アスパラガスと聞くと野菜をイメージする方が多いですが、観葉植物のアスパラガスと言えばアスパラガス・プルモーサス・ナナスの事を指します。
水平に広げるように伸ばしていく繊細な葉がとても美しく、小さい株であればお手頃価格で買えるので初心者でも始めやすい観葉植物だと思います。
繊細な細い葉を持つアスパラガス・プルモーサス・ナナスの育て方をこのページでご紹介しています。
アスパラガス・プルモーサス・ナナスの特徴
アスパラガス・プルモーサス・ナナスは南アフリカが原産地のキジカクシ科のアスパラガス属で、常緑性多年草で蔓性です。
その種類は200種以上あるとも言われています。
繊細な葉のように見える枝が退化した茎、仮葉を羽毛のように広げる変わった姿の植物です。
茎にはとげがありますが、細かい葉が密集していて美しく繊細な見た目のため、観葉植物として人気があり、和名はオオミドリボウキと言います。
同じアスパラガスという名前でも野菜として出回る食用の物とは種が違うのでアスパラガス・プルモーサス・ナナスは食べられません。
夏には白い花を咲かせ、秋には実がつき、赤く熟すと種を採ることも出来ます。
基本データ
難易度 | 簡単 |
別名 | アスパラガス・ナナスなど |
成長速度 | 早い |
成長期 | 4月~9月 |
花・種 | 白い小さい花を咲かせる |
日照量 | 日光を好む |
温度 | 10度以上を保つようにする |
湿度 | 乾燥に強い |
花言葉 | 勝利、普遍、無敵、敵を除く、無変化 |
アスパラガス・プルモーサス・ナナスの育て方
室内で育てる場合
アスパラガス・プルモーサス・ナナスは耐陰性があまりないので、室内で育てる場合は日当たりが良い場所に置きます。
間延びしたり、緑がくすむ色になる場合は日照時間が足りていない可能性があります。
夏の日差しが強すぎる時に葉が黄色くなって葉焼けを起こす場合もありますので、その時は薄いカーテン越しに置いたり、寒冷紗、遮光ネットで調整してください。
冬場は室内でも気温が10度を下回らない場所を選んで置いてあげてください。葉の乾燥が起きやすくなるので、エアコンの風が当たる場所は避けましょう。
室内で育てる場合
気温が10度以上ある時期は屋外で育てる事も出来ます。日当たりが良い場所に置きます。
直射日光が強すぎると葉が黄色くなる事がありますので、その場合は半日陰になる場所に移動してあげると良いでしょう。
南アフリカが原産の植物なので、耐寒性が弱いです。気温が10℃以下になる時期は、室内に移動してあげましょう。
適した用土
水はけの良い土がおすすめです。市販の観葉植物用の土を使うと失敗が少ないです。
ブレンドする場合は「赤玉土6:腐葉土2:川砂2」くらいの割合でブレンドすると良いでしょう。その時、緩効性の科学肥料も一緒に混ぜ込んでおきましょう。
植木鉢の選び方
成長すると高さが出てくるので普通鉢、もしくは深鉢の形状を選んだ方が安定しやすいでしょう。スリット鉢も水はけがよく根詰まりを起こしにくくなるのでおススメです。
鉢を選ぶ際は、今植えてある鉢より一回り大きめのサイズにします。
大きすぎる鉢は土が乾きにくく、根腐れを起こす原因となるので避けてください。
アスパラガス・プルモーサス・ナナスの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
アスパラガス・プルモーサス・ナナスは4月から9月にかけてが成長期に当たります。水やりは土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまで、たっぷりと水やりをしてください。
葉がフワフワした感触で繊細な見た目ですが、根はある程度水分をため込む事が出来る位しっかりとしています。根腐れを起こさないためにも水のやりすぎには注意して、受け皿にたまった水もしっかりと捨ててください。
葉水を与えると乾燥予防、害虫対策になります。
肥料は緩効性の置き肥料を1ヶ月に1回程度、液体肥料の場合は2週間に1度与えます。
冬場の管理方法
