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ヒノキゴケの育て方

コケ植物の中でも大型で、フサフサした見た目で人気があるヒノキゴケの育て方について解説しているページです。

ヒノキゴケはとても美しい苔で栽培も簡単な事から初心者にもおすすめです。ヒノキゴケは見応えがあるので苔テラリウムの主役にも使える苔です。

このページではヒノキゴケの特徴や好む環境、育て方などをご紹介しています。

ヒノキゴケの特徴

ヒノキゴケはヒノキゴケ科の植物で、別名イタチノシッポとも呼ばれている苔です。

庭に植え付けて苔庭を楽しんだり、苔テラリウム、盆栽にも利用されている種類になります。

5cm~10cm程度の茎をのばし、直立した状態か斜めに成長します。茎に密集した葉をつけ、見た目にはフサフサした尻尾を思わせる柔らかい葉をつけ成長していきます。スギゴケよりも葉は柔らかい見た目です。

茎の下の方は茶色い仮根に覆われた状態が確認できますが、増える際には地下茎枝分かれする状態で増えていく事が多いです。

根腐れも起こしにくい種類なので、スギゴケよりも育てやすい傾向があります。苔テラリウムをはじめとした苔栽培初心者にも育てやすい種類の一つです。

基本データ

難易度 簡単、コケ栽培初心者でも育てやすい
流通名 ヒノキゴケ
成長速度 普通、一般的な苔の成長速度で育ちます
花・種 胞子嚢ほうしのうを付け胞子で増えます
日照量 日なた環境は苦手としているので半日陰か日陰で管理
温度 高温環境は苦手
湿度 多湿環境を好む
花言葉 母性愛、信頼、物思い(苔全般の花言葉)

ヒノキゴケが好む環境

密集して生え揃うととても美しいヒノキゴケ

日当たりと置き場所

ヒノキゴケが自生している環境は、湿った腐葉土が豊富な場所や谷沿い、沢で斜面がある場所です。

これらの場所は木漏れ日が入る程度の日当たり。ヒノキゴケは日当たりが良い場所は苦手です。直射日光が当たる場所は避けてください。適した日当たりの環境は、半日陰か日陰環境が適しています。

屋内で育てる場合

屋内での管理であれば、北向きの窓から若干入ってくる日光を利用する程度にします。

そしてもう一つ配慮しておきたいのが空気。ヒノキゴケが好んで自生している場所は空気がきれいな場所です。

大気汚染がひどい環境は苦手なので、あまり空気の状態がキレイでない場所で管理していると葉が茶色くなってしまう事もありますので、空気が汚染されにくい風通しが良い場所を選んで置き場所を決めるのも一つのポイントです。

屋外で育てる場合

屋外で庭に植える場合も、直射日光が当たる場所は避けます。

木漏れ日が入る程度の木の下は丁度良い日当たりです。屋内同様、風通しが良い場所に植えた方が良いでしょう。

温度・湿度

一般的にコケの栽培をしていく際に温度では30℃位までは問題ないと考えられていますが、ここ数年では夏場に30℃を超える気温になる事もあります。30℃以上の温度環境にならない様に置き場所を調整するのも一つの方法です。

苔テラリウムの場合は直射日光が当たらない場所を探して置いてあげる事で、テラリウム内の異常な気温上昇を防ぐことが出来ます。

ヒノキゴケは多湿状態を好みますので、乾燥には注意したいところです。湿度が充分ではないと葉が茶色くなりやすいといった特徴があります。

ただ、高温すぎる環境で蒸れてしまうとヒノキゴケが弱ってしまうので、蒸れない様に管理します。テラリウムで育てる等、乾燥した環境にならない様に管理してあげてください。

用土

ヒノキゴケは腐葉土が豊富な湿地を好み自生している苔です。ヒノキゴケの栽培用に土を準備する場合は、腐葉土と砂を混ぜて作ります。

柔らかくて水はけが適度にある土にするのがポイントです。もし培養土や樹皮培養土を利用する場合も砂を混ぜてください。

苔庭に使う等、たくさんの量が必要だったり、腐葉土を使わない場合は以下の配合も参考にしてみてください。

  • 庭の土:3
  • 赤玉土か鹿沼土:1
  • ピートモス:2
  • 川砂:1
  • 軽石:2
  • バーミキュライト:1

ヒノキゴケを上手に育てるコツ

水やり

ヒノキゴケは多湿状態を好むコケで、水をやりすぎても枯れてしまうという事はあまり見られません。というのも、ヒノキゴケが自生している環境は空気がきれいで一定の湿度がある場所です。

