アグラオネマは独自の模様が美しいサトイモ科の観葉植物です。
このページではアグラオネマの育て方をご紹介しています。
アグラオネマの特徴
アグラオネマは熱帯アジア原産の植物で、サトイモ科アグラオネマ属であり、約50種類もあるといわれています。
熱帯原産のため、高温多湿を好み、寒さには弱い植物です。
現地では湿地や沼地に生育する種類も多く、うまく育てることができれば花を咲かせます。
常緑性の多年草で、耐陰性が強く日の光は苦手です。
直射日光に当てると葉が黄色くなって枯れてしまうほどで、一度枯れた葉は再生しません。
観葉植物の中でもアグラオネマは特に空気を綺麗にする作用が高く、シックハウス症候群の原因になる有害物質を除去してくれることが判明しています。
大型の緑の葉には光沢があるものや銀白色の斑の入ったものがあり、大きくなっても1mほどの樹高であることから人気のある植物で、品種改良も数多く行われています。
映画でも題材にされたことのある植物であり、その映画「レオン」がきっかけでアグラオネマは世間に知られるようになりました。
基本データ
難易度 | 普通 |
価格 | 1,000円~3,000円 |
成長速度 | 早い |
花・種 | 白い仏炎苞状の花が咲きます |
日照量 | 耐陰性があり半日陰を好む |
温度 | 高温を好む |
湿度 | 多湿を好む |
花言葉 | 青春の輝き、スマート |
アグラオネマが好む環境
日当たりと置き場所
アグラオネマは直射日光が苦手なため、屋外であれば半日陰、室内であれば明るい日陰に置くといいでしょう。
日光は苦手と言っても完全な日陰を好むわけではなく、日光が当たった方が健康になるので、なるべく日光の当たる明るい場所に置くようにしましょう。
エアコンの風は苦手で、直接葉に当ると葉が傷んでしまうので、なるべくエアコンの風が当たらないようにしましょう。
熱帯原産の植物で耐寒性は弱いので、室内でもできるだけ温かいところに置いてください。
夜に冷え込むようなら新聞紙や段ボールでくるんで保温をするようにしましょう。
窓辺などで冷たい風に当っても弱ってしまうので、できる限り温かい場所に置くようにしてください。
屋内で育てる場合
屋内で育てる場合は直射日光の当たらない明るい日陰に置くようにしてください。
観葉植物の中でも耐陰性が強く、室内の日陰でも元気に育つ植物ですが、育生期にはできるだけ屋外の明るい日陰に置いてあげるとよく育ちます。
耐寒性は弱く気温が低くなると株が弱ってしまいますので、たとえ室内であっても冬の夜に冷え込む時などは新聞紙や段ボールで保温するようにしましょう。
特に冬場は冷たい風が入り込むような窓辺は避け、部屋の中央などの温かい場所に置くといいでしょう。
エアコンの風には弱いため室内に置く場合はエアコンからは遠ざけるようにしましょう。
屋外で育てる場合
春から秋にかけてはアグラオネマは屋外で育てるのに適しています。
屋外の直射日光の当たらない明るい日陰に置いておくといいでしょう。
屋外で育てる場合はアグラオネマが日なたには出ないように注意しておくことが大事です。
直射日光は葉焼けの原因になり、たとえ春や秋の穏やかな日差しであっても当たり続けると葉が黄色くなり枯れてしまうので気を付けましょう。
直射日光が当たるようなら遮光ネットなどで遮光するようにしましょう。
熱帯の植物で耐寒性は弱いので、気温が下がってきたら室内に入れるようにしましょう。
外の気温が20度を下回るようなら室内の温かい場所に取り込むようにしてください。
温度・湿度
高温には強いですが低温には弱いです。
15度を下回るとすぐに弱ってしまうので、最低でも15度以上、できれば20度以上を保つように心がけましょう。
もともとジャングルの沼地などに生育する植物なので湿潤を好みます。
乾燥すると害虫がつくこともあるのでなるべく乾燥しないように気を付けましょう。
用土
アグラオネマは水はけの悪い土を使うと根腐れを起してしまうので、できるだけ水はけのよい土を選んでください。
観葉植物用の土で十分ですが、もしブレンドしたい場合には赤玉土や腐葉土、鹿沼土を混ぜるといいでしょう。
鉢の上部に赤玉土や鹿沼土を覆うように入れると、コバエなどの発生を防ぐことができます。
