コチレドン(コティレドン)の育て方を解説しているページです。
肉厚のぷっくりとした葉が可愛らしいコチレドンは、多肉らしさがあり人気の高い多肉植物の仲間です。ここではコチレドンを上手に育てるポイントや増やし方等をご紹介しています。
コチレドンの特徴
コチレドンは南アフリカやアラビア半島を原産とするベンケイソウ科コチレドン属の多肉植物です。
品種はたくさんありますが、多くは葉が肉厚でぷっくりしています。白い粉がついている種や班が入るもの、産毛に覆われているものなど見た目は様々で、大きさも種によって異なります。
ギザギザした葉先が赤く色づく姿が熊の手に似ている「熊童子」や、熊童子より小ぶりの「子猫の爪」、白い多肉質の葉を持つ「箱入り娘」、葉の縁が波打つ「銀波錦」などが代表的な品種です。
コチレドンは小型のものでも成長すると木質化するため、長く育てると茎が立ち上がった草姿も楽しめます。9月から11月にかけてピンクやオレンジなどのベル状の花が咲きます。
ふっくらと丸い葉が可愛らしく、スズランのような花にも鑑賞価値があるため、インテリアプランツとして人気があります。
基本データ
難易度 | やや易しい |
流通名 | コチレドン、コティレドン |
成長速度 | 普通 |
花・種 | 9~11月にピンクやオレンジなどの花を咲かせます |
日照量 | 日当たりを好みますが直射日光は避けてください |
温度 | 寒さにはやや弱いため冬は5℃以上を保ちます |
湿度 | 多湿に弱いので水の与えすぎには注意しましょう |
花言葉 | 枯れない愛 |
コチレドンが好む環境
日当たりと置き場所
日当たりの良い場所を好みますが、葉焼けを防止するため真夏の直射日光は避けましょう。
屋内で育てる場合
コチレドンは年間を通して屋内で育てることができますが、日光を好むため窓際などの明るい場所に置くようにします。日照不足は徒長の原因となります。
ただし、強い日差しに当てると葉焼けを起こしてしまうので、真夏の直射日光は避けてください。高温多湿を苦手とする植物なので、風通しのよい場所で育てます。
冬場は5℃を下回らないよう暖かいところで管理してください。
屋外で育てる場合
コチレドンは春から秋にかけて屋外で育てることができます。
耐陰性があるため半日陰でも育ちますが、日照不足になると葉と葉の間が間延びして形が悪くなってしまうので日当たりの良い場所に置いてください。
ただし、葉焼けを防止するため真夏の直射日光は避けましょう。湿度が高い環境が苦手なので年間を通して風通しの良い場所で管理します。
霜に当たると凍ってしまい溶けることがあります。冬場は5度以下の気温が続くようになったら室内に取り込むようにします。
温度・湿度
コチレドンは高温多湿に弱い植物です。戸外で育てる場合は長雨が当たらない風通しの良い場所に置き、真夏の直射日光は避けてください。
寒さにはやや弱いため、周りの環境は5度を下回らないようにします。霜や雪に当たると株が傷んでしまうので、冬場は室内に移すとよいでしょう。
コチレドンのような多肉植物は葉に水分を蓄えるため乾燥には強いですが、湿気を苦手とするため水はけのよい土を使用します。水やりの際は受け皿に水が溜まらないようにして根腐れを防いでください。
夏と冬の休眠期には水やりの回数を減らして乾燥気味に管理します。
用土
コチレドンは多湿を苦手とする植物です。土の過湿は根腐れの原因となるため、用土には水はけと通気性のよい土を使用します。
自分で作る場合は赤玉土(小粒)3:鹿沼土3:軽石2:腐葉土2などの割合でブレンドして土がおすすめです。
初心者であればホームセンターなどで市販されている多肉植物用の土を使うのが最も簡単です。その場合、日向砂や軽石、川砂、バーミキュライトなどを加えると水はけが良くなります。
コチレドンを上手に育てるコツ
水やり
コチレドンは葉に水を蓄える多肉植物なので年間を通して乾燥気味に管理します。
春と秋の生育期には、鉢土がしっかり乾いてからたっぷりと水を与えましょう。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安です。多湿に弱いので受け皿に溜まった水は捨てるようにしてください。
夏と冬の休眠期にはコチレドンの生育がゆるやかになるため水やりの回数を減らします。月に1~2度、葉がしわしわになってきたら与える程度でかまいません。
