丸く小さな葉っぱを密集させて茂らせると見応えのある、フィカス・プミラの育て方を解説しているページです。
フィカス・プミラは日本にも自生するオオイタビの学名でもあり、観葉植物としてのフィカス・プミラは主に斑入り葉の園芸品種の事を指しています。成長すると茎が太くなり葉の様子も変わるため、幼苗を観賞用として育てます。
下記ではフィカス・プミラを育てる際のポイントについて説明していきます。
フィカス・プミラの特徴
フィカス・プミラは日本や東アジアに自生する常緑性の低木で、クワ科フィカス属に分類されます。
つる性で、葉は緑の原種タイプ、もしくは白や黄色の斑入りの園芸品種が存在し、野生種も含め観賞用として愛好家に栽培されています。
生命力が強く成長も早いプミラは、放っておくとどんどん蔓をのばしていくので適度に剪定をして整える必要があります。しかし、水切れに弱く植え付け後、根が安定しないうちは意外と枯れやすいです。
高温多湿を好みますが、耐寒性もあり0度までは問題なく過ごせるため越冬が容易です。耐陰性はありますが、日光が大好きな植物なのでなるべく日の光の入る明るいところに置くようにしましょう。
フィカス・プミラの基本データ
難易度 | 水切れにだけ注意すれば簡単 |
成長速度 | 早い |
成長期 | 4月~10月 |
花・種 | 花は咲かない(イチジクと同じで果実の中に花が入る) |
日照量 | 日光を好む |
温度 | 耐暑性、耐寒性が共に強い |
湿度 | 多湿を好む |
花言葉 | あなたは私を元気づける、知識 |
フィカス・プミラの育て方
室内で育てる場合
耐陰性があるフィカス・プミラは室内での栽培に向いています。
ただ、日が当たらない場所よりも日当たりが良い場所の方が元気に育ってくれますので、日陰に置く場合は、定期的に日光浴をした方が良いです。できれば適度に日光が入る明るい場所に置いてください。
直射日光が強い場所だと葉焼けを起こしてしまう可能性がありますので、夏の日差しが強い時は、レースのカーテン等で日当たり具合を調整できると管理しやすいです。
屋外で育てる場合
寒い時期でも0℃までは枯れないので、雪が降らない地域や霜が降りない地域では庭植えをする事も出来ます。
鉢植えで管理している場合は、春から秋の期間は屋外でも元気に育ちます。
夏の強すぎる直射日光が当たるような場所は避け、適度に日の当たる場所で育てましょう。強い直射日光が当たる場合は、遮光ネットや寒冷紗で光の当たり具合を調整すると葉焼けを起こしません。
冬は10℃以下になるようであれば、屋内に移動してください。
適した用土
特に土を選ばない植物ではありますが、水はけが悪いと根腐れを起してしまうので、できれば水はけがよく栄養豊富なものを選びましょう。
基本的には市販の観葉植物用の土で大丈夫です。自分でブレンドする場合は腐葉土と赤玉土を混ぜるといいでしょう。
鉢の表面を赤玉土等の無機質な用土で覆うと、コバエの発生を防いでくれます。
植木鉢の選び方
フィカス・プミラは普通鉢に植え付けると育てやすいでしょう。
浅鉢だと土が乾きやすく、水切れを嫌うフィカス・プミラだと管理が面倒になります。深鉢だと根が水を吸い上げる量も追いつかず乾きにくい状態になりやすいです。
土が湿ったままの状況が続くと根腐れを起こして枯れやすくなるので注意してください。普通鉢でもスリット鉢を使うと適度に水はけが良い状態で育てられます。
フィカス・プミラの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
フィカス・プミラの成長期は春から秋にかけてです。4月~10月くらいの時期は鉢の土の表面が乾いたら水やりをしてください。
室内管理でもし空気が乾燥している時は葉水を与えると良いでしょう。
栄養を大きく消費するような植物ではないので特に肥料を与える必要がありませんが、もし肥料を与える場合、固形の緩効性肥料であれば月に1回程度、指定量に薄めた液肥を与えるようであれば10日おきに水やりがてら与えます。
冬場の管理方法
冬場はフィカス・プミラも休眠期に入るので、水やりの頻度も減らします。目安は鉢の表面の土が乾いて2日~3日してからで良いです。
