穴が空いた葉がとてもユニークなモンステラの仲間の植物、マドカズラの育て方をまとめているページです。
マドカズラはフリードリッヒスターリーという名称でも流通していて、ツルを伸ばして育つのでポトスのようにヘゴ仕立てにしたり、ツルを垂らすと見応えがあります。
売られているマドカズラは節の間が詰まりコンパクトな姿で販売されていますが、これは矮化剤で調整されていていずれ効果が切れるとツルが長く伸び出します。ですので、マドカズラ本来の姿を想定して仕立てると良いでしょう。
このページではマドカズラを上手に育てるポイントについて解説しています。
マドカズラの特徴
中央アメリカが原産のマドカズラはサトイモ科モンステラ属であり、別名はフリードリヒスターリーといいモンステラの仲間になります。
葉っぱもモンステラによく似ていますが、モンステラとは違い葉に切れ込みは入りません。マドカズラは窓葛と書き、その名の通り葉っぱには窓のような穴が空きます。
葉にある穴は原産地の熱帯雨林でスコールが降っても葉が破けないようにするためのものです。
葉の大きさは20㎝程度で半緑半蔓性の多年草であり、暑さには強いですが寒さには弱いです。
現地では大木に巻きついていることもある植物です。もともと熱帯の薄暗いジャングルに生息しているので強い日差しが苦手です。
基本データ
難易度 | 普通 |
別名 | フリードリッヒスターリー |
成長速度 | 早い |
成長期 | 4月~9月 |
花・種 | 仏炎苞の白い花が咲き細長い果実が実る |
日照量 | 直射日光に弱く半日陰を好む |
温度 | 高温には強いが低温には弱い、最低でも5度以上を保つ |
湿度 | 多湿を好む |
花言葉 | 深い関係、うれしい便り |
マドカズラの育て方
室内で育てる場合
マドカズラは半日陰の場所で自生している植物なので耐陰性はあります。
とはいえ日光があった方が元気に育ちますし、日当たりが悪いと葉に穴が開かなくなりますので、風通しが良く直射日光が入らない明るい場所がおすすめです。
ある程度の耐暑性はありますが、気温が高すぎると根が蒸れて傷んでしまう可能性もありますので、その場合は一時的に日陰の涼しい場所に移動します。
乾燥やエアコンの風は苦手なので、直接エアコンの風が当たらない場所に置いてください。
屋外で育てる場合
マドカズラは春~秋には屋外で育てる事も可能ですが、直射日光が当たる場所だと葉焼けを起こしてしまいます。明るめの日陰になる場所を選んでください。
乾燥にも弱く耐寒性はあまりないので、5度以下にならない場所で管理した方が良いです。
冬は15度を下回る時は、室内に取り込んであげた方が良いでしょう。
適した用土
マドカズラを植えるときは水はけのよい観葉植物用の培養土を使うと失敗が少ないでしょう。
水はけの悪い土や保水性が高い土は根腐れを起こす可能性があるので気を付けましょう。
観葉植物用の土に赤玉土や鹿沼土を混ぜて使ってもいいですし、その他、鉢の表面には赤玉土や鹿沼土を敷いておくことでコバエの発生を防ぐことができます。
植木鉢の選び方
マドカズラを植え付ける鉢は普通鉢や深鉢がおすすめです。
つる性の植物なので、どんどん成長させて伸びてきた場合は、添え木を使って這わせると良いので、その時は深鉢を利用すると安定しやすいでしょう。
鉢のサイズですが、成長スピードが速い植物なので今植えてある鉢よりも一回り大きめの鉢に変更してあげると良いです。根腐れを起こしやすいので水はけのよい土を使って植えつけましょう。
マドカズラの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
4月~9月の間はマドカズラがよく成長する時期です。土が乾いたらたっぷり水やりをします。
夏の暑い時期は水やりする時間帯にも注意してください。気温が高い日中に水やりをすると土が蒸れて根が傷む原因になりますので、夕方以降の気温が下がってきてから水やりをしましょう。
高温多湿環境を好む植物なので、葉水は毎日与えてください。定期的な葉水はハダニの防止にもなります。
肥料は基本的になくても充分ですが、もし与える時は固形の緩効性肥料を2ヶ月~3ヶ月おきに与えるか、指定の希釈をした液肥を2週間おきに与えると良いでしょう。
冬場の管理方法
マドカズラは気温が下がってくると成長が停滞してきます。
その場合、水をやりすぎると根腐れを起こす原因となるので、土が乾いてから3日経過したあたりで水を与えてください。
乾燥気味に管理をするとマドカズラの樹液の濃度が上がり、寒耐性も良くなります。
