。被害が大きい場合は薬剤を吹きかけて殺菌します。
コスモスにつきやすい害虫にはアブラムシやハダニ、ヨトウムシがいます。
アブラムシやハダニは茎や葉に寄生して栄養分を吸い取り、株を弱らせる害虫です。発見次第、霧吹きや粘着テープで取り除くか、数が多い場合は薬剤を用いて駆除します。
ヨトウムシはヨトウガなどの幼虫で、葉を食害に遭わせます。成長すると株全体を食べ尽くすこともあるので、なるべくふ化直後の段階で薬剤を用いて駆除しましょう。
コスモスの毒性や危険性について
コスモスは毒が無い植物なので安心して庭に植えられます。
コスモスはキク科ですので食べられない事もないですが、美味しくはないそうです。