酸っぱい果物の代表格、レモンの育て方を解説しているページです。
レモンはそのままではなく、料理のアクセントやレモネード等のジュースの材料として使われるフルーツですが、育て方も簡単な事から家庭菜園でも好まれる果樹です。
下記ではレモンを育てる際のポイントや管理方法についてご紹介しています。
レモンの特徴
レモンはインド北部原産、ミカン科ミカン属の果樹です。
あまり農薬を使用しなくても栽培でき、受粉樹も不要なので初心者でも育てやすく、成長した木の高さも2m程度になる様に管理するので、ベランダでの生育もおすすめできる種類になります。
5月下旬ごろに咲くレモンの花はとても良い香りを放ち、生育管理の状態が良いと、1本の木から200個~300個ほどの実をつけます。
果実類は植え付けから実がつくまでに数年かかるものが多いです。レモンの場合は、接木した1~2年生苗、もしくは幼苗を植え付けた後、3年程度で実がつく種類が多いです。
ビタミンCが豊富に含まれ、皮にもβ-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウムが豊富です。
輸入物のレモンは農薬、防カビ剤使用の都合から皮は取り除いて使うと思いますが、自分で栽培したレモンを使えば皮ごと安心して使う事が出来ます。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | レモン |
成長速度 | 苗の植え付け後、3年程度で実がつく種類が多い |
花・種 | 紫色の花を咲かせ、果実の中に白い種が出来る |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 寒さには弱い |
湿度 | 多湿状態を嫌います |
花言葉 | 誠実な愛、思慮分別、熱情 |
レモンが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
レモンは日なたを好み、日光をたくさん浴びて成長していきます。
地植えでは日当たりの良く、水はけが良い場所、そしてあまり強風が当たらない場所を選んで植えてあげてください。
ベランダで栽培する際も同様です。耐陰性があまりないのでなるべく日当たりが良い場所に置きます。
あまり強風に当たる生育環境は苦手なので、エアコンの室外機の風が当たる場所はなるべく避けてください。風によって葉がこすれ、傷口から病気の感染の可能性も出てきます。
ベランダでの栽培の際にちょっと意識したいのが雨です。雨による「かいよう病」の可能性もあります。
雨が当たりにくい軒下に置く、もしくは雨除けを設置するという形で直接、雨が当たりにくい生育環境を作ってあげると良いでしょう。
温度・湿度
レモンはある程度暑さには強いのですが、寒さには弱いという特徴があります。そのため、マイナスの気温が続くと枯れてしまう場合もありますが、3℃までは耐えられます。
温州ミカンの栽培が可能な地域より南での地域での栽培が適しています。
この寒さ対策の点を考えると鉢植えでの栽培は便利です。寒くなった時にあまり寒さに当たらない場所や室内に取り込むことが出来ます。
また、レモンは多湿状態を嫌います。乾燥にはある程度強い傾向がありますが、鉢植えの場合は水切れによる乾燥は防ぐ様にしてください。
用土
レモンは水はけのよい土を好みます。そして栄養状態も豊富な土がおすすめです。
植え付ける前に、地植えの場合は植え付ける予定の場所に腐葉土をたっぷり混ぜ込んでおくと良いでしょう。
鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ土を作っておきます。
もしくは家庭用の園芸培養土でも育ちます。オリーブ栽培用の培養土もおすすめなので、いずれかの土を使って植えてあげます。水はけを良くするために鉢底ネットを敷くと良いでしょう。
プランターや鉢を使う場合は、直径30㎝以上はあった方が良いです。大きく成長するリスボン種等の場合は50㎝はある鉢を利用してください。
レモンを上手に育てるコツ
水やり