真夏の水やりは根が蒸れるのを防ぐため高温になる日中を避け、夕方以降の涼しい時間におこないます。白い粉がついた品種は水が葉にかからないよう注意しましょう。
葉水
コチレドンのような多肉植物には基本的に葉水は不要です。葉に水分を蓄えているため乾燥に強く、多少水が不足しても問題なく育つでしょう。
ただし、水やりを控える夏と冬の休眠期に室内の暖房などで葉が乾燥している場合は、霧吹きなどで水を吹きかけてもかまいません。
その際はコチレドンの葉がうっすら濡れるくらいの量に止めてください。葉が白い粉や産毛に覆われている品種の場合、粉が落ちたり下葉が落ちやすくなったりするので葉水は避けましょう。
肥料の与え方
コチレドンは基本的にあまり肥料を必要としませんが、生育期には少量を施肥しても良いでしょう。
肥料を与える場合、春と秋の生育期に緩効性の固形肥料を2か月に1回のペースで置き肥するか、規定の濃度に薄めた液体肥料を10~15日に1回を目安に与えます。
ただし、肥料が多いと葉が間延びして見た目が悪くなったり、折れやすくなったりするため与えすぎには注意します。夏と冬の休眠期には肥料を施す必要はありません。
冬越し
コチレドンは寒さにあまり強くないため、外の気温が5℃を下回ってきたら暖かい室内へ移して管理します。
戸外に置いたままにすると霜や雪に当たって株が凍ることがあります。株が凍ると枯れることがありますが、根が生きていれば春に新芽が出てくる可能性もあるので適切な管理を怠らないようにしましょう。
冬はコチレドンの生育がゆるやかになるため水やりの回数は控えます。月に1~2度、葉がしわしわになってきたら水を与えるようにします。
コチレドンの選び方
コチレドンを購入する際には害虫が付いていないか必ず確認してください。
害虫が付着したものを買ってしまうと株が傷んだり他の植物に被害が及んだりする可能性があります。
葉が間延びしておらず間隔が詰まっていて、全体的に締まった株を選びましょう。
コチレドンの種類・品種
コチレドンの増やし方
コチレドンは挿し木によって株を増やすことができます。
挿し木をする場合、まずは下葉を2~3枚つけた状態で枝をカットします。切り取った枝を2日ほど日陰に置いて切り口を乾燥させましょう。容器に入れた新しい用土の中央に割り箸などで穴をあけ、切り口を乾かした枝を植え付けて完了です。
植え付け後は明るい日陰で管理し、しばらく水を与えないようにします。1週間から10日ほど経ってから水やりをしましょう。
挿し木をおこなう時期にもよりますが、植え付けてから1週間から1か月ほどで発根します。発根したら通常の管理方法に戻します。コチレドンの挿し木は、生育期である3月~6月中旬もしくは9月中旬~11月中旬頃が適しています。
コチレドンの植え替え
成長したコチレドンを同じ鉢で育てていると、鉢の中に根が回って根詰まりを起こしてしまいます。根詰まりは根腐れの原因となるため1~2年に1度を目安に植え替えましょう。
鉢の底から根が出てきたり土が固くなったりしたときも植え替えのタイミングです。
コチレドンの植え替えは以下の手順でおこないます。
- 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 清潔な土を鉢の1/4程度まで入れる
- 鉢から株を抜き出し、根の土を1/3ほど揉み落とす
- 鉢の中央へ株を置いて土を流し入れ、馴染ませる
- 半日陰で管理し1週間~10日後に水を与える
植え替えの際、枯れた葉や茎、傷んだ根は取り除いてしまいましょう。
コチレドンの植え替えは、3月~6月中旬あるいは9月中旬~11月中旬頃が適期です。
病気・害虫
コチレドンにかかりやすい病気には「サビ病」や「軟腐病」が挙げられます。
サビ病は湿気が多い環境でかかりやすく、感染すると葉に赤褐色の小さな斑点ができます。斑点が広がると葉や茎が変形して枯れ落ちてしまいます。
軟腐病は植物に菌が入り込んで葉が腐ってしまう病気です。高温多湿な環境で発生しやすいので、土の水はけは常に良くしておきます。
いずれの病気も発症した箇所は元に戻らないため発見次第すぐに取り除いてください。腐食が全体に広がっている場合は株ごと処分しましょう。
コチレドンにつきやすい害虫にはワタムシやアブラムシがいます。
ワタムシやアブラムシは葉や茎について栄養分を吸い取り、株を弱らせる害虫です。発生したら手や粘着テープで取り除くか、被害が大きい場合は薬剤を使って駆除してください。