パパイヤの特徴
パパイヤはメキシコ南部から西インド諸島が原産、パパイア科パパイア属の常緑小高木です。熱帯地域で栽培されており、日本では沖縄や奄美エリアでも自生していたり、栽培されています。
実は黄色く熟したものをフルーツとして食べる楽しみ方もありますが、沖縄や奄美では実が熟す前の青い実を野菜として食べる地域もあります。
実の栄養はビタミンCが豊富に含まれており、カリウムをはじめとしたミネラル成分も豊富。タンパク質分解酵素でもあるパパインも摂取できる果物です。
葉は手のひらを広げた様な形で大きく、パパイン酵素やポリフェノールを多く含んでいる事から、葉をお茶として利用する方法も。ただ、ラテックス成分も含んでいるので、ゴム成分のラテックスアレルギーがある人は注意してください。
パパイヤの木は雄と雌に分かれており、メスの木しか実をつけません。ここ最近では同性株の種類も登場しています。
沖縄や奄美では手をかけなくてもぐんぐん成長しますが、本州での栽培の場合は温度管理を含めたポイントがあるのでやや難易度がある木です。
基本データ
難易度 | やや難しい |
流通名 | パパイヤ、パパイア |
成長速度 | 速い |
花・種 | メスは黄色い花を咲かせ、オスは白い花を咲かせます。熟成した実から黒い種を収穫できます |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 生育適温は25℃~30℃ |
湿度 | 空中湿度はある程度あっても大丈夫です |
花言葉 | 純愛 |
パパイヤが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
パパイヤは日なたを好むので、地植え、鉢植え共に日当たりが良い場所に植えます。
地植えで育てる場合は水はけのよい場所を選びます。植える種類にもよりますが、自生しているパパイヤの種から育てた場合、かなり成長する可能性もあります。2m程度の大きさになるものもあれば、場合によっては5m以上の高さまで成長する種類もありますので、周辺に他の植物を植えると日当たりを遮る可能性があります。
もし鉢植えで育てる場合は大きめのものを用意してください。
最初は6号鉢程度に植え付けておき、成長してきたら一回り大きな鉢に植え替えるという方法です。目安としては1m程度の高さまで成長させる場合、10号程度の鉢があった方が良いでしょう。
温度・湿度
パパイヤの生育適温は25℃~30℃といわれています。この温度環境の時に葉ぐんぐん成長していきますが、15℃以下の環境になると成長が止まってしまいます。
本州で地植えにしている人は冬に霜が降りてくる時期に枯れ死してしまうのですが、大きくなるので鉢植え管理では大変と感じている人は1年草感覚で植え付けている人もいます。
湿度に関しては空中湿度が60%程度あっても元気に育ちます。乾燥気味の時は葉水を与えてあげても良いでしょう。ただ、根の水分過多は嫌いますので、水はけのよい土に植えて管理します。
用土
パパイヤは水はけのよい土、そして栄養を含んだ土が良いので、地植えの場合は、土に川砂やピートモス、腐葉土を混ぜ込んで耕しておくと良いでしょう。
鉢植えの場合は、小粒の赤玉土7:3腐葉土の配合で混ぜた土に、1割から2割のピートモスを混ぜ込んでおくと良いです。
園芸用の培養土や野菜・果物用の培養土を使用する場合も、そのままでは水はけが良くないので、パーライトを1割か2割ほど混ぜ込んで水はけを良い土にして使用することをおすすめします。
パパイヤを上手に育てるコツ
水やり
パパイヤを地植えで育てている場合、基本的に水やりをする必要はありません。
鉢植えでの栽培で水やりのタイミングは土の表面が乾いてから。パパイヤは土が過度に湿っている状態が続くと根腐れを起こす原因となります。ですが、乾かし気味に育てると花がつきにくくなるので、最終的に実の出来も少なくなる可能性もあるため、乾燥のし過ぎは良くありません。
土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをしてください。水やりのタイミングは朝か夕方です。昼間に水やりをすると根が蒸れやすくなり株が弱る原因となります。
春夏の成長している時期には朝と晩の2回水やりするペースになると思いますが、秋になって涼しくなってくると成長スピードも遅れてきますので、涼しくなってからは2、3日に1回程度で充分です。