水が足りていない時は葉が落ちてくる事がありますので、様子を見つつ調整してください。冬は成長スピードも遅く、肥料を与えすぎると肥料やけを起こす場合もありますので、肥料を与えない方が良いでしょう。
植え替えるタイミング
マドカズラの植え替えをする目安は2年に1回行うと良いです。以下の状況の場合は植え替えのサインになります。
- 2年以上植え替えを行っていない
- 鉢の底から根が見えてきている
- 水やりをしてもすぐに土が乾燥しやすい
- 鉢から土が盛り上がってきて見た目になった
- 葉が黄色くなってきている
葉が黄色くなる場合、水のやりすぎで根腐れを起こしている可能性もありますが、根詰まりで黄色くなる場合もあります。いずれにしても根に問題が起きている可能性がありますので、一度状況を確認しつつ植え替えをした方が良いでしょう。
植え替えを行うのは5月~6月あたりの成長期に行うのがおすすめです。ヘゴ仕立てにして蔓を上へ這わせる場合も一緒にこのタイミングで行いましょう。
剪定方法
マドカズラがどんどん成長していくと自立できなくなって倒れ気味に成長していくので、添え木を立てる、もしくは剪定をして見た目を整える方法がおすすめです。
剪定を行う場合は成長期に当たる5月~6月に行いましょう。
葉の部分を根元から切って水差ししても根が出てきますし、切った節部分からも新たに新芽が出てきます。節を含む枝を剪定した場合は挿し木としても利用できます。どの部分を切り落としても新たに根や芽が出るくらい生命力がある植物です。
注意事項はサトイモの仲間になりますので、切り口から出る汁に注意してください。シュウ酸カルシウムを含んでいます。
肌が弱い人はかぶれたり湿疹が出てしまう原因となりますので、手袋を使い直接手で触れないように注意してください。
マドカズラの選び方
マドカズラは葉がしっかりと茂った形の良い株を選んで購入しましょう。
その際、葉の付け根や裏を確認しハダニやカイガラムシ、アブラムシ等の害虫がついていないかも見てください。
マドカズラの増やし方
マドカズラは挿し木で増やすのが一般的です。
時期は5月~6月頃が良く、もし7月に入ってからする場合には猛暑日は避けるようにしましょう。
元気な枝の先端を切り取り、土に挿してたっぷり水をやります。この時、挿し木用の培養土を使うと失敗が少ないです。根付くまではなるべく土が乾ききらないようにしましょう。
枝を切り取る時に手袋をするなどして木からにじみ出る樹液に直接触れないようにしてください。
サトイモ科のマドカズラの樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれており、体質によっては皮膚がかぶれてしまうこともあります。手が痒いと感じたらなるべく早く水で洗い流しましょう。
マドカズラの病気や付きやすい害虫
マドカズラは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | すす病 |
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害虫 | ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、ダンゴムシ、バッタ、ナメクジ |
かかりやすい病気
マドカズラはあまり病気にはなりにくい丈夫な植物ですが、アブラムシやカイガラムシが媒介するすす病には注意した方が良いでしょう。
葉に黒い粉の様な病変がみられたら病変箇所を全て取り去り、必要に応じて薬剤散布を行います。風通しが良い場所で管理すると予防にもなります。
付きやすい害虫
ハダニを見つけたら水が苦手なので水で濡らしたティッシュなどで葉をふき取る、もしくは水で流します。アブラムシは粘着テープで取るか薬剤散布をしてください。
カイガラムシは成虫になると薬剤が効かなくなるので、歯ブラシでこすり取る方法で駆除します。
ダンゴムシ、バッタ、ナメクジは葉を食べてしまう食害があります。
大量に発生している場合は葉を食べつくされてしまう例もありますので、屋外に置く時は注意してください。
虫駆除専用の箸を準備しておくと便利です。もし見つけた時はすぐに駆除しましょう。
マドカズラの毒性や危険性について
マドカズラの樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれています。
子供やペットの口に入ったり、樹液が付かないように注意しましょう。また、剪定等でカットする場合は樹液が付かないようにゴム手袋などを使いましょう。