ハート形の葉が可愛らしく丈夫で扱いやすい観葉植物、オキシカルジウムの育て方をまとめているページです。
オキシカルジウム(オキシカルジューム)はサトイモ科の蔓性植物で、ポトスに雰囲気が良く似ています。仕立て方もツルを吊り鉢から垂らしたり、タワー仕立てにしたりして楽しめます。
このページではオキシカルジウムを上手に育てるポイントについて解説しています。
オキシカルジウムの特徴
オキシカルジウムはサトイモ科のフィロデンドロン属であり、熱帯アジア原産の植物です。
サトイモ科の熱帯植物をいくつか総称してフィロデンドロンと呼んでおり、オキシカルジウムはヒメカズラの名前でも知られています。
フィロデンドロン属は亜熱帯や熱帯に200~600種類もあるといわれ、その姿形は様々で、蔓性のものあれば直立性のものもあり、株や葉の大きさ形も全く違ってきます。オキシカルジウムは宿根草の蔓性植物で、ハート形でつややかな葉が特徴です。
原種の葉は緑色ですが、他にも黄色の斑が入るもの(ブラジルという品種)やライム色のものもあります。
耐陰性、耐寒性もあり、半日陰になるような室内でもよく育ちます。
基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | 早い |
成長期 | 4月~10月 |
花・種 | 不明 |
日照量 | 耐陰性があり、明るい半日陰を好む |
温度 | 20~30度が適した温度。冬場は10度以上を保つようにする |
湿度 | 多湿を好む |
花言葉 | 壮大な美、華やかな明るさ |
オキシカルジウムの育て方
室内で育てる場合
耐陰性があるので室内での栽培も可能ですが、日光にある程度当たった方が葉が元気に育ちます。明るめの場所に置いてあげてください。
葉焼けを起こしやすいので、強い直射日光は避けて置きます。葉焼けをしてしまう場合はレースのカーテンで光の当たり具合を調整してください。
葉が乾燥すると痛みやすくなるので、エアコンの風が直接当たる場所は避けた方が良いでしょう。
屋外で育てる場合
春から秋にかけては屋外での栽培も可能です。直射日光を避け、明るい場所に置きます。
真夏は気温が高くなりすぎるため、葉が痛む原因にもなりますので、日陰に移動すると良いでしょう。
熱帯の植物なので寒さは苦手です。気温が10度以下になる前に室内に移動してあげてください。
適した用土
オキシカルジウムは水はけの良い土を使って育てます。
市販の観葉植物用の土が簡単で確実ですが、自分でブレンドする場合は赤玉土と腐葉土を半々程度で混ぜて使います。腐葉土からコバエの発生を抑える為に、表面は無機質な土で覆うのがおすすめです。
オキシカルジウムは丈夫な植物なので、水はけだけ気をつければそこまで神経質にならなくて良いでしょう。
植木鉢の選び方
普通鉢深鉢に植え付けた方が根が安定しやすいです。土の水はけが良い状況を保てた方が元気に育ちますので、スリット鉢を選ぶのもおすすめです。
鉢を選ぶ時は今植えてある鉢よりも一回り大きめのサイズを選んでください。いきなり大きいサイズにすると水はけが悪くなり根腐れを起こす原因になります。
オキシカルジウムの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
4月から10月にかけては成長期にあたりますので、土の表面が乾いてから水やりをします。
夏場は土が乾ききる前でも丁度良いです。水が好きで多湿環境を好みます。鉢底から流れ出る位たっぷりと水やりをしてください。
水やり後は根腐れの原因になるので、受け皿にたまった水はそのままにしないで捨てましょう。
一緒に葉水も与えるとハダニ予防になります。
もし肥料を与える場合は薄めた液体肥料を水やりの代わりに10日に1回あたえるか、2か月おきに固形の緩効性肥料を与えますが、オキシカルジウムはそれほど肥料を必要としない植物なので与えなくても成長していきます。
冬場の管理方法
