PR

バラの育て方

愛を象徴する花として知られるバラ(薔薇)の育て方を解説したページです。

花束や贈り物で目にする機会が多いバラの花ですが、庭に植えられ花を沢山付けたバラは花束とは違う美しさがあります。

庭や鉢植えで生き生きとしたバラを育てるポイントをご紹介していきます。

バラの特徴

バラは、アジアやヨーロッパ、北アメリカなどの北半球に自生する、バラ科バラ属の落葉低木です。

品格のある美しさと香りを持つバラは「花の女王」ともいわれ、紀元前より多くの人々を魅了してきました。現在では知らない人はいないほど、人気が高い花です。

自生する品種はもともと素朴な一重咲きでしたが、1800年代に育種が始まり、今では少なくとも3万を超える園芸品種が存在すると言われています。

バラはその樹形から「木立ち性(ブッシュ・ローズ)」、「半つる性(シュラブ・ローズ)」、「つる性(クライミング・ローズ)」の3タイプに分けられます。

花色は赤、白、黄、ピンク、紫、複色など変化に富み、花びらの枚数も1輪で5枚のものから100枚以上つけるものまであり、花姿もさまざまです。

バラの栽培は手間がかかるというイメージがありますが、環境に合った種類を選び、適切に管理すれば家庭でもきちんと育つ植物です。

基本データ

難易度 普通
流通名 バラ、ブッシュ・ローズ、つるバラ、ミニバラ
成長速度 やや速い
花・種 主に5月中旬から6月上旬にかけて開花します
日照量 日光を好むため半日以上の日照量を確保します
温度 多くの品種が耐寒性・耐暑性ともに優れています
湿度 過湿を嫌うため風通しの良い場所で管理します
花言葉 愛、美、あなたを愛しています(赤)、純潔(白)、嫉妬(黄)

バラが好む環境

花をいくつも付けて咲き乱れる薔薇の花

日当たりと植えるのに適した場所

バラが元気に育つには、日当たりと風通し、水はけのよさが必要です。少なくとも半日以上の日照を確保できる場所を選びましょう。

狭いスペースに密植したり壁際に植えたりすると、通気性が悪くなり病気にかかる可能性があります。植え付ける際は間隔を空け、風通しをよくします。

暑さに強く、寒さにもよく耐えるので、基本的には年間を通して屋外で管理しますが、ミニバラなどを室内で育てる場合は、南向きの窓辺のような日が射し込む場所に置いてください。

地植えのほうが生育も旺盛かつ管理も簡単ですが、適切な管理を怠らなければ鉢植えでも十分育ちます。ただし、バラは環境が合うと根をすくすくと伸ばすので、鉢植えの場合は年に1度の植え替えが必要です。

肥沃で水はけのよい土壌を好むので、庭植えの場合は、植え付ける前に完熟堆肥や腐葉土を深くすき込み、養分に富んだ土を作りましょう。

温度・湿度

バラは基本的に暑さにも寒さにも強い植物です。しかし、流通しているバラのほとんどは品種改良されたもので、原種よりも丁寧な手入れが必要です。

極端な暑さや寒さには耐えることができない種も多いため、真夏の直射日光や氷点下が続くような場所に置くのは避けるのが無難です。

特に植え付けて間もない苗はまだしっかりと根が張っていません。土の中の水分が凍ったり解けたりを繰り返すと根が弱ってしまうので、寒冷地では冬の間に植える大苗よりも春に植える新苗を購入するとよいでしょう。

また、湿度の高い環境では病気にかかる可能性が高くなるため、風通しのよい場所で管理してください。

用土

バラはたっぷりと水を与えることで元気に育ちますが、土の過湿には弱い植物です。植え付ける用土には水はけと水もちに優れた土が適しています。

市販のバラ専用培養土を使用するのが最も簡単ですが、自作することもできます。赤玉土(小粒)7~6:堆肥3~4、あるいは赤玉土(中粒)3:赤玉土(小粒)3:堆肥2:腐葉土2の割合で配合した土にバーミキュライトを少し混ぜたものを使うとよいでしょう。

有機質に富んだ土を好むので、地植えの場合は植え付ける前に堆肥や腐葉土をすき込み、50cmほど深耕しておきます。

バラを上手に育てるコツ

ピンク系の薔薇の花

水やり

バラの水やりは、基本的に土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安です。

春から秋にかけての暖かい時期は1日1回の頻度で与えるとよいでしょう。日がよく当たり乾燥しやすい場合は、朝と夜の2回に分けてもかまいません。

地植えの場合は、苗を植えつけてから2週間ほどは成長を促すため水を与えますが、その後は降雨のみで十分です。ただし夏場に雨が少なく乾燥するようであれば、水やりをしましょう。

