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シンゴニウムの育て方

観葉植物

シンゴニウムはサトイモ科の中では比較的小型の植物で、観葉植物として古くから楽しまれてきました。

このページではシンゴニウムの特徴や育て方について解説しています。

シンゴニウムの特徴

シンゴニウムは熱帯アメリカを原産とするサトイモ科シンゴニウム属に分類される多年草です。茎が長く伸びていく半つる性の植物で、支柱に絡ませて育てた株も見かけます。

日本で流通しているシンゴニウムはほとんどが幼株で、葉が小さくかわいらしいものが多いです。観賞用としてはミニ観葉植物として親しまれていますが、大きくなるにつれて葉の形が変化するという特徴があります。

よく出回っているのは「シンゴニウム・ポドフィルム」の園芸品種で、葉の縁や葉脈が白くなる「ホワイトバタフライ」や、淡緑色の葉に白い葉脈が入る「シルキー」、葉がほんのりピンクに染まる「ピンクバタフライ」などが代表的な品種です。

品種によって葉色や葉模様がさまざまなので、好みの株を探してお部屋に飾るのもシンゴニウムの楽しみ方のひとつです。

基本データ

難易度 簡単
成長速度 速い
花・種 白い仏炎苞に赤みがかった小さな花を咲かせます
日照量 日光を好みますが耐陰性があるため室内でも育ちます
温度 寒さに弱いため10℃以下にならないようにします
湿度 多湿を好みますが土の過湿には気をつけましょう
花言葉 平和の祈り、喜び、心変わり

シンゴニウムの育て方

室内で育てる場合

耐陰性がある植物なので室内での栽培にも向いています。

日陰の場所でも大丈夫ですが、ある程度日に当てた方が元気に育ちますので、日当たりが良い場所に置くと良いでしょう。直射日光が強い場所だと葉焼けを起こすので、カーテン等で光量を調整してあげてください。

シンゴニウムは多湿環境を好みますので、葉の乾燥の元となるエアコンの風が直接当たらない場所に置きましょう。気温が10度以下になると枯れる原因となりますので、気温が低い時期は室温が10度を下回らない場所で管理してください。

屋外で育てる場合

春から秋の時期は屋外での栽培も可能です。

直射日光が強く当たると葉焼けを起こす原因となるので、直射日光が当たらない明るめの日陰においてあげると良いでしょう。それでも葉焼けを起こす場合は遮光ネットや寒冷紗で日当たり具合を調整してください。

夏場に40度を超えそうな時、そして冬場は10度以下の気温になると葉焼けや枯れる原因となるので屋内に取り込みます。シンゴニウムは20度~30度の温度環境がおすすめです。

適した用土

シンゴニウムは湿度の高い環境を好みますが、土が常に湿った状態になると根腐れを引き起こすため、水はけの良い用土を使用しましょう。

初心者であればホームセンターなどで販売されている観葉植物用の土を使用するのが最も簡単です。自分でブレンドする場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3、あるいは赤玉土(小粒)6:腐葉土2:川砂2などの割合で混ぜて作った土がおすすめです。

コバエの発生を防ぐには、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧土などの無機質な用土で覆うと効果的です。

植木鉢の選び方

シンゴニウムは根の成長も早いので平鉢よりは普通鉢に植え付けるのがおすすめです。

葉や高さが大きくなってきた場合は深鉢を利用するのも良いでしょう。

鉢を選ぶ際には今、植え付けてある鉢より一回り大きめの鉢を選びます。大きすぎる鉢だと水はけが悪くなり根腐れを起こしやすくなるので徐々に鉢を大きくしていく方法で植え替えてください。

観葉植物用の土や赤玉土等、水はけが良い土を選ぶと根腐れを起こしにくくなります。

シンゴニウムの管理方法

水やりと肥料の与え方

成長期の管理方法

シンゴニウムは4月から10月あたりまでは成長する時期にあたり、根から水分を吸収してぐんぐん育ちます。

土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをしてください。成長期の時に水やりが間に合わない時は腰水(鉢の下部分が浸かるくらいの水に鉢を置く)でも良いですが、夏の気温が高すぎる時にはかえって根に熱ダメージが及ぶ可能性もありますので様子を見て与えてください。

多湿環境を好む植物のため葉の乾燥は防いだ方が良いです。葉水を与えましょう。

肥料は緩効性の固形肥料なら2~3か月おきに株元に置くか、規定の濃度に薄めた液体肥料を10日おきに与えます。

冬場の管理方法

気温が下がってくるとあまり根から水を吸い上げないので、冬の水やりは表面の土が乾いてから2日程度経過してから与えてください。やや乾燥気味に管理することで耐寒性が高くなります。葉水もその時一緒に与えてやってください。

