大きく艶々の葉をつける定番の観葉植物、ゴムノキの育て方を解説しているページです。
ゴムの原料にとなる樹木の総称をこのように呼びますが、観葉植物のゴムノキは「インドゴムノキ」という品種を指す事が多いです。
このページではゴムノキを上手に育てるポイントをご紹介しています。
ゴムノキの特徴
ゴムノキは熱帯アジアを原産とするクワ科フィカス属の常緑高木です。
ゴムノキには様々な種類がありますが、観葉植物として一般的なのはインドゴムノキという品種です。
温暖な地域で自生するインドゴムノキは高さ30m近くになることもあります。耐陰性があり強健で、寒さにも比較的強いため育てやすい観葉植物として古くから人気です。
インドゴムノキの他にも、美しい葉脈が印象的なベンガレンシスや黄色と緑色のコントラストが鮮やかなアルテシーマなど、フィカス属に分類される品種は豊富にあります。
ゴムノキは肉厚で艶のある大きな楕円形の葉と個性的な樹形が特徴です。家庭だけでなくオフィスやインテリアショップなどにも飾られているおしゃれな植物です。
ゴムノキの基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | とても早い |
成長期 | 4月~10月 |
花・種 | 成熟した株につく花嚢の内側に花を咲かせる |
日照量 | 日光を好むが、耐陰性がある |
温度 | 30度前後が適した温度。5度以下の環境に置くと葉が落ちやすくなる |
湿度 | 多湿を好むが、土が乾きにくいと根腐れを起こす |
花言葉 | 永久の幸せ |
ゴムノキの育て方
室内で育てる場合
耐陰性のある植物なので室内でも育てやすいのですが、ある程度日光に当たった方が葉が斜上してきれいな樹形に育ちます。日当たりの良い場所に置いてあげましょう。
直射日光が当たると葉焼けの原因となるので、カーテンなどで日当たり具合を調整できると管理しやすいです。
葉が乾燥気味になると落葉しやすくなりますので、エアコンの風が当たらない場所をおすすめします。
屋外で育てる場合
春から秋の期間であれば屋外で育てる事が出来ます。
暑さ自体は強い植物なのですが葉焼けを起こしやすいので、40度近い高温時には日陰に移動させると良いでしょう。直射日光でも葉焼けしてしまうので、明るい日陰だと管理しやすいです。
葉焼けを起こしている場合は、遮光ネットや寒冷紗を使用して焼けにくい生育環境にします。目安としては30%~50%程度の遮光ですが、様子を見つつ調整しましょう。
15度以下になると成長が遅くなり5度以下になると落葉するので、冬は屋内に移動してあげてください。
適した用土
ゴムノキを植える際は根腐れを防止するため水はけの良い用土を使用します。初心者であれば市販されている観葉植物用の土を用いてもよいでしょう。
自分で配合する場合は赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:軽石(小粒)2などの割合でブレンドします。
コバエ対策として、土の表面を赤玉土や化粧砂、鹿沼土などの無機質の用土で覆うと効果的です。
植木鉢の選び方
ゴムの木は成長が早く上へ上へと伸びていくので、浅い鉢や平鉢は向いていません。普通鉢か深鉢が安定しやすくなるのでおすすめです。
鉢を選ぶ時は、今植えてある鉢のサイズよりも一回り大きめの鉢にします。
大きすぎるサイズの鉢は水はけも悪くなり根からの水を吸い上げる量も間に合いません。根腐れの原因となりやすいので注意してください。
ゴムノキの管理方法ツ
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
ゴムの木は春先の4月あたりから秋の10月くらいまでが成長期になります。
水やりのサインは鉢の土の表面が乾いた時です。鉢底から水は染み出てくる位たっぷりと与えます。ただ、夏の暑すぎる気温下での水やりは根が煮えてしまうので、朝晩の気温が下がっている時間帯を選びましょう。
他に葉の乾燥を防ぐ目的で毎日、葉水を霧吹きで与えると良いです。葉にホコリがついている時は濡れティッシュでふき取ってあげてください。
肥料は月に1回程度、固形の緩効性肥料を鉢の端あたりに置きます。液体肥料を使う場合は、10日に1回程度のペースで薄めたものを水やり時に与えてください。
