ウラシマソウの育て方

山野草

インパクトの強い花を付けるサトイモ科の植物、ウラシマソウの育て方をまとめているページです。

ウラシマソウは日本に自生する山野草ですがその見た目がエキゾチックです。花が独特なため好みがわかれる植物ですが園芸品種等もあります。

下記ではウラシマソウを上手に育てるポイントについて解説しています。

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ウラシマソウの特徴

外見は非常に変わった植物で、一度見たら忘れることはないでしょう。

開花した状態は地際から長い葉柄が伸びてまるで茎のような感じです。その葉柄の付け根から花茎が伸び、異様な花が開いています。一見すると花と思えるのは苞で、それは仏炎苞と呼ばれます。仏象のバックの炎形の飾りをイメージさせるためその名がつきました。

そして、実際の花は肉穂花序(にくすいかじょ)というタイプで、その先端が長く糸のように伸びて、浦島太郎が釣りをしている様を連想させるところからウラシマソウと命名されました。

草本植物としては珍しく雌雄異株で、球根の栄養状態によって雄、または雌が決定されます。さらには成育の途中で雌雄が変わるという特徴があり、とにかく異端の植物と呼んでもいいでしょう。

基本データ

難易度 普通
流通名 ウラシマソウ
成長速度 遅い
花・種 開花期は3~5月で、黒褐色、赤褐色、緑白色などの花を咲かせる。雌雄異株のため虫の行動によってしか授粉せず、結実するとトウモロコシのような実が成る。
日照量 耐陰性が強く、日陰でよく育つ。日差しが強いと葉が傷む
温度 耐寒性はやや弱く、耐暑性は普通
湿度 湿った場所を好み、乾燥を嫌う
花言葉 不在の友を想う、注意を怠るな、懐古、回想

ウラシマソウが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

海岸近く、または里山の林に自生しています。

日陰を好む植物で、強い日光を浴びるとすぐ葉焼けしてしまいます。だからといって、暗すぎると開花せず、また株が充実せずに雄花ばかりになります(球根が肥大すると雌花になる)。そこで、芽出しから開花するまでは明るい日陰で、その後は暗い日陰、さらに真夏はもっと暗いところへ移動させます。

ウラシマソウでもうひとつ注意しないといけないのは風通しです。

大きな葉を花より上に付けますから、風が強いと茎が折れたり葉が傷んだりします。葉が成育するのは春から夏までの短い期間でしかなく、この間にどれだけ栄養分を蓄積できるかが大きな課題となるのです。早く散ってしまうと球根が肥大せず、丈夫な株になりません。

温度・湿度

ウラシマソウの自然の生息地は本州、四国が中心です。他に九州や北海道の一部にも分布していますが、そのことから高温にも低温にも強くないという習性がうかがえます。

気温が高いと球根が腐る可能性もありますから、真夏は決して直射日光の当たらない場所に移動させます。また、乾燥させるとダメージを受けるものの、多湿状態が続くのもよくありません。

特に、開花期間中は乾燥気味にした方が花は長く楽しめるようです。休眠期である冬でも湿気を維持しなければならず、まったく放置することはできません。

用土

乾燥させてはいけないし過湿が続くのもよくないため、用土は水はけがよく、それでいて保水性の高いものが求められます。

そのような要求を満たせるのは赤玉土や鹿沼土で、腐葉土を40~50%混ぜるといいでしょう。腐葉土をどの程度の割合にするかはどれくらい水やりが可能かによります。腐葉土が多いと水はけ優先、少ないと保水性優先だと思ってください。

本州の北エリアでは冬季に凍結し、硬質赤玉土でも崩れやすくなりますから、軽石を少し混ぜて予防しておきます。

ウラシマソウを上手に育てるコツ

水やり

乾燥を嫌う以上、毎日たっぷりというのが水やりの基本です。

ただし、頭デッカチですから葉に水を溜めると茎が折れる可能性があります。風を受けても折れますから前もって支柱で茎を補強しておくというのもひとつの方法です。

見た目を気にするなら株元にだけ水やりをすればいいのですが、軟腐病が怖いので花茎の付け根に水を溜めるのも禁物です。冬の休眠期間中も湿気を切らさないように管理します。用土の表面が少し乾いた時点で水やりをします。