冬はほとんど成長が止まってしまうという点と、根にある程度水分を蓄えているという特徴から乾燥気味に管理します。肥料も特に与える必要はありません。
水やりの目安は土が乾いてから4日~5日置いてからで充分です。葉水は葉の乾燥予防になりますので、1日1回行うと良いでしょう。
植え替えるタイミング
アスパラガス・プルモーサス・ナナスは成長が早い植物なので、出来れば毎年植え替えをした方が良いでしょう。
もし、以下の条件に当てはまる場合は植え替えのサインです。
- 1年以上植え替えをしていない
- 水やりをした時に土に水がなかなか浸透していかない
- 鉢底から根が出てきている
- 株元が盛り上がってきて、根元が露出してきた
- 葉の量が減ってきている
とにかく成長が早く、買って来た後に植え替えをしたけど1年以内に根詰まりを起こしたという栽培例も見かけます。
植え替えは5月~6月の時期が気温的にもおすすめです。
土の量、根の量、共に半分程度に切り落として植え替えます。もし、鉢を大きくしたくないのであればこの時期に株分けも一緒に行うと良いでしょう。
株分けは一株に3~4本ずつにすると芽も出てきやすくなります。
剪定方法
アスパラガス・プルモーサス・ナナスは葉の成長も見て取れるほど元気な植物。成長していく中で芽がひょろーっと伸びすぎてしまう時もあります。
見た目で伸びすぎた葉茎も出てきますので、5月~6月の植え替えの時に一緒に伸びすぎた葉茎や枯れている箇所を切り詰めます。
アスパラガス・プルモーサス・ナナスの選び方
なるべく緑が鮮やかで葉が密集しているものを選びます。
病気や虫がついていないことを確認しておきましょう。
アスパラガス・プルモーサス・ナナスの増やし方
増やし方は株分けが一般的です。
株を切り分けるときはあまり小さくしすぎると芽が出てこないこともあるので、一株に3~4本ほど茎が残るように切り分けましょう。
株についた古い土はしっかり落としてください。切り分けた株は土に植えましょう。
植えたすぐ後はできるだけ乾燥させないようにしましょう。時期は5~6月の暖かい日が適当です。
他にも種を蒔く方法があります。
秋になる、赤く完熟した実から種を採り、5~6月の暖かい日に種まき用の用土に種を蒔きます。
発芽するまでは水をしっかり与えて土が乾かないようにしましょう。本葉がそろったら仮植えして根が定着するまで待ちましょう。
アスパラガス・プルモーサス・ナナスの病気や付きやすい害虫
アスパラガス・プルモーサス・ナナスは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | 炭そ病、さび病 |
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害虫 | ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ |
かかりやすい病気
アスパラガス・プルモーサス・ナナスは通気が良い状況で生育できる事もありますが、多湿環境の場合、まれに炭そ病やさび病になる事もあります。
どちらも糸状菌と呼ばれるカビの菌が原因です。葉の色がおかしい、葉が一部黒くなったり茶色くなっているという場合は全て取り去って、日当たりが良く風通しが良い場所に移動させてください。
付きやすい害虫
ハダニは葉が乾燥している時につきやすいです。
見つけたらセロテープで駆除して、葉水を与えるとその後の予防になります。
アブラムシもセロテープを使うと駆除しやすいです。
カイガラムシはついている部分を切るか、歯ブラシを使ってこすり落とす方法で駆除してください。
アスパラガス・プルモーサス・ナナスの毒性や危険性について
アスパラガスの果実にはサポニンが含まれていて、犬や猫などのペットにとっては有毒で危険性があります。
ペットが好んで果実を食べるという事は無いと思うものの、実が付いたアスパラガスの葉っぱに悪戯して誤食してしまうという可能性はあるので、ペットを近づけないようにしましょう。
下記はアメリカ動物虐待防止協会が公開している、アスパラガスの毒性についての情報です。