酸味のあるさわやかな甘さで人気のある、キウイフルーツの育て方を解説しているページです。
キウイフルーツはニュージーランドのイメージが強いですが、原産国は中国となります。果肉が緑色の物が一般的ですが近年では酸味が少なく甘みの強い、黄色種のゴールドキウイが人気です。
下記では家庭菜園でキウイフルーツを育てる際のポイントについてご紹介しています。
キウイフルーツの特徴
キウイフルーツは中国原産のマタタビ科マタタビ属に分類されるつる性の落葉果樹です。
日本で売られているキウイフルーツは主にニュージーランド産で、ニュージーランドの国鳥であるキウイバードから名前を取ったとも言われています。これは輸出品としてPRするために名付けられたものですが、元々はチャイニーズ・グーズベリーという名前で呼ばれていました。
キウイの木を見たことがある人もいると思いますが、成長すると5m以上、大きいものは10m近くまで、長いものでは樹齢も100年近くでに成長するので栽培は難しいイメージがあると思います。
また、雌雄異株という特徴もあるため、1株では結実しないという点も考えるとやや上級者向けにはなりますが、病虫害にも強いので日本でも栽培されています。
以前はグリーンキウイが一般的でしたがここ数年の間に果肉がイエローのゴールデンキウイ、果肉が黄色で種の周辺が赤いレッドキウイ等も店頭で見かける様になりました。
秋に実をつけ、収穫してから20日程度追熟させると食べ頃になります。キウイフルーツはビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富です。食べる時に産毛を軽くこすり取って洗えば皮ごと食べる事も出来、より多く栄養を摂取できます。
基本データ
難易度 | やや難しい |
流通名 | キウイフルーツ |
花・種 | 白い花を咲かせ、果肉の中に小さなゴマの様な形の小さな種が出来る |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 耐寒性もあり、ある程度日本の温度環境には適しています |
湿度 | 乾燥には弱いが、水はけの悪い土壌は避けて植える |
花言葉 | ひょうきん、生命力、豊富 |
キウイフルーツが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
キウイフルーツを植える際には日当たりが良く風通しが良い場所を選んで植えます。基本的には地植で育てていくのがおすすめです。
キウイフルーツの木は雌雄異株なので1本だけ植えても実がつきません。雄株と雌株の2本を植えられる広さを確保した方が良いでしょう。
2本の木は受粉する事も考慮すると10m以内の距離感がおすすめです。
また、つる性という事もあり、徐々に成長していくに伴って棚を作り仕立てた方が管理をしやすくなります。棚作りが出来る場所というのも含めて植える場所を考えてください。
鉢植えで育てる場合は日当たりが良い場所がおすすめです。
ある程度風通しは良い方が良いのですが、風が強く当たる場所は避けてください。エアコンの室外機の風も当たらない様に配慮した方が良いです。
病虫害による予防も考えて雨が直接当たりにくい場所に置いてあげましょう。
温度・湿度
キウイフルーツはある程度の寒さには耐えることが出来、-7℃までは大丈夫と言われています。夏も30℃程度であれば問題ありませんので、ある程度、温度管理や調整はしやすいです。
-10℃以下になったり、夏場に35℃以上になると株が弱る可能性があります。ちなみにゴールデンキウイの種を植えた場合、発芽条件の温度は23℃~27℃です。
キウイは根腐れしやすいので、水はけのよい土壌での管理が適していますが、乾燥には弱い傾向があります。
日本はある程度高温多湿の傾向がありますので、キウイ栽培には向いていると考えられています。
用土
キウイフルーツを地植えする場合、50㎝程度の穴を掘り、穴に入る程度の堆肥を入れ、堆肥に対して1/40量の石灰、1/20程度の肥料を混ぜ込んだものを混ぜ埋め戻します。 堆肥が20㎏の場合は石灰が500g、1㎏の肥料という感じです。
鉢植えの場合は市販の果樹・花木用の土を使うと便利です。一般的に市販されている野菜用の土を使う場合は、野菜用土7に対し鹿沼土を3程度の割合で混ぜ込むと良いでしょう。
用土を準備してから1~2週間ほど寝かしておくと良いです。
鉢植えで育てる場合は、苗の鉢根よりも一回り大きめの鉢を準備します。6号~10号鉢あたりまでは移動もしやすいですが、それよりも大きくなる場合は地植がおすすめです。
キウイフルーツを上手に育てるコツ
水やり