冬はほとんど成長しなくなるので土を乾燥気味に管理してください。土が乾いて3~4日経過してから水をやります。
オキシカルジウムは乾燥している環境を苦手としている植物なので、冬場でも葉水は与えた方が綺麗に維持出来ます。
冬場は成長も止まるので肥料は不要です。
植え替えるタイミング
オキシカルジウムは通常、2年~3年おきに植え替えますが、以下の条件が当てはまる場合は植え替えのサインとなります。
- 3年以上植え替えていない
- 鉢底から根が出てきている
- 水やりをしてもスムーズに水が浸透していかない
- 成長期なのに新芽が出てこない
- 葉が黄色くなって落葉してきている
- 園芸店から購入した後に植え替えていない
鉢の中で根詰まりを起こすと、根腐れにもなりやすいです。元気に成長させるためにも植え替えをしてあげましょう。
植え替えは成長期の5月~7月あたりが適しています。
剪定方法
見た目や風通しの良さを重視して混みあっている葉や枯れている葉、つる性の種類の場合は伸びすぎたつる部分を剪定していきます。
長めに剪定したつるは挿し木として更に増やす事も可能です。
剪定したつるは15㎝ほどに切り分け、先端の葉っぱ2~3枚を残して乾燥しないように切り口部分に水苔を巻いておくと良いです。パーライト1:バーミュキュライト1の割合の土に刺して水が切れない様に管理していると根付きます。
5月~7月あたりの植え替えの時に一緒に剪定も行うと良いでしょう。
注意事項としてサトイモ科の植物なので樹液にシュウ酸カルシウムが含まれています。触れるとかゆみ、かぶれ、痛みが出る場合もありますので、剪定時は手袋をして樹液に直接触れないようにしてください。
オキシカルジウムの選び方
葉の色が濃く艷やかで、病気や害虫のついていないものを選びましょう。
害虫は葉の裏や茎の付け根に隠れているので、この辺りもしっかりと確認して株を選びます。
オキシカルジウムの増やし方
オキシカルジウムは挿し木で増やします。
伸びたツルを挿し木に使いますが、気根が付いている箇所を15㎝ほどに切り分け、葉っぱを2~3枚残して挿し木を作ります。
挿し木は5分程度そのまま切り口を乾かしてから、挿し木用の土か水苔に植え付けて発根させます。根は気根部分から出てくるので、その部分を土に埋めるようにしてください。
根が出るまでは水分を上手く吸えないため、湿度を保つようにするか定期的に葉水を与えながら管理します。発根が確認出来たら観葉植物用の培養土に植え替えます。
オキシカルジウムの病気や付きやすい害虫
オキシカルジウムは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | 軟腐病 |
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害虫 | カイガラムシ、ハダニ |
かかりやすい病気
軟腐病は高温多湿環境でかかりやすい病気です。
細菌が原因となり、傷がついた場所から感染していきます。葉や茎を腐らせていきますので、見つけ次第切除してください。
黄色っぽく色が変わっている段階で切除した方が良いでしょう。放置していると株全体に広がり腐って黒く枯れてしまいます。
付きやすい害虫
オキシカルジウムはカイガラムシとハダニがつきやすいです。
ハダニは水が苦手なので、水で洗い流すようにしたり水で濡らしたティッシュで葉をふき取る方法で駆除します。しかし、数が多く手に負えない場合はハダニの駆除剤を使うのが確実でしょう。
葉が乾燥するとハダニがつきやすくなりますので、普段から葉水を与えると予防になります。
カイガラムシは幼虫の段階では殺虫剤も有効です。
成虫になると薬剤が効きませんので、ハブラシでこすり落としてください。風通しが良くなる環境にしておきましょう。
オキシカルジウムの毒性や危険性について
サトイモ科の植物なので樹液等にシュウ酸カルシウムが含まれています。
肌に付くとかぶれてしまったり、誤食は危険なのでペット等を飼っている場合は葉を齧られないように注意しましょう。