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ハイビスカスの育て方

真っ赤な花がトロピカルな雰囲気にしてくれるハイビスカスの育て方を解説しているページです。

ハイビスカスはハワイ州の花として指定されている他、沖縄のリゾート地でもごく一般的に見られるため南国を思い浮かべる植物です。本ページではハイビスカスを上手に育てるポイントについてまとめています。

ハイビスカスの特徴

ハイビスカスは、初夏から秋にかけて開花するアオイ科フヨウ属に分類される常緑性の低木です。

原産地は中国南部もしくはインド洋、ハワイ諸島、モーリシャス島などとされていますが、詳細は定かではありません。

赤や黄、ピンク、オレンジなど鮮やかな原色が魅力的なハイビスカスは、南国のイメージにぴったりな花です。ハワイでは州花として指定されています。

ハイビスカスの花の寿命は1日限りのものがほとんどですが、大輪の種や涼しい季節には2日ほど咲くこともあります。

日本では草丈が30cmほどの鉢植えの種が広く親しまれていますが、沖縄などでは3m近いものが街路樹に植えられています。

観賞用以外にも、食用にしたり繊維の材料となったりする用途もあります。ハーブティーや天然のスポーツドリンクとして飲まれることも多いです。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 ハイビスカス
成長速度 速い
花・種 5月から10月にかけて開花します
日照量 真夏以外はなるべく日光が当たる場所に置きます
温度 基本的に暑さに強いですが品種により異なります
湿度 高温多湿に弱いため風通しのよい場所で管理します
花言葉 繊細な美、新しい恋、艶美(白)、勇敢(赤)、輝き(黄)

ハイビスカスが好む環境

南国のイメージが強いハイビスカスの花

日当たりと植えるのに適した場所

ハイビスカスを元気に育てるには、できるだけ日がよく当たる場所で管理します。

ただし、高温多湿になる日本の夏は苦手なので、夏場は風通しのよい場所に置き、気温が30℃を超えるときは軒下などの明るい日陰に移しましょう。コンクリートなどからの照り返しや強い西日による高温も避けます。

基本的に暑さには強い植物ですが、大輪になる品種を中心に、猛暑を避けた方がよいものも多くあります。真夏に株が弱っている場合は、午前中のみ日光が当たる場所に移して管理します。

寒さには弱いため、11月頃になり涼しくなってきたら鉢を室内へ取り込みます。冬の間も窓辺などの日当たりのよい場所に置いてください。

日がよく差し込む場所や暖房が効いた部屋では、冬の間も花を付けることがあります。ただし、乾燥が続くと弱ってしまうので、暖房の風が直接当たらないよう注意します。

苗を植え付ける土にはハイビスカス用の培養土を使用するのが最も簡単です。自分でブレンドする場合は、水はけのよい土を作るようにしてください。

温度・湿度

ハイビスカスは基本的に耐暑性に優れた植物です。

ただし、品種によって暑さへの耐性が異なります。原種に近いコーラルタイプは暑さに最も強く、次いで中輪や小輪の花が付くオールドタイプ(在来系)、大輪を咲かせるハワイアンタイプの順に耐暑性が低くなります。

暑さに弱い品種は気温が30℃を超えると開花しにくくなるため、半日陰に移して管理してください。寒さには弱いので、冬は日がよく当たる暖かい室内へ取り込みます。

ハイビスカスは日本の夏のようなじめじめとした気候を苦手とします。茂りすぎて風通しが悪くなっている場合は、枝を間引くとよいでしょう。

用土

ハイビスカスは、水はけがよく有機質に富んだ肥沃な土を好みます。

初心者であれば園芸店などで販売されているハイビスカス用の培養土を用いるのが最も簡単です。

自作する場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合でブレンドした土がおすすめです。水はけが悪い場合はバーミキュライトを2割ほど加えると改善します。

地植えで育てる場合は、植え付ける前にあらかじめ腐葉土などの有機物をすき込んでおくとよいでしょう。

ハイビスカスを上手に育てるコツ

黄色と赤のグラデーションが美しいハイビスカスの花

水やり

ハイビスカスの水やりは、4月から10月にかけての生育期にはたっぷりと水を与えます。

鉢の底から水が流れ出るくらいの量が目安ですが、受け皿に溜まった水は根腐れの原因となるためすぐに捨てます。

水切れを起こすと蕾が落ちてしまうこともあるので、気温が高く水分が蒸発しやすい真夏の時期は、土が乾いているようなら朝夕2回水を与えましょう。

11月から3月の休眠期には水やりの回数を控え、乾燥気味に管理するのがポイントです。

肥料の与え方

ハイビスカスは肥料を与えることで生育がよくなります。

春から秋にかけての生育期には、ゆっくりと効く緩効性の肥料を規定量よりやや多めに施します。花をたくさん付ける時期は、規定の濃度よりも薄めに希釈した液体肥料を併用し、10日に1度のペースで水やりの代わりに与えてもよいでしょう。