冬は肥料を与える必要はありません。

植え替えるタイミング

シンゴニウムは根の成長も早い方なので2年おきに植え替えをした方が良いです。

もし以下の条件に当てはまるようであれば植え替えのサインかもしれません。

  • 2年以上植え替えていない
  • 鉢底から根が出てきている
  • 土が盛り上がってきている
  • 葉が枯れてきている
  • 水やりをしても水の吸収が遅くなっている

植え替えを行うのは5月~6月の成長しやすい時期がおすすめです。

植え替え後は日陰で管理してあげましょう。

剪定方法

シンゴニウムは伸びすぎた部分や葉が密集して風通しが悪くなっている箇所を剪定してあげます。

剪定は植え替えと同じ様に5月~6月あたりが適しています。

もし伸びてきた茎部分を差し穂として使用する場合は、葉の根元部分に気根が出てくる成長点の下あたり(茎でいうと葉と葉が生えてきている中間地点)を切ると良いでしょう。

シンゴニウムの選び方

シンゴニウムを購入する際には必ず害虫がいないか確認してください。

ハダニやアブラムシなどが付着している株を選んでしまうと、シンゴニウムが弱りやすくなったり、他の植物へ被害が広がったりする可能性があります。

健康的な葉がたくさん付いていて、枝がしっかりしたものを選びましょう。

シンゴニウムの増やし方

シンゴニウムは、挿し木や株分けで増やすことができます。

挿し木で増やす場合は、まず茎を先端から10cmほどのところで切り取ります。切り口をV字に尖らせるようにカットして吸水面を増やします。

茎の先の方についた葉を2~3枚残してあとは取り除き、挿ししろを作ります。葉が大きい場合は蒸散量を減らすために半分に切り取りましょう。切り口を水に数時間浸してから、挿し木用の土を入れた容器に挿し込みます。挿し木後はたっぷりと水を与え、土が乾かないように管理します。

2週間ほどで発根するので、安定してきたら新しい鉢へ植え付けてください。

シンゴニウムの株分けは、鉢土を乾燥させてからおこないます。乾いた土から株を取り出し、古い土をやさしく落としましょう。

抜き取った株にナイフで切れ目を入れ、手を使って2~3つに分けます。この時、傷んだ根や腐った根があればハサミで取り除きます。切り分けた株をそれぞれ新しい鉢へ植え付け、新芽が出るまで明るい日陰で管理します。

シンゴニウムの挿し木や株分けは、生育期である4~10月が適期です。

シンゴニウムの植え替え

シンゴニウムは成長スピードが速いため、ずっと同じ鉢で育てていると鉢の中に根が回って根詰まりを起こします。

根詰まりが起きると水の吸収が悪くなり葉が枯れてしまうため、1~2年に1度は一回り大きい鉢へ植え替える必要があります。鉢底から根が出てきた時も植え替えのタイミングです。

シンゴニウムの植え替えの手順は以下の通りです。

  1. 一回り大きな鉢の底穴に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  2. 新しい土を鉢の1/3程度まで入れる
  3. シンゴニウムを鉢から抜き出し古い土を落とす
  4. 鉢の中心にシンゴニウムを置き、土を追加する
  5. たっぷりの水を与え、根が安定するまで半日陰で管理する

植え替えのタイミングは生育期初期である5~6月頃が適しています。

シンゴニウムの病気や付きやすい害虫

シンゴニウムは下記の病気、害虫に気を付けます。

病気 斑点病、軟腐病、炭疽病
害虫 ハダニ、カイガラムシ

かかりやすい病気

斑点病は、葉や茎に小さな褐色の斑点が現れ、そのまま放置していると冬に落葉する原因となります。

軟腐病は葉が腐っていく病気です。炭疽病は葉が濃褐色になっていきます。

いずれも菌が原因となりますので、病変部は見つけ次第取り去ってください。そのまま放置していると病変が広がり、株ごと処分した方が良い状況まで進行します。

葉の密集や多湿すぎる環境で発生することもあるので、風通しが良い場所で管理してあげましょう。

付きやすい害虫

葉の裏に小さな虫がついている場合はハダニ、茎部分に殻状のものがついて動かない場合はカイガラムシがついています。ハダニは水分が苦手なので濡らしたティッシュでふき取ったり、セロテープでつけながら駆除します。

葉水を与えていると予防になります。

カイガラムシは成虫になると薬剤が効きませんので、ハブラシでこすり取る方法で駆除しましょう。

シンゴニウムの毒性や人・ペットへの危険性

毒性 シュウ酸カルシウム
人への影響 樹液で皮膚がかぶれる場合がある
犬への影響 有毒、誤食に注意
猫への影響 有毒、誤食に注意

シンゴニウムはサトイモ科の植物の為、樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれていますので、子供や犬猫などのペットが葉や茎を誤食したり、樹液に触れないように対策をしましょう。

剪定や挿し木などの作業をおこなう際は、ゴム手袋などを使用して樹液に触れないようにしてください。樹液に触れてしまった場合は擦らずに水道水でよく洗い流します。

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