冬場の管理方法
冬は鉢の土の表面が乾いて2日~3日してから水やりをします。
ゴムの木は15度以下になると成長が遅くなるので、冬は特に肥料を与える必要がありません。
冬は室内管理になると思いますが、葉にホコリが目立ちやすくなりますので、その場合は濡れティッシュで葉をふき取ってあげてください。
植え替えるタイミング
ゴムの木は成長が早く、根を張るスピードも速いので、1年~2年に一度は植え替えをしてあげると管理しやすいです。
もし、以下の状況に当てはまる場合は植え替えのサインです。
- 2年近く植え替えをしてない
- 鉢底から根が出てきている
- 水やりの際に水の浸透スピードが遅い
- 鉢の大きさに比べゴムの木が大きく成長している
植え替えを行う場合、成長期に当たる4月~5月、9月あたりに行うのがおすすめです。夏の高温時期の植え替えは植物にとってもダメージが大きくなりますので避けましょう。
剪定方法
ゴムの木の剪定は夏と冬以外の時期、3~6月、9~10月あたりに行います。おすすめは春頃、新芽も出やすい時期です。
ゴムの木は剪定した切り口から白い樹液が出てきます。ゴム成分に反応してしまうラテックスアレルギーのある方は触れない様に注意してください。
剪定時は事前に手袋の着用、室内で行う場合は下に新聞紙などを敷いて行いましょう。
枯れている枝や傷んでる枝、バランスを見ながら剪定します。新芽が出てくるのを見込んで切る場合は、ポコッと少し飛び出た様な見た目の成長点より少し上を切ると新芽が出やすくなります。
ゴムノキの選び方
ゴムノキを選ぶ際には害虫が付いていないか必ず確認してください。
害虫が付着していると購入後に株が弱ってしまったり、他の植物に被害が及んだりする可能性があります。
購入する時は葉の数が多く艶があり、健康的な株を選ぶようにしましょう。
ゴムノキの増やし方
ゴムノキは挿し木や取り木で増やすことができます。
挿し木で増やす場合、丈夫な枝を10cmほど切り取って切り口の樹液を洗い流します。切り口を斜めにカットして水に浸したら、下のほうの葉を全て取り除き、残りの葉は半分に切り落とします。
枝の長さ1/2程度を赤玉土などの挿し木用の土に挿し、こまめに水やりをしながら明るい日陰で管理してください。
ゴムノキの取り木は、枝の一部をナイフで傷つけ皮を剥ぎ、根を出して数を増やす方法です。皮を剥いだ部分に水苔を巻きつけ、ビニールを覆い湿った状態を保ちます。
発根をしたらビニールと水苔を取り除き、枝を切り離して新しい鉢に植え付ければ完了です。挿し木や取り木のタイミングは5~7月が適しています。
ゴムノキの病気や付きやすい害虫
ゴムノキは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | 炭疽病、 |
---|---|
害虫 | ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ |
かかりやすい病気
ゴムの木を育てるにあたって注意したいのが炭疽病です。炭疽病はカビが原因となり、葉に黒い斑点が出てきます。
梅雨時期などの湿度が高い時期に発生しやすく、放置しておくと拡大していくので、病変がみられた場合はすぐに取り除いてください。普段から風通しが良い場所で育てるようにしましょう。
付きやすい害虫
ハダニは葉が乾燥している時につきやすいです。
アブラムシやカイガラムシは増えていくとゴムの木の生育不良にもつながっていくので見つけ次第駆除してください。
もし、触った時にべたつく感じがあるようでしたらカイガラムシの糞による影響が考えられます。
アブラムシはセロテープで、カイガラムシは歯ブラシでこすり落とすという方法で早めに駆除しましょう。
ゴムノキの毒性や危険性について
ゴムノキの樹液に直接触れると、体質によってはかぶれてしまうことがあります。
ゴムノキの樹液は乳液とも呼ばれ、乳白色をしています。この乳液はゴムの原料となるため、ゴムアレルギーの人はとくに触れないよう注意してください。
剪定時には軍手やゴム手袋を使用し、樹液が皮膚に直接つかないようにしましょう。衣服に着くと落ちにくいためエプロンなどを身につけると安心です。