ハイビスカスに与える肥料はリンやカリ分の多いものが適しています。窒素分が多い肥料を与えると葉ばかり茂り、花付きが悪くなります。

猛暑が続く真夏や生育が緩慢になる冬場は、根が傷みやすいので肥料は不要です。

冬越し

ハイビスカスは暑さに強いものの寒さには弱い植物です。

11月に入り寒くなってきたら鉢ごと暖かい室内へ移して管理します。なるべく10℃以上を保てる場所に置くとよいでしょう。

室内へ移した後も、日照不足になると花付きが悪くなるので、窓辺など日がよく当たる場所を選んで管理します。

暖かい部屋では冬の間も花を付けることがありますが、乾燥すると株が傷んでしまうので、暖房などの風が直接当たらないよう気をつけてください。

ハイビスカスの選び方

黄色のハイビスカス

ハイビスカスの苗は5月前後になると園芸店などに出回り始めます。

苗を購入する際は、つぼみがたくさん付いており、葉と枝の数が多く、葉色が濃いものを選びます。葉の裏側まで確認し、黄色く変色しているものや茎皮が剥がれているものは避けましょう。

ハイビスカスの増やし方

ハイビスカスは挿し木によって増やすことができます。ただし、挿し木による方法は大輪花をつけるハワイアンタイプには不向きです。

挿し木の際は、前日にたっぷりと水を与えておきます。翌日に健康的な若い枝を先端から7~10cmほどの位置で切り取り、挿し穂にします。

挿し穂の上部の葉を2~3枚残して下葉を取り除き、植物活力剤を入れた水に半日以上浸しましょう。切り口に発根促進剤を塗り、挿し木用の土に2~3cmの深さで挿し込んでください。

挿し木後は10日ほど風が当たらない半日陰に置き、土が乾かないよう水やりをしながら管理します。

1か月ほど経って根が出たら、3号サイズのポットに植え替えてください。その後は生育に合わせて鉢を大きくしていきます。

ハイビスカスの挿し木の適期は、オールドタイプが6月頃、コーラルタイプであれば5~9月頃です。

ハイビスカスの植え替え

ハイビスカスは生育スピードが速く、同じ鉢で長く育てていると鉢の中に根がまわって根詰まりを引き起こします。根詰まりは根腐れの原因にもなるため、1~2年に一度は一回り大きな鉢へ植え替えましょう。

ハイビスカスの植え替えの手順は以下の通りです。

  1. 一回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  2. 鉢の1/4程度まで清潔な用土を入れる
  3. 元の鉢からハイビスカスを抜き出す
  4. 鉢の中央へ株を置いて土を隙間なく入れる
  5. 水をたっぷり与え、1週間ほど半日陰で管理する

ハイビスカスの根を傷つけると生育が悪くなるため、元の鉢から抜き出した根土は崩さないようにしてください。

ハイビスカスの植え替えは、5月から6月頃におこなうのが適しています。

病気・害虫

ハイビスカスは病気にかかりにくい植物ですが、まれに「すす病」を発症することがあります。

すす病にかかると葉の表面にススがついたように黒く変色し、見た目が悪くなります。放っておくと落葉し、株が弱ってしまいます。

アブラムシなどの排泄物が原因となって発症することが多いため、害虫を発見したらすぐに駆除するようにします。

ハイビスカスにつきやすい害虫には「アブラムシ」や「ハマキムシ」がいます。

アブラムシは気温が高く乾燥した環境で発生しやすい害虫で、葉や茎に付着して養分を吸い取り、株を弱らせます。すす病の原因にもなるので、発見次第、手や粘着テープなどで取り除きましょう。数が多い場合は薬剤を用いて駆除します。

ハマキムシはハマキガの幼虫で、糸をはいて葉を丸め、その中に棲みつきます。葉を食害に遭わせるので、見つけたらすぐに葉ごと取り除いて退治しましょう。

ハイビスカスの毒性や危険性について

ハイビスカスはハーブティーなど食用にも利用される植物なので、人間に対しては安全です。

人間にとって有毒となる成分は特に含まれていませんが、犬がハイビスカスを食べると嘔吐や下痢、食欲不振などの中毒症状を引き起こす可能性があります。

犬をペットして飼っている家庭では、手の届かないところに置くようにしましょう。

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