乾燥に弱く、すぐに葉が茶色くなってしまう事もあります。乾燥をまず避ける、そのための水やりはたっぷりやっても大丈夫です。

ただ、日中の気温が上昇しているタイミングに水やりをすると蒸れてしまう可能性がありますのでご注意ください。朝方の涼しい時間帯に水やりをしてあげると管理しやすいです。

葉水

ヒノキゴケは乾燥が苦手。そういった理由で土が乾燥しない様に水やりをしているけれど葉が茶色くなってしまうといった悩みを持つ人も多いです。

ヒノキゴケは空気中から水分を取り入れている傾向があります。水やりを充分に行っているのに、乾燥しやすい葉先から茶色くなってきているという場合は空気中の水分が足りていない可能性があります。

対処法としては葉水を与える事。霧吹きで定期的に与えてください。

ただ、仕事の都合等でしょっちゅう葉水を与えるのが難しいという場合は、密閉式のコケテラリウムで栽培すると乾燥の影響は少なくなります。冬場に空気が乾燥気味の時は葉水を与えてあげましょう。

肥料の与え方

一部の種類を除き、苔類のほとんどは空気中の水分と光合成で成長しているため、肥料は特に必要としていない場合が多いです。

注意したいのは、苔の栽培の際に油かすといった有機肥料を与えてしまうと枯れてしまう原因になりますので避けてください。

ヒノキゴケも加湿と適度な日当たりという部分を意識して管理していけば肥料は与えなくても問題なく成長していきます。

ヒノキゴケの選び方

ヒノキゴケを選ぶ際は、茎がしっかりして葉がフサフサに生えている元気の良いものを選びます。

葉が茶色くなっているものより緑が多いものを選んでください。茶色くなっている個所は再び緑になる事はありません。

ヒノキゴケの増やし方

ヒノキゴケを増やす時には、葉ふせで増やす方法がおすすめです。

  1. 茎が長めのヒノキゴケを選び、1本ずつに分けます
  2. ヒノキゴケの先端部分をはさみで切り、成長点を止めます
  3. 後はテラリウム容器に土を入れ、水で湿らせ、先を切ったヒノキゴケを寝かせる様に置きます

数本同様に作って並べても良いです。しばらくすると横に寝かされたヒノキゴケの枝からわき芽が出てきます。この方法である程度育ててから植え替える方法もありです。

時期的には4月~6月、9月、10月あたりが新芽を出しやすい時期なので参考にしてみてください。

赤くなった親株はそのまま水をやり続けていると新芽が出てくる場合もあります。新芽が出てくるのを待って植え替えるのも一つの方法です。

ヒノキゴケの植え替え

ヒノキゴケを購入したり、差し芽用に育てた場合、10本~20本ぐらいの量を一株という感覚でまとめます。

1株分にまとめたヒノキゴケは半分ぐらい土に入るくらいの目安で差し込んでください。

複数株の分を植え替える場合は、5cm程度の間隔を開けると良いです。そして葉を寝かす様に倒します。葉先が出る程度の見た目まで目土をかぶせてください。

目土は通気性が良い土をかぶせ、表面部分は乾燥させない程度に水やりをしましょう。

水やりを1か月程度続けていくと新芽が出てきます。もし、新芽が出てこないという場合でも根気よく水を与え続けてみてください。環境次第ですが、遅いと3ヶ月程度かかって新芽が出てきたという話もあります。

植え付けた株は1年~3年程度で立派なコロニーに育ちます。

病気・害虫

ヒノキゴケを育てる際に注意しておきたい病気や害虫は特にはありません。

ただ、一部開放されているタイプのコケテラリウムでは、チョウバエが発生してしまうという例もあります。水垢や汚れた水や水垢から発生するコバエなので、注意が必要です。

他にもコケテラリウムでの管理で、そのまま放置をしていた場合にカビが発生したという例もあります。

カビと思われる変化が見られたら、速やかに取り除いてあげてください。そのまま放置をしていてヒノキゴケの調子が悪くなってしまう可能性もあります。

コケは病虫害による被害が起きにくいイメージがありますが、コバエとカビ、この両者は発生しない様に日頃から様子を見つつ管理してください。

ヒノキゴケの毒性や危険性について

ヒノキゴケは今のところ特に毒性や危険性のある報告はありません。

コケ栽培の初心者でも比較的育てやすい種類ですので、機会がありましたらヒノキゴケの栽培にチャレンジしてみてください。

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