肥料の与え方

球根を太らせるためには肥料が大きな役割を果たします。まずは植え替え・植えつけ時にしっかり元肥を与えます。といっても、多すぎると根が傷みます。緩効性の化成肥料をひとつまみだけすき込みます。

葉が展開する春からは、置き肥に加えて液肥も施します。置き肥はやはり緩効性の化成肥料を鉢の縁に撒き、チッ素・リン酸・カリが等分の液肥を規定通りに薄めて2週間に1回程度与えます。それを葉が枯れるまで続けてください。葉は夏前後から枯れ始め、遅くても秋には落葉します。

冬越し

地上部はありませんから日光は不要です。注意しなければいけないのは気温と湿気です。

凍結しないように霜の当たらないところに移動させるというのが標準的な冬越しで、ハウスの暗いところ、または暖房装置のない屋内ならなおよいと思います。また、乾燥させると新芽が傷みますから、冬でも必ず表土を確認して、乾き始めたら水やりをしてください。

地植えする場合は関東地方南部よりも西のエリアでないと冬越しは無理だと思ってください。

ウラシマソウの選び方

ウラシマソウという植物を知らない人は多く、園芸植物の中ではマイナーな存在なのですが、意外と園芸品種はたくさん出回っています。そのため、春の芽出し時期は比較的入手しやすいはずです。

選ぶ際は長い葉柄がしっかりしたものがお勧めです。特に、根元には注意してください。葉が展開して花が咲いていれば、葉の先、仏炎苞の先が傷んでないこともチェックします。

ウラシマソウの増やし方

球根植物ですから分球した小さな球根を他の鉢に植えます。植え替え時にまだ親の球根とつながっているものは無理に外さないようにします。分球しても翌年には芽を出さないものもありますが、水やり管理を欠かさなければ翌々年には芽を出すはずです。

11~12月に完熟して赤くなった果実からは種子が採取でき、それを取り蒔きすれば実生株が増やせます。トウモロコシのような実をひと粒ずつ洗って果肉を剥がすと、中から3~6㎜の白褐色の種が出てきます。

これを取り蒔きするのですが、発芽まで2年かかるし、その後も成長は遅く、開花まで5年以上かかります。

ウラシマソウの植え替え

ウラシマソウの球根は5年ほどで寿命を終えますが、その間は年々大きくなりますから毎年植え替えするというのが理想です。時期は休眠中ならいつでも構いません。ただ、結実させると実が熟すまで休眠しませんから、その場合は地上部が完全になくなってからにします。

鉢は内部が乾きにくいものを

乾燥を嫌う植物ですから素焼き鉢や小さい鉢は避けます。中深鉢以上で釉薬のかかったものがお勧めです。球根の成長に合わせて鉢もひと回り大きくします。

球根を洗い、浅植えにする

掘り上げた球根は優しく洗い、古い皮や汚れを落とします。そして、新しい用土を入れた鉢に、芽の先端が2~3㎝埋まる程度に納めます。真冬であれば凍結しないところに置き、たっぷり水やりをします。

病気・害虫

病気は軟腐病や白絹病が発生します。どちらも高温時に過湿状態が続くとかかりやすく、乾燥を嫌うウラシマソウが被害に遭う可能性が高いため、適度の風通しと根詰まりを意識してください。

害虫はネグサレセンチュウ(球根を腐敗)、コナカイガラムシ(球根に白い粒がたくさん付く)、コナアブラムシ、ナメクジ、イモムシ、コナジラミ、ハダニなどがいます。ネズミがかじることもあります。

毒性や危険性について

ウラシマソウは実や球茎、新芽などすべてにサポニンという毒があります。口に入れるとすごい刺激があるそうですから食べることはないでしょうが、嘔吐や腹痛を引き起こします。

またサトイモ科の植物ですのでシュウ酸カルシウムも含まれています。汁等が付くとかぶれたりするのでゴム手袋等を使い、なるべく樹液が付かないようにすると良いです。

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