肥料の与え方
パパイヤは成長がとても速く、その分肥料をとても消費する植物なので、春夏の生育期には緩効性の肥料を与えます。
目安としては5月、7月、9月あたりです。化成肥料でも良いですが、有機質配合肥料でも大丈夫です。もし、液肥を与えるという場合は15日置きに水やり代わりに与えると良いでしょう。チッソ・カリ・リン酸が同等に配合されているものを選んで与えます。
冬場は、肥料は特に与えないで管理します。
冬越し
パパイヤの生育温度は高めなのである程度の耐暑性はありますが、耐寒性は低いです。15℃以下になると成長が遅れがちになり、パパイヤ自体が耐えられる温度も5℃程度と考えられています。
そのため、沖縄や奄美地域だとそのまま越冬できる可能性がありますが、他の地域での栽培では霜が降りる程度の温度環境で枯れ死してしまう事が多いです。
冬時期は鉢植えであれば屋内に移動し、なるべく10℃を下回らない様な環境で冬超しをしてあげましょう。とはいえ、成長が早く、植えた年に実がなり収穫もできるので、毎年、一年草感覚で植えて栽培している人も多くいます。
パパイヤの選び方
パパイヤは4月あたりから苗が売られるのを見かける様になります。基本的には茎がしっかりしていて葉の色も濃い苗を選びます。
種類にもよりますが、パパイヤはオスとメスがあり、オスの株は実が出来ません。
園芸店やホームセンターで販売されているパパイヤの苗はオスやメスの区別の心配がいらない矮性(わいせい)種を販売している事が多いです。この種類はあまり大きくならないという特徴もあるので育てやすい傾向があります。
種類としてはレッドレディーや台農2号あたりを見かける事が多いですが、他にも紅妃やビクトリー・ジャンヌあたりです。
パパイヤの増やし方
パパイヤは種まきで簡単に増やすことが出来ます。
実が出来てからしばらく熟成させていると果肉が黄色くなり、黒い種が出来ています。青い果実の段階では果肉部分も種もまだ白いです。
種を取り出し、周辺についたゼリー部分をしっかりと洗ってから乾燥させ、4月あたりにポットに植え付けておくと芽が出ます。
15㎝程度の大きさになったら植え付けてください。苗から植え付ける場合は1年目でも実の収穫が出来る事があるのですが、種からの栽培の場合は実の収穫は翌年あたりになります。
パパイヤは挿し木はうまくいきませんので、自分で増やす場合は種から育ててみてください。
パパイヤの植え替え
パパイヤの苗の植え付けに関しては、苗の高さが15㎝~20㎝程度にまで成長したあたりで植え替えます。4月~6月あたりの時期に植え替えてください。
植え付ける部分にポットよりも一回り大きめに穴を掘り、ポットの土ごと植え付けます。植え付け後はたっぷりと水やりをしてください。
鉢植えの場合はどんどん成長していくので、2年おきに一回り大きめの鉢に植え替えてあげる事をおすすめします。
もし、成長して大きくなりすぎた場合は、50㎝程度の高さの位置で切り戻して、生育の良いわき芽を3本程度にして管理すると良いでしょう。切り口から病気にならない様に、キヨナールパテを塗る方法もおすすめです。
病気・害虫
パパイヤはハダニやカイガラムシがついてしまう事があります。見つけ次第駆除するか、薬剤散布をする方法もおすすめです。
また、ある程度の空中湿度を好みますが、多湿状態が続いた場合、うどん粉病になる事もあります。病変した箇所は切除して必要に応じて薬剤散布を行います。
病虫害が起こらない様に、風通しが良い場所で育ててください。育てている際に下の葉が黄色くなってくることがありますが、これらも放置しているとカビの原因になる可能性があります。黄色くなった葉は早めに取り去りましょう。
パパイヤは臭い?
パパイヤは野菜として食べたりフルーツとして食べたりと万能な果物ですが、フルーツとして食べる場合は独自の匂いで好き嫌いがわかれます。
何とも言い難い匂いで品種によっては強烈なので嘔吐くかもしれません。その場合はレモンかライムを絞ると緩和されるのでおすすめです。匂いが気になる方はハワイ産のカポポソロ種を試してみてください。パパイヤの中では最も癖がなく美味しいです。
一方、青パパイヤは癖が無く食感もいいので美味しいです。代表的な料理はパパイヤイリチーですが、油との相性も抜群で簡単に作れるので熟した実の匂いが嫌いな人は野菜として食べるのをおすすめします。