アグラオネマを上手に育てるコツ
水やり
春の水やりは土が乾燥してからたっぷりとあげてください。
梅雨~夏にかけては土が乾燥しきる前にしっかり水やりをし、秋にはまた土が乾いてから水をあげるようにしてください。
夏に水やりをする場合は、夕方~夜にあげるようにしましょう。
日中に水やりをすると高温で煮えてしまう場合があるので注意が必要です。
水やりの時には水受け皿にたまった水は必ず捨てるようにしましょう。
冬は土が乾いてからさらに2~3日おいて水やりをしましょう。
冬には成育が鈍くなり、水をあまり吸い上げなくなるので水のやりすぎは根腐れやカビの原因になります。
土が常に湿った状態にならないように注意しつつ、乾燥をしすぎても葉が落ちてしまいますので、乾燥のしすぎにも注意して観察しながら水やりをしましょう。
葉水
一日一回霧吹きで葉水をあげるといいでしょう。
葉が乾燥してしまうと害虫がつく可能性がありますし、多湿を好むアグラオネマは元気がなくなってしまうこともあります。
葉が大きく埃が積もりやすい植物でもあるので、葉水を与えるときに一緒に埃も濡れた布巾などで軽くふいてあげるといいでしょう。
肥料の与え方
肥料は春~秋にかけて与えます。
緩やかに効く置き肥の場合は2ヶ月に一度程度、速効性の液肥の場合は10日に一度くらい与えるといいでしょう。
ただしアグラオネマにはゆっくり効くタイプの肥料の方がおすすめです。
冬に肥料を与えてしまうと吸収することができず、根腐れの原因になるので冬は与えないようにしましょう。
もしも葉色が薄くなった場合にはチッソ不足なので、追肥はきちんと与えましょう。
アグラオネマの選び方
お店で選ぶときは害虫がついていないかをきちんとチェックしましょう。
葉は緑で、光沢のある品種は光沢を、斑を気にいっているなら斑が良く出ているものを選んでください。
アグラオネマの増やし方
アグラオネマは挿し木で増やすのが一般的です。
挿し木の時期は梅雨~夏頃の晴れた日に行いましょう。
10㎝程度に切り取って土に差し込みます。土は挿し木をする前から常に湿らせた状態にしておいてください。
根が出てきたら鉢に入れておいた土に移しましょう。土は観葉植物用の土などの水はけのいい土を使いましょう。
挿し木をするときに出ている葉は2~3枚を残して全部切り取ってください。
もしもたくさん葉が残っていると、枝から水分が出てしまいます。
アグラオネマの植え替え
目安は2年に一度ですが、鉢の底から根が見えてきたら植え替えをしましょう。
植え替えのおすすめ時期は生育期の5月~7月にかけてです。
晴れていて、湿度が高めの日に植え替えをしましょう。
鉢は大きすぎるものだと根が水を吸収しきれず、根腐れの原因になるので、植え替える前よりも一回り大きなものを用意しましょう。
植え替える前には根をきちんとチェックして、傷んでいる根は切り落としてあげましょう。
鉢底にはしっかりと鉢底石を入れ、水はけのよい土を使いましょう。
病気・害虫
立枯病、軟腐病などになることがあります。
春から秋にかけて発生する病気なので、見つけたらすぐに病気に侵された部分を除去しましょう。
ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、ナメクジ、ダンゴムシ、バッタなどがつくことがあります。
アブラムシはスス病などのウィルス病を媒介することがありますので、見つけたらすぐに駆除しましょう。
ハダニやカイガラムシに吸汁されるとそのまま枯れてしまうこともありますので、ハダニは殺ダニ剤で、殺虫剤に強いカイガラムシはいらなくなった歯ブラシや濡れた布巾でこすり取っておきましょう。
ナメクジ、ダンゴムシ、バッタは食害を引き起こし、新芽を食べられてしまうと枯れてしまうので、特に屋外に出す時には注意しましょう。
もしも見つけたらすぐに箸などで除去するようにしてください。
アグラオネマの毒性や危険性について
サトイモ科の植物のため、その樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれているので、体質によっては皮膚が炎症を起こしたりかぶれたりすることがあります。
小さな子どもやペットがいる場合は口にしないように気を付けましょう。