肥料の与え方

バラの花をきれいに咲かせるには、十分な栄養を必要とします。生育のタイミングにより施し方が異なるので、適切な時期に適量の肥料を与えるようにします。

植え付け時には、元肥として固形の発酵油かすや緩効性の有機質肥料を与えます。12月から2月にかけての寒い時期にも寒肥として同様に施肥しましょう。

さらに、春の花の開花後(5月下旬から6月下旬)には、お礼肥として速効性のある化成肥料を与えます。ただし、年に1度しか花開花しない一季咲きのバラには不要です。

開花前に施肥すると花の色や形が悪くなることがあるので、蕾が膨らみ色づき始めたら肥料をストップしてください。

冬越し

バラは寒さに非常に強く、氷点下8℃程度までなら耐えるため、特別な防寒対策は基本的に不要です。

ただし、氷点下10℃以下になる場合や、植えつけて間もない苗には、株元をピートモスやバークチップなどで覆って凍結を防止するマルチングを施しましょう。

マルチングの前には、病気の感染を防ぐため、株元に落ちている枯れ葉や枝を取り除くようにします。

冬はバラの休眠期に当たりますが、2月を境に根が活動を始めるので、12月から2月の間は寒肥として有機質の油かすや固形肥料を与えてください。

バラの選び方

真っ赤な花を咲かせる薔薇

バラの苗には、新苗と大苗、鉢植え苗があります。

「新苗」は、春に販売される、冬に接木して作られた小さい苗です。苗がすでに大きく充実しているものは「大苗」と呼ばれ、秋に出回ります。

「鉢植え」は大苗を鉢に植え付けて育てた苗のことで、年間を通して入手できます。

初心者であれば、すでにある程度成長している「大苗」や「鉢植え」の購入がおすすめです。

バラの増やし方

グラデーションが綺麗な薔薇の花

バラの増やし方には「挿し木」、「接ぎ木」、「種まき」の3つがありますが、接ぎ木と種まきは主にプロや専門家によって用いられる高度な方法です。

家庭では、最も簡単に増やせる「挿し木」のうち、温室のいらない「緑挿し」がおすすめです。だたし、挿し木の場合は成長期間が長く、株を大きくするまで3~5年かかります。

バラの緑挿しは、まずその年に伸びた5~10cmほどの新しい枝を用意します。とげをつけた状態で1時間ほど切り口を水に浸しましょう。

先端の葉を2~3枚残し、残りの葉を切り落とします。枝の切り口を斜めにカットしたら発根促進剤をつけ、土を入れたプランターなどの容器に斜めに挿します。

挿し木後は半日陰へ移動させ、根が出るまで水やりを欠かさないようにします。根が育ち新芽が生えてきたら、新しい鉢や庭土へ植え替えてください。

バラの緑挿しは、休眠期以外であればいつでも可能です。

バラの植え替え

バラは元気に育っているとよく根を張り、土の栄養をどんどん吸い取ります。鉢植えの場合は、1年に1度、一回り大きな鉢へ植え替えてください。

バラの植え替えの手順は以下の通りです。苗を購入した後の植え替えも基本的に同じ方法で行います。

  1. 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  2. 清潔な用土を鉢の1/3程度まで入れる
  3. 鉢から株を抜き出し、古い土を落とす
  4. 鉢の中央へ株を置いて土を隙間なく入れる
  5. 水をたっぷり与えて日当たりよい場所で管理する

株を鉢から取り出した時に、茶色や褐色に変色した古い根があれば取り除きましょう。植え替えの直後は株が安定していないため、肥料は1週間ほど経ってから与えます。

バラが休眠している冬の間が植え替えの適期です。

病気・害虫

バラがかかりやすい病気には「黒点病」や「うどんこ病」があります。

黒点病にかかると葉に黒い斑点が現れ、進行すると落葉します。梅雨時などの雨が多い時期に発生しやすい病気なので、雨が当たらない場所に置いたり、泥はねを防いだりすることで予防ができます。

うどんこ病は春と秋に発生しやすく、主に新芽が白い粉を吹いたような状態になり縮んでしまう病気です。重曹水を吹きかけて繁殖を防止しましょう。

バラにつきやすい害虫には「カイガラムシ」や「テッポウムシ」がいます。

カイガラムシは白い殻を背負ったような小さな虫です。株に付着して養分を吸い取るので、発見したら粘着テープを使って除去するか、殺虫剤を吹きかけて駆除しましょう。ただし、成虫すると薬剤が効きづらくなるため歯ブラシなどでこすり落とします。

テッポウムシはゴマダラカミキリの幼虫で、茎や根を食べて株を枯らします。株元に糞を見つけたら巣穴に針を刺すか薬剤を注入して駆除します。

バラの毒性や危険性について

バラには中毒症状を起こすような毒はありませんが、枝のとげが刺さると傷口から細菌が侵入し、化膿したり腫れたりすることがあります。

トゲが刺さったらそのままにせず、すぐにピンセットなどで抜き出しましょう。はちみつや梅干しを塗ると、取り除きやすくなるとも言われています。

タイトルとURLをコピーしました