もし暖房など温度調整をしている空間の場合は休眠せずに成長していると考えて、土の表面が乾いてから水やりをします。
空気が乾燥している場合は葉水を与えましょう。冬の時期の肥料は特に必要ありません。
植え替えるタイミング
フィカス・プミラは成長速度が早い植物なので、1年~2年に1回は植え替えをした方が良いです。
以下の条件に当てはまっている場合は植え替えをしましょう。
- 購入した時のポット(鉢)のまま1年以上経過している
- 2年以上植え替えをしていない
- 水やりをしても水の浸透していくペースが遅い
- 土が乾くのが早い
- 鉢底から根が出てしまっている、見える
- 葉が黄色く変色する割合が増えてきた
特に販売しているフィカス・プミラの苗は小さめのポットや鉢に植えられている事が多く、根詰まりを起こしやすいです。
購入してそのまま1年近く経過している場合は1度植え替えをした方が良いでしょう。
剪定方法
フィカス・プミラの剪定は成長期の4月から9月あたりに行います。
切り口から出てくる樹液で手がかぶれる可能性がありますので、剪定の時は手袋をして、屋内で行う場合は下に新聞紙を敷くと良いでしょう。
風通しよく管理できる程度に、そして全体のバランスを見ながら剪定をします。フィカス・プミラは這うように成長する植物なので、ツルの長さを変えながら選定するとボリュームを出しやすいです。
切った葉茎は土や水苔に挿して差し穂をして増やすか、花瓶に生けるなどするとインテリアとして2度楽しむ事が出来ます。
フィカス・プミラの選び方
フィカス・プミラを購入する時は、葉が沢山付いている株を選び、葉に害虫や病気のついていないものを選びましょう。
ごく少量の苗が安価に売られている事もありますが、根が安定するまでは意外とデリケートな部分もあるので、植え替え後のケアが重要です。初心者の方は葉が沢山茂った、大きめの株を買った方が安心です。
また、原種のような緑葉タイプ(青プミラ)や斑入りタイプ等がそれぞれ売られています。また、葉が一回り小さいフィカス・プミラ・ミニマという緑葉の品種もあります。こちらは葉の好みで選びましょう。
斑入りタイプ
緑葉タイプ
葉が小さいタイプ(ミニマ)
フィカス・プミラの増やし方
フィカス・プミラの増やし方は挿し木がおすすめです。
葉っぱを3~4枚付けた状態で茎をカットし、挿し木用の土か水苔に植え付けます。発根するまでは枯れやすいので、高湿度を保つのがポイントです。挿し木もなるべく沢山作り成功率を上げましょう。
挿し木をする時期は5月~7月が適しています。休眠期である冬はやめておいた方がいいでしょう。
土は根が出るまでは乾かないように湿っている状態を保ってください。発根を確認したら根を傷つけないように丁寧に植え替えしてあげましょう。
フィカス・プミラの病気や付きやすい害虫
フィカス・プミラは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | すす病 |
害虫 | ハダニ、アブラムシ、ナメクジ、カイガラムシ、ダンゴムシ |
かかりやすい病気
元々、フィカス・プミラは病虫害に強い植物なので、それほど病気になる心配は少ないのですが、カイガラムシがついてしまった場合、カイガラムシの糞が元となりすす病になる事があります。
葉が黒くなっていくので、見つけ次第、病変部は取り去る様にしてください。
付きやすい害虫
フィカス・プミラは這うように成長するので、葉がナメクジやダンゴムシの食害に遭う事があります。他にも乾燥が原因によるハダニがつく事がありますので、いずれも見つけ次第駆除をしてください。
フィカス・プミラで注意したいのはカイガラムシです。一度ついてしまって成虫になると薬剤での駆除がしにくいです。また、葉が小さく密集するため被害が広がりやすいです。
成虫はブラシなどを利用してこすり落とすか、ひどい箇所は剪定するのも一つの選択肢です。増えてくると厄介なので、見つけ次第、駆除しましょう。
フィカス・プミラの毒性や危険性について
クワ科の植物なので樹液が皮膚に付かないように気を付けましょう。体質にもよりますが、肌がかぶれたり蕁麻疹が出ることがあります。
とくに作業をするときは手袋を着用し、ペットや子供がいる場合には口に入れないように注意しましょう。