苔の代表的な種類ハイゴケ(這い苔)の育て方をご紹介しているページです。
ハイゴケは苔庭や盆栽をはじめ、近年人気のある苔玉や苔テラリウム、パルダリウム等と利用用途が広く初心者でも育てやすい苔植物です。下記ではハイゴケを上手に育てるポイントについて解説しています。
ハイゴケの特徴
ハイゴケは、主に東南アジアやシベリア、東アジアに自生するシダ植物で、ハイゴケ科ハイゴケ属になります。
ハイゴケは、土手や岩などの上を這うように広がるためにこの名が付けられました。日本庭園などによく見かける苔の一種で、黄緑色の苔で湿度があり乾燥にも強く、どんな所でも育つ丈夫な植物です。その丈夫さと手軽さで、日本庭園以外にもグラウンドカバーなどにも使われています。
もともと日本全国に自生している苔で、さまざまな場所で見かけることができます。土の上にのっているだけではがれやすいのが難点ですが、成長が早く丈夫で育てやすいことから盆栽や苔玉にもよく使用されます。
水をあげ忘れたり、乾燥してしまうと茶色っぽく変色してしまいますが、枯れる前であればもう一度生育環境を整えるとすぐに復活します。乾燥しても多少色が変わるくらいで、目に見えて劇的な変化がなく、すぐに元通りになれるのもハイゴケの特徴で、初心者でも育てやすい植物です。
ガラスの器の中で育てるテラリウムやパルダリウムなどに利用することも出来ます。
ハイゴケのポイントは湿度と日当たりが必要なことで、苔なのに日光が好きという特徴を持っています。自生しているのも、明るい日陰などが多いです。
直射日光は葉焼けを起したり、乾燥しすぎて枯れてしまうこともありますが、グランウンドカバーに使用されていることからも分かる通り、そこまで弱々しいわけではなく、絶対に避けないといけないものでもありません。
基本データ
難易度 | 非常に簡単 |
成長速度 | 早い |
花・種 | コケ植物なので胞子で増えます |
日照量 | 日光を好むが直射日光は避ける |
温度 | 日本の環境なら順応し、耐寒性も強い |
湿度 | 多湿を好むが乾燥にも強い |
花言葉 | 母性愛 |
ハイゴケが好む環境
日当たりと置き場所
日光の好きな植物です。多湿を好み、日光を好み、丈夫で成長スピードの速い植物です。乾燥にも強く、多少水をやり忘れてもたいして問題はありません。
湿度さえあれば直射日光に当ててもあまり問題はありません。しかし直射日光に当てすぎると、乾燥してしまうので、できれば午後から日陰になるとか、明るい半日陰などが望ましいでしょう。
地植えをする場合は、木の下などの木漏れ日の当たる場所か、半日陰であればなおいいです。乾燥には比較的強いですが、あまり乾燥しすぎると弱ってしまいますので気を付けましょう。
屋内で育てる場合
屋内で育てる場合には、苔玉やテラリウムなどがおすすめです。
ハイゴケはあくまで苔なので、そのまま鉢に、というには不向きです。鑑賞用なら盆栽でもいいですが、テラリウムにすると見栄えも良く管理も難しくありません。日光のよく当たる場所に置いて、乾燥には気を付けて管理しましょう。
基本的にそこらへんに生えている苔なので、越冬も特に気を使う必要はなく、これと言って対策も必要ありません。ただし、室内の場合はエアコンの風で乾燥しすぎたり、痛むことがあるので直接風が当たらないようにしましょう。
もう一つ気を付けないといけないのが、テラリウムの場合です。
ガラス容器や小さい水槽などでテラリウムを楽しむ場合には、なるべく直射日光や温度が上昇しすぎないように気を付けましょう。容器の中が蒸れて高温になるとさすがに枯れてしまいます。テラリウムで楽しむ場合は毎日霧吹きで水やりをし、中が蒸れないように気を配ることが必要です。
屋外で育てる場合
ハイゴケはもともと庭園などに利用される植物なので、外で育てること自体は全く問題ありません。
日光を好む植物なので、まったく日のささないような場所は避けた方がいいでしょう。木漏れ日の当たる場所や適度に日の光が当たり、乾燥しづらい場所がおすすめです。とはいえ、直射日光が常に当たり続けるような日当たりのよすぎる場所も避けましょう。
夏場になると特に雑草が生えてくるので、雑草はこまめに抜きましょう。下手に根の張った雑草を抜くと、ハイゴケが一緒にはがれてしまう可能性もあるので、雑草はまっすぐ上に抜くようにします。
密集すると蒸れてしまうため、適度にハサミを入れて隙間を作って密集しすぎないようにしましょう。冬に雪が降っても元気に育つほどの生命力と耐寒性があるため、越冬もそこまで難しくはありません。
温度・湿度
ハイゴケは湿度を好む植物です。
乾燥には強いですが、乾燥しすぎると生育が鈍くなったり、酷い場合には枯れたりするので気を付けましょう。丈夫な植物なので、多少の夏の暑さにも耐えられるうえ、耐寒性もあります。
用土
実はハイゴケは土が無くても育つことができるので、そこまで土作りにこだわる必要性はありません。
基本的には水はけと保水性のいいバランスの取れた土質を好みます。赤玉土か鹿沼土をベースにピートモスやバーミキュライトを混ぜるのがおすすめです。
ハイゴケを上手に育てるコツ
水やり
外に地植えをする場合には、特に夏場は乾燥しないように土が乾いていたら水をしっかりとまきます。雨が降れば水やりの必要はありません。
屋内でテラリウムや苔玉にして楽しむ場合には、霧吹きで毎日水やりをしましょう。
葉水
外に地植えをする場合には必要ありません。
テラリウムや苔玉の場合にはそもそも霧吹きで水やりをするので、あえて別途は水をあげる必要はありません。
肥料の与え方
肥料は必要ありません。下手に肥料を与えてしまうと葉が変色する危険もあるので気を付けましょう。
酷い場合には枯れてしまうので、できる限り肥料は与えないようにします。
ハイゴケの選び方
茶色く変色していないものを選ぶようにしましょう。葉に艶があり、全面的に緑のものが望ましいです。
ハイゴケの増やし方
増やし方は3種類あります。
はり苔法をする場合には、マット状になっている苔を平らにした土の上にマットごと敷いていきます。
土と苔が密着するように、苔同士や地面の隙間に土をまいて隙間を覆っていきます。土は用土と同じもので問題なく、しっかりと地面と苔を密着させ、隙間を埋めたら水をたっぷりとあげます。
その他、まき苔法でも増やすことができます。
まき苔法の場合は、ハイゴケはマットのままではなく、細かくほぐしてしまいます。育苗箱などに、水はけのよい土を入れ、重ならないようにほぐしたハイゴケを散りばめて、たっぷりと水をやれば後は待つだけです。
明るい日陰に育苗箱を置いて、水を切らさないようにしましょう。
3つ目の方法はもっとも簡単なもので、そもそも生命力が強くて丈夫な苔であるので、庭で地植えをしている場合には、適当な大きさにちぎって、他の土のある場所に置いておくと実は勝手に増えます。
はり苔法もまき苔法も春や秋などの気候が穏やかで気温の安定している時期にするのが望ましいです。
ハイゴケの植え替え
植え替えは特に必要ありません。
テラリウムや苔玉であれば、伸びてきたら形を整える程度に切りそろえるくらいでいいでしょう。
庭に地植えをする場合には、定期的に雑草を取り、伸びすぎたら刈り込みましょう。
病気・害虫
特に気にするようなものはありません。乾燥に気を付ければ大丈夫でしょう。