キウイフルーツは成長期になると生育が良くなります。その分、水切れが起きない様に注意しておきましょう。目安は土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。
地植えの場合はある程度地中に水分が含まれていますが、あまりにも雨が降らない日が続いているという場合は様子を見て水やりをします。
夏は水切れを起こしやすいので、乾燥対策で株元にマルチングしておくと良いでしょう。特に鉢植えは土が乾燥しやすく、水切れを起こしやすいので注意してください。
肥料の与え方
地植えの場合、6月あたりに有機配合肥料を与えます。成木1本につき1㎏あたりが目安です。
キウイフルーツの木は植え付けてから結実するまで3年程度はかかるといわれています。
植え付けてから実が出来る様になり収穫期に当たる11月には1本の木に対し2㎏あたりの有機配合肥料を与えます。
キウイフルーツに与える肥料は化成肥料よりも有機肥料がおすすめされていますので、なるべく油粕や魚粉、鶏糞といった有機肥料を優先させた方が良いでしょう。
鉢植えの場合は2月あたりに元肥として有機固形肥料を与え、6月と9月あたりに追肥として緩効性化成肥料を与えます。
冬越し
キウイフルーツはある程度の寒さには対応できる耐寒性があります。マイナス5℃~7℃程度までは対応できる品種が多いです。
そして11月に収穫を終えた後、気温が下がってくると落葉してそのまま冬超しをする様な状態なので、地植えに関して特に冬超しの準備をする必要はありません。
ただ、鉢植え等の管理で最初の1年目は屋内に移動して管理をする例も多く見られます。気温状況も含めて移動するかどうかを検討してください。
キウイフルーツの選び方
キウイフルーツは苗を購入する場合、雌雄異株という特徴があるので2株購入する必要があります。
種類によって開花する時期が違うので、同じ時期に開花する株を組み合わせて選びます。
一般的に栽培されているヘイワード種の場合はマツア種やトムリ種を、ゴールデンキウイで販売されているゴールデンキング種の場合はマック種あたりがおすすめです。
おすすめの組み合わせ1
東京ゴールド(雌)x 孫悟空(雄)
おすすめの組み合わせ2
ゴールデンキング(雌)x 早雄(雄)
雌木と雄木の組み合わせ表
雌木(結実用) | 雄木(受粉用) |
---|---|
東京ゴールド(黄色) | 早雄、孫悟空 |
ゴールデンキング(黄色) | 早雄、ロッキー |
ジャンボイエロー(黄色) | 早雄、孫悟空、ロッキー |
センセーションアップル(黄色) | 早雄、孫悟空、ロッキー |
ヘイワード(緑色) | トムリ |
香緑(緑色) | トムリ |
紅妃(赤色) | 早雄 |
スーパーエメラルド(緑色) | 雌木1本で結実する |
キウイフルーツの増やし方
キウイフルーツを増やす方法は挿し木と接ぎ木があります。
キウイフルーツの果肉から種を採取して発芽させる事もできますが、栽培に雄株、雌株が必要と考えると見分けもしにくいのであまりお勧めできません。
また、1月の休眠時に休眠枝接ぎをする方法もありますが、このやり方は上級者向けなので、こちらもおすすめしません、
おすすめの方法は挿し木です。
6月あたりに伸びた枝から2~3節分を切って土に挿し木する緑枝挿しが成功しやすいです。
他にも3月あたりに前年に伸びた枝から2~3節分を切って挿し木する休眠枝挿しもありますが、緑枝挿しの方が根付きやすいです。
土に挿したら根付くまでしっかりと水やりをします。緑枝挿しは乾燥するとうまくいかないので、鉢植えにして大きめのビニールで覆うと乾燥しない状態で管理できます。
キウイフルーツの植え替え
キウイフルーツを鉢植えで生育している場合は、成長に伴い根つまりを起こしやすくなりますので、2年か3年に1回は植え替えをする必要があります。
植え替えにおすすめの時期は11月から3月にかけての冬の間です。鉢根よりも一回り大きめの鉢を準備して植え替えます。
10号以上になると移動もしにくくなるので地植えに切り替えた方が良いでしょう。
もし、地植えに切り替える場合、ペアにする雄木、雌木はそれぞれ3m程度の間隔を開けて植え替えます。10m以上間が開くと結実しにくくなりますのでご注意ください
病気・害虫
キウイフルーツの栽培に関しては他の果樹に比べると病虫害がつきにくいという特徴があります。
害虫に関してはまれにヨコバイやカメムシがつくことがありますが、見つけ次第駆除してください。
病気に関して注意したいのが、かいよう病です。
毎年、枝の状況に応じて選定を行うのですが、この時に選定した切り口から細菌による感染を起こす事があります。剪定を行う際は、選定具を殺菌して、切り口に癒合剤を塗布すると予防しやすいです。
他の枝が枯れ死してくるといった被害が出てきますので、病変が見られた箇所は速やかに切り落としてください。