レモンは土の表面部分の乾燥が見られたらたっぷりと水やりをします。
地植えの場合、ほとんど水やり管理の必要はありませんが、根が定着するまでの1年目はある程度乾燥しない様に定期的な水やりをしてあげてください。
特に6月~8月の時期は実をつけるための重要な時期でもあるので、この時期は水を多めにやる様に意識します。
鉢植えは夏時期、乾燥しやすいので毎日、朝晩2回のペースでやっても良い位です。
レモンは乾燥してしまうと落葉する原因ともなりますので、乾燥させない様に水やりをしてください。一方、冬時期は週1~2回程度の水やりペースとなります。
肥料の与え方
レモンは肥料を多く必要とする果樹です。肥料を与えるタイミングは3月と6月、10月あたりです。
3月頃の肥料は有機質肥料を使い、6月と10月の肥料は速効性がある化成肥料を使う事をおすすめします。
特に6月は花を咲かせる時期です。肥料切れを起こさない様に肥料を与えます。
鉢植えの場合も3月と6月、10月あたりに緩効性化成肥料を使うと良いでしょう。
もし樹の成長の勢いが良くない、葉の色があまり良くないという場合は速効性が期待できる液肥を利用する事をおすすめします。
冬越し
レモンは低温環境が苦手です。3℃以下の温度環境では枯れてしまうので冬超しの対策が必要です。
冬時期に霜が降りる位寒くなる、夜間は気温がマイナスになるという地域にお住まいで地植えで育てているという場合、木の周りに寒冷紗を巻きつける対策で冬超しをしている例を多く見ます。
直接、寒い外気に木が当たらない様にしてください。
鉢植えの場合は、夜間の気温低下により弱ってしまう可能性がありますので、窓際といった屋内に移動して管理したほうが冬超しをしやすいです。
レモンの選び方
レモンの苗は秋から春時期にかけて販売されています。
苗の主幹がしっかりとしているものを選んでください。葉も緑が濃く、表面につやのあるものを選びましょう。
また、レモンは種類が多く、種類によって大きさも違ってきます。昔からよく見かけるリスボン種は棘があり、酸味もあるのが特徴です。大きなものは4m近くまで成長します。
酸味が少ない方が良い場合はメイヤー種、棘が気になるという人はユーレカ種を選ぶと良いでしょう。
アレンユーレカの苗木
マイヤーレモンの苗木
レモンの増やし方
レモンは3月に状況に応じて選定作業を行います。
方法は主幹から伸びている枝の中で元気の良いものを3本ほど残して選定します。この選定した後の枝を挿し木する事で根付き、増やす事が可能です。
種からの栽培も可能ですが、発芽率はあまり良いとは言えません。植える際は10粒程度撒いた方が良いでしょう。
もし、うまく発芽した場合はそのまま育てる事が出来ますが、種から育てた場合、実がつくまで7年程度の時間を要するので挿し木で増やした方が早いです。
レモンの植え替え
レモンは地植えの場合はそのまま植え替えを行わずに栽培していきますが、鉢やプランターで育てている場合、根詰まりを起こすと成長に支障が出てくるため、2~3年に一度、植え替えを行います。
もしくは鉢の底から根が出ているのが見えた場合、植え替えをしてあげましょう。植え替えの際は今育てている鉢より一回り大きな鉢に変更してあげてください。
土は培養土、もしくは赤玉土と腐葉土をたっぷり混ぜ込んだ土を使います。
苗を購入して植え替える際に、実がついている苗を購入した場合は、実を収穫して春になってから植え付けた方が良いでしょう。
病気・害虫
レモン栽培において注意したいのがアゲハチョウの幼虫です。
蝶になると綺麗だからと駆除しないで置いておくと葉を食べつくされる可能性もあります。アゲハチョウの幼虫は大食いなので木が幼いうちは特に注意です。
見つけたらすぐに駆除をする事、また卵が植え付けられていないかも確認しましょう。アゲハチョウの卵は黄色い1㎜程度の粒です。
カイガラムシにも注意してください。
スス病の原因になるだけでなく、樹自体が枯れる原因にもなります。見つけ次第駆除する方法もありますが、対策として冬と春あたりに薬剤散布をするという方法も検討してみてください。