アレカヤシは南国の雰囲気が漂うヤシ科の観葉植物です。
このページではアレカヤシの育て方についてご紹介しています。
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アレカヤシの特徴
アレカヤシはマダガスカルなどを原産とするヤシ科の常緑高木です。日本ではコガネタケヤシやヤマドリヤシという別名で呼ばれることもあります。
熱帯・亜熱帯地域で自生するアレカヤシは10m以上の高さに成長します。耐陰性が高く丈夫なため、適切に管理すれば初心者でも育てやすい植物です。
放物線状に広がる黄緑色の葉としなやかに伸びる樹形が美しく、南国を思わせる涼しげな印象を与えます。茎には黒い斑点を持つのも特徴です。
おしゃれな存在感のあるアレカヤシは、家庭だけでなくレストランやホテルのロビーなどにも飾られているポピュラーな観葉植物です。
日本では沖縄などで街路樹として植えられることもあります。
基本データ
難易度 | 簡単 |
価格 | 6,000円~20,000円(8号サイズ) |
成長速度 | 早い |
花・種 | 3~5月頃に黄色の小さな花を咲かせることがあります |
日照量 | 日光を好みますが耐陰性が高いため室内でも育ちます |
温度 | 高温には強いですが冬は10℃以上を保つようにします |
湿度 | 多湿を好みますが根腐れを防ぐため水はけの良い土を使用します |
花言葉 | 元気、勝利 |
アレカヤシが好む環境
日当たりと置き場所
アレカヤシは日光を好みますが直射日光には弱いため葉焼けに注意してください。
屋内で育てる場合
アレカヤシは耐陰性が高いためやや暗めの環境でも育ちますが、もともとは日当たりを好む植物なのでできるだけ明るい場所に置きましょう。
ただし、直射日光が当たると葉焼けが起こる可能性があるため、レースのカーテン越しの光が射し込むような場所が適しています。
アレカヤシの葉は乾燥すると傷んでしまうので、エアコンの風が直接当たらないように注意しましょう。
屋外で育てる場合
アレカヤシは春~秋の暖かい季節には屋外で育てることができます。
ただし、直射日光が当たると葉焼けを起こしてしまうため明るい日陰に置くようにしましょう。遮光ネットや寒冷紗を使用して30%~50%の遮光をするのもおすすめです。
アレカヤシはヤシ科の中でも寒さに弱い植物のため、屋外の気温が20℃を下回り始めたら室内に取り込んでください。
温度・湿度
熱帯に生息するアレカヤシは暑さに強いものの寒さに弱いため、周囲の環境は10℃以上を保つようにします。
気温が15℃前後になると生育が緩慢になります。ベランダなどで育てる場合は外の気温が20℃を切る頃から室内へ取り込みましょう。
アレカヤシは多湿を好むため冬場の加湿器などは効果的ですが、土が常に湿っていると根腐れの原因になるので水はけの良い用土を使用してください。
用土
土の過湿は根腐れを招くためアレカヤシを植える際には水はけの良い土を使用します。
市販の観葉植物用の土を用いるのが最も簡単な方法です。
自分でブレンドする場合は赤玉土(小粒)7:腐葉土3、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:軽石(小粒)1などの割合で配合します。用土を軽くしたい場合はパーライトを1割ほど混ぜるとよいでしょう。
土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うとコバエの発生を防ぐことができます。
アレカヤシを上手に育てるコツ
水やり
アレカヤシは気温によって水やりのタイミングや与える水の量を変える必要があります。
アレカヤシは葉の量が多いため蒸散が盛んです。主に春から秋にかけての成長期には土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにしましょう。
水やりの量は鉢の底から少し流れ出る程度が適切です。
冬の期間はアレカヤシの成長が緩やかになるため、土の表面が乾燥してから2~3日後に水やりをします。寒い時期にはやや乾燥気味に管理しましょう。
葉水
アレカヤシは湿気を好むので元気に育てるためには葉水が有効です。
葉水には葉の乾燥を防ぐほか害虫を予防する効果もあります。なるべく1日1回は霧吹きなどで水を吹きかけましょう。
その際には葉の表面だけでなく裏側まで与えるようにしてください。
また、葉水にはホコリを取り除く役割もあります。アレカヤシは葉の数が多いためホコリがたまりやすい植物です。葉水をすることでより健康的な見栄えすることができるでしょう。
肥料の与え方
アレカヤシの肥料は春から秋にかけての成長期に必要となります。
適切な濃度に希釈した液体肥料を10日~2週間に1回ほどのペースで与えるか、固形の緩効性肥料を2ヶ月に1回を目安に土の表面に置いてください。
アレカヤシは成長スピードが早い植物です。株をあまり大きくしたくない場合は肥料を与えすぎないほうがよいでしょう。また、冬場は生育が遅くなるため肥料は不要です。
アレカヤシの選び方
アレカヤシを購入する時には害虫が付いていないか必ず確認してください。
害虫が付着している株を選ぶとアレカヤシがすぐに弱ってしまったり、他の植物へ付着したりする可能性があります。
アレカヤシを買う際には株元が大きく健康的なものを選ぶようにしましょう。
アレカヤシの増やし方
大きく成長したアレカヤシは株分けによって増やすことができます。
株分けとは、親株から根や茎を切り離して新しい株を増やす方法です。アレカヤシをコンパクトにしたい場合の仕立て直しにもおすすめです。
アレカヤシを株分けで増やす場合、まずは株を鉢から取り出して土をほぐさずに根の下のほうを切り落としましょう。茎の間にナイフなどを入れ、根を2~3つに切り分けます。
株の根についた土を落として痛んだ根をカットしたら、それぞれの株を新しい鉢へ植え替えてください。
新しい葉が生えてくるまでたっぷりと水やりをして風通しの良い半日陰で管理します。葉が伸びてきたら少しずつ明るい場所へ移動して通常通り育てましょう。
株分けのタイミングは成長期に入る5~7月頃が適しています。
の植え替え
アレカヤシは成長スピードが速く、放っておくと鉢に根がまわり根詰まりをおこしてしまいます。根詰まりによる根腐れや葉色の変化を防ぐため、1~2年に1回のペースで植え替えをしましょう。
水やりの際にうまく浸透しなくなったり鉢の底から根が出てきたりした時も植え替えのタイミングです。
アレカヤシの植え替えは以下の手順でおこないます。
- 一回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 清潔な土を鉢の1/3程度まで入れて手でならす
- アレカヤシを鉢から抜き取って根をほぐし古い土を落とす
- 鉢の中央へアレカヤシを置いて土を隙間なく入れる
- たっぷりと水やりをおこない明るい日陰で管理する
植え替えの時期は成長期である5~8月が適しています。
病気・害虫
アレカヤシがかかる病気にはう「どんこ病」が挙げられます。
うどんこ病にかかると葉や茎にうどん粉のような白いカビが生える病気です。進行すると光合成が妨げられて株が枯れてしまうことがあります。
症状が見られたら薬剤を使って繁殖を抑えるか、被害が大きい場合は葉を切り取って処分しましょう。適度な日当たりと湿度を保つことで予防ができます。
アレカヤシに付きやすい害虫はカイガラムシやハダニなどです。
害虫が付着すると養分が吸われて株が枯れることもあるため、発見したら薬剤を使って早めに駆除しましょう。ただし、カイガラムシの成虫には薬が効きにくいため歯ブラシなどでこすり落とす方法が効果的です。
これらの害虫は湿気を嫌うため、日頃から葉水などで湿度を高く保つようにしましょう。
アレカヤシの危険性について
葉が鋭いので子供やペットの目に刺さらないよう置き